二十四節気
季節の歩みを話題にするとき,立春・大暑・白露・大雪などの名前をよく耳にしますね。これらは二十四節気と言って,太陽の黄道上の位置によって決められた季節区分です。
5日を一候,三候(15日)を一気とし,一年を二十四気(にじふしき)に分けます。
また,奇数番目を節(節気),偶数番目を中(中気)と呼びます。
二十四節気では,太陽の黄経が0度になった時を“春分”と呼び,そこから太陽が15度進むごとに,清明・穀雨・立夏・小満・芒種・夏至・小暑・大暑・立秋・処暑・白露・秋分・寒露・霜降・立冬・小雪・大雪・冬至・小寒・大寒・立春・雨水・啓蟄という名前がついています。
四立と二至二分
二十四節気の中でも立春・立夏・立秋・立冬は,合わせて四立と言い,季節の始まりを表しています。
例えば暑中見舞いは立秋を過ぎると残暑見舞いになり,寒中見舞いは立春を過ぎると余寒見舞いとなります。なお,これら四立を含むグループが奇数番目の「節(節気)」です。
また冬至・夏至・春分・秋分のことを二至二分と呼び,これらを含むグループが偶数番目の「中(中気)」となります。
七十二候
二十四節気を更に3つに分け,約5日ごとに初候(第1候),次候(第2候),末候(第3候)とし,一年を72候に分けたものが七十二候(しちじゅうにこう)です。
七十二候は紀元前の中国で使われ始め,日本でも早くから取り入れられました。
しかし黄河流域が起源の暦は日本と合わず,江戸時代,貞享暦(じょうきょうれき:1685-1754)の作者,渋川晴海が日本の自然に合わせて改訂した新制七十二候を作りました。その後,雑節(土用や彼岸など)も設けられ,1755年の宝暦暦(ほうりゃくれき)導入時に一部修正され,現在に至っています。
区分が細かすぎる七十二候は実用的でなく,また実体不明な動植物の名も多いことから,現在では半夏生を除きあまり使われていません。
二十四節気 | 七十二候(宝暦暦以降) | |
1月 | 小寒 大寒 | 芹乃栄(せりすなわちさかう) 水泉動(しみずあたたかをふくむ) 雉始(きじはじめてなく) 款冬華(ふきのはなさく) 水沢腹堅(さわみずこおりつめる) 範始乳(にわとりはじめてとやにつく) |
2月 | 立春 雨水 | 東風解凍(はるかぜこおりをとく) 黄鶯遵純(うぐいすなく) 魚上氷(うおこおりをいずる) 土脉潤起(つちのしょううるおいおこる) 霞始靆(かすみはじめてたなびく) 草木萌動(そうもくめばえいずる) |
3月 | 啓蟄 春分 | 蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく) 桃始笑(ももはじめてさく) 菜虫化蝶(なむしちょうとなる) 雀始巣(すずめはじめてすくう) 桜始開(さくらはじめてひらく) 雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす) |
4月 | 清明 穀雨 | 玄鳥至(つばめきたる) 鴻鴈北(こうがんかえる) 虹始見(にじはじめてあらわる) 葭始生(あしはじめてしょうず) 霜止出苗(しもやんでなえいずる) 牡丹華(ぼたんはなさく) |
5月 | 立夏 小満 | 蛙始鳴(かわずはじめてなく) 蚯蚓出(みみずいずる) 竹笋生(たけのこしょうず) 蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ) 紅花栄(べにはなさかう) 麦秋至(むぎのときいたる) |
6月 | 芒種 夏至 | 螳螂生(かまきりしょうず) 腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる) 梅子黄(うめのみきばむ) 乃東枯(なつかれくさかるる) 菖蒲華(あやめはなさく) 半夏生(はんげしょうず) |
7月 | 小暑 大暑 | 温風至(あつかぜいたる) 蓮始開(はすはじめてひらく) 鷹乃学習(たかすなわちわざをなす) 桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ) 土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし) 大雨時行(たいうときどきにふる) |
8月 | 立秋 処暑 | 涼風至(すずかぜいたる) 寒宙鳴(ひぐらしなく) 蒙霧升降(ふかききりまとう) 綿析開(わたのはなしべひらく) 天地始粛(てんちはじめてさむし) 禾乃登(こくものすなわちみのる) |
9月 | 白露 秋分 | 草露白(くさのつゆしろし) 鶺鴒鳴(せきれいなく) 玄鳥去(つばめさる) 雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ) 蟄虫培戸(むしかくれてとをふさぐ) 水始涸(みずはじめてかる) |
10月 | 寒露 霜降 | 鴻鴈来(こうがんきたる) 菊花開(きくのはなひらく) 蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり) 霜始降(しもはじめてふる) 霎時施(こさめときどきふる) 楓蔦黄(もみじつたきばむ) |
11月 | 立冬 小雪 | 山茶始開(つばきはじめてひらく) 地始凍(ちはじめてこおる) 金盞香(きんせんかさく) 虹蔵不見(にじかくれてみえず) 朔風払葉(きたかぜこのはをはらう) 橘始黄(たちばなはじめてきばむ) |
12月 | 大雪 冬至 | 閉塞成冬(そらさむくふゆとなる) 熊蟄穴(くまあなにこもる) 硫魚群(さけのうおむらがる) 乃東生(なつかれくさしょうず) 麋角解(さわしかのつのおつる) 雪下出麦(ゆきわたりてむぎいずる) |