星空解説
今年の2月は主な惑星は観察しにくい位置にあり,唯一,おひつじ座からおうし座を移動中の火星だけが観察できます。
節分と立春の日付
今年の2月は,珍しく節分が2日,立春が3日になります。
節分は2月3日と思い込んでいませんでしたか? 実は節分の日付は決まっておらず,立春の前日が節分なのです。このため,立春の日付が変われば節分の日付も変わります。
節分が2月3日にならないのは1984年2月4日以来37年ぶり,節分が2月2日になるのは1897年2月2日以来124年ぶりのことです。1太陽年(365.2422日)と1年(365日)の差を閏年を入れて解決していますが,それでも解決しきれない差があるため暦のぶれが生じます。
こうして長い期間2月4日だった立春ですが,2021年には2月3日となり,それに伴い節分は2月2日になるというわけです。
2022年にはまた立春は2月4日に,節分は2月3日に戻りますが,2025年からは4年毎に立春2月3日・節分2月2日となり,2057年と2058年は2年連続で立春2月3日・節分2月2日となります。しばらく立春と節分が1日早くなる傾向が続くというわけです。
ところで,「節分」ですが,本来は季節を分けるという意味の雑節で,立春の前日のみでなく,立夏・立秋・立冬の前日も節分でした。現在ではこのうち立春の前日のみが節分として残っているのです。
2月の星空と火星
惑星は少ない2月ですが,冬の星座は明るい星が多く豪華です。防寒対策をしっかりして星座観察を楽しみましょう。
オリオン座のような特徴ある星の並びがある冬は,初心者が星座を覚えるのに良い季節です。
冬の星座を探してみようのページを参考に星座をたどってみて下さい。
2月~4月は夕空の黄道光が観望好期です。
黄道光とは日没直後に黄道に沿ってぼーっと見える光芒ですが,空が暗く澄んだところでしか見られません。山などへ行く機会があったら,日没直後の西の空を注意して眺めてみてください。
南中する星座
午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。
見やすい星雲星団
惑星状星雲 | M1 (かに星雲/おうし座) M97 (おおぐま座) |
---|---|
散光星雲 | M42 (オリオン大星雲/オリオン座) |
散開星団 | M35 (ふたご座) M36・M37・M38 (ぎょしゃ座) M45 (プレアデス星団,すばる/おうし座) |
銀河(系外星雲) | M81・M82・M101 (おおぐま座) M106 (りょうけん座) |
2021年2月のカレンダー
日 | 曜日 | 月相 | 天文現象 |
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1 | 月 | 火星(♂)が東矩:19時34分 アルゴル型食変光星 アルゴル極小:21時26分 | |
2 | 火 | 節分 | |
3 | 水 | 立春(太陽の黄経 315度):23時59分。 | |
4 | 木 | 月が最近(0.963):04時03分 アルゴル型食変光星 アルゴル極小:18時15分 | |
5 | 金 | 下弦:02時37分 | |
8 | 月 | 事始め 針供養 水星(☿)が内合:22時48分 | |
10 | 水 | 小惑星 (2) パラスが合:04時50分 水星(☿)が地球最近(距離 0.647au):23時19分 | |
11 | 木 | 建国記念の日 | |
12 | 金 | 新月:04時06分 | |
18 | 木 | 冥王星の日 月が最遠(1.052):19時22分 雨水(太陽の黄経 330度):19時44分 | |
20 | 土 | 上弦:03時47分 | |
21 | 日 | アルゴル型食変光星 アルゴル極小:23時11分 | |
23 | 火 | 天皇誕生日 | |
24 | 水 | アルゴル型食変光星 アルゴル極小:20時00分 | |
26 | 金 | 旧小正月 | |
27 | 土 | 満月:16時33分 |
2021年/令和3年/皇紀2681年/平年/ 辛丑(かのとうし)
2月のお話
・如月
・February
・立春と雨水
・スターダスト現象・氷霧・星のささやき・光の春
・Wolf Moon(オオカミの満月)
・東風解凍 (はるかぜこおりをとく)
・キャンドルマス(Candlemas Day)
・節分(せつぶん,せちぶん)
・太巻き寿司の丸かぶり
・宝積寺の豆撒式
・灰の水曜日(Ash Wednesday)
データ出典:
・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・アルゴル極小予報 予報 | 日本変光星研究会