星空解説
春分が過ぎ夜が短くなる4月です。
この頃は,花曇りや菜種梅雨で天気は安定しません。
弱まったシベリア気団から南下してくる移動性高気圧が次々と日本列島を通過します。移動性高気圧に挟まれると気圧の谷ができたり,高気圧が北の方を通ると停滞前線が現れたりするのです。
また,晴れても春霞で空はぼんやり。星を観察する条件は今ひとつですが,大気の状態は安定していますので,小望遠鏡で月や惑星を見るには良い季節です。
2022年4月の惑星
水星が見頃
3日に外合となる水星は,29日の東方最大離角に向かって夕刻の西空で徐々に見やすくなっていきます。
東方最大離角の頃は,日没直後の東京での地平線高度が10度を超え,今年一番の好条件です。好条件といっても大変低い位置ですから,空がよく開けたところで,双眼鏡などを準備して探してみましょう。
明け方に惑星が集合
日の出前の東の空に惑星が集合しています。
特に4日の朝には火星と土星がくっつくように接近します。どちらも1等前後でほぼ同じ明るさに見えています。
赤い火星と黄色い土星。色の違いに注目してみましょう。
月末にはこの惑星の中に細い月が加わって,さらに賑やかな様子が見られます。
4月こと座流星群
4月こと座流星群は,23日明け方にピークが予想されています。
こと座が高く上ってくるのは夜半頃で,夜半から明け方までが適した時間帯となります。けれど,今年は下弦の月が出ています。またピークの時刻には既に薄明も始まっています。
条件は最悪というほどではありませんが,あまり良い方でもありません。1時間に数個程度が予想される流星数です。
4月こと座流星群はピークが鋭く,流星観察に適しているのは22日~23日の夜となります。
流星観測は冷え込みますので,4月後半ですが,しっかりと防寒対策をしましょう。
観測は,流れ星を見てみよう のページを参考にして下さい。
南中する星座
午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません 。
見やすい星雲星団
惑星状星雲 | NGC3242 (うみへび座),M97 (おおぐま座) |
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散開星団 | M44 (プレセペ/かに座) |
銀河(系外星雲) | M81・M82・M101 (おおぐま座), M65・M66 (しし座), かみのけ座~おとめ座銀河群 |
2022年4月のカレンダー
日 | 曜日 | 月相 | 天文現象 |
1 | 金 | 新月:15時24分 十方ぐれ入り 不成就日 | |
2 | 土 | 一粒万倍日 | |
3 | 日 | 水星(☿)が外合:8時11分 旧ひな祭 | |
4 | 月 | 天王星と月が合(天王星食):2時47分 | |
5 | 火 | 清明(太陽の黄経 15度):4時20分 土星と火星が合(離角 0°18):10時51分 一粒万倍日 | |
8 | 金 | 月が最遠(距離 1.052):4時11分 灌仏会(かんぶつえ) 花まつり | |
9 | 土 | 上弦:15時48分 不成就日 | |
10 | 日 | 天一天上 | |
11 | 月 | メートル法公布記念日 三隣亡 | |
12 | 火 | 小惑星 (2) パラスが合:11時49分 世界宇宙飛行の日 | |
14 | 木 | 水星が近日点を通過(距離 0.308au):7時27分 準惑星 (136199) エリスが合:6時25分 | |
17 | 日 | 満月:3時55分 春の土用の入り(太陽の黄経 27度):9時43分 イースター 不成就日 一粒万倍日 | |
18 | 月 | 発明の日 | |
19 | 火 | 準惑星 (136108) ハウメアが衝 :9時38分 | |
20 | 水 | 月が最近(距離 0.950):0時13分 穀雨(太陽の黄経 30度):11時24分 一粒万倍日 | |
23 | 土 | 4月こと座流星群🌠 が極大:4時 下弦:20時56分 三隣亡 | |
25 | 月 | 不成就日 | |
28 | 木 | 海王星と金星が合(離角 0°00):4時12分 | |
29 | 金 | 水星 (☿) が東方最大離角:17時(離角20°36) 昭和の日 八せん始め 一粒万倍日 |
2022年/令和4年/皇紀2682年/平年/ 壬寅(みつのえとら)
4月のお話
・卯月
・April
・清明と穀雨
・菜種梅雨・花冷え・花曇り
・ Egg Moon(復活祭の満月)
・ 玄鳥至(つばめきたる)
・イースター・エッグ(Easter egg)
・セイヨウカラシナ