日没が早く夜が長く空も澄んでいる12月は、星空観察に良い季節です。明るい星が多くにぎやかな冬の星座達も,早い時間帯から見られるようになります。
流星群
毎年師走の空を飾るふたご座α流星群は,今年は新月直前の好条件です。
極大は14日朝になっていますので,12日夜と13日夜に観察すれば流星が増えていく様子がわかるでしょう。ZHR=150が予想されており,今年一番の期待の流星群です。
ふたご座流星群は明るい流星が多いのですが,近年は火球も増えていっそう華やかになってきています。活動期間は12月5日頃から12月20日頃まで。冬の星座であるふたご座に流星群の放射点があるため,一晩中コンスタントに流れます。
12月は日没が早く夜が長い季節でもありますから,思い出したら夜空を見上げてみてください。偶然明るい流星に出会えるかもしれません。
流星観察については 流れ星を見てみよう をご参照ください。
ふたご座流星群が活動を終える頃,一年の最後を締めくくるこぐま座流星群が流れ始めます。こぐま座流星群は8P/タットル彗星を母天体とする流星群。今年は上弦の月がありますので,月が低くなる夜半近くからが見頃です。
明るい流星が北天から緩やかに流れ,HR=10が予想されています。小さな流星群ですが火球が流れることもあります。
惑星と月の会合
7月に衝を迎えた木星と土星が,夕刻の西空で接近します。特に17日から18日は月齢3~4の細い月が近くを通り賑やかになります。
薄明が残っていても見えますので,暗くなってきたら西の空を見上げてみましょう。風景を入れて写真を撮ると良い記念になります。
東京での夕方17時の木星と土星の地平線高度は20度。高いビルなどがあると見えませんから,西の空がある程度開けた場所で惑星と月の会合を楽しみましょう。
皆既日食
15日の皆既日食は南米大陸や南極大陸で見られ,日本は夜間で見ることができません。
日本では14日22時半~15日4時くらい。日蝕をライブ中継するサイトなどがありますから,興味がある方はネットで臨場感を味わいましょう。
南中する星座
午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。
見やすい星雲星団
惑星状星雲 | |
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散光星雲 | M42 (オリオン大星雲,オリオン座) |
散開星団 | M34 (ペルセウス座) h-χ (二重星団,ペルセウス座) M45 (プレアデス星団,すばる,おうし座) |
球状星団 | |
銀河(系外星雲) | M31 (アンドロメダ大星雲,アンドロメダ座) M33 (さんかく座) M74 (うお座) M77 (くじら座) |
2020年12月のカレンダー
日 | 曜日 | 月相 | 天文現象 |
7 | 月 | 大雪:1時9分。太陽の黄経が 255度になる。 | |
8 | 火 | 下弦:9時37分 | |
9 | 水 | 皇后御誕生日 | |
10 | 木 | 海王星が東矩:4時41分 | |
13 | 日 | 月が最近:5時42分(距離 0.941) | |
14 | 月 | ふたご座α流星群🌠が極大:9時50分(条件良) | |
15 | 火 | 新月:1時17分(皆既日食だが日本では見られない) アルゴル型食変光星 アルゴル極小:3時35分 | |
18 | 金 | アルゴル型食変光星 アルゴル極小:0時17分 | |
20 | 日 | 水星が外合:12時26分 アルゴル型食変光星 アルゴル極小:21時6分 | |
21 | 月 | 冬至:19時2分。太陽の黄経が 270度になる。 | |
22 | 火 | 上弦:8時41分 こぐま座流星群🌠が極大:18時(条件良) | |
23 | 水 | アルゴル型食変光星 アルゴル極小:17時55分 | |
25 | 金 | 月が最遠:1時31分(距離 1.054) | |
30 | 水 | 満月:12時28分 |
12月のお話
・師走
・December
・大雪と冬至
・時雨・寒波・年末低気圧
・閉塞成冬(七十二候 大雪~冬至)
・Hunter’s Moon
・アドベント
データ出典:
・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・アルゴル極小予報 予報 | 日本変光星研究会