2018年6月の星空

 梅雨に入り夜も短く,6月は星を見上げる機会が少なくなる季節ですが,梅雨の晴れ間が広がった日,薄明が終わる頃に天頂付近を見上げてみましょう。オレンジ色の1等星が輝いています。
 これはうしかい座 のアルクトゥルスという星で,梅雨時の輝星らしく,雨夜の星(あまいのほし),五月雨星(さみだれぼし)など,風情ある和名を持っています。また麦が熟れる頃に昇る星であることから,麦星,麦熟れ星,麦刈り星などの異名も持っています。農事暦と共に生きた,昔の人々の生活が偲ばれますね。

 今月は小惑星ベスタと土星がを迎えます。
 20日に衝となるベスタは5.3等で,双眼鏡があれば十分に見える明るさです。小惑星を見る数少ない機会ですし,近くに似たような明るさの星が少ない領域で,土星も見えています。梅雨の晴れ間を見つけて捜してみてはいかがでしょう。数日おいて捜してみると,小惑星の動きも観察できます。

ベスタの衝(2018-06-20 22時半)
ベスタの衝(2018-06-20 22時半)

 土星は27日いて座を迎えます。衝の頃の惑星は,日没頃には東の空に昇り,真夜中に南中,日の出頃に西空へ没するため一晩中見えています。
 衝の当日は満月に近い大きな月が懸かっていますが,土星が明るいのは当日だけではありません。穏やかな雨上がりの夜がありましたら,望遠鏡を向けてみましょう。そして,望遠鏡の中の惑星の像がピッタリ止まって見えるような夜があったら,ぜひ高倍率で眺めてみましょう。スケッチして今年の姿を記録しておくと翌年との環の開き具合の違いがよくわかります。
 2009年に真横から見た土星の環は,2019年へ向かってどんどん開いており,今年は土星らしい環が小望遠鏡でもわかりやすくなっています。

土星の衝(2018-06-27 22時)
土星の衝(2018-06-27 22時)
 


南中する星座

 午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
 ☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬 おとめ座ケンタウルス座りょうけん座
中旬
下旬 うしかい座 ・コンパス座(☆)

夏の星座夏の全天星図
 
 

見やすい星雲星団

球状星団 M3 (りょうけん座),NGC5139 (ω星団/ケンタウルス座)
銀河(系外星雲) M81・M82 (おおぐま座),M51 (子もち星雲/りょうけん座),かみのけ座~おとめ座銀河群

星雲星団を見よう星雲星団一覧表
 
 


惑星用語の説明 月の形の変化について

天文現象
3 月が最遠:1時35分(視直径29分29秒,1.054)
へびつかい座 R(周期303日,変光範囲7.0等-13.8等)が極大光度
6 芒種:2時29分。太陽の黄経が75度になる。
水星が外合:12時36分
7 下弦の月のイメージ 下弦:3時32分
10 海王星が西矩:21時46分<
11 入梅:7時55分。太陽の黄経が80度になる。
14 新月のイメージ 新月:4時43分
15 月が最近:8時53分(視直径33分14秒,0.935)
18 へび座 R(周期354日,変光範囲5.2等-14.4等)が極大光度
かに座 R(周期362日,変光範囲6.1等-11.8等)が極大光度
19 小惑星(4)ベスタが最近(1.1416au):16時54分
20 上弦の月のイメージ 小惑星(4)ベスタが:6時4分(+5.3等,いて座)
上弦:19時51分
21 夏至:19時07分。太陽の黄経が 90度になる。
25 こぎつね座 R(周期136日,変光範囲7.0等-14.3等)が極大光度
27 土星が:21時35分(いて座,+0.0等,視直径18″.4)
28 満月のイメージ 満月:13時53分
30 月が最遠:11時43分(視直径29分25秒,1.056)