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2021年10月の星空

星空解説

 安定した晴れの日が多く日暮れが早く空が高く澄む十月は,星を見るに良い季節です。
 宵の頃には夏の大三角が西空に輝き,夜半前には東の空から賑やかな冬の星座たちが上ってきます。有名なギリシア神話に彩られた秋の星座たちは,ペガススの四辺形からたどってみましょう。


惑星

 8月にを迎えた木星(♃)と土星(♄)は,夜の早い時間帯から南の空に見えていて観察しやすくなっています。
 都会の街明かりの下でもよくわかる明るい惑星です。小望遠鏡があれば街中でも木星の縞模様や土星の環を楽しむことが出来ます。

ミラ
木星も土星もやぎ座にあるよ!

 また,木星と土星は明るくて誰にでもすぐに見つけられるので,木星と土星をたよりに,やぎ座みずがめ座の星々をたどってみると,星座も見つけやすいでしょう。
 星座をさがすときには,下のページも参考にしてみてください。


 金星(♀)は30日に東方最大離角を迎え,夕刻の西空に見えています。
 下の星図は20日の夕方の空ですが,金星の地平線高度は16度。かなり低いので,南西の空が開けた場所で探しましょう。

2021年10月20日 17時30分 の東京の空
2021年10月20日 17時30分 の東京の空

十三夜

ケイト
十三夜は栗名月とか豆名月とも言うよ!

 「後の名月」とも呼ばれる十三夜は,陰暦9月13日の月のことで,2021年は10月18日です。

 日本のお月見は,中秋の名月と後の名月十三夜)の両方の名月を見るもので,どちらか片方だけ見るのは片見月と呼び,縁起が悪いものとして忌み嫌われました。

 9月21日の中秋の名月を見たら,忘れずに十三夜にもお月見をしましょう。十三夜には栗や枝豆を供えます。


流星群

10月りゅう座流星群

 9日10月りゅう座流星群(ジャコビニ流星群)が極大を迎えます。

 この流星群は 輻射点が早めに沈んでしまうので 宵の口から夜半にかけてが見頃。8日の宵の口から9日にかけて観測しましょう。今年は三日月で月明かりの心配はありません。
 母天体のジャコビニ・チンナー彗星(21P/Giacobini-Zinner)は6.6年周期で,だいたい13年に一度活発になります。
 2021年には特に出現予想はありませんが,周期群から定常群へ移行しつつある流星群で1時間に数個程度は期待できます。

ミラ
流星観察は寒さに注意だよ!

 非常にゆっくりとした流星がふわっと流れるのが特徴で,この群の流れ星はすぐにわかります。
 できるだけ空の暗い場所でしっかりと防寒対策をして観察しましょう。流星観測を計画しておられる方は,流れ星を見てみよう のページを参考にしてください。


オリオン座流星群

 21日には,ハレー彗星を母天体とするオリオン座流星群が極大を迎えます。
 しかし満月直後の明るい月明かりがあり,観測には適しません。月が視野に入らないような場所で観測しましょう。

 オリオン座流星群は10月2日から11月7日頃まで,長い期間流れる流星群です。ピークの日以外にもよく活動している流星群なので,放射点が上がってくる夜半過ぎに月明かりの影響がなくなる新月から上弦くらいの日に眺めてみましょう。

 痕を伴う明るい高速流星が特徴で,極大に近い頃なら1時間に10個程度の流れ星が期待できます。



南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬インディアン座(☆)・こうま座はちぶんぎ座(☆)・やぎ座
中旬ケフェウス座
下旬つる座 ・ とかげ座ペガスス座みずがめ座みなみのうお座

秋の星座
秋の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲M27 (あれい状星雲/こぎつね座)
M57 (環状星雲/こと座)
NGC7293 (らせん状星雲/みずがめ座)
散光星雲NGC7000 (北アメリカ星雲/はくちょう座)
散開星団
球状星団M2 (みずがめ座)
M15 (ペガスス座)
M30 (やぎ座)
M56 (こと座)
銀河(系外星雲)

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2021年10月のカレンダー

 曜日月相天文現象
6新月のイメージ新月:20時05分
8水星(☿)が地球最近(距離 0.658au):06時11分
寒露(太陽の黄経 195度):10時39分
火星(♂)が:13時01分
9月が最近(距離 0.945):02時28分
10月りゅう座群(ジャコビニ流星群)🌠が極大:03時
おうし座南流星群🌠が極大
10水星(☿)が内合:1時18分
12アルゴル型食変光星 アルゴル極小:05時09分
13上弦の月のイメージ上弦:12時25分
14重陽
15アルゴル型食変光星 アルゴル極小:01時58分
17準惑星 (136199) エリスが:18時34分
アルゴル型食変光星 アルゴル極小:22時47分
18十三夜(後の月)
20満月のイメージ土用(太陽の黄経 207度):13時26分
アルゴル型食変光星 アルゴル極小:19時36分
満月:23時57分
21オリオン座流星群🌠が極大:20時
準惑星 (136108) ハウメアが :23時44分
23霜降(太陽の黄経 210度):8時00分
25月が最遠(距離 1.055):00時28分
水星(☿)が西方最大離角(離角 -18°24′):14時
29下弦の月のイメージ下弦:05時05分
30金星(♀)が東方最大離角(離角 47°03′):06時
土星(♄)が東矩:18時53分

2021年/令和3年/皇紀2681年/平年/ 辛丑(かのとうし)

惑星用語の説明
月の形の変化について


10月のお話

神無月
October
寒露と霜降
秋晴れ・露
鴻鴈来(七十二候 寒露~霜降)
Harvest Moon
お月見
輝け、十月の太陽よ(セイタカアワダチソウ)

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データ出典

・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・アルゴル極小予報 予報 | 日本変光星研究会