2016年11月の星空

2016年11月の星空情報

 11月は日暮れが早く,空は澄んでおり,また晴れの日も多く,本格的寒さはまだ。星を見るにはよい季節です。夜半になると賑やかな冬の星座も見やすい位置まで上ってきます。

 6日に好条件で極大を迎えるおうし座南流星群は,1時間に5個程度の小さな流星群ですが10月初旬から11月末まで長い期間流れます。極大の頃は上弦の月がありますから,月没後の夜半過ぎからが観測条件も良くなります。十分に防寒対策をして観察しましょう。→ 流れ星を見てみよう

 14日の満月は月の最近と重なり大きな満月が見られます。近年このような条件の満月をスーパームーンと呼んで話題になっていますが,スーパームーンは古来からの天文学の用語ではありません。占星術師 Richard Nolle氏によって定義された言葉とのことで,占星術由来の言葉です。スーパームーンとは,月がその軌道上において地球と最近となる位置で新月または満月を迎えた場合のことで,通常より大きな状態の月を楽しむことができます。
 地球から月への距離の平均は約385,000km,2016年11月14日の月は356,509km。月が最接近する場合の距離は356,400km ~ 370,400km ですから,この日は特に大きく立派な月を見ることができるでしょう。

 17日のしし座流星群極大は,満月後で一晩中月明かりがあるため条件がよくありません。
 母天体のテンペル・タットル彗星は2年前の2014年に遠日点を通過し,流星群の活動も低下しており,出現は1時間に10個程度。痕が残る高速の流星を見かけたら,しし座流星群の流れ星です。


南中する星座 (秋の星座秋の全天星図

 午後8時(20時)に南中を迎える,観察しやすい星座たちです。

 【上旬】 
 【中旬】 きょしちょう座(☆)
 【下旬】 アンドロメダ座うお座ちょうこくしつ座

 ☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

見やすい星雲星団 (星雲星団を見よう星雲星団一覧表

 【惑星状星雲】 NGC7293 (らせん状星雲,みずがめ座)
 【散開星団】  M34 (ペルセウス座), M52 (カシオペア座), h-χ (二重星団,ペルセウス座)
 【球状星団】  M2 (みずがめ座), M15 (ペガスス座), M30 (やぎ座)
 【銀河(系外星雲)】 M31 (アンドロメダ大星雲,アンドロメダ座), M33 (さんかく座), M77 (くじら座)


惑星用語の説明月の形の変化について

天文現象
1 月が最遠:4時29分(視直径29分23秒,1.058)
3 月が土星の北3°43′:4時18分
月が金星の北6°51′:13時16分
6 おうし座南流星群が極大(条件良)
7 立冬:8時48分。太陽の黄経が 225度になる。
8 上弦の月のイメージ 上弦:4時51分
13 おうし座北流星群の極大(条件最悪)
14 満月のイメージ 小惑星(2)パラスが東矩:15時57分
月が最近:20時21分(視直径33分29秒,0.927,356,509km)
満月:22時52分
15 アルゴル型食変光星 アルゴルが極小光度:3時12分
16 アルデバランの 東京:潜入:2時23分 東京:出現:3時27分
17 しし座流星群の極大(条件最悪):19時
18 アルゴル型食変光星 アルゴルが極小光度:0時1分
20 アルゴル型食変光星 アルゴルが極小光度:20時50分
21 下弦の月のイメージ 文化の日
下弦:17時33分
22 小雪:6時22分。太陽の黄経が 240度になる。
23 勤労感謝の日
24 土星と水星が接近(3°28′):9時37分
わし座 R(周期457日,変光範囲6.7等-14.0等)が極大光度
28 月が最遠:5時8分(視直径29分33秒,1.058)
29 新月のイメージ 新月:21時18分