梅雨に入り夜も短く,6月は星を見上げる機会が少なくなる季節ですが,梅雨の晴れ間が広がった日,薄明が終わる頃に天頂付近を見上げてみましょう。オレンジ色の1等星が輝いています。
これはうしかい座 のアルクトゥルスという星で,梅雨時の輝星らしく,雨夜の星(あまいのほし),五月雨星(さみだれぼし)など,風情ある和名を持っています。また麦が熟れる頃に昇る星であることから,麦星,麦熟れ星,麦刈り星などの異名も持っています。農事暦と共に生きた,昔の人々の生活が偲ばれますね。
3日,へびつかい座で土星が衝を迎えます。衝の頃の惑星は,日没頃には東の空に昇り,真夜中に南中,日の出頃に西空へ没するため一晩中見えています。
穏やかな雨上がりの夜がありましたら,望遠鏡を向けてみましょう。そして,望遠鏡の中の惑星の像がピッタリ止まって見えるような夜があったら,ぜひ高倍率で眺めてみましょう。スケッチして今年の姿を記録しておくと翌年との環の開き具合の違いがよくわかります。
2009年に真横から見た土星の環は,2019年へ向かってどんどん開いており,土星らしい環を伴った姿が小望遠鏡でもわかりやすくなっています。
5日には水星が明け方の東の空で西方最大離角となりますが,夜明けが早い季節であるため午前4時には水星も薄明の中に消えてしまい,見つけるのはちょっと大変です。午前3時半,東北東の空で地平線から2°の高さに見える星が水星ですが,ほとんど地平線ギリギリです。しかも大気の影響で暗く見えるため双眼鏡が必須になるでしょう。
南中する星座
午後8時(20時)に南中を迎える,観察しやすい星座たちです。(夏の星座,夏の全天星図)
【上旬】 おとめ座 ・ ケンタウルス座 ・ りょうけん座
【中旬】
【下旬】 うしかい座 ・ コンパス座(☆)
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。
見やすい星雲星団
【球状星団】 M3 (りょうけん座), NGC5139 (ω星団,ケンタウルス座)
【銀河(系外星雲)】 M81・M82 (おおぐま座), M51 (子もち星雲,りょうけん座), かみのけ座~おとめ座銀河群
(星雲星団を見よう・星雲星団一覧表)
日 | 曜 | 月 | 天文現象 |
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2 | 木 | みずがめ座 R(周期387日,変光範囲5.8等-12.4等)が極大光度 | |
3 | 金 | 月が最近:19時55分(視直径33分04秒) 土星が衝:20時50分(へびつかい座,+0.0等,視直径18″.4) |
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5 | 日 | 新月:12時0分 芒種:14時49分。太陽の黄経が75度になる。 海王星が西矩:17時45分 水星が西方最大離角:2時(+0.6等,離角24°.2) |
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7 | 火 | 金星が外合:6時46分 | |
8 | 水 | 木星が東矩:0時51分 | |
10 | 金 | 入梅:20時13分。太陽の黄経が80度になる。 | |
12 | 日 | 上弦:17時10分 | |
15 | 水 | 月が最遠:21時0分(視直径29分30秒) | |
20 | 月 | 満月:20時2分 | |
21 | 火 | 夏至:7時34分。太陽の黄経が 90度になる。 | |
28 | 火 | 下弦:3時19分 |