チューリップ

2021年03月の星空

星空解説

明け方の惑星たち

 6日に西方最大離角を迎える水星が,夜明け前の東の空に見えています。
 しかし,日の出直前,空が明るくなり始めた午前5時半の東京での地平線高度は6度。地平線すれすれです。観察に適した条件とは言えず,東の空が思い切り開けた場所に行かないと見えません。

ケイト
去年の12月に夕方の西空に見えていた木星と土星。
明け方の空で再会だね!


 けれど,5日には水星と木星がほとんどくっついて見える珍しい現象が起こります。近くには土星も見えています。もし東の地平線まで見える場所がありましたら,双眼鏡を使ってさがしてみましょう。
 少し離れたところにある土星が良い目印になります。
 風景と一緒に数日おきに写真に撮ってみると,惑星の動きがよくわかります。

2021年3月5日 早朝の惑星会合 (星図はクリックで拡大できます。)

火星をさがしてみよう

 春分を迎える3月は,ぐんぐんと昼間が長くなっていきます。
 春霞で空は白く濁り,菜種梅雨で雨の日も増え,星空を見上げる機会が減っていく月でもあります。
 けれど寒さが緩み,大気が安定し,小望遠鏡で惑星を観察したりするには良い季節です。

ミラ
火星は明るいから,
赤い色が分かりやすいよ!

 今年の3月は夜の早い時間帯に西空に輝いている火星が一番観察しやすい惑星です。
 下の図は,午後8時頃に真西を向いたときの星空です。

 火星の近くには,赤い1等星,アルデバランとベテルギウスが見えています。また,青白い1等星,リゲルとシリウスが見えています。色を比べてみましょう。

2021年3月15日 20時の西空

南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬いっかくじゅう座ふたご座
中旬こいぬ座とびうお座(☆)・とも座やまねこ座
下旬かに座りゅうこつ座

春の星座
春の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲M1 (かに星雲/おうし座),M97 (おおぐま座)
散光星雲M42 (オリオン大星雲/オリオン座)
散開星団M35 (ふたご座),M36・M37・M38 (ぎょしゃ座),M44 (プレセペ/かに座)
銀河(系外星雲)M81・M82・M101 (おおぐま座),M106 (りょうけん座)

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2021年3月のカレンダー

曜日月相天文現象
2月が最近(0.951):14時18分
3上巳(桃の節句)
旧二十日正月
5小惑星(4)ベスタが :03時08分
水星(☿)と木星(♃)が接近(離角 -0°20′):12時27分
啓蟄(太陽の黄経 345度):17時54分
6下弦の月のイメージ下弦:10時30分
水星(☿)が西方最大離角(離角-27°16′):20時
11海王星(♆)が:09時01分
12海王星(♆)が地球最遠(距離 30.919au):06時00分
13新月のイメージ新月:19時21分
16アルゴル型食変光星 アルゴル極小:21時46分
17春の彼岸の入り
18月が最遠(1.054):14時03分
19アルゴル型食変光星 アルゴル極小:18時35分
20春分の日
春分(太陽の黄経 0度):18時37分
旧こと初め
旧針供養
21上弦の月のイメージ上弦:23時40分
23春の彼岸明け
26金星(♀)が外合:15時58分
27外縁天体 準惑星 (136472) マケマケが:16時39分
29満月のイメージ満月:3時48分
30金星(♀)が地球最遠(距離 1.723au):15時12分
月が最近(0.937):15時16分
31アルゴル型食変光星 アルゴル極小:05時52分

2021年/令和3年/皇紀2681年/平年/ 辛丑(かのとうし)

惑星用語の説明
月の形の変化について


3月のお話

弥生
March
啓蟄と春分
春一番・花散らし・春嵐
Lenten Moon(受難節:レントの月)
蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)
灰の水曜日(Ash Wednesday)
聖パトリック祭(St Patrick’s Day)
イースター・エッグ(Easter egg)

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データ出典:

・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・アルゴル極小予報 予報 | 日本変光星研究会