アサガオ

2023年08月の星空

星空解説

 夏休みで星を見る機会が多くなる8月は,1日~7日が「スター・ウィーク~星空に親しむ週間~」となっています。
 星を見るイベントなど地域の情報などに注意しましょう。

 ・STARWEEK
 ・スター・ウィーク実行委員会(Twitter)


惑星

土星

 土星はみずがめ座を逆行中で,27日にを迎え見頃です。

 衝の頃の惑星は,午後10時には見やすい位置へ上ってきます。
 夏の惑星は南中しても低い位置になりますが,0.4等の土星は街中でもよく見えます。

 惑星は初心者でも小望遠鏡で観察しやすい対象です。
 望遠鏡があったら環の形を楽しんでみましょう。高倍率にすると望遠鏡の視野に入れておくのが大変なので,低倍率で十分です。

 土星の環は2009年に真横から見た後,現在は環の北側から眺める形になっています。2017年に環が一番大きく広がった姿になり,現在は2025年の環の消失に向かって環が閉じていっている最中で,かなり細くなってきています。
 今年の姿をスケッチなどで残しておくと,年々の移り変わりがよく分かります。

2023-08-15 午前2時 東京の空
2023-08-15 午前2時 東京の空

木星

 木星はおひつじ座を逆行中で,夜明け前の南東の空に昇ってきます。明るさは -2.4〜-2.6等で,薄明の中でも明るく輝いています。

 木星も小望遠鏡での観察に適した惑星です。
 望遠鏡があったら,ぜひ低倍率で見てみましょう。縞模様や衛星を見ることができます。

 望遠鏡で惑星をとらえたら,是非スケッチをしてみましょう。
 スケッチのために一生懸命見ているうちに目が惑星に慣れ,何度か続けているとだんだん模様がよく見えるようになっていきます。惑星の模様が見える目は,この「慣れ」によって養われます。

ミラ
木星はギリシャ神話では大神ゼウス。
ガリレオ衛星はゼウスの愛人たちの名前だよ!

 木星の近くに衛星が見えたら, ガリレオ衛星(※)と呼ばれる4個の衛星のどれかです。

※ ガリレオ衛星
 望遠鏡を発明したイタリアの学者,ガリレオ・ガリレイによって1610年に発見された木星の4個の衛星。
 木星に近い順にイオ,エウロパ,ガニメデ,カリストと呼びます。
 ガニメデは太陽系で一番大きな衛星,イオは活火山があることで知られています。


ペルセウス座流星群

 毎年お盆休みの頃に見ごろとなるペルセウス座流星群。今年の極大は13日の17時頃です。今年は16日が新月で,月の出は午前2時頃。月明かりもなく観察条件は良好です。

 ペルセウス座流星群のピークを観察するなら12日〜13日の夜になります。
 ピークは13日の夜明け後なので,流星が増えていく状態で夜明けを迎えることになります。

 輻射点があるペルセウス座が高くなるのは夜半過ぎ。輻射点が高くなると見える流星も多くなり,明け方の極大に向かって条件が良くなっていきます。できたら薄明が始まるまで見てみましょう。

 ペルセウス座流星群は,月がない好条件なら多い年で1時間に60個(HR60)くらいの流星が期待できます。IMO(国際的な流星の組織)の予報には ZHR=100 と記載されています。

 できるだけ空が暗い場所で,寝転がって空全体が見られるようにするのが沢山の流星を見るコツです。今年は満月が煌々と輝いていますから,月を視野に入れない工夫も必要です。
 ペルセウス座流星群には明るい流星も多く流れますので,満月でも明るい流星を見ることができます。観測を計画しておられる方は,流れ星を見てみよう のページを参考にしてください。


 はくちょう座κ流星群は1時間に2~3個の小規模な流星群です。比較的ゆっくり流れ,速く流れるペルセウス座流星群の流星と対照的です。
 火球が見られることがあります。


伝統的な七夕

ケイト
上弦の月齢は,
平均 7.38日!

