2020年04月の星空

星空解説

 4月の旧暦の名称は卯月です。
 春分が過ぎて日が長く夜は短くなり,花曇りや菜種梅雨の季節で天気は安定しません。晴れても春霞で空はぼんやりしています。星を観察する条件は今ひとつですですね。

 そんな4月でも問題なく見られるのが月です。
 8日の満月は月が地球に接近する日と重なり,大きな満月が見られます。最近はそんな月のことをスーパームーンと呼んで話題になったりしていますね。
 スーパームーンという言葉はアメリカの占星術師リチャード・ノル(Richard Nolle)氏が定義したもので,天文学とは関係ありません。けれど,月が楕円軌道を描いて地球を周回しており,地球との距離が一定ではないことを知る良いチャンスです。

 地球と月の距離を下の表にまとめてみました。
 近い時と遠い時では,4万キロも違うのです。見かけの大きさも随分変わるはずですね。

地球と月の距離 平均38万4,400 km
地球と月の距離 最近36万3,304 km
地球と月の距離 最遠40万5,495 km

 2020年の満月で一番大きく見えるのは4月。一番小さく見えるのは10月。
 その二つの満月の大きさを比べてみたのが下の図です。
 随分違うと思いませんか?

2020年4月の満月と10月の満月の大きさ比較

 22日16時に極大となる4月こと座流星群は,新月前の好条件です。ZHR=15 という予報が出ていますので,運が良ければ1時間に10個くらいの群流星を見ることができるかもしれません。
 21日~22日の夜,こと座が高く上ってくる夜半頃から明け方までが適した時間帯となります。

 流星観測は冷え込みますので,4月後半ですが,しっかりと防寒対策をしましょう。
 観測は,流れ星を見てみよう のページを参考にして下さい。

南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません 。

上旬らしんばん座
中旬ほ座
下旬うみへび座・カメレオン座(☆)
こじし座・しし座・ポンプ座・ろくぶんぎ座

春の星座
春の全天星図

見やすい星雲星団

惑星状星雲NGC3242 (うみへび座),M97 (おおぐま座)
散開星団M44 (プレセペ/かに座)
銀河(系外星雲)M81・M82・M101 (おおぐま座),
M65・M66 (しし座),
かみのけ座~おとめ座銀河群

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表

2020年4月のカレンダー

日 曜日月相天文現象
1?上弦:19時21分
3小惑星 (3) ジュノーが:05時01分
4清明:16時38分。太陽の黄経が 15度になる。
8?月が最近:3時9分(距離 0.928)
満月:11時35分
12イースター
15?下弦:07時56分
木星(♃)が西矩:19時59分
16外縁天体 準惑星 (136108) ハウメアが :18時07分
春の土用の入り:22時6分。太陽の黄経が 27度になる。
19穀雨:23時45分。太陽の黄経が 30度になる。
21月が最遠:4時00分(距離 1.057)
土星(♄)が西矩:16時00分
22 4月こと座流星群?が極大(条件良):16時
23?新月:11時26分
26天王星(♅)が:18時01分
29昭和の日

2020年/令和2年/皇紀2680年/閏年/ 庚子(かのえね)

惑星用語の説明
月の形の変化について

4月のお話

卯月
April
清明と穀雨
菜種梅雨・花冷え・花曇り
Egg Moon(復活祭の満月)
玄鳥至(つばめきたる)
イースター・エッグ(Easter egg)
セイヨウカラシナ

草むらに咲くスミレの花

データ出典:
・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization