ススキ(芒,尾花)

2022年09月の星空

星空解説

 秋の日はつるべ落とし。
 9月になると日没時刻が早くなり,夕方の早い時間帯から星が見えるようになってきます。

 また,9月に入ると明け方の空で黄道光が観望好期に入ります。黄道光は空気の澄んだところでしか見えませんが,山などへ行く機会があったら黄道に沿って光の帯が伸びているのを探してみましょう。


惑星

木星と土星

ケイト
ガニメデの名は木星=ゼウスに愛された美少年ガニュメーデースが由来!

 8月にを迎えた土星(♄)と,今月を迎える木星(♃)が観望好期です。日が暮れて1時間ほどすると東の空で見やすくなります。

 木星と土星は都会の街明かりの下でも問題なく見えます。また小望遠鏡でも捉えやすく,低倍率でも土星の環や木星の縞模様などを見ることができます。

 望遠鏡で惑星をとらえたら,是非スケッチをしてみましょう。
 スケッチのために一生懸命見ているうちに目が惑星に慣れ,何度か続けているとだんだん模様がよく見えるようになっていきます。惑星の模様が見える目は,この「慣れ」によって養われます。
 木星の近くに衛星が見えたら, ガリレオ衛星(※)と呼ばれる4個の衛星のどれかです。

※ ガリレオ衛星
 望遠鏡を発明したイタリアの学者,ガリレオ・ガリレイによって1610年に発見された木星の4個の衛星。
 木星に近い順にイオ,エウロパ,ガニメデ,カリストと呼びます。
 ガニメデは太陽系で一番大きな衛星,イオは活火山があることで知られています。

 9月半ばの夜半前の星空です。
 クリックで拡大して見て下さいね。

2022年9月の惑星(2022-09-15 23:00)
2022年9月の惑星(2022-09-15 23:00)

木星と土星が月と合

 8日には土星が,12日には木星が,月と接近する「合」という現象が見られます。特に12日の木星と月の合はほぼくっついて見えます。

  • 8日21時34分 土星と月の合(離角 3°44′)
  • 12日1時30分 木星と月の合(離角 1°37′)

 同じ時刻に写真を撮ったりしておくと,惑星の中を月が動いて行く様子がよくわかります。


海王星

 17日にみずがめ座 でを迎える海王星(♆)も観望好期です。
 海王星を捜すのは初心者には難しいですが,小望遠鏡で拡大すると,小さな小さな円盤状に見ることができます。
 公共の天文台の観望会などへ行く機会があったら見せてもらいましょう。


中秋の名月

ミラ
中秋の名月は芋名月。
里芋を供えて収穫に感謝だね!

 9月といえばお月見の季節。

 2022年の中秋の名月9月10日。満月の日です。
 中秋の名月は秋の真ん中の日,仲秋(陰暦8月)15日の月のことで,月齢に基づいて暦が作られる旧暦では満月でした。けれど新暦では必ずしも満月になるわけではありません。

 今年の中秋の名月が満月と重なるのは「たまたま」というわけです。

 日本では中秋の名月(十五夜)を見たら必ず後の名月(十三夜)も見なければ縁起が悪いとされてきましたので,十五夜にお月見をした方は,来月の十三夜も忘れずに眺めると良いですね。

 2022年の十三夜10月8日です。



南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬いて座くじゃく座(☆)・ぼうえんきょう座(☆)
中旬こぎつね座や座わし座
下旬いるか座けんびきょう座(☆)・はくちょう座

秋の星座
秋の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲M27 (あれい状星雲/こぎつね座)
M57 (環状星雲/こと座)
散光星雲NGC7000 (北アメリカ星雲/はくちょう座)
散開星団
球状星団M2 (みずがめ座)
M15 (ペガスス座)
M30 (やぎ座)
M56 (こと座)
銀河(系外星雲)M51 (子もち星雲/りょうけん座)
M101 (おおぐま座)

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2022年9月のカレンダー

日 曜日月相天文現象
1二百十日(立春を起算日とし210日目)
アルゴル型食変光星 アルゴル極小:5時28分
4上弦の月のイメージアルゴル型食変光星 アルゴル極小:2時17分
上弦:03時08分
5金星が近日点を通過:05時20分
不成就日
6アルゴル型食変光星 アルゴル極小:23時6分
7八せん終り
三隣亡
8白露(太陽の黄経 165度):0時32分
小惑星 (3) ジュノーが:01時49分
月が最近(距離 0.948):03時19分
土星と月の合(離角 3°44′):21時34分
9重陽
10満月のイメージ満月:18時59分
中秋の名月(十五夜)
三隣亡
11二百二十日(立春を起算日とし220日目)
一粒万倍日
12木星と月の合(離角 1°37′):1時30分
水路記念日
13不成就日
16海王星が地球最近(距離 28.910au):11時35分
一粒万倍日
17海王星(♆)が(+7.7等,みずがめ座):07時21分
18下弦の月のイメージ下弦:06時52分
19月が最遠(距離 1.052):23時43分
敬老の日
20彼岸入り
空の日
21水星が地球最近(距離 0.645au):08時03分
不成就日
22社日
三隣亡
23秋分の日(彼岸中日)
秋分(太陽の黄経 180度):10時04分
水星(☿)が内合:15時50分
一粒万倍日
24アルゴル型食変光星 アルゴル極小:4時0分
26新月のイメージ新月:06時55分
木星が地球最近(距離 3.953au):11時17分
彼岸明け
不成就日
27アルゴル型食変光星 アルゴル極小:0時49分
木星(♃)が(-2.9等,うお座):04時33分
28十方ぐれ入り
一粒万倍日
29アルゴル型食変光星 アルゴル極小:21時38分

2022年/令和4年/皇紀2682年/平年/ 壬寅(みつのえとら)

惑星用語の説明
月の形の変化について


9月のお話

長月
September
白露と秋分
秋雨・秋霖・秋台風
草露白(七十二候 白露~秋分)
Fruit Moon
お月見

ススキ(芒,尾花)
ススキ(芒,尾花)

データ出典:

・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・アルゴル極小 予報 – 日本変光星研究会