地面に落ちたドングリ

2020年11月の星空

 11月は日暮れが早く,空は澄んでおり,また晴れの日も多く,本格的寒さはまだ。星を見るにはよい季節です。夜半になると賑やかな冬の星座も見やすい位置まで上ってきます。


 1日に天王星がを迎え観望好期です。
 天王星はとても暗く条件の良い空の下,視力の良い人なら,かろうじて肉眼で確認できる程度の明るさです。
 市街地や視力がそれほど良くない方でも,双眼鏡があれば確認しやすくなります。また,小望遠鏡なら面積を持った円盤状に見ることができます。
 自分で見つけるのが難しい人は,公共天文台の観測会などに参加して見せてもらいましょう。

 下の図は衝当日の天王星の位置です。衝の日は月が近くで明るく輝いていますので,月が離れて小さくなった日に見てみましょう。天王星は数日経ってもほとんど変わらない場所に見えます。
 図はクリックして拡大して見てくださいね。

2020年11月1日の天王星
2020年11月1日の天王星(拡大図)

 11日に極大を迎えるおうし座北流星群は,新月前の良好な月回りですが,HR=5個程度の小さな流星群です。
 ただ,10月20日~12月10日頃まで長い期間見られる流星群で,たまに火球も見られます。空を見上げる機会があったら思い出してみましょう。
 比較的ゆっくり流れる流星群です。

 17日しし座流星群は,月明かりのない好条件です。
 しし座流星群の流れ星は,痕を残して高速で流れるのが特徴。しし座が上ってくる明け方に沢山流れます。
 流星観察は11月でもたいへん冷え込みますので,十分に防寒対策をして行いましょう。→ 流れ星を見てみよう

  しし座流星群の母天体,55P/テンペル・タットル彗星は2014年に遠日点を通過し,2031年5月の近日点通過に向けて太陽に近づいてきていますので今後が楽しみです。


 11日,夜明けの空で水星が西方最大離角を迎えます。
 下は午前5時半の東京の空です。水星の地平線高度は約10°。薄明の中になりますが,水星としてはかなり高度が高く好条件です。近くに金星があって良い目印になります。
 日の出前に双眼鏡を使って捜してみて下さい。東京の日の出は6時半頃です。星図はクリックして拡大して見てくださいね。

2020年11月11日 水星の西方最大離角

 30日の満月では半影月食が起こります。東京での食の時間は下記の通りです。
 しかし半影月食は肉眼ではほとんど分かりません。

半影食 始16:30
食の最大18:42
半影食 終20:55

南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬
中旬きょしちょう座(☆)
下旬アンドロメダ座うお座ちょうこくしつ座

秋の星座
秋の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲NGC7293 (らせん状星雲/みずがめ座)
散光星雲
散開星団M34 (ペルセウス座)
M52 (カシオペア座)
h-χ (二重星団/ペルセウス座)
球状星団M2 (みずがめ座)
M15 (ペガスス座)
M30 (やぎ座)
銀河(系外星雲)M31 (アンドロメダ大星雲/アンドロメダ座)
M33 (さんかく座)
M77 (くじら座)

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2020年11月のカレンダー

 日 曜日月相天文現象
1天王星が:0時53分(+5.7等,おひつじ座)
2一の酉
アルゴル型食変光星 アルゴル極小:3時13分
3文化の日
5アルゴル型食変光星 アルゴル極小:0時2分
7立冬:8時14分。太陽の黄経が 225度になる。
アルゴル型食変光星 アルゴル極小:20時51分
8下弦の月のイメージ小惑星 (3) ジュノーが:17時54分
下弦:22時46分
11水星 ☿ が西方最大離角:2時(-0.5等,離角-19°.06’)
おうし座北流星群?が極大
14二の酉
月が最近:20時43分(距離 0.931)
15新月のイメージ七五三
新月:14時7分
17しし座流星群?が極大(条件良):22時
22上弦の月のイメージアルゴル型食変光星 アルゴル極小:4時55分
小雪:5時40分。太陽の黄経が 240度になる。
上弦:13時45分
23勤労感謝の日
25アルゴル型食変光星 アルゴル極小:1時45分
26三の酉
27月が最遠:9時29分(距離 1.056)
アルゴル型食変光星 アルゴル極小:22時34分
30満月のイメージ満月:18時30分 (半影月食)
アルゴル型食変光星 アルゴル極小:19時22分

惑星用語の説明
月の形の変化について


11月のお話
霜月
November
立冬と小雪
霜・霜柱・小春日和・木枯らし一号
山茶始開(七十二候 立冬~小雪)
Harvest Moon
アドベント

地面に落ちたドングリ

データ出典:
・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・アルゴル極小予報 予報 | 日本変光星研究会