2026年12月の星空

星空解説

 夜が長い12月は,星空観察に良い季節です。
 明るい星が多い豪華な冬の星座達も,早い時間帯から見られるようになります。寒さ対策をしっかりして星を見ましょう。

一年で一番日の入りが早い季節

 12月22日の冬至の日は,昼が一番短く夜が一番長い日ですが,日の入り時刻が一番早いのは11月下旬〜12月上旬です。
 また日の出時刻が一番遅いのは1月上旬です。

 2026年の東京は,11月29日〜12月13日の16時28分が最も日没が早い時期となります。

 表からわかるように一番早い期間は2週間ほど続きますが,その期間が終わると日没時刻は春に向かってどんどん遅くなっていきます。

年月日(期間)日没時刻
2026-11-23 〜 2026-11-2416:30
2026-11-25 〜 2026-11-2816:29
2026-11-29 〜 2026-12-1316:28
2026-12-14 〜 2026-12-1616:29
2026-12-17 〜 2026-12-1916:30
2026-12-20 〜 2026-12-2116:31
2026-12-22 〜 2026-12-2316:32
2026-12-24 〜 2026-12-2516:33
2026-12-2616:34
2026-12-27 〜 2026-12-2816:35
2026-12-2906:36

惑星

 水星は日の出前の南東の地平線近くに出ていますが,太陽に近すぎて観察は困難です。

 金星は同じく日の出前の南東の空,午前6時の地平線高度は30度くらいです。11月末に最大光度を迎えた直後で,月初めは-4.9等の明るさです。月末になっても-4.6等で,明け方の空に一際明るく輝いています。


 土星くじら座を逆行(西へ移動)中で,日没の頃に南の空に見えています。12日に留となり,その後は順行(東へ移動)に転じます。
 明るさは0.6〜0.7等です。


ミラ
土星は宵の口,木星は夜遅く!

 しし座を移動中の木星火星は夜半過ぎから見やすくなります。

 木星は-2.2等〜-2.4等の明るさで順行中。13日に留となった後は,逆行になります。

 火星は -0.5等〜-0.1等で順行中です。

 両惑星の間にはしし座の1等星レグルスがあり,明るい星が集まっているため夜空の中でも目を引きます。
 レグルスは黄道の近い場所にあるため,このように度々惑星が接近し注目されます。


流星群

ふたご座α流星群

 師走の空を飾るふたご座α流星群は,14日23時頃に極大を迎えます。
 月齢は上弦前で今年の観測条件は良好です。1時間に40~50個程度の流星が期待できます。

ケイト
フェアトンは塵を出し尽くした彗星のなれの果てなんだって。

 ふたご座α流星群の活動期間は12月5日頃から12月20日頃までです。冬の星座であるふたご座に流星群の放射点があるため,一晩中,全ての方角でコンスタントに流れるのが特徴です。
 ピークを過ぎると流星数は急に減っていきますので,極大日にこだわらず,晴れた夜に空を見上げてみても良いでしょう。近年は火球も増え,いっそう華やかな流星群になってきています。


 流星観察については 流れ星を見てみよう をご参照ください。

 ふたご座流星群の母天体,小惑星(3200)フェアトンは,1.43年周期で楕円軌道を描いて公転しており,今世紀末の2093年12月14日に地球にかなり接近することが予想されています。
 また2223年には軌道が地球に近づくことも予想され,今後ともふたご座α流星群と共に目が離せない存在です。


こぐま座流星群

 ふたご座流星群が活動を終える頃,一年を締めくくるこぐま座流星群が流れ始めます。こぐま座流星群は8P/タットル彗星を母天体とする流星群です。

 今年は23日07時頃にピークが予想されています。24日がスーパームーンの満月なので,明るい月があって観測条件は良くありません。

 こぐま座流星群の流星は北天から緩やかに流れます。ZHR=10で,実際に見える流れ星は1時間に1~2個くらい。小さな流星群ですが火球が流れることもあります。
 月や街明かりが直接目に入らないように工夫しましょう。


