星空解説
9月になると日没時刻が早くなり,夕方の早い時間帯から星が見えるようになってきます。
また,9月に入ると明け方の空で黄道光が観望好期に入ります。黄道光は空気の澄んだところでしか見えませんが,山などへ行く機会があったら黄道に沿って光の帯が伸びているのを探してみましょう。
12日,みずがめ座 で衝を迎える海王星が観望好期です。
海王星を捜すのは初心者には難しいですが,小望遠鏡で拡大すると,小さな小さな円盤状に見ることができます。公共の天文台の観望会などで見せてもらいましょう。
海王星は暗くて初心者が探すのは大変ですが,7月に衝を迎えた木星と土星,10月に衝を迎える火星も見頃です。都会の街明かりでもよく見えますので探してみましょう。
星図はクリックして拡大して見てくださいね。
9月といえばお月見,中秋の名月を思い起こしますが,2020年の中秋の名月は10月になります。
中秋の名月は秋の真ん中の日,仲秋(陰暦8月)15日の月のことですが,新暦ではたまに10月になります。今年は後の名月(十三夜)も10月ですから,10月は2回の明月を楽しめることになります。
有名な長周期変光星(ミラ型)のミラ(くじら座ο)が極大を迎えます。
長周期変光星は恒星の脈動によって明るさが変わる変光星で,明るさの変動がとてもダイナミックです。ミラは暗い時期は望遠鏡を使わないと見えませんが,極大の頃は肉眼で見ることもできるほどの明るさになります。
長周期変光星の極大は,極大予想の当日だけ明るくなるといったものではなく,明るい状態は極大前後1ヶ月くらい続き,実際の極大日は観測結果に基づき後から割り出されます。ですから,今月あたりはミラが明るいと思って見てみましょう。
ミラの極大周期は約11ヶ月なので,極大は毎年1ヶ月ずつずれていきます。くじら座は秋の星座で季節的にも見頃。極大のミラは肉眼でもよく見えますので探してみましょう。
変光星の観測については 変光星を見よう をご覧ください。
南中する星座
午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。
見やすい星雲星団
惑星状星雲 | M27 (あれい状星雲/こぎつね座) M57 (環状星雲/こと座) |
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散光星雲 | NGC7000 (北アメリカ星雲/はくちょう座) |
散開星団 | |
球状星団 | M2 (みずがめ座) M15 (ペガスス座) M30 (やぎ座) M56 (こと座) |
銀河(系外星雲) | M51 (子もち星雲/りょうけん座) M101 (おおぐま座) |
2020年9月のカレンダー
日 | 曜日 | 月相 | 天文現象 |
2 | 水 | 満月:14時22分 旧ぼん アルゴル型食変光星 アルゴル極小:22時10分 | |
6 | 日 | 月が最遠:15時29分(距離 1.055) | |
7 | 月 | 白露:13時08分。太陽の黄経が 165度になる。 | |
10 | 木 | 下弦:18時26分 | |
12 | 土 | 海王星が衝:5時26分(+7.8等,みずがめ座) | |
17 | 木 | 新月:20時00分 | |
18 | 金 | 月が最近:22時48分(距離 0.934) | |
19 | 土 | 彼岸の入り くじら座 ο(ミラ,周期332日,変光範囲2.0等-10.1等)が極大光度 | |
20 | 日 | アルゴル型食変光星 アルゴル極小:3時2分 | |
21 | 月 | 敬老の日 | |
22 | 火 | 秋分の日(彼岸中日) 秋分:22時31分。太陽の黄経が 180度になる。 アルゴル型食変光星 アルゴル極小:23時51分 | |
24 | 木 | 上弦:10時55分 | |
25 | 金 | 彼岸明け アルゴル型食変光星 アルゴル極小:20時39分 | |
29 | 火 | 外縁天体 準惑星 (136472) マケマケが合:10時20分 |
9月のお話
・長月
・September
・白露と秋分
・秋雨・秋霖・秋台風
・草露白(七十二候 白露~秋分)
・Fruit Moon
・お月見
データ出典:
・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・変光星 VSOLJによるミラ型極大予報
・アルゴル極小予報 予報 | 日本変光星研究会