カワラナデシコ

2021年08月の星空

星空解説

 夏休みで星を見る機会が多くなる8月は,1日~7日が「スター・ウィーク~星空に親しむ週間~」となっています。各地で星を見るイベントが開かれますので地域の情報などに注意しましょう。
 ・STARWEEK
 ・スター・ウィーク実行委員会(Twitter)


土星と木星

 土星と木星が相次いでを迎えます。

 衝の頃の惑星は,午後10時には見やすい位置へ上ってきます。
 夏の惑星は南中しても低い位置になりますが,仲良く並んだ木星と土星が豪華な星空を演出します。

 木星も土星は夜空でひときわ明るく,月明かりや街明かりがあってもすぐに見つけることができます。
 小望遠鏡があったら低倍率で衛星の動きや縞模様,環の形を楽しんでみましょう。

 望遠鏡で惑星をとらえたら,是非スケッチをしてみましょう。
 スケッチのために一生懸命見ているうちに目が惑星に慣れ,何度か続けているとだんだん模様がよく見えるようになっていきます。惑星の模様が見える目は,この「慣れ」によって養われます。
 木星の近くに衛星が見えたら, ガリレオ衛星(※)と呼ばれる4個の衛星のどれかです。

 土星の環は2009年に真横から見た後,北から眺める形になっています。2017年に一番大きく広がった姿になり,現在は2025年の環の消失に向かって環が年々閉じていっている最中です。
 今年の姿をスケッチなどで残しておくと,年々の移り変わりがよく分かります。

ミラ
木星はギリシャ神話では大神ゼウス。
ガリレオ衛星はゼウスの愛人たちの名前だよ!

ガリレオ衛星

望遠鏡を発明したイタリアの学者,ガリレオ・ガリレイによって1610年に発見された木星の4個の衛星。
木星に近い順にイオ,エウロパ,ガニメデ,カリストと呼びます。
ガニメデは太陽系で一番大きな衛星,イオは活火山があることで知られています。

2021年8月15日 衝の頃の木星と土星
2021年8月15日 衝の頃の木星と土星

ペルセウス座流星群

 毎年お盆休みの頃に見ごろとなるペルセウス座流星群。今年の極大は13日未明で,12日~13日の夜がもっともよく流れます。

 8日が新月,16日が上弦なので,極大の頃は終始月明かりがなく,今年は良い条件で流星観察ができます。
 輻射点があるペルセウス座が高くなるのは夜半過ぎ。輻射点が高くなると見える流星も多くなり,明け方の極大に向かって条件が良くなっていきます。できたら薄明が始まるまで見てみましょう。

 ペルセウス座流星群は,月がない好条件なら多い年で1時間に60個(HR60)くらいの流星が期待できます。IMO(国際的な流星の組織)の予報には ZHR=100 と記載されています。
 できるだけ空が暗い場所で,寝転がって空全体が見られるようにするのが沢山の流星を見るコツです。観測を計画しておられる方は,流れ星を見てみよう のページを参考にしてください。


 はくちょう座κ流星群は1時間に2~3個の小規模な流星群です。比較的ゆっくり流れ,速く流れるペルセウス座流星群の流星と対照的です。
 火球が見られることがあります。


伝統的な七夕

ケイト
上弦の月齢は,
平均 7.38日!

 今年の旧七夕(伝統的な七夕)は14日です(※)。

 旧暦七夕は月齢7の日の夕方。
 なので月は必ず上弦前で,夜半過ぎると月明かりのない星空が見られます。織り姫星(こと座のベガ)は天頂付近にありますので,見つけてみましょう。
 夏の星座を探してみようのページを参考にしてみて下さいね。

※ 旧暦七夕(伝統的な七夕):
二十四節気の処暑以前で,処暑に最も近い新月を含む日から数えて7日目。


南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬へびつかい座ヘルクレス座りゅう座・さいだん座(☆)
中旬へび座(尾部)
下旬こと座たて座みなみのかんむり座

夏の星座
夏の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲M57 (環状星雲/こと座)
M27 (あれい状星雲/こぎつね座)
散光星雲M8 (干潟星雲/いて座)
M17 (ω星雲,馬蹄型星雲/いて座)
M20 (三裂星雲/いて座)
ほか天の川に多数
散開星団M21・M23・M24・M25 (いて座)
M6・M7 (さそり座)
ほか天の川に多数
球状星団M4・M80 (さそり座)
M10・M12 (へびつかい座)
M13・M92 (ヘルクレス座)
M56 (こと座)
銀河(系外星雲)M51 (子もち星雲/りょうけん座)
M101 (おおぐま座)

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2021年8月のカレンダー

 曜日月相天文現象
1八朔
水星(☿)が外合:23時08分
2土星(♄)が(やぎ座,+0.1等):15時14分
月が最遠(距離 1.052):16時35分
土星(♄)が地球最近(距離 8.935au):20時09分
5水星(☿)が地球最遠(距離 1.350au):21時10分
7天王星(♅)が西矩:08時57分
立秋(太陽の黄経 135度):15時54分
立秋以降は残暑見舞い。
8🌑山の日(2021年は11日から振替)
新月:22時50分
9祝日法第3条第2項による休日
10アルゴル型食変光星 アルゴル極小:03時19分
13アルゴル型食変光星 アルゴル極小:00時08分
ペルセウス座流星群🌠が極大:4時
14旧七夕(伝統的な七夕)
15月遅れ盆
アルゴル型食変光星 アルゴル極小:20時57分
16🌓京都五山送り火
上弦:00時20分
17月が最近(距離 0.960):18時16分
18はくちょう座κ流星群🌠が極大
19火星(♂)と水星(☿)が合(離角 0°04′):12時28分
20木星(♃)が(やぎ座,-2.9等):09時28分
木星(♃)が地球最近(距離 4.013au):14時29分
22🌕旧ぼん
満月:21時02分
23処暑(太陽の黄経 150度):06時35分
24京都地蔵ぼん
30🌗アルゴル型食変光星 アルゴル極小:05時00分
月が最遠(距離 1.051):11時22分
下弦:16時13分
31二百十日(立春を起算日とし210日目)
旧地蔵ぼん

2021年/令和3年/皇紀2681年/平年/ 辛丑(かのとうし)

惑星用語の説明
月の形の変化について


8月のお話

葉月
August
立秋と処暑
土用波・秋日照り・夏台風・迷走台風
涼風至(七十二候 立秋~処暑)
Grain Moon
ラマス(Lammas Day)

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データ出典

・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・アルゴル極小予報 予報 | 日本変光星研究会