スーパームーン

 12月24日,クリスマスイブの満月は「2026年で地球に最も近い満月」(スーパームーン)です。

  スーパームーンという言葉はアメリカの占星術師リチャード・ノル(Richard Nolle)氏が定義したもので,天文学とは関係ありません。けれど,月が楕円軌道を描いて地球を周回していること,月と地球の距離が一定ではないことを知る良いチャンスです。

 地球と月は近い時と遠い時で 4万キロも距離が変わり,満月の見かけの直径も最大で14%も異なっているのです。

 スーパームーンの時には潮汐力が強まり,砂浜の浸食が50%増すという研究結果も出ています。

ケイトとミラのスーパームーン (1) 
「スーパームーン」で砂浜浸食50%増し、海岸管理者への警告 | 日経クロステック(xTECH)


南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬カシオペヤ座ほうおう座
中旬くじら座さんかく座
下旬おひつじ座・みずへび座(☆)・ろ座

冬の星座
冬の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲
散光星雲M42 (オリオン大星雲,オリオン座)
散開星団M34 (ペルセウス座)
h-χ (二重星団,ペルセウス座)
M45 (プレアデス星団,すばる,おうし座)
球状星団
銀河(系外星雲)M31 (アンドロメダ大星雲,アンドロメダ座)
M33 (さんかく座)
M74 (うお座)
M77 (くじら座)

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2026年12月のカレンダー

曜日月相天文現象
1下弦の月のイメージ下弦:15時09分
映画の日・一粒万倍日
2一粒万倍日
3三隣亡
4人権週間・八せん始め
5納めの水天宮
6アルゴル型食変光星 アルゴル極小:04時25分
不成就日
7大雪(太陽の黄経 255度):11時53分
8こと納め・針供養・納めの薬師
9新月のイメージアルゴル型食変光星 アルゴル極小:01時14分
新月(朔):09時52分
皇后御誕生日
10納めの金比羅
11月が最遠(距離 1.057):15時45分
アルゴル型食変光星 アルゴル極小:22時03分
12土星(♄)が留:08時21分
庚申
13海王星(♆)が留:19時47分
木星(♃)が留:21時03分
不成就日
14アルゴル型食変光星 アルゴル極小:18時53分
ふたご座α流星群🌠が極大:23時
15年賀郵便特別扱始め
八せん終り・一粒万倍日
16陽遁(ようとん)始め・甲子
天しゃ・一粒万倍日
17上弦の月のイメージ上弦:14時43分
浅草観音歳の市(羽子板市)
18納めの観音・三隣亡
21納めの大師・己巳・不成就日
22冬至(太陽の黄経 270度):05時50分
冬至星供(ほしく)祭
23こぐま座流星群🌠が極大:07時
海王星(♆)が東矩:20時37分
24満月のイメージ満月(望):10時28分(スーパームーン)
水星が遠日点を通過(距離 0.467au):17時06分
月が最近(距離 0.928):17時31分
納めの地蔵
25終い天神・基督降誕祭
蕪村忌
26金星が近日点を通過(距離 0.718au):06時24分
27一粒万倍日
28水星が地球最遠(距離 1.444au):20時25分
納めの不動・官庁御用納め
一粒万倍日
29アルゴル型食変光星 アルゴル極小:02時58分
不成就日
30土星(♄)が東矩:08時28分
取引所納会・三隣亡
31下弦の月のイメージ下弦:03時59分
アルゴル型食変光星 アルゴル極小:23時48分
大祓・除夜祭・年越し
男鹿なまはげ

2026年/令和8年/皇紀2686年/平年/ 丙午(ひのえうま)


12月のお話

師走
December
大雪と冬至
時雨・寒波・年末低気圧
閉塞成冬(七十二候 大雪~冬至)
Hunter’s Moon
アドベント


データ出典:

・暦 国立天文台 電算室
・流星 主な流星群一覧(2026年の極大日)|やさしい88星座図鑑
・アルゴル極小予報 食変光星「アルゴル」の主極小予報 | 天文特集 | 倉敷科学センター
・東京都神社庁選定「神社暦」