2019年7月の星空

星空解説

 7月前半は梅雨の最中で雨が多く夜も短く,星を見るには条件がよくありませんが,学校が夏休みに入る頃になると梅雨明けし,安定した晴れの日が続くようになります。
 このような,太平洋高気圧に覆われ安定した梅雨明け後の天気のことを,梅雨明け十日と呼びます。夏休みに入ると林間学校やキャンプなどで星を見る機会も増えますね。
 今年は8月1日が新月で,7月は後半になるにつれ星空の条件が良くなります。

 さて,7月と言えば七夕。
 七夕の日は例年梅雨の最中で星が見えないことも多いのですが,織り姫(こと座のベガ)と彦星(わし座のアルタイル)は都会の空の下でもよく見える明るい星です。晴れ間がのぞいたら,ぜひ空を見上げてみて下さい(夏の星座を探してみよう)。
 今年は3日が新月,9日が上弦で,七夕の頃は月明かりにじゃまされず星空を見ることができます。
 曇ってしまったら,8月7日の旧暦七夕を待ちましょう。

 10日いて座土星を迎え観望好機です。
 午後10時には見やすい位置へ上ってきますし、南の空には1ヶ月前の6月11日に衝を迎えたばかりの木星も輝いています。夏の惑星は衝の頃でも低い位置になりますが,木星と土星の間を夏の銀河が流れ,豪華な星空が見られます。
 土星は2025年の環の消失に向かって環が年々閉じていっている最中で,今年の姿をスケッチなどで残しておくと,年々の移り変わりがよく分かります。

2019年7月10日 土星が衝

 15日に準惑星の冥王星がいて座を迎えます。
 冥王星は衝でも暗くて肉眼では見えません。初心者が見るのは難しい星ですので,見たい方は公共天文台の観望会などで見せてもらいましょう。

 毎年夏休みは流れ星が多い季節でもあります。
 7月下旬には8月のペルセウス座流星群も流れ始め,7月中旬~8月中旬は幾つかの流星群が同時に活動をしています。そういうわけで,一年の中でも特に流れ星が多い時期となっているのです。
 今年は8月1日が新月ですので,7月末に揃って極大を迎えるみずがめ座δ南流星群およびやぎ座α流星群が条件最良となっています。みずがめ座δは1時間あたり15個,やぎ座αは1時間あたり5個の流星数が予想されています。
 星空を見上げる機会がありましたら,流れ星にも注意してみてください。


南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません

夏の星座夏の全天星図


見やすい星雲星団

  • 惑星状星雲
    • M57 (環状星雲,こと座)
  • 散光星雲
    • M8 (干潟星雲,いて座),M17 (ω星雲,馬蹄型星雲,いて座),M20 (三裂星雲,いて座),ほか天の川に多数
  • 散開星団
    • M21・M23・M24・M25 (いて座),M6 ・M7 (さそり座),ほか天の川に多数
  • 球状星団
    • M3 (りょうけん座),M4・M80 (さそり座),M5 (へび座),M10・M12 (へびつかい座),M13・M92 (ヘルクレス座)
  • 銀河(系外星雲)
    • M51 (子もち星雲,りょうけん座),M101 (おおぐま座)

星雲星団を見よう 星雲星団一覧表


今月のカレンダー

日 曜日月相天文現象
2半夏生:12時31分。太陽の黄経が 100度になる。
3?新月:4時16分
皆既日食(日本からは見られない)
4火星  潜入:15時05分 出現:15時26分(東京)
5 地球が遠日点を通過(152,104,285km):7時11分
月が最近:14時0分(視直径32分51秒,0.946)
7七夕
小暑:18時21分。太陽の黄経が 105度になる。
9?上弦:19時55分
10土星が:1時10分(いて座,+0.1等,視直径18″.4)
15海の日
準惑星 冥王星(小惑星番号134340)が:1時32分(いて座,+14.2等)
17? 満月:06時38分
部分月食(インド洋~アフリカ方面)
冥王星(14.2等)が12.9等星を掩蔽:21時45分
18小惑星 (2) パラスが東矩:10時42分
19からす座 R(周期319日,変光範囲6.7等-14.4等)が極大光度
20夏の土用の入り:8時23分。太陽の黄経が 117度になる。
夏の土用入りから立秋までの間に暑中見舞いを出す。
21水星が内合:6時52分
月が最遠:8時59分(視直径29分28秒,1.055)
23大暑:11時50分。太陽の黄経が 120度になる。
25
?下弦:10時18分
天王星が西矩:15時50分
26うお座 R(周期345日,変光範囲7.0等-16.8等)が極大光度
31みずがめ座 δ南流星群?が極大(条件最良):3時
やぎ座 α流星群?が極大(条件最良):3時

惑星用語の説明 月の形の変化について