天文と暦は切っても切れない関係です。
星を見ようと思ったり季節の話題を楽しんだりすれば,きっと何かしら暦に関係する言葉を聞くことになります。私たちは暦の中で生活しているのです。
けれど,暦を深く知ろうとすると難しい計算が必要だったりして,取っつきにくい気がしますね。
暦に関する用語を整理して,暦への理解を深めてみましょう。
暦の中でも毎年のカレンダーを作る方法を暦法(れきほう)といい,暦法は,太陽暦・太陰暦・太陰太陽暦の3つに分けられます。
太陽暦(陽暦,solar calendar)
太陽の運行によって作られた暦で,地球が太陽の周りをまわる周期=太陽年(約365.24219日)を基に作られます。エジプトでは有史以降ずっと太陽暦が使われています。太陽暦として知られる主な暦法には下記のようなものがあります。
太陰暦(陰暦,lunar calendar)
月(太陰)の運行に基づいて作られた暦で,月の満ち欠けの周期=朔望月を基に作られます。1朔望月をひと月とし,12月を1年(太陰年)とします。
太陰暦として知られる暦法としては,イスラムの国で使われるヒジュラ暦があります。
太陰太陽暦(luni-solar calendar)
月と太陽の運行に基づいて作られた暦で,太陰暦を基としつつ太陽の動きも参考に閏月を入れて作られます。
太陰暦で使う朔望月の平均は約29.53059日で,1太陰年は 29.53059×12=354.36708日となり,地球の公転周期 365.24219日より11日も短くなってしまいます。3年で約1ヶ月のずれが生じますから,閏月を設けてその年の1年を13ヶ月とし季節のずれを調整します。
日本で長年利用されてきた暦法も太陰太陽暦です。太陰太陽暦として知られる主な暦法には下記のようなものがあります。
- ギリシア歴
- ローマ歴
- 中国暦
- チベット歴
- 天保暦(旧暦)
日本の暦
日本には,カレンダーとは別に季節と行事を結びつける独特の暦があります。
節句,二十四節気,七十二候,雑節などです。