ヒヨドリ

2022年05月の星空

星空解説

 今年のゴールデンウィークは5月1日が新月で,全体的に星空観望の条件は良好です。
 ゴールデンウィークの頃は日差しが強く昼間は暑いほどでも,夜はぐっと冷え込みます。しっかり防寒して星空を楽しみましょう。


みずがめ座η流星群

ミラ
5日~7日の夜明け前だよ!

 6日の夕刻にピークを迎えるみずがめ座 η流星群は,母天体が有名なハレー彗星です。9日が上弦ですから,みずがめ座が昇る夜半過ぎには月明かりもなくなります。
 流星観察は5日~7日の夜明け前が好条件です。

 1時間に5個程度の流星群で,流れ星が次々に流れるようなことはありませんが,この群は痕をともなう明るい流星が特徴。火球が見えることもあります。
 輻射点(放射点)が秋の星座の みずがめ座 にあるため,群流星は東の空の低い位置から空を駆け上がるような経路を描いて流れます。

 輻射点が昇りきらないうちに薄明が訪れますので,群流星を観察できるのは,夜半過ぎから薄明が始まるまで。明け方の流星観測はゴールデンウィークの頃であってもかなり冷えます。十分に防寒対策を行いましょう。

 参考: 流れ星を見てみよう


水星が観望好機

 4月29日に東方最大離角を迎えた水星が,上旬に観望好機です。
 5月6日夕刻の星図を載せましたが,19時の東京での地平線高度が10度を超え,水星としては大変見つけやすい高度です。

 それでもかなり低い位置ですので,西の空が開けたところでさがしてみましょう。西空には冬の星座の1等星たちが輝いていますので,それらを参考にしながらたどると分かりやすいでしょう。

夕刻の水星(2022-05-06)
夕刻の水星(2022-05-06)
※ 画像はクリックして拡大できます。

 太陽のすぐ近くを周回している水星は,いつも太陽の近くにいて,日の出直前か日没直後の,ほんの短い時間に地平線ぎりぎりの位置にしか見ることができません。
 このため水星を見る機会はとても少ないのです。

 地動説で有名なコペルニクスも,死の床で水星を見る機会がなかったことを嘆いたという逸話が残っています。


青空の中の金星と月の合

ケイト
昼間の月は見つけにくいの><!

 27日の正午,青空の下で細い月と金星が接近し,鹿児島県南部や沖縄県では金星食になります。

 青空の中の細い月はなかなか見つかりません。西南西の方角,高さは40度くらいの位置をさがしてみましょう。

 双眼鏡を使う場合は,間違って太陽を入れないように細心の注意を払って下さい


南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません 。

上旬おおぐま座コップ座
中旬
下旬かみのけ座 ・からす座
はえ座(☆)・みなみじゅうじ座(☆)

春の星座
春の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲NGC3242 (うみへび座)
M97 (おおぐま座)
散開星団M44 (プレセペ/かに座)
球状星団M3 (りょうけん座)
NGC5139 (ω星団,ケンタウルス座)
銀河(系外星雲)M81・M82・M101 (おおぐま座)
M65・M66 (しし座)
かみのけ座~おとめ座銀河群

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2022年5月のカレンダー

日 曜日月相天文現象
1 新月のイメージ 新月:5時28分(部分日食)
2八十八夜(立春を起算日とし88日目)
一粒万倍日
3憲法記念日
4みどりの日
5こどもの日
端午
天王星(♅)が:16時22分
立夏(太陽の黄経 45度):21時26分
月が最遠(距離 1.054):21時46分
6天王星が地球最遠(距離 20.714au):1時1分
みずがめ座 η流星群🌠が極大(条件良):17時
8母の日
旧灌仏会(かんぶつえ)
9 上弦の月のイメージ 上弦:9時21分
15金星が遠日点通過(距離 0.728au):19時33分
16 満月のイメージ 土星(♄)が西矩:3時49分
満月:13時14分(部分月食)
18月が最近(距離 0.937):0時27分
21小満(太陽の黄経 60度):10時23分
22水星(☿)が内合:4時18分
23 下弦の月のイメージ 下弦:3時43分
水星が地球最近(距離 0.550au):8時24分
27金星と月の合(離角 0°11’):12時00分
28水星が遠日点通過(距離 0.467au):7時5分
30 新月のイメージ 新月:20時30分

2022年/令和4年/皇紀2682年/平年/ 壬寅(みつのえとら)

惑星用語の説明
月の形の変化について


5月のお話

皐月
May
立夏と小満
筍梅雨・青嵐・メイストーム・茅花流し・走り梅雨・卯の花腐し
Milk Moon(ミルクの満月)
蛙始鳴(かわずはじめてなく)

ヒヨドリ
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データ出典:

・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization