星空解説
夜が短く梅雨空が続く6月は,星空を楽しむ条件はちょっと悪いですね。けれど,雨上がりには澄んだ空が広がります。
五月雨星
梅雨の晴れ間が広がった夜に空を見上げてみましょう。
夕刻の薄明が終わる頃,天頂付近にオレンジ色の1等星が輝いています。
これはうしかい座 のアルクトゥルス。
梅雨の季節の星空でハイライトになる星です。
アルクトゥルスは, 雨夜の星(あまいのほし),五月雨星(さみだれぼし)など,梅雨時の輝星らしい風情ある和名を持っています。
また,麦が熟れる頃に昇る星であることから,麦星,麦熟れ星,麦刈り星などの異名も持っています。農事暦と共に生きた昔の日本人の生活が偲ばれますね。
アルクトゥルスの探し方は 春の星座を探してみよう のページを参考にしてください。
6月の惑星
16日に東方最大離角を迎える水星が,日没後の西空で比較的高く,見やすくなります。
16日の19時半の地平線高度が12°で,これは水星としてはかなり見やすい高さです。
16日夕刻の西空には細い月と金星・木星も並び,賑やかな星景が楽しめます。

火星はおひつじ座からおうし座を移動中で,明け方の東の空低く見ることができます。まだ高度が低いですが,月末に向かって徐々に見やすくなっていきます。
土星はうお座を移動中で,午前3時頃になると地平線高度が25°くらいとなり見やすくなってきます。
土星の環は2025年3月24日の消失(環を真横から見る状態)の後,環を南側から眺める状態となっています。2025年11月下旬にも準消失となり,現在はまだ細い状態です。
土星の環が次に一番開いて見えるのは2032年5月頃で,現在はその日に向かって環が開いて見えるようになっていっているところです。
環の様子は毎年変わりますので,小望遠鏡があったら土星の様子をスケッチに残しておきましょう。
火星や木星や土星などの惑星は,繰り返しよく見ていると,だんだん目が慣れて模様が見えるようになってきます。スケッチは惑星を見る目を育てるのにとても良い手段です。
望遠鏡を持たない方は,地域にある公共の天文台の観望会などを捜して行ってみましょう。
南中する星座
午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。
見やすい星雲星団
| 惑星状星雲 | |
|---|---|
| 散開星団 | |
| 球状星団 | M3 (りょうけん座), NGC5139 (ω星団/ケンタウルス座) |
| 銀河(系外星雲) | M81・M82・M101 (おおぐま座), M65・M66 (しし座), かみのけ座~おとめ座銀河群 |
2026年6月のカレンダー
| 日 | 曜日 | 月相 | 天文現象 |
| 1 | 月 | 月が最遠(距離1.057):13時33分 気象記念日・写真の日・電波の日 | |
| 2 | 火 | 横浜開港記念日 | |
| 3 | 水 | 測量の日 | |
| 4 | 木 | 歯と口の健康週間 | |
| 5 | 金 | 世界環境デー・不成就日 | |
| 6 | 土 | 芒種(太陽の黄経 75度):00時48分 | |
| 7 | 日 | 八せん始め | |
| 8 | 月 | ![]() | 下弦:19時01分 |
| 9 | 火 | 三隣亡 | |
| 10 | 水 | 木星と金星が合(離角-1°36′):04時59分 時の記念日 | |
| 11 | 木 | 入梅(太陽の黄経 80度):06時14分 | |
| 12 | 金 | 一粒万倍日 | |
| 13 | 土 | 不成就日・一粒万倍日 | |
| 15 | 月 | ![]() | 月が最近(距離0.929):08時20分 新月(朔):11時54分 庚申 |
| 16 | 火 | 水星(☿)が東方最大離角(離角24°31′):05時 | |
| 17 | 水 | アルゴル型食変光星 アルゴル極小:03時42分 | |
| 18 | 木 | 八せん終り | |
| 19 | 金 | 旧端午 陰遁(いんとん)始め・甲子 不成就日 | |
| 21 | 日 | 夏至(太陽の黄経 90度):17時25分 父の日・三隣亡 | |
| 22 | 月 | ![]() | 上弦:06時55分 |
| 23 | 火 | 沖縄慰霊の日 芝愛宕神社千日詣ほおずき縁日 | |
| 24 | 水 | 芝愛宕神社千日詣ほおずき縁日 己巳・一粒万倍日 | |
| 25 | 木 | 一粒万倍日 | |
| 26 | 金 | 海王星(♆)が西矩:07時38分 | |
| 27 | 土 | 不成就日 | |
| 28 | 日 | 月が最遠(距離1.057):06時11分 貿易記念日 | |
| 29 | 月 | 水星(☿)が留:10時58分 | |
| 30 | 火 | ![]() | 満月(望):08時57分 大祓(おおはらへ)・夏越祭 |
2026年/令和8年/皇紀2686年/平年/ 丙午(ひのえうま)
6月のお話
・水無月
・June
・芒種と夏至
・入梅・梅雨・五月雨
・Flower Moon(花の満月)
・螳螂生(かまきりしょうず)
・サクサイワマンの太陽の祭り
・聖ヨハネ祭と Midsummer Day

データ出典:
・暦 国立天文台 電算室
・流星 主な流星群一覧(2026年の極大日)|やさしい88星座図鑑
・アルゴル極小予報 食変光星「アルゴル」の主極小予報 | 天文特集 | 倉敷科学センター
・東京都神社庁選定「神社暦」





