2020年07月の星空

星空解説

 7月前半は梅雨の最中で雨が多く夜も短く,星を見るには条件がよくありません。けれど,学校が夏休みに入る頃になると梅雨明けし, 太平洋高気圧に覆われ て安定した晴れの日が続くようになります。
  このような梅雨明け後の安定した晴れ続きを,梅雨明け十日と呼びます。夏休みに入ると林間学校やキャンプなどで星を見る機会も増えますね。
 今年は海の日の翌日,7月21日が新月。7月下旬が星座観察によい条件です。


七夕

 7月と言えば七夕ですね。
 七夕はほぼ梅雨の最中で星が見えないことも多いのですが,今年は7月5日が満月で,七夕の日は晴れても月が明るく星はあまり見えません。
 ですが,織り姫(こと座のベガ)と彦星(わし座のアルタイル)は都会や月明かりの空でもよく見える明るい星です。見えている星が少なければ見つけやすいかもしれませんね。
 織り姫と彦星は夏の大三角を作っているので分かりやすい星でもあります。晴れ間がのぞいたら,夏の大三角をさがしてみましょう。(夏の星座を探してみよう)。

 本来の七夕は旧暦(太陰太陽暦)に行われた行事(※)で,この頃にはよく晴れます。今年の旧暦七夕は8月25日。7月7日に雲ってしまったら,8月25日の七夕を待ちましょう。

※ 旧暦七夕(伝統的な七夕):
二十四節気の処暑以前で,処暑に最も近い新月を含む日から数えて7日目。


衝を迎える惑星たち

 7月は木星土星が相次いでいて座を迎え観望好機です。

 衝を迎える頃の惑星は,午後10時には見やすい位置へ上ってきます。夏の惑星は衝の頃でも低い位置になりますが,仲良く並んだ木星と土星が豪華な星空を演出します。

2020年7月14日 23時

 木星も土星もひときわ明るく輝いていて、すぐに見つけることができます。また、月明かりや街明かりのある明るい空でも、支障なく望遠鏡で観察できます。
 小望遠鏡があったら低倍率で衛星の動きや縞模様,環の形を楽しんでみましょう。

 望遠鏡で惑星をとらえたら、是非スケッチをしてみましょう。スケッチをすることにより目が惑星に慣れ、何度か続けているとだんだん模様がよく見えるようになっていきます。
 木星の近くに衛星が見えたら、それは ガリレオ衛星(※)と呼ばれる4個の衛星の中のどれかです。

 土星は2025年の環の消失に向かって環が年々閉じていっている最中で,今年の姿をスケッチなどで残しておくと,年々の移り変わりがよく分かります。

※ ガリレオ衛星
ガリレオ・ガリレイによって1610年に発見された木星の4個の衛星。木星に近い順にイオ,エウロパ,ガニメデ,カリストと名付けられており,ガニメデは太陽系で一番大きな衛星です。イオは活火山があることで知られています。

 16日には準惑星の冥王星いて座を迎えます。
 冥王星は衝でも暗くて肉眼では見えません。初心者が見るのは難しい星ですので,見たい方は公共天文台の観望会などで見せてもらいましょう。

2020年7月16日23時の惑星たち

 明け方近くなると,10月に衝となる火星も見やすい位置へ上ってくるようになります。


明け方の水星と金星

 夜明け前の東の空には水星金星が輝いています。
 水星の 西方最大離角 は23日。この日の午前4時の水星の地平線高度は7度。これでも水星としては高く見える方です。
 近くの金星を目印にさがしてみましょう。双眼鏡を使うと見つけやすくなりますよ。

2020年7月23日 午前4時の水星と金星

 太陽のすぐ近くを周回している水星は,いつも太陽の近くにいるので夜明け前か日没後のほんの短い時間に地平線ぎりぎりの位置にしか見ることができません。
 このため見る機会が大変少なく,地動説で有名なコペルニクスも死の床で水星を見る機会がなかったことを嘆いたという逸話が残っています。


流れ星

 夏休みは一年の中でも特に流れ星が多い季節です。
 7月下旬には有名なペルセウス座流星群が流れ始めますが,同じ頃にやぎ座α流星群みずがめ座 δ南流星群 なども活動しているのです。

 しかし,今年は8月10日が満月,8月12日が下弦。流星観測には条件が今ひとつです。
 みずがめ座δ南流星群 (ZHR=16) の活動期間は7月12日~8月23日,やぎ座α流星群 (ZHR=5) は7月3日~8月15日。両方とも派手な流星群ではありませんし,ピーク時の条件もよくありませんが,長い期間活動しています。
 夏休みは流れ星にも注意してみましょう。


南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬おおかみ座・てんびん座
中旬かんむり座・こぐま座・じょうぎ座(☆)
ふうちょう座(☆)・へび座頭部
みなみのさんかく座(☆)
下旬さそり座

夏の星座
夏の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲M57 (環状星雲,こと座)
散光星雲M8 (干潟星雲,いて座)
M17 (ω星雲,馬蹄型星雲,いて座)
M20 (三裂星雲,いて座)
ほか天の川に多数
散開星団M21・M23・M24・M25 (いて座)
M6 ・M7 (さそり座)
ほか天の川に多数
球状星団M3 (りょうけん座)
M4・M80 (さそり座)
M5 (へび座),M10・M12 (へびつかい座)
M13・M92 (ヘルクレス座)
銀河(系外星雲)M51 (子もち星雲,りょうけん座)
M101 (おおぐま座)

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2020年7月のカレンダー

日 曜日月相天文現象
1水星 (☿) が内合:11時53分
半夏生:18時20分。太陽の黄経が 100度になる。
4地球が近日点を通過(1.017au):20時35分
5🌕満月:13時44分
小惑星(4)ベスタが :15時10分
7七夕
小暑:0時14分。太陽の黄経が 105度になる。
13🌗月が最遠:4時27分(距離 1.052)
下弦:8時29分
小惑星 (2) パラスが:11時14分
14木星 (♃) が:16時58分(いて座,-2.5等)
16準惑星 冥王星 (♇)(小惑星番号134340)が:4時12分(いて座,+14.2等)
19夏の土用の入り:14時13分。太陽の黄経が 117度になる。
夏の土用入りから立秋までの間に暑中見舞いを出す。
20海の日
21🌑新月:2時33分
土星 (♄) が:11時40分(いて座,+0.3等)
22大暑:17時37分。太陽の黄経が 120度になる。
23海の日
水星 (☿) が西方最大離角:8時16分(+1.1等,離角20°.08)
24スポーツの日
25月が最近:14時2分(距離 0.958)
27🌓上弦:21時33分
29みずがめ座 δ南流星群🌠が極大
やぎ座 α流星群🌠が極大

2020年/令和2年/皇紀2680年/閏年/ 庚子(かのえね)

惑星用語の説明
月の形の変化について

7月のお話

ヤエクチナシの花

データ出典:
・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization