落ち葉

2023年11月の星空

星空解説

 11月は日暮れが早く,空は高く澄み渡り,晴れの日も多く,本格的寒さはまだ。星を見るにはよい季節です。
 夜半になると賑やかな冬の星座も見やすい位置まで上ってきます。


惑星

衝を迎える木星と天王星

 3日に木星が,14日天王星を迎えます。

 木星はひときわ明るく輝いており,都会の街明かりの下でもすぐに見つけられます。また小望遠鏡でも捉えやすく,低倍率でも縞模様や衛星を見ることができます。

 望遠鏡で惑星をとらえたら,是非スケッチをしてみましょう。
 スケッチのために一生懸命見ているうちに目が惑星に慣れ,何度か続けているとだんだん模様がよく見えるようになっていきます。惑星の模様が見える目は,この「慣れ」によって養われます。
 木星の近くに衛星が見えたら, ガリレオ衛星(※)と呼ばれる4個の衛星のどれかです。

※ ガリレオ衛星
 望遠鏡を発明したイタリアの学者,ガリレオ・ガリレイによって1610年に発見された木星の4個の衛星です。
 木星に近い順にイオ,エウロパ,ガニメデ,カリストと呼びます。
 ガニメデは太陽系で一番大きな衛星,イオは活火山があることで知られています。


ミラ
地域の星空観望会があったら行ってみよう!

 衝の頃の天王星の明るさは,5.7等級。
 暗く条件の良い空の下,視力の良い人なら,かろうじて肉眼で確認できます。

 ですから双眼鏡があれば市街地でも確認することができます。また,小望遠鏡なら面積を持った円盤状に見ることができます。

 下の図は衝の日の天王星の位置です。
 木星とすばる(プレアデス星団)を結んだ線の真ん中くらいです。
 天王星は数日経ってもほとんど変わらない場所に見えます。月明かりのない晴れた日に探してみましょう。
 図はクリックして拡大して見てくださいね。

2023-11-14 23:00 天王星
2023-11-14 23:00 天王星

惑星と月の合

 金星と土星と木星が,月と接近する様子が見られます。それぞれの合の頃の星図を載せておきますので参考にして下さい。

 夜明けの金星と月は風景を入れて写真に撮っても綺麗です。

金星と月の合(2023-11-09 05:30)
金星と月の合(2023-11-09 05:30)
土星と月の合(2023-11-20 20:00)
土星と月の合(2023-11-20 20:00)
木星と月の合(2023-11-25 19:00)
木星と月の合(2023-11-25 19:00)

流星群

おうし座流星群

 おうし座南流星群が5日に,おうし座北流星群が12日に極大を迎えます。
 どちらもHR=5個程度の小さな流星群で,見られるのはせいぜい1時間に2個程度。流星群だからといって沢山流れるわけではありません。

 流星の数は少ないものの,ほぼ一晩中観察でき,9月25日~11月25日頃まで長い期間見られます。
 ゆっくり流れ,火球が多いこともこの群の特徴です。空を見上げる機会があったら思い出してみましょう。

 母天体は2P/エンケ彗星です。


しし座流星群

 しし座流星群は,18日午後に極大となります。

 月齢4で月明かりはありませんが,極大が日中なので条件は今ひとつです。
 21日22時頃には,ダストトレイルとの接近予報が出ています。放射点が昇る前ですが,予報はずれる可能性もあり,ダストトレイルの規模も不明です。21日の夜半前は,もしかしたら流星が見られるかもしれません。

ケイト
しし座流星群は,2002年に素晴らしい流星雨になったの。
次の母彗星の回帰でまた見られるといいね!

 しし座流星群の流れ星は,痕を残して高速で流れるのが特徴。しし座が上ってくる明け方に沢山流れます。
 流星観察は11月でもたいへん冷え込みますので,十分に防寒対策をして行いましょう。→ 流れ星を見てみよう

  しし座流星群の母天体,55P/テンペル・タットル彗星は2014年に遠日点を通過し,2031年5月の近日点通過に向けて太陽に近づいてきていますので今後が楽しみな流星群です。


南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬
中旬きょしちょう座(☆)
下旬アンドロメダ座うお座ちょうこくしつ座

秋の星座
秋の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲NGC7293 (らせん状星雲/みずがめ座)
散光星雲
散開星団M34 (ペルセウス座)
M52 (カシオペア座)
h-χ (二重星団/ペルセウス座)
球状星団M2 (みずがめ座)
M15 (ペガスス座)
M30 (やぎ座)
銀河(系外星雲)M31 (アンドロメダ大星雲/アンドロメダ座)
M33 (さんかく座)
M77 (くじら座)

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2023年11月のカレンダー

 日 曜日月相天文現象
1計量記念日・灯台記念日
米穀年度始め・自衛隊記念日
八せん終わり
2木星が地球最近(距離 3.982au):6時04分
3木星(♃)が:14時2分(-2.9等)
🎌文化の日
5下弦の月のイメージ土星が留:2時00分
下弦:17時37分
おうし座南流星群🌠が極大
7水星が遠日点を通過(距離 0.467au):2時41分
月が最遠(距離 1.052):6時49分
8立冬(太陽の黄経 225度):1時36分
世界都市計画の日・不成就日
9金星が月と合(金星食・離角 -0°53′):19時23分
太陽暦採用記念日
11一の酉
世界平和記念日・一粒万倍日
12おうし座北流星群🌠が極大
一粒万倍日
13新月のイメージ朔(新月):18時27分
天王星が地球最近(距離 18.631au):20時46分
旧亥の子餅・炉開き(亥の子の祝い)
三隣亡
14天王星(♅)が:2時21分(+5.7等)
15七五三
16不成就日
18しし座流星群🌠が極大(条件悪):14時
火星(♂)が:14時43分
19一茶忌
20上弦の月のイメージ上弦:19時50分
21準惑星 (1) ケレスが :0時36分
土星が月と合(離角 2°30′):0時45分
22月が最近(距離 0.962):6時01分
小雪(太陽の黄経 240度):23時03分
とおかんや(旧暦10月10日)
十方ぐれ入り
23土星(♄)が東矩:18時47分
🎌勤労感謝の日
二の酉・一粒万倍日
24不成就日・一粒万倍日
25木星が月と合(離角 -2°32′):18時43分
三隣亡
27満月のイメージ望(満月):18時16分
28金星が近日点を通過(距離 0.718au):21時31分

2023年/令和5年/皇紀2683年/平年/ 癸卯(みつのとう)


11月のお話

霜月
November
立冬と小雪
霜・霜柱・小春日和・木枯らし一号
山茶始開(七十二候 立冬~小雪)
Harvest Moon
アドベント

落ち葉
落ち葉

データ出典:

・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・流星 流星電波観測国際プロジェクト
・東京都神社庁選定「神社暦」