2017年5月の星空

 今年は5月3日が上弦となっており,ゴールデンウィークは後半になるほど月が大きく星空観察の条件は悪くなります。
 このため,6日午前にピークとなるみずがめ座 η流星群の条件は良くありません。みずがめ座は秋の星座ですから,流星が見られるのは夜半過ぎから薄明が始まるまでの間となり,流れ星は東の空低い位置から空を駆け上るように経路を描いて流れます。月が早めに沈む満月前の空ならば,1時間に10個程度の流れ星が期待できるでしょう。

 18日には明け方の東の空で水星が西方最大離角を迎えます。薄明が始まった午前4時の地平線高度が5°で良い条件とは言えませんが,来月西方最大離角を迎える金星も一緒に輝いていますので,金星を目印にして探してみましょう。
 水星は地平線近くで大気の減光を受けていますので,探すときは,できれば双眼鏡を用意してください。

水星が西方最大離角になる日 (2017-05-18)
水星が西方最大離角になる日 (2017-05-18)

 他の惑星は,4月にを迎えた木星がおとめ座で見頃,6月にを迎える土星もへびつかい座で観測好期に入ります。
 2009年に真横から見た土星の環が2019年に向かって開いている最中で,現在は小望遠鏡でも土星らしい姿が楽しめます。
 夏の星座で衝を迎える惑星は比較的低い位置で南中するため,シーイングの影響を受けやすくなります。しかしながら春は比較的大気が安定する季節ですから,穏やかによく晴れた日があれば望遠鏡を向けてみましょう。そして,望遠鏡の中の惑星の像がピッタリ止まって見えるような夜があったら,ぜひ高倍率で眺めてみましょう。スケッチして今年の姿を記録しておくと翌年との環の開き具合の違いがよくわかります。


南中する星座

 午後8時(20時)に南中を迎える,観察しやすい星座たちです。 (春の星座春の全天星図

 【上旬】 おおぐま座コップ座
 【中旬】 
 【下旬】 かみのけ座 ・ からす座 ・ はえ座(☆) ・ みなみじゅうじ座(☆)

 ☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

見やすい星雲星団

 【惑星状星雲】 NGC3242 (うみへび座), M97 (おおぐま座)
 【散開星団】 M44 (プレセペ,かに座)
 【球状星団】 M3 (りょうけん座), NGC5139 (ω星団,ケンタウルス座)
 【銀河(系外星雲)】 M81・M82 (おおぐま座), M65・M66 (しし座), かみのけ座~おとめ座銀河群
 (星雲星団を見よう星雲星団一覧表


惑星用語の説明月の形の変化について

天文現象
2 八十八夜
3 上弦の月 憲法記念日
上弦:11時47分
4 みどりの日
5 こどもの日
立夏:16時31分。太陽の黄経が 45度になる。
6 みずがめ座 η流星群が極大:10時(条件悪)
しし座 R(周期310日,変光範囲4.4等-11.3等)が極大光度
7 おとめ座γの星食(2.8等,東京潜入:23時28分)
おとめ座γの限界線星食(山形・宮城,北限界)
10 C/20156 ER61 PANSTARRS彗星が近日点を通過
11 満月 満月:6時42分
12 こぎつね座 R(周期137日,変光範囲7.0等-14.3等)が極大光度
13 月が最遠:4時51分(視直径29分24秒,1.057)
18 水星が西方最大離角:8時24分(+0.5等,離角25°.8)
19 下弦の月 下弦:9時33分
うさぎ座 R(周期445日,変光範囲5.5等-11.7等)が極大光度
21 小満:23時36分。太陽の黄経が 60度になる。
26 新月 新月:4時30分
月が最近:10時21分(視直径33分26秒,0.929)