2017年2月の星空

 厳寒期ですが,冬の星座は明るい星が多く豪華です。防寒対策をしっかりして星座観察をしてみましょう。星座を結ぶのが苦手な人でも,オリオン座のような特徴ある星の並びがある冬は,他の季節より星座を見つけるのが楽になります。

 先月東方最大離角を迎えた金星が,17日に最大光度となり夕刻の西空でひときわ明るい一番星となります。
 金星は小望遠鏡で覗いてみても木星のように模様が見えたりはしませんが,三日月のような形が日々変化していく様子を観察することが出来ます。

 11日の満月では半影月食が起こります。残念ながら日本では見られませんが,月全体が半影に入る半影皆既月食と呼ばれる珍しい半影月食です。前回は2006年3月15日で11年ぶり。次回は36年後の2053年8月29日です。半影月食はほんの少し暗くなるだけで肉眼で見ていてもほぼ分からないものですが,この半影月食は本影に近いため,うっすらと暗くなる様子が少しは観察しやすくなります。

半影月食 始 半影皆既月食 始 食最大 半影皆既月食 終 半影月食 終
7h32m.2 9h30m.2 9h43m.9 9h57m.5 11h55m.5

 14~15日にかけてのおとめ座 γ星(2.8等)の星食は,月齢17.6の大きな月ですが,全国で月に恒星が潜入する様子を観察できます。

 25日には有名な長周期(ミラ型)変光星であるミラ(くじら座ο)が極大を迎えますが,くじら座は秋の星座で2月は観測が難しい季節です。明るくなったミラを見るなら2月前半の早い時間帯をねらうと良いでしょう。ミラの極大周期は約11ヶ月なので1年に1ヶ月ほどずれていきますから,数年後には見やすい季節に極大を迎えるようになります。変光星の観測については 変光星を見よう をご覧ください。

 春,2月~4月は夕空の黄道光が観望好期です。黄道光は日没直後に黄道に沿ってぼーっと見える光芒ですが,空が暗く澄んだところでしか見られません。山などへ行く機会があったら,日没直後の西の空を注意して眺めてみてください。


南中する星座

 午後8時(20時)に南中を迎える,観察しやすい星座たちです。 (冬の星座冬の全天星図

 【上旬】 うさぎ座オリオン座がか座(☆) ・ テーブルさん座(☆) ・ はと座
 【中旬】 ぎょしゃ座きりん座
 【下旬】 おおいぬ座

 ☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

見やすい星雲星団

 【惑星状星雲】 M1 (かに星雲,おうし座), M97 (おおぐま座)
 【散光星雲】 M42 (オリオン大星雲,オリオン座)
 【散開星団】 M35 (ふたご座), M36・M37・M38 (ぎょしゃ座), M45 (プレアデス,すばる,おうし座)
 【銀河(系外星雲)】 M81・M82・M101 (おおぐま座), M106 (りょうけん座)
 (星雲星団を見よう星雲星団一覧表


惑星用語の説明月の形の変化について

天文現象
3 節分
4 上弦の月 立春:0時34分。太陽の黄経が 315度になる。
上弦:13時19分
6 月が最近:23時2分(視直径32分23秒,0.959)
11 満月 建国記念の日
満月:9時33分。(半影月食)
12 わし座 R(周期271日,変光範囲5.5等-12.0等)が極大光度
14 アルゴル極小:21時10分
おとめ座 γ(2.8等)の星食(東京,潜入):23時32分
15 ふたご座 R(周期370日,変光範囲6.0等-14.0等)が極大光度
17 金星が最大光度:16時37分(-4.6等)
18 雨水:20時31分。太陽の黄経が 330度になる。
19 下弦の月 下弦:12時28分
月が最遠:6時14分(視直径29分32秒,1.052)
25 はくちょう座 R(周期426日,変光範囲6.1等-14.4等)が極大光度
くじら座 ο(ミラ,周期332日,変光範囲2.0等-10.1等)が極大光度
26 新月 新月:23時58分(南米で金環日食)