北極星ってどんな星?
さぁ,星が見えてきたらまず方角を確かめてみましょうか。真っ暗な知らない場所でも,星さえ見えていれば安心です。星空には,方角を教える案内人,北極星が輝いてますから。
北極星のことは皆さんも聞いたことがあるでしょう? そうです,真北の空で一晩中一年中ずっと動かずにいる星のことです。北極星さえ見つけたら自然と東西南北がわかるのです。そういうわけで,北極星は昔から方角を教える星として重宝されてきました。
他の全ての星は,北極星を中心に東から西へと円を描きながら1日に一回転しています。
では,北極星が何座にあるか知っていますか?
北極星も,他の星たちと同じように星座を構成している星の一つで,こぐま座という星座に所属しています。
星座を構成するような明るい星たちは,同じ星座の中で明るい順にギリシャ文字の α(アルファ),β(ベータ),γ(ガンマ)….という名前をつけられていますが,北極星はこぐま座で一番明るい星なので,“こぐま座α”と呼んで識別されています。(ギリシャ文字のアルファベットの読み方)
こぐま座は北斗七星をを小さくしたような星の並びをしていて,水を汲む柄杓(ひしゃく)の形に似ていることから,北斗七星を“大柄杓”,こぐま座を“小柄杓”と呼んだりします。
さて,それでは実際に北極星を探してみましょう。わかるでしょうか? 漠然と北の空を探してみても,どれが北極星か分かりにくいかもしれませんね。ましてやどちらが北かもわからない知らない場所では,困ってしまいます。
こういう時は,北斗七星とカシオペヤ座を使って北極星を探します。
北斗七星は春から夏に,カシオペヤ座は秋から冬に見えやすくなり,両方とも明るく見つけやすい特徴ある星の並びをしています。また,どちらかがが見えにくい季節にはもう一方が必ず見えていますから,年中困ることはありません。
北斗七星から探してみよう
まず,北斗七星から北極星を探してみましょう。
北斗七星は,おおぐま座という星座の中にある七つの星の並びのことで,星座の名前ではありません。そう,“ほくとしちせい座”という星座はないのです。おおぐま座になった熊は,ギリシア神話の中では北極星のあるこぐま座の熊のお母さん。親子の熊は悲しい運命を背負ってずっと北の空を回り続けていることになっています。
北斗七星の七つの星の並びはよく目立ち,日本でも古くから注目されていて,たくさんの和名が知られています。もし北斗七星を見つけられない理由があるとしたら,想像するよりずっと大きな星の並びであるせいかもしれません。
北斗七星はおおぐま座の一部でありながら,腕をいっぱいに伸ばしたときの自分の手のひらより,もっと大きく広がって見えます。特徴的なその姿をしっかりと覚えて,春の夜なら北を向いて空の高いところを見上げてください。
一度覚えてしまえば,あとはどこへ行っても見つけられるようになるでしょう。
北斗七星が見つかれば,あとは簡単です。北斗七星のβ星とα星とを結んで、柄杓の底から縁に向かって約5倍伸ばすのです。明るく輝いている星が見つかりましたね。それが北極星です。
さぁ,下の星図で確認してみましょう。見つけ方がわかったら,今度は線のない星図で北極星を探してみましょう。
※星図はクリックしたら大きくなります。
カシオペヤ座から探してみよう
次に,カシオペヤ座から北極星を探してみましょうか。
カシオペヤ座は星座の名前ですが,北極星探しに使うのは,カシオペヤ座の中にある五つの星の並びです。2等星と3等星から成るこの星たちは,アルファベットの「W」か「M」に似た特徴ある形をしています。頭の真上にあるときはMの字,西に傾いていくとだんだんWに見えてきて,北斗七星よりやや小さめに集まっています。
ところで,“カシオペヤ”って何のことかと疑問に思うかもしれませんね。聞き慣れない名前です。それもそのはずで,カシオペヤは神話に出てくる古代エチオピアの王妃様の名前なのです。カシオペヤ座の周辺には,娘のアンドロメダ姫や夫のケフェウス王など神話にまつわる人々がたくさん星座になっていますから,あとで秋の星座を見るときに一緒に探してみることにしましょう。
それでは今日の本題,北極星探しです。
北斗七星の時より少しばかり複雑に見えるかもしれませんが,図をよく見ながら星をたどってみて下さい。
M字型(W字型)の,外側の線2本(β→α,ε→δ)を伸ばし,交わった点と真ん中のγ星を結んで,その方向に約5倍伸ばしてみましょう。明るい星に出会いませんか? そう,北極星です。5倍という数字は北斗七星と同じで覚えやすいですね。
北斗七星が見えにくい秋・冬の夜には,カシオペヤ座を使って北極星を探しましょう。
さぁ,方角はわかりましたか?
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