柘榴(ザクロ)

2026年11月の星空

星空解説

 11月は日暮れが早く,空は高く澄み渡り,晴れの日も多く,本格的寒さはまだ。星を見るにはよい季節です。
 夜半になると賑やかな冬の星座も見やすい位置まで上ってきます。


惑星

 水星は4日の内合以降は明け方の東の空に移り,21日の西方最大離角前後は地平線高度が10度くらいまで高くなり見やすくなります。
 金星も明け方の東の空に見えており,30日は最大光度の -4.9等の明るさとなります。

 金星の横にはスピカがあり,またうしかい座のアルクトゥルスも見えていますので,水星を探すときはそれらの星の場所を参考に確認しましょう。


 土星は0.5等〜0.6等の明るさでくじら座 を逆行で移動中です。
 宵の口には南東の空高く上っており,夜半過ぎまで見られ観望好期が続きます。

ミラ
地域の星空観望会があったら行ってみよう!

 土星は市街地でも見つけやすく,土星の環は小望遠鏡でも見ることができます。
 土星の環は2025年の消失(環を真横から見ている)の後,まだかなり細く見えています。

 土星の環が次に最大に開いて見えるのは2032年5月頃で,環は2032年に向かって徐々に開いているところです。見え方は毎年変わっていきますので,機会があったら今年の土星の様子をスケッチに残しておきましょう。


 春の星座を移動中の木星火星が見やすくなってきます。

 木星しし座を順行中。明るさは-2.0〜-2.2等くらいです。
 火星も同じくしし座を順行中で,明るさは0.8〜0.5等。
 この2惑星が16日に接近します。しし座の1等星レグルスも近くにあり,賑やかな星空が見られます。


天王星の衝

 26日に天王星を迎えます。
 衝の頃の天王星の明るさは5.6等で,視力の良い人なら条件の良い空の下でかろうじて肉眼で確認できる明るさです。
 双眼鏡があれば市街地でも確認することができますし,小望遠鏡なら面積を持った円盤状に見ることができます。
 今年はおうし座のプレアデス星団の近くに見えています。

 遠くにある天王星は,数日経ってもほとんど変わらない場所に見えます。衝の前後は月明かりがありますので,探してみるなら月の影響がない日にしましょう。


流星群

おうし座流星群

 おうし座南流星群が5日に,おうし座北流星群が12日に極大を迎えます。
 どちらもHR=5個程度の小さな流星群で,見られるのはせいぜい1時間に2個程度。流星群だからといって沢山流れるわけではありません。

 流星の数は少ないものの,ほぼ一晩中観察でき,9月25日~11月25日頃まで長い期間見られます。
 ゆっくり流れ,火球が多いこともこの群の特徴です。空を見上げる機会があったら思い出してみましょう。

 母天体は2P/エンケ彗星です。


しし座流星群

ケイト
しし座流星群は,2002年に素晴らしい流星雨になったの。
次の母彗星の回帰でまた見られるといいね!

 しし座流星群は,18日08時45分に極大となります。

 しし座流星群の流れ星は,痕を残して高速で流れるのが特徴で,放射点はしし座γ星付近。しし座が上ってくる明け方に沢山流れます。

 流星観察は11月でもたいへん冷え込みますので,十分に防寒対策をして行いましょう。→ 流れ星を見てみよう

  しし座流星群の母天体,55P/テンペル・タットル彗星は2014年に遠日点を通過し,2031年5月の近日点通過に向けて太陽に近づいてきていますので今後が楽しみな流星群です。


一番日没が早い季節

 11月下旬〜12月上旬は,一年で一番日没が早い時期となります。
 昼の長さが一番短いのは冬至の日ですが,日没が早いのは冬至より少し前,日の出が遅いのは冬至より少し後になるのです。

 東京で2026年の日没が一番早くなるのは,11月29日〜12月13日の16時28分です。


南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬
中旬きょしちょう座(☆)
下旬アンドロメダ座うお座ちょうこくしつ座

秋の星座
秋の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲NGC7293 (らせん状星雲/みずがめ座)
散光星雲
散開星団M34 (ペルセウス座)
M52 (カシオペア座)
h-χ (二重星団/ペルセウス座)
球状星団M2 (みずがめ座)
M15 (ペガスス座)
M30 (やぎ座)
銀河(系外星雲)M31 (アンドロメダ大星雲/アンドロメダ座)
M33 (さんかく座)
M77 (くじら座)

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2026年11月のカレンダー

 日 曜日月相天文現象
1アルゴル型食変光星 アルゴル極小:18時38分
計量記念日・灯台記念日
米穀年度始め・自衛隊記念日
2下弦の月のイメージ下弦:05時28分
3水星が地球最近(距離 0.677au):22時27分
🎌文化の日
4水星 (☿) が内合:23時24分
不成就日・一粒万倍日・三隣亡
5おうし座南流星群🌠が極大
6十方ぐれ入り
7立冬(太陽の黄経 225度):18時52分
一の酉
一粒万倍日
8世界都市計画の日・一粒万倍日
9新月のイメージ新月(朔):16時02分
秋の全国火災予防運動
太陽暦採用記念日
旧亥の子餅・炉開き(亥の子の祝い)
三隣亡
10水星が近日点(距離 0.307au):17時28分
12金星(♀)が留:00時11分
おうし座北流星群🌠が極大
不成就日
13水星(☿)が留:18時15分
14月が最遠(距離 1.055):02時50分
15七五三
天一天上
16アルゴル型食変光星 アルゴル極小:02時42分
木星と火星が合:15時24分(離角 -1°12′)
17上弦の月のイメージ上弦:20時48分
18しし座流星群🌠が極大:08時45分
木星(♃)が西矩:18時39分
アルゴル型食変光星 アルゴル極小:23時31分
とおかんや(旧暦10月10日)
19二の酉
一茶忌・一粒万倍日
20火星(♂)が西矩:14時43分
不成就日・一粒万倍日
21水星(☿)が西方最大離角(離角-19°37′):08時
アルゴル型食変光星 アルゴル極小:20時20分
三隣亡
22小雪(太陽の黄経 240度):16時23分
23🎌勤労感謝の日
24満月のイメージ満月(望):23時54分
26月が最近(距離 0.935):06時01分
天王星が地球最近(距離 18.444au):07時29分
天王星(♅)が:07時41分(+5.6等)
30金星(♀)が最大光度(-4.9等):04時

2026年/令和8年/皇紀2686年/平年/ 丙午(ひのえうま)

・文化の日 11月3日。自由と平和を愛し,文化をすすめる。
・勤労感謝の日 11月23日。勤労をたっとび,生産を祝い,国民たがいに感謝しあう。


11月のお話

霜月
November
立冬と小雪
霜・霜柱・小春日和・木枯らし一号
山茶始開(七十二候 立冬~小雪)
Harvest Moon
アドベント


データ出典:

・暦 国立天文台 電算室
・流星 主な流星群一覧(2026年の極大日)|やさしい88星座図鑑
・アルゴル極小予報 食変光星「アルゴル」の主極小予報 | 天文特集 | 倉敷科学センター
・東京都神社庁選定「神社暦」