観測結果をまとめてみよう

 データがたまってきたら,自分の観測結果で光度曲線を作ってみましょう。

 横軸に時刻,縦軸に光度をとってグラフを描くと,ただの数字の羅列だったデータが,突然意味のある曲線になって現れます。


光度曲線の作成と活用

 光度曲線を描いたら,極大・極小をや変光周期を予想するなど,活用してみましょう。

 観測を重ねていくうちに,自分の観測の癖がわかるようになり,自分の好みの変光星タイプや観測スタイルも決まってきて,自分なりの変光星観測を楽しむことができるようになると思います。


 下のグラフが,実際に観測した結果をプロットした光度曲線です。

ミラの光度曲線
たて座Rの光度曲線
アルゴルの光度曲線

ユリウス日

 光度曲線を描くときに,横軸の時刻をユリウス日で表します。
 ユリウス日(Julian Day, JD)はユリウス通日ともいい,紀元前4713年1月1日12時(世界時)から起算して数えた通日のことです。
 『天文年鑑』などで調べることができますし,国立天文台の暦電算室で簡単に算出できます。

ユリウス日 – 国立天文台暦計算室

 算出は次の式で行います。

JD=Y+M+D-0.5

 ユリウス日の算出はUTC(協定世界時)で求めますので,まずデータの時刻をUTCに変換します。JST(日本標準時)から9時間を減じればUTCになります。

例えば

JST(日本標準時)の2020年4月23日22時26分
= UTC(協定世界時)の2020年4月23日13時26分

 それでは,2020年4月23日13時30分(世界時)のユリウス日を算出してみましょう。

 Y(年)とM(月)の値は下の表から求めます。
 Mの値は平年と閏年で異なりますので注意しましょう。

2020年  Y=2458849
4月(閏年) M=91

Dの値は日付に時刻を足して求めます。
時刻は,1日を1.0とした小数で表します。

13時26分の場合,
24時間は1440分,13時26分は806分なので,
806/1440=0.560 です。

日付=23日,時刻=0.560からDが決まります。

D=23+0.560=23.560

よってユリウス日(JD)は下記の値となります。

JD=Y+M+D-0.5
 =2458849+91+23.560-0.5
 =2458963.06

YY
2011
2012
2013
2014
2015
2016
2017
2018
2019
2020
2455562
2455927
2456293
2456658
2457023
2457388
2457754
2458119
2458484
2458849
2021
2022
2023
2024
2025
2026
2027
2028
2029
2030
2466520
2466885
2467250
2467615
2467981
2458346
2468711
2469076
2469442
2469807
YY
2031
2032
2033
2034
2035
2036
2037
2038
2039
2040
2462867
2463232
2463598
2463963
2464328
2464693
2465059
2465424
2465789
2466154
2041
2042
2043
2044
2045
2046
2047
2048
2049
2050
2466520
2466885
2467250
2467615
2467981
2458346
2468711
2469076
2469442
2469807
YY
2051
2052
2053
2054
2055
2056
2057
2058
2059
2060
2470172
2470537
2470903
2471268
2471633
2471998
2472364
2472729
2473094
2473459
2061
2062
2063
2064
2065
2066
2067
2068
2069
2070
2473825
2474190
2474555
2474920
2475286
2475651
2476016
2476381
2476747
2477112
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
M (平年)  0 31 59 90 120 151 181 212 243 273 304 334
M (閏年)  0 31 60 91 121 152 182 213 244 274 305 335

初心者必見! 太陽や月や星を眺めるためのちょっとしたコツや,知っていればより楽しくなる情報です。