星空解説
11月は日暮れが早く,空は高く澄み渡り,晴れの日も多く,本格的寒さはまだ。星を見るにはよい季節です。
夜半になると賑やかな冬の星座も見やすい位置まで上ってきます。
惑星
天王星
5日に天王星が衝を迎え観望好期に入ります。
天王星は肉眼では見えないと思うかもしれませんね?
でも,とても暗く条件の良い空の下,視力の良い人なら,かろうじて肉眼で確認できるかもしれません。
なので,双眼鏡があれば市街地でも確認することができます。また,小望遠鏡なら面積を持った円盤状に見ることができます。
自分で見つけるのが難しい人は,公共天文台の観望会などに参加して見せてもらいましょう。
下の図は衝の日の天王星の位置です。天王星は数日経ってもほとんど変わらない場所に見えます。
図はクリックして拡大して見てくださいね。
白昼の金星食
昼間に起こり,九州の一部では見られません。
下の図は東京での様子です。
太陽の地平線高度は27度,月は26度,南を向くとほぼ同じ高さに見えています。
月は太陽光の下でも見えますが,青空の中では大変見つけにくいものです。間違って双眼鏡で太陽を見てしまったりしないよう,十分に気をつけましょう!
木星と土星
木星は日暮れ直後の南の空の一番星です。
木星と土星は夜の早い時間帯に見ることができます。都会の街明かりがあっても十分に見られますので探してみましょう。
流星群
おうし座北流星群
おうし座北流星群🌠が12日に極大を迎えます。この日は上弦を過ぎた月がありますが,ほぼ一晩中観察できる流星群です。ただし,HR=5個程度の小さな流星群で,見られるのはせいぜい1時間に2個程度。流星群だと思って沢山流れるのを期待してはいけません。
おうし座北流星群は10月20日~12月10日頃まで長い期間見られ,たまに火球の報告もありますので,空を見上げる機会があったら思い出してみましょう。
比較的ゆっくり流れる流星群です。
しし座流星群
しし座流星群🌠は,18日未明に極大を迎えます。しかし,満月直前の大きな月が一晩中輝いていて,今年は条件が良くありません。また,ここ数年大きな活動はなく,今年も特に予報はありません。流星数は1時間に数個程度と予想されます。
流星観察をするときは,月が視野に入らないような場所を選びましょう。
しし座流星群の流れ星は,痕を残して高速で流れるのが特徴。しし座が上ってくる明け方に沢山流れます。
流星観察は11月でもたいへん冷え込みますので,十分に防寒対策をして行いましょう。→ 流れ星を見てみよう
しし座流星群の母天体,55P/テンペル・タットル彗星は2014年に遠日点を通過し,2031年5月の近日点通過に向けて太陽に近づいてきていますので今後が楽しみな流星群です。
部分月食
11月19日金曜日は,日本全国で部分月食が見られます。ただし,北海道と東北地方北部を除く地域では月出帯食(げつしゅつたいしょく:月の出の前に月食が始まっている)となります。
部分月食ですが,食分は0.978。皆既月食に迫る大きな部分食です(食分が1.0を超えると皆既)。宵の口で見やすい時間帯なので,ぜひ見てみましょう。
月食については 月食を見てみよう のページを参考にしてください。
半影食始 | 部分食始 | 食最大 (食分) | 部分食終 | 半影食終 |
15h00.4m | 16h18.4m | 18h02.9m (0.978) | 19h47.4m | 21h05.5m |
地名 | 月の出時刻 | 月の出時の食分 |
東京 | 16時27.6分 | 0.124 |
京都 | 16時45.3分 | 0.355 |
福岡 | 17時10.2分 | 0.649 |
那覇 | 17時35.6分 | 0.878 |
南中する星座
午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。
見やすい星雲星団
惑星状星雲 | NGC7293 (らせん状星雲/みずがめ座) |
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散光星雲 | |
散開星団 | M34 (ペルセウス座) M52 (カシオペア座) h-χ (二重星団/ペルセウス座) |
球状星団 | M2 (みずがめ座) M15 (ペガスス座) M30 (やぎ座) |
銀河(系外星雲) | M31 (アンドロメダ大星雲/アンドロメダ座) M33 (さんかく座) M77 (くじら座) |
2021年11月のカレンダー
日 | 曜日 | 月相 | 天文現象 |
1 | 月 | 計量記念日 | |
3 | 水 | 文化の日 | |
4 | 木 | アルゴル型食変光星 アルゴル極小:03時40分 | |
5 | 金 | 天王星が地球最近(距離 18.739au):0時08分 朔(新月):6時15分 天王星(♅)が衝:8時58分(+5.7等) | |
6 | 土 | 月が最近(距離 0.934):07時18分 | |
7 | 日 | アルゴル型食変光星 アルゴル極小:00時29分 立冬(太陽の黄経 225度):13時59分 | |
8 | 月 | 金星食(東京潜入):13時46分 金星食(東京出現):14時37分 | |
9 | 火 | 一の酉 太陽暦採用記念日 アルゴル型食変光星 アルゴル極小:21時17分 | |
10 | 水 | 火星と水星が合(離角 -0°58′):21時56分 | |
11 | 木 | 炉開き 上弦:21時46分 | |
12 | 金 | おうし座北流星群🌠が極大 アルゴル型食変光星 アルゴル極小:18時06分 | |
14 | 日 | とおかんや | |
15 | 月 | 七五三 | |
16 | 火 | 木星(♃)が東矩:4時58分 | |
18 | 木 | しし座流星群🌠が極大(条件悪):2時 | |
19 | 金 | 望(満月):17時57分(部分月食) | |
21 | 日 | 二の酉 月が最遠(距離 1.057):11時13分 | |
22 | 月 | 小雪(太陽の黄経 240度):11時34分 | |
23 | 火 | 勤労感謝の日 | |
24 | 水 | アルゴル型食変光星 アルゴル極小:05時22分 | |
27 | 土 | アルゴル型食変光星 アルゴル極小:02時11分 準惑星 (1) ケレスが衝:12時50分 下弦:21時28分 | |
28 | 日 | 小惑星(4)ベスタが合 :19時24分 | |
29 | 月 | 水星(☿)が外合:13時39分 アルゴル型食変光星 アルゴル極小:23時00分 | |
30 | 火 | 水星が地球最遠(距離 1.451au):23時53分 |
2021年/令和3年/皇紀2681年/平年/ 辛丑(かのとうし)
11月のお話
・霜月
・November
・立冬と小雪
・霜・霜柱・小春日和・木枯らし一号
・山茶始開(七十二候 立冬~小雪)
・Harvest Moon
・アドベント
データ出典:
・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・アルゴル極小予報 予報 | 日本変光星研究会