星空解説
今年の2月は金星と火星と水星が明け方の東の空に集まっています。木星は夕刻の西空に見えています。
2月には有名な流星群などはありませんが,関東以南の地方では長寿の星,カノープスを見るチャンスです。詳しくは 冬の星座を探してみよう のページを参考にしてください。
厳寒期の星空観察はとても冷えます。
十分な防寒対策をしましょう。
節分と立春
昨年は節分が2日,立春が3日になったことで話題になりましたが,今年は例年通り,節分は2月3日,立春は2月4日に戻っています。
節分は立春の前日。
1太陽年(365.2422日)と1年(365日)の差による暦のぶれは,閏年などを入れ調整されています。しかし,それでも調整しきれなかったのが,昨年の節分と立春の日付でした。
今年は立春は2月4日に,節分は2月3日に戻りましたが,2025年からは4年毎に立春2月3日・節分2月2日となり,2057年と2058年は2年連続で立春2月3日・節分2月2日となります。
しばらく立春と節分が1日早くなる傾向が続くというわけです。
ところで,「節分」ですが,本来は季節を分けるという意味の雑節です。
立春の前日のみでなく,立夏・立秋・立冬の前日も節分でしたが,現在ではこのうち立春の前日のみが節分として残っています。
夜明けのヴィーナス
13日の明け方の空で,金星が最大光度を迎えます。
夜明け前の東の空には,火星と17日に西方最大離角を迎える水星も見えていて賑やかです。
金星はとても明るいのですぐにわかりますが,土星と水星は双眼鏡があった方が探しやすいでしょう。
下の星図は2月10日の朝6時の南東の空です。
この時の水星の地平線高度は8度。とても低い位置なので,金星や火星を目印に探してみましょう。
この頃はどんどん日の出が早くなっていきますので,月末に近づくにつれ,朝6時の空も明るくなり,星は捜しにくくなります。
最大光度の頃の金星は,昼間の青空の中でも見つけることができます。金星を捜す場合は,決して太陽を見ないように細心の注意を払って気をつけて下さいね!
黄道光
2月~4月は夕空の黄道光が観望好期です。
黄道光とは日没直後に黄道に沿ってぼーっと見える光芒ですが,空が暗く澄んだところでしか見られません。山などへ行く機会があったら,日没直後の西の空を注意して眺めてみてください。
南中する星座
午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。
見やすい星雲星団
惑星状星雲 | M1 (かに星雲/おうし座) M97 (おおぐま座) |
---|---|
散光星雲 | M42 (オリオン大星雲/オリオン座) |
散開星団 | M35 (ふたご座) M36・M37・M38 (ぎょしゃ座) M45 (プレアデス星団,すばる/おうし座) |
銀河(系外星雲) | M81・M82・M101 (おおぐま座) M106 (りょうけん座) |
2022年2月のカレンダー
日 | 曜日 | 月相 | 天文現象 |
---|---|---|---|
1 | 火 | アルゴル型食変光星 アルゴル極小:01時03分 新月:14時46分 旧元日 | |
3 | 木 | アルゴル型食変光星 アルゴル極小:21時53分 節分 不成就日 | |
4 | 金 | 立春(太陽の黄経 315度):05時51分 土星(♄)が地球最遠(距離 10.898au):22時14分 | |
5 | 土 | 土星(♄)が合:04時05分 一粒万倍日 | |
6 | 日 | アルゴル型食変光星 アルゴル極小:18時42分 | |
7 | 月 | 旧七草 | |
8 | 火 | 上弦:22時50分 こと始め・針供養 | |
9 | 水 | 天一天上 | |
10 | 木 | 一粒万倍日 | |
11 | 金 | 月が最遠(距離 1.053):11時37分 建国記念の日 紀元節・不成就日 | |
13 | 日 | 金星(♀)が最大光度(-4.9等):03時 | |
15 | 火 | 旧小正月・三隣亡 | |
17 | 木 | 満月:01時57分 水星(☿)が西方最大離角(-0.6等,離角 -26°17′):06時 一粒万倍日 | |
18 | 金 | 冥王星の日 | |
19 | 土 | 雨水(太陽の黄経 330度): 01時43分 不成就日 | |
20 | 日 | 旧二十日正月 | |
22 | 火 | 一粒万倍日 | |
23 | 水 | アルゴル型食変光星 アルゴル極小:23時38分 天皇誕生日 | |
24 | 木 | 下弦:07時32分 | |
26 | 土 | アルゴル型食変光星 アルゴル極小:20時27分 | |
27 | 日 | 月が最近(距離 0.957):07時25分 不成就日・三隣亡 | |
28 | 月 | 八せん始め |
2022年/令和4年/皇紀2682年/平年/ 壬寅(みつのえとら)
2月のお話
・如月
・February
・立春と雨水
・スターダスト現象・氷霧・星のささやき・光の春
・Wolf Moon(オオカミの満月)
・東風解凍 (はるかぜこおりをとく)
・キャンドルマス(Candlemas Day)
・節分(せつぶん,せちぶん)
・太巻き寿司の丸かぶり
・宝積寺の豆撒式
・灰の水曜日(Ash Wednesday)
データ出典:
・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・アルゴル極小予報 予報 | 日本変光星研究会