星空解説
夜が短い上に梅雨空が続く6月は,星空を見上げるには条件が悪い季節です。けれど,梅雨の晴れ間には澄んだ空が広がります。
五月雨星
梅雨の晴れ間が広がった夜に空を見上げてみましょう。
夕刻の薄明が終わる頃,天頂付近にオレンジ色の1等星が輝いています。
これはうしかい座 のアルクトゥルス。
星空と無縁になりがちな梅雨空でハイライトになる星です。
アルクトゥルスは, 雨夜の星(あまいのほし),五月雨星(さみだれぼし)など,梅雨時の空に目立つ輝星らしい風情ある和名を持っています。
また,麦が熟れる頃に昇る星であることから,麦星,麦熟れ星,麦刈り星などの異名も持っています。農事暦と共に生きた昔の日本人の生活が偲ばれますね。
アルクトゥルスの探し方は 春の星座を探してみよう のページを参考にしてください。
6月の惑星
5日に外合となる金星と15日に外合となる水星は,地平線高度が低く観察困難です。両惑星とも外合を境に夕刻の西空へ移ります。
木星はおうし座を移動中で,日の出直前に北東の空に昇ってきます。木星も高度が低く観察は難しいでしょう。
土星はみずがめ座 を,火星はうお座 からおひつじ座 を移動中で,夜半から明け方にかけて東の空にみることができます。
土星の環は2009年に真横から見た後,北から眺める形になっています。2017年に一番大きく広がった姿になり,現在は広がりが狭くなっているところです。次に環を真横から見るのは2025年の秋頃になります。
毎年様子が変わりますので,小望遠鏡があったらスケッチに残しておきましょう。土星の環は真横から見ると見えなくなってしまいます。
惑星は繰り返しよく見ていると,だんだん目が慣れて模様や輪の様子が見えるようになってきます。スケッチは惑星を見る目を育てるのにとても良い手段です。
望遠鏡を持たない方は,地域にある公共の天文台の観望会などを捜して行ってみましょう。
アンタレス食
20日,西日本及び中部地方・関東地方の一部でアンタレス食が見られます。
日没前の時間帯なので空は明るく,満月前の月齢13なので月も明るく輝いています。観察する条件が厳しいので,双眼鏡や小望遠鏡などを準備した方が良いでしょう。
潜入時刻 | 出現時刻 | |
東京 | 18:47 | 18:58 |
大阪 | 18:30 | 19:09 |
福岡 | 18:21 | 19:12 |
那覇 | 18:12 | 19:15 |
南中する星座
午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。
見やすい星雲星団
惑星状星雲 | |
---|---|
散開星団 | |
球状星団 | M3 (りょうけん座), NGC5139 (ω星団/ケンタウルス座) |
銀河(系外星雲) | M81・M82・M101 (おおぐま座), M65・M66 (しし座), かみのけ座~おとめ座銀河群 |
2024年6月のカレンダー
日 | 曜日 | 月相 | 天文現象 |
1 | 土 | 気象記念日・写真の日・電波の日 | |
2 | 日 | 月が最近(距離0.958):16時16分 横浜開港記念日 | |
3 | 月 | 測量の日 | |
4 | 火 | 歯と口の健康週間 不成就日・三隣亡 | |
5 | 水 | 金星(♀)が外合:00時32分 金星が地球最遠(距離 1.735au):11時28分 芒種(太陽の黄経 75度):13時10分 世界環境デー | |
6 | 木 | 新月(朔):21時38分 | |
7 | 金 | 三隣亡 | |
9 | 日 | 土星(♄)が西矩:19時36分 | |
10 | 月 | 入梅(太陽の黄経 80度):18時33分 時の記念日 旧端午・不成就日・一粒万倍日 | |
14 | 金 | 水星が近日点通過(距離 0.307au):00時52分 上弦:14時18分 月が最遠(距離1.051):22時35分 | |
15 | 土 | 水星(☿)が外合:01時33分 水星が地球最遠(距離 1.323au):10時36分 | |
16 | 日 | 父の日 | |
17 | 月 | 八せん始め | |
18 | 火 | 不成就日 | |
19 | 水 | 三隣亡 | |
20 | 木 | アンタレス食(西日本) | |
21 | 金 | 海王星(♆)が西矩:03時12分 夏至(太陽の黄経 90度):05時51分 | |
22 | 土 | 満月(望):10時08分 一粒万倍日 | |
23 | 日 | 沖縄慰霊の日 一粒万倍日 | |
25 | 火 | 庚申 | |
26 | 水 | 不成就日 | |
27 | 木 | 月が最近(距離0.961):20時30分 | |
28 | 金 | 貿易記念日 八せん終わり | |
29 | 土 | 下弦:06時53分 陰遁(いんとん)始め・甲子 | |
30 | 日 | 大祓(おおはらへ) 夏越祭 |
2024年/令和6年/皇紀2684年/閏年/ 甲辰(きのえたつ)
6月のお話
・水無月
・June
・芒種と夏至
・入梅・梅雨・五月雨
・Flower Moon(花の満月)
・螳螂生(かまきりしょうず)
・サクサイワマンの太陽の祭り
・聖ヨハネ祭と Midsummer Day
データ出典:
・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・東京都神社庁選定「神社暦」