 今年の旧七夕(伝統的な七夕)は8月22日です(※)。

 旧暦七夕は月齢7の日の夕方。
 なので月は必ず上弦前で,夜半過ぎると月明かりのない星空が見られます。織り姫星(こと座のベガ)は天頂付近にありますので,見つけてみましょう。
 夏の星座を探してみようのページを参考にしてみて下さいね。

※ 旧暦七夕(伝統的な七夕):
二十四節気の処暑以前で,処暑に最も近い新月を含む日から数えて7日目。


スーパームーンとブルームーン

 8月31日の満月は,月最近と重なり大きな満月=スーパームーンとなります。また8月2回目の満月であるため,ブルームーンでもあります。

 また,この日は明け方に土星と月が合となり,満月のすぐ近くに土星が輝いているのを見ることもできます。

満月の大きさ比較
大きな満月と小さな満月

  スーパームーンという言葉はアメリカの占星術師リチャード・ノル(Richard Nolle)氏が定義したもので,天文学とは関係ありません。けれど,月が楕円軌道を描いて地球を周回していること,月と地球の距離が一定ではないことを知る良いチャンスです。

 地球と月は近い時と遠い時で 4万キロも距離が変わり,満月の見かけの直径も最大で14%も異なっているのです。

 スーパームーンの時には潮汐力が強まり,砂浜の浸食が50%増すという研究結果も出ています。

ブルームーン
ケイトとミラのスーパームーン (1) 
「スーパームーン」で砂浜浸食50%増し、海岸管理者への警告 | 日経クロステック(xTECH)


南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬へびつかい座ヘルクレス座りゅう座・さいだん座(☆)
中旬へび座(尾部)
下旬こと座たて座みなみのかんむり座

夏の星座
夏の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲M57 (環状星雲/こと座)
M27 (あれい状星雲/こぎつね座)
散光星雲M8 (干潟星雲/いて座)
M17 (ω星雲,馬蹄型星雲/いて座)
M20 (三裂星雲/いて座)
ほか天の川に多数
散開星団M21・M23・M24・M25 (いて座)
M6・M7 (さそり座)
ほか天の川に多数
球状星団M4・M80 (さそり座)
M10・M12 (へびつかい座)
M13・M92 (ヘルクレス座)
M56 (こと座)
銀河(系外星雲)M51 (子もち星雲/りょうけん座)
M101 (おおぐま座)

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2023年8月のカレンダー

 曜日月相天文現象
1八朔・水の週間
2満月のイメージ満月:3時32分
月が最近(距離 0.930):14時52分
3天一天上
4天しゃ・一粒万倍日・三隣亡
7木星(♃)が西矩:9時3分
一粒万倍日
8下弦の月のイメージ立秋(太陽の黄経 135度):3時23分
立秋以降は残暑見舞い。
金星が遠日点を通(距離 0.728au):8時57分
下弦:19時28分
不成就日
9長崎原爆の日・三隣亡
10水星 (☿) が東方最大離角:11時(離角 27°24)
末伏・一粒万倍日
11水星が遠日点を通(距離 0.467au):3時25分
🎌 山の日
13ペルセウス座流星群🌠が極大:17時
金星(♀)が内合:20時16分
14金星が地球最近(距離 0.289au):0時11分
15月遅れ盆・戦没者追悼・平和祈念の日
16新月のイメージ天王星(♅)が西矩:11時35分
新月:18時38分
月が最遠(距離 1.058):20時54分
京都五山送り火
18天しゃ・不成就日
20はくちょう座κ流星群🌠が極大
21三隣亡
22旧七夕(伝統的七夕)
八せん始め・一粒万倍日
23処暑(太陽の黄経 150度):18時1分
24上弦の月のイメージ上弦:18時57分
京都地蔵ぼん
26不成就日
27土星が:11時28分(みずがめ座,+0.4等)
土星が地球最近(距離 8.763au):20時
29文化財保護法施行記念日
30 旧ぼん
31満月のイメージ月が最近(距離 0.929):0時54分
土星と月が合:4時33分(離角 2°16′)
満月:10時36分
スーパーフルムーン ブルームーン

2023年/令和5年/皇紀2683年/平年/ 癸卯(みつのとう)

惑星用語の説明
月の形の変化について


8月のお話

葉月
August
立秋と処暑
土用波・秋日照り・夏台風・迷走台風
涼風至(七十二候 立秋~処暑)
Grain Moon
ラマス(Lammas Day)

アサガオ
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データ出典

・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・流星 流星電波観測国際プロジェクト
・東京都神社庁選定「神社暦」