星空解説
春分が過ぎ,夜が短くなる4月です。
春の天気は,花曇りや菜種梅雨で安定しません。
弱まったシベリア気団から南下してくる移動性高気圧が次々と日本列島を通過します。移動性高気圧に挟まれると気圧の谷ができたり,高気圧が北の方を通ると停滞前線が現れたりします。
晴れても春霞で空はぼんやり。
暖かくなって植物の蒸散が活発になり,大気中の水蒸気が増え,更に地表の温度が上昇して塵や埃が舞い上がります。大陸から黄砂が飛来しやすくなることも重なり,春の空は霞みやすいのです。
けれど,春の大気は落ち着いています。小望遠鏡で月や惑星を見るには良い季節です。
2026年4月の惑星
水星が4日に西方最大離角を迎えますが,地平線高度が低く観察は難しそうです。秋の星座であるみずがめ座やうお座を順行中の火星,うお座からくじら座にかけて移動中の土星も観察には向きません。
1月に衝を迎えた木星はふたご座にあり,夕刻の西空高く見えています。また,金星も日没後の早い時間帯に西空低く見えています。

世界宇宙飛行の日
4月12日は「世界宇宙旅行の日」です。
2011年に国際連合総会で決議されて制定された記念日です。
1961年4月12日,ソビエト連邦によって打ち上げられたボストーク1号が世界初の有人宇宙飛行に成功しました。宇宙へ行った最初の人間となったユーリ・ガガーリンの「地球は青かった」という言葉はたいへん有名です。
ガガーリンは108分の飛行を行い,最後はパラシュートで地上に帰りました。
4月こと座流星群
4月こと座流星群の活動期間は4月14日 – 4月30日。今年は23日の明け方にピークが予想されています。
こと座が高く上ってくるのは夜半頃で,夜半から明け方までがこの流星群の見頃な時間帯です。ピークが鋭い流星群なので,極大前後の夜では流星の数がぐっと減るため,極大当日の観察がお勧めです。
今年は上限ですので夜半には月明かりの影響もなくなり好条件となります。1時間に数個程度の流星群ですから,気楽に気長に空を見上げましょう。
流星観測は冷え込みますので,4月後半ですが,しっかりと防寒対策をしましょう。
観測は,流れ星を見てみよう のページを参考にして下さい。
南中する星座
午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません 。
見やすい星雲星団
| 惑星状星雲 | NGC3242 (うみへび座),M97 (おおぐま座) |
|---|---|
| 散開星団 | M44 (プレセペ/かに座) |
| 銀河(系外星雲) | M81・M82・M101 (おおぐま座), M65・M66 (しし座), かみのけ座~おとめ座銀河群 |
2026年4月のカレンダー
| 日 | 曜日 | 月相 | 天文現象 |
| 1 | 水 | 準惑星 (136472) マケマケが衝:20時27分 学年始め | |
| 2 | 木 | ![]() | 満月(望):11時12分 旧二の午 |
| 4 | 土 | 水星(☿)が西方最大離角(離角-27°49′):07時 水星が遠日点を通過(距離 0.467au):19時20分 | |
| 5 | 日 | 清明(太陽の黄経 15度):03時40分 イースター 不成就日 | |
| 6 | 月 | 木星(♃)が東矩:07時23分 | |
| 7 | 火 | 月が最遠(距離 1.054):17時32分 世界保健デー | |
| 8 | 水 | 灌仏会(かんぶつえ)・花まつり 八せん始め・一粒万倍日 | |
| 10 | 金 | ![]() | 下弦:13時52分 |
| 11 | 土 | メートル法公布記念日 一粒万倍日 | |
| 12 | 日 | 世界宇宙飛行の日 | |
| 13 | 月 | 不成就日 | |
| 14 | 火 | 旧三の午・三隣亡 | |
| 15 | 水 | 準惑星 (136199) エリスが合:14時44分 | |
| 16 | 木 | 庚申 | |
| 17 | 金 | ![]() | 春の土用の入り(太陽の黄経 27度):09時01分 新月(朔):20時52分 不成就日 |
| 18 | 土 | 発明の日 | |
| 19 | 日 | 月が最近(距離 0.941):15時56分 旧ひな祭・八せん終り | |
| 20 | 月 | 穀雨(太陽の黄経 30度):10時39分 郵政記念日・甲子・一粒万倍日 | |
| 23 | 木 | 4月こと座流星群🌠 が極大:04時40分 準惑星 (136108) ハウメアが衝 :17時58分 一粒万倍日 | |
| 24 | 金 | ![]() | 上弦:11時32分 |
| 25 | 土 | 己巳・不成就日 | |
| 26 | 日 | 孔子祭・三隣亡 | |
| 29 | 水 | 🎌 昭和の日 |
2026年/令和8年/皇紀2686年/平年/ 丙午(ひのえうま)
・昭和の日 4月29日。激動の日々を経て復興を遂げた昭和の時代を顧み,国の将来に思いをいたす。
4月のお話
・卯月
・April
・清明と穀雨
・菜種梅雨・花冷え・花曇り
・ Egg Moon(復活祭の満月)
・ 玄鳥至(つばめきたる)
・イースター・エッグ(Easter egg)
・セイヨウカラシナ

データ出典:
・暦 国立天文台 電算室
・流星 主な流星群一覧(2026年の極大日)|やさしい88星座図鑑
・東京都神社庁選定「神社暦」





