春は天気が安定せず雨が多かったり空が霞んでいたりしますが,来月上旬に衝を迎える木星が,東の空,おとめ座にあって徐々に見やすくなってきています。風が強い日は大気のゆらぎが激しく望遠鏡を覗いてもなかなか像が安定しませんので,天体望遠鏡をお持ちでしたら風の弱い穏やかな日に見てみてください。目が慣れてくるとだんだん縞模様が見えるようになってきます。スケッチなどしてみると模様を把握しやすくなります。
17日には金星と水星が接近しますが,水星は6日に外合を迎えたばかり,金星は23日に内合を迎える直前で太陽に近く,日没直後の地平線近くで見るのはかなり厳しいでしょう。水星の地平線高度は約7°,金星は11°です。ほぼ真西の方角なので,太陽が沈んでから双眼鏡を使って探してみましょう。太陽が出ている間は決して双眼鏡を向けてはいけません。
18日のてんびん座γは,今年見られる接食の中でも最も条件の良いものです。接食の線上へ行くことができる人は,ぜひ月の凹凸に見え隠れする星の姿を楽しんでみましょう。接食の起こる地域より北では,星が月に隠される星食(えんぺい)となります。接食は若狭湾から名古屋を結ぶ線上で見られます。
南中する星座
午後8時(20時)に南中を迎える,観察しやすい星座たちです。 (春の星座,春の全天星図)
【上旬】 いっかくじゅう座 ・ ふたご座
【中旬】 こいぬ座 ・ とびうお座(☆) ・ とも座 ・ やまねこ座
【下旬】 かに座 ・ りゅうこつ座
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。
見やすい星雲星団
【惑星状星雲】 M1 (かに星雲,おうし座), M97 (おおぐま座)
【散光星雲】 M42 (オリオン大星雲,オリオン座)
【散開星団】 M35 (ふたご座), M36・M37・M38 (ぎょしゃ座), M44 (プレセペ,かに座)
【銀河(系外星雲)】 M81・M82・M101 (おおぐま座), M106 (りょうけん座)
(星雲星団を見よう・星雲星団一覧表)
日 | 曜 | 月 | 天文現象 |
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2 | 木 | 海王星が合:20時27分 おとめ座 R(周期146日,変光範囲6.1等-12.1等)が極大光度 |
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3 | 金 | 月が最近:16時33分(視直径32分22秒,0.960) | |
5 | 日 | 啓蟄:18時33分。太陽の黄経が 345度になる。 上弦:20時32分 |
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6 | 月 | 水星が外合:13時51分 | |
10 | 金 | 2P/エンケ周期彗星が近日点を通過 | |
12 | 日 | 満月:23時54分 | |
17 | 金 | 春の彼岸の入り 水星が金星の南9°33′:18時21分 土星が西矩:19時43分 |
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18 | 土 | てんびん座γ(3.9等)の限界線星食(中部地方,南限界):1時41分 | |
19 | 日 | 月が最遠:2時25分(視直径29分31秒,1.0053) | |
20 | 月 | 春分:19時29分。太陽の黄経が 0度になる。 | |
21 | 火 | 下弦:0時58分 | |
23 | 木 | 金星が内合:12時42分 | |
28 | 水 | 新月:11時57分 | |
30 | 木 | 月が最近:16時33分(視直径32分49秒,0.947) |