ルリマツリ(瑠璃茉莉)別名ブルームーン

2024年08月の星空

星空解説

 夏休みで星を見る機会が多くなる8月は,1日~7日が「スター・ウィーク~星空に親しむ週間~」となっています。
 星を見るイベントなど地域の情報などに注意しましょう。

 ・STARWEEK
 ・スター・ウィーク実行委員会(X)


惑星

 水星19日に内合となり観測は難しいでしょう。金星は日没後の西空の低空で条件がよくありません。


 土星みずがめ座を逆行中。深夜の南東から南の空に0.8〜0.6等で見えています。

 土星の環は2009年に真横から見た後,現在は環の北側から眺める形になっています。2017年に環が一番大きく広がった姿になり,現在は2025年秋の環の消失に向かって環が閉じていっている最中で,かなり細くなってきています。
 今年の姿をスケッチなどで残しておくと,年々の移り変わりがよく分かります。

 惑星は初心者でも小望遠鏡で観察しやすい対象です。
 望遠鏡があったら環の形を楽しんでみましょう。高倍率にすると望遠鏡の視野に入れておくのが大変なので,低倍率で十分です。


 火星木星はおひつじ座を巡行中です。
 火星は日の出前の東の空に 0.9〜0.7等で。木星は同じく日の出前の東の空に -2.1〜 -2.3等で見えています。
 15日の夜は火星と木星が近づいて,ほとんどくっ付いたように見えます。

木星と火星の合(2024-08-15)
木星と火星の合(2024-08-15)

 木星も土星と同じく小望遠鏡での観察に適した惑星です。
 望遠鏡があったら,ぜひ低倍率で見てみましょう。縞模様や衛星を見ることができます。

ミラ
木星はギリシャ神話では大神ゼウス。
ガリレオ衛星はゼウスの愛人たちの名前だよ!

 望遠鏡で惑星をとらえたら,是非スケッチをしてみましょう。
 スケッチのために一生懸命見ているうちに目が惑星に慣れ,何度か続けているとだんだん模様がよく見えるようになっていきます。惑星の模様が見える目は,この「慣れ」によって養われます。

 木星の近くに衛星が見えたら, ガリレオ衛星(※)と呼ばれる4個の衛星のどれかです。

※ ガリレオ衛星
 望遠鏡を発明したイタリアの学者,ガリレオ・ガリレイによって1610年に発見された木星の4個の衛星。
 木星に近い順にイオ,エウロパ,ガニメデ,カリストと呼びます。
 ガニメデは太陽系で一番大きな衛星,イオは活火山があることで知られています。


ペルセウス座流星群

 毎年お盆休みの頃に見ごろとなるペルセウス座流星群
 今年の極大は12日の23時頃です。13日が上弦なので,夜半以降は月明かりのない良好な条件となります。極大となる12日深夜〜13日明け方が見頃です。

 ペルセウス座流星群の流星は明け方に向かって増えていきますが,これは流星群の輻射点があるペルセウス座が高くなるのが夜半過ぎだからです。
 輻射点が高くなると見える流星も多くなるというわけです。できたら薄明が始まるまで見てみましょう。

 ペルセウス座流星群は,月がない好条件なら多い年で1時間に60個(HR60)くらいの流星が期待できます。IMO(国際的な流星の組織)の予報には ZHR=100 と記載されています。

 できるだけ空が暗い場所で,寝転がって空全体が見られるようにするのが沢山の流星を見るコツです。ペルセウス座流星群には明るい流星も多く流れます。
 観測を計画しておられる方は,流れ星を見てみよう のページを参考にしてください。


 16日に極大となるはくちょう座κ流星群は,1時間に2~3個の小規模な流星群です。比較的ゆっくり流れ,速く流れるペルセウス座流星群の流星と対照的です。
 火球が見られることがあります。


伝統的な七夕

ケイト
上弦の月齢は,
平均 7.38日!

 今年の旧七夕(伝統的な七夕)は8月10日です(※)。

 旧暦七夕は月齢7の日の夕方です。
 このため月は必ず上弦前で,夜半過ぎると月明かりのない星空が見られます。織り姫星(こと座のベガ)は天頂付近にありますので,見つけてみましょう。
 夏の星座を探してみようのページを参考にしてみて下さいね。

※ 旧暦七夕(伝統的な七夕):
二十四節気の処暑以前で,処暑に最も近い新月を含む日から数えて7日目。2024年は8月22日が処暑,8月4日が新月なので,10日が伝統的七夕となります。


南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬へびつかい座ヘルクレス座りゅう座・さいだん座(☆)
中旬へび座(尾部)
下旬こと座たて座みなみのかんむり座

夏の星座
夏の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲M57 (環状星雲/こと座)
M27 (あれい状星雲/こぎつね座)
散光星雲M8 (干潟星雲/いて座)
M17 (ω星雲,馬蹄型星雲/いて座)
M20 (三裂星雲/いて座)
ほか天の川に多数
散開星団M21・M23・M24・M25 (いて座)
M6・M7 (さそり座)
ほか天の川に多数
球状星団M4・M80 (さそり座)
M10・M12 (へびつかい座)
M13・M92 (ヘルクレス座)
M56 (こと座)
銀河(系外星雲)M51 (子もち星雲/りょうけん座)
M101 (おおぐま座)

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2024年8月のカレンダー

 曜日月相天文現象
1八朔・水の週間
一粒万倍日
4新月のイメージ水星 (☿) が留:17時21分
新月(朔):20時13分
5土用の丑
6広島原爆の日
不成就日
7立秋(太陽の黄経 135度):09時09分
立秋以降は残暑見舞い。
鼻の日
9月が最遠(距離 1.054):10時32分
長崎原爆の日
10旧七夕(伝統的七夕)
11🎌 山の日
12祝日法第3条第2項による休日
ペルセウス座流星群🌠が極大:23時頃
天しゃ
13上弦の月のイメージ上弦:00時19分
14末伏・不成就日
15木星と火星が合:00時22分(離角 -0°18′)
月遅れ盆・戦没者追悼・平和祈念の日
三隣亡
16水星が地球最近(距離 0.608au):05時45分
はくちょう座κ流星群🌠が極大
京都五山送り火
八せん始め・一粒万倍日
18アルゴル型食変光星 アルゴル極小:01時32分
旧ぼん
19水星 (☿) が内合:10時58分
20満月のイメージ天王星(♅)が西矩:01時45分
満月(望):03時26分
小惑星(4)ベスタが :18時02分
21月が最近(距離 0.937):14時02分
22処暑(太陽の黄経 150度):23時55分
不成就日
24京都地蔵ぼん
庚申
26下弦の月のイメージ下弦:18時26分
27旧地蔵ぼん
八せん終わり・三隣亡
28水星 (☿) が留:11時41分
甲子・一粒万倍日
29文化財保護法施行記念日
30不成就日
31二百十日立春を起算日とし210日目)

2024年/令和6年/皇紀2684年/閏年/ 甲辰(きのえたつ)

・山の日 8月11日。山に親しむ機会を得て山の恩恵に感謝する。

惑星用語の説明
月の形の変化について


8月のお話

葉月
August
立秋と処暑
土用波・秋日照り・夏台風・迷走台風
涼風至(七十二候 立秋~処暑)
Grain Moon
ラマス(Lammas Day)
二百十日と二百二十日

ルリマツリ(瑠璃茉莉)別名ブルームーン
ルリマツリ(瑠璃茉莉)

データ出典

・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・アルゴル極小予報 食変光星「アルゴル」観測ガイド(倉敷科学センター)
・東京都神社庁選定「神社暦」