星空解説
夜が長い12月は,星空観察に良い季節です。
明るい星が多い豪華な冬の星座達も,早い時間帯から見られるようになります。
惑星
木星はうお座,土星はやぎ座を移動中です。
土星は宵の口の南西の空に見えていますが,日没後すぐにに没します。木星も夜半には沈んでしまいますので,早い時間帯に探しましょう。
水星は22日に東方最大離角を迎えますが,午後5時の地平線高度が9度。かなり低い位置で大気による減光もあります。
双眼鏡などを使った方が見つけやすいでしょう。
火星が衝を迎え中接近です。
火星の軌道は地球に比べてかなり楕円形なので,同じ衝でも火星が衝を迎える季節によって地球との距離は随分と異なります。
詳しくは,火星の大接近 のページをご覧下さい。
下の星図は12月半ばの星空です。
クリックして拡大して見て下さいね。
流星群
ふたご座α流星群
毎年師走の空を飾るふたご座α流星群。2022年は下弦前の月があり,夜半前には月が昇り明るい月夜となります。月が上る前がお勧めです。
月が上ってきた後は,月が直接目に入らない方角を見るようにしたり,月が建物や木に隠れて見えなくなる場所を選ぶなど工夫して空を見上げましょう。
極大は14日夜なので,14日~15日の夜がピークです。明るい流星が多く数も多い流星群なので,月明かりがあってもそれなりに楽しめるでしょう。
近年は火球も増え,いっそう華やかな流星群になってきています。
ふたご座流星群の母天体,小惑星(3200)フェアトンは,1.43年周期で楕円軌道を描いて公転しており,今世紀末の2093年12月14日に地球にかなり接近することが予想されています。
また2223年には軌道が地球に近づくことも予想され,今後ともふたご座α流星群と共に目が離せない存在です。
ふたご座α流星群の活動期間は12月5日頃から12月20日頃まで。冬の星座であるふたご座に流星群の放射点があるため,一晩中,全ての方角でコンスタントに流れます。
12月は日没が早く夜が長い季節でもありますから,思い出したら夜空を見上げてみてください。偶然明るい流星に出会えるかもしれません。
流星観察については 流れ星を見てみよう をご参照ください。
こぐま座流星群
ふたご座流星群が活動を終える頃,一年を締めくくるこぐま座流星群が流れ始めます。こぐま座流星群は8P/タットル彗星を母天体とする流星群です。
今年は22日~23日の夜がピークで,月もなく観測条件は良好。
22日23時頃にダストトレイル接近が予想されています。
こぐま座流星群の流星は北天から緩やかに流れます。ZHR=10で,実際に見える流れ星は1時間に1~2個くらい。小さな流星群ですが火球が流れることもあります。
南中する星座
午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。
見やすい星雲星団
惑星状星雲 | |
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散光星雲 | M42 (オリオン大星雲,オリオン座) |
散開星団 | M34 (ペルセウス座) h-χ (二重星団,ペルセウス座) M45 (プレアデス星団,すばる,おうし座) |
球状星団 | |
銀河(系外星雲) | M31 (アンドロメダ大星雲,アンドロメダ座) M33 (さんかく座) M74 (うお座) M77 (くじら座) |
2022年12月のカレンダー
日 | 曜日 | 月相 | 天文現象 |
1 | 木 | 火星が地球最近(距離 0.544au):11時17分 アルゴル型食変光星 アルゴル極小:23時35分 | |
4 | 日 | アルゴル型食変光星 アルゴル極小:20時14分 | |
6 | 火 | 天一天上 不成就日 | |
7 | 水 | 大雪(太陽の黄経 255度):12時46分 | |
8 | 木 | 望(満月):13時08分 火星と月の合(離角 -0°32′火星食):13時19分 火星(♂)が衝:14時42分 こと納め 針供養 | |
9 | 金 | 皇后御誕生日 | |
12 | 月 | 月が地球最遠(距離 1.056):09時28分 一粒万倍日 | |
13 | 火 | 一粒万倍日 | |
14 | 水 | ふたご座α流星群🌠が極大:22時 不成就日 | |
15 | 木 | 海王星(♆)が東矩:02時10分 三隣亡 | |
16 | 金 | 下弦:17時56分 | |
17 | 土 | 羽子板市(浅草観音歳の市) | |
22 | 木 | 水星 (☿) が東方最大離角(離角 20°08’):0時 アルゴル型食変光星 アルゴル極小:1時18分 冬至(太陽の黄経 270度):6時48分 木星(♃)が東矩:09時50分 冬至星供(ほしく)祭 不成就日 | |
23 | 金 | 朔(新月):19時17分 | |
23 | 金 | こぐま座流星群🌠が極大:6時 | |
24 | 土 | 月が地球最近(距離 0.932):17時27分 アルゴル型食変光星 アルゴル極小:22時07分 一粒万倍日 | |
25 | 日 | キリスト降誕祭 八せん始め 一粒万倍日 | |
26 | 月 | 金星が遠日点を通過(0.728au):12時09分 | |
27 | 火 | アルゴル型食変光星 アルゴル極小:18時56分 三隣亡 | |
28 | 水 | 官庁御用納め 不成就日 | |
30 | 金 | 上弦:10時21分 旧こと納め 旧針供養 | |
31 | 土 | 大祓 除夜祭 年越し 男鹿なまはげ |
2022年/令和4年/皇紀2682年/平年/ 壬寅(みつのえとら)
12月のお話
・師走
・December
・大雪と冬至
・時雨・寒波・年末低気圧
・閉塞成冬(七十二候 大雪~冬至)
・Hunter’s Moon
・アドベント
データ出典:
・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・流星 流星電波観測国際プロジェクト
・アルゴル極小 予報 – 日本変光星研究会