梅雨末期の集中豪雨に始まり,梅雨明け十日の最も暑い季節に終わる7月は,日本の四季で最も劇的な月なのかもしれません。
ユリウス・カエサルの誕生月
そんな7月を日本では秋の面影を含んだ文月という名で呼んでいましたが,英語名 Julyは,熱く生涯を駆け抜けたローマの武将ジュリアス・シーザー(ユリウス・カエサル ※)の誕生月であることにちなんでいます。
古代ローマ暦では元々7月のことを「第5の月:Quintilis」と呼んでいましたが,シーザー(カエサル)が自分の誕生月に自らの名を与えたのでした。
シーザーは各地の内乱を鎮圧してローマの権力を拡大し,やがて独裁者として君臨しましたが,紀元前44年,反抗者の手によって元老院議事堂で殺されています。その間,エジプトの女王クレオパトラとの色恋の噂もあり,まさに劇的な生涯を送ったと言えましょう。
シーザーは武将以外にも,政治家として文筆家として才を発揮し,著書『ガリア戦記』『内乱記』はラテン文学の雄編として知られています。
Caesar(カエサル)の名は,後にローマ皇帝の称号として残ることになりました。
※Julius Caesar, 12 July 100 BC – 15 March 44 BC
6月の「June」はジュリアス・シーザー暗殺を執行したマルクス・ユニウス・ブルトゥスにちなむ「ユニウスの月」が由来という説があり,翌7月は暗殺されたジュリアスの月「July」。
何だか因縁めいたものを感じてしまいますが,おかげで覚えやすいですね。
7月のお話
- 文月
- July
- 小暑と大暑
- 山開き・洗車雨・酒涙雨・送り梅雨・戻り梅雨・梅雨明け・梅雨明け十日・かんかん照り・油照り
- Hay Moon(干し草の満月)
- 温風至(あつかぜいたる)
- 半夏生(ハンゲショウ)