皆既食が始まると,辺りは薄暗く,惑星などの明るい星も見え始め,夕暮れのような空になります。
皆既中の太陽が発するコロナの光は,満月よりも暗いのです。
天体の明るさを“等級”という言葉で表すことは,多分,皆さんも聞いたことがあるでしょう。等級は,1等級違うと 2.5倍,5等級違うと100倍明るさが変わってきます。
さて,太陽や月はどれくらい明るいのでしょうか?
太陽の明るさは,等級で表すと-26.7等になります。
月の明るさは満ち欠けによって変わりますが,満月の時で-12.7等です。
太陽と満月では14等級の差があるのですから,単純に計算して,太陽は月より50万倍近くも明るいというわけです。
満月より暗いコロナが,いつもの太陽よりいかに暗いか,想像がついたでしょうか?
参考までに,宵の空に明々と輝く金星(宵の明星)は,一番明るいときで-4.6等,全天一の明るさを誇る恒星シリウスは,-1.5等です。