例年,6月に入る前後で九州南部が梅雨入りします。
6月に入ってしばらくすると,九州北部から関東地方までが次々と梅雨入りしていきます。災害が起こらないことを祈りながら迎える日本の6月は,太平洋高気圧と大陸の高気圧が勢力争いをする闘いの月です。
ジュノーに捧げる月
けれどもヨーロッパでの6月は,過ごしやすい季節。
「June」という6月の英名は,“ジュノーに捧げる月”という意味です。
ジュノー(Juno,ユノー)は,ローマ神話の結婚・出産の女神で,ローマ神話の主神ジュピター(ユピテル,Jupiter)の妻です。ギリシア神話ではゼウスの妻ヘラに相当します
古代ローマでは,6月が結婚の季節とされ,この月を結婚や家族を司る女神ジュノーに捧げたのでした。
ジューン・ブライド(June bride,六月の花嫁)は幸せになれるという言い伝えがありますが,6月に結婚をすれば,ジュノーに守られ幸せになれるというわけです。
英米では6月は季候が良く学校の卒業の時期でもあるため,今も結婚式が多い月となっています。
ユニウスの月
「June」の由来としてもう一つ知られているのが,「Junius(ユニウス)の月」というものです。
ユニウスはローマの氏族名です。Junoの由来は,古代ローマ末期の政治家マルクス・ユニウス・ブルトゥス(Marcus Junius Brutus,85 B.C.- 42 B.C.)に関係があるようですが,詳しくは分かりません。
なお,ユニウス・ブルトゥスは,シェイクスピアの『ジュリアス・シーザー』における「ブルータス,お前もか」というセリフで有名な人物です。
馴染みやすいのは,ジューン・ブライドに縁のある「女神ジュノーの月」という説ですね。
6月のお話
・水無月
・芒種と夏至
・入梅・梅雨・五月雨
・Full Flower Moon(花の満月)
・螳螂生(かまきりしょうず)
・サクサイワマンの太陽の祭
・聖ヨハネ祭(St.John’s Day)と Midsummer Day