旧暦4月のことを“卯月”(うづき)と呼びます。
卯月は“卯の花月”ともいい,“卯の花が咲き始める季節”という意味です。
卯の花が咲き始めるのは5月から6月ですが,旧暦の季節は1ヶ月ほどずれています。今の季節の5月から6月が卯月だったと考えれば,卯月(4月)が夏の季語となることも納得できますね。
ところで“卯の花”とはどんな花か知っていますか?
ウツギ(空木)という木に咲く白い花で,花弁は5枚。ウツギの頭文字「ウ」をとって卯の花と呼ばれます。
ウツギはアジサイ科の落葉低木。
日本全土の日の当たる場所に分布する身近な木です。
枝が中空になることから“空木”(ウツギ)という名前で呼ばれるようになりました。
豆腐を作ったときの豆の絞りかす(豆腐がら)“おから”(雪花菜)の別名が“卯の花”ですよね。
ウツギの花に似ていることから,こう呼ばれています。
切らずに料理に使うことができるため,“きらず”(不切)とも呼ばれます。
おからは炒めて人参や揚げと一緒に煎り上げたり,酢でしめた小魚を漬け込む卯の花漬けなどにして食べますが,家畜の飼料や,家屋や家具のつや出しに使われたりもします。
4月の別称は他にも色々ありますので,幾つか列挙しておきましょう。
- 得鳥羽月(えとりはづき) 小鳥の雛には羽毛が生えそろい,人間は衣を脱いで夏服に着替えます。
- 木葉採月(このはとりづき) 桑の葉を摘んで蚕に与える月。
- 夏初月・夏端月(なつはづき) 夏の初めの月。
- 花残月(はなのこりづき・はなのこしづき)
- 建巳月(けんしげつ)
- 孟夏(もうか)
- 陰月(いんげつ)
- 植月(うえつき)
- 乾月(けんげつ)
- 鎮月(ちんげつ)
- 麦秋(ばくしゅう)
4月のお話
・卯月
・清明と穀雨
・菜種梅雨・花冷え・花曇り
・Full Egg Moon(復活祭の満月)
・玄鳥至(つばめきたる)
・イースター・エッグ(Easter egg)
・セイヨウカラシナ