星空解説
9月になると日没時刻が早くなり,夕方早い時間帯から星が見えるようになってきます。
また,9月に入ると明け方の空で黄道光が観望好期に入ります。黄道光は空気の澄んだところでしか見えませんが,山などへ行く機会があったら黄道に沿って光の帯が伸びているのを探してみましょう。
11日,みずがめ座 で衝を迎える海王星が観望好期です。
海王星を捜すのは初心者には難しいですが,小望遠鏡で拡大すると,小さな小さな円盤状に見ることができます。公共の天文台の観望会などで見せてもらいましょう。
下の図は,11日22時の海王星と,ついでに天王星の位置です。
実際は海王星の近くに中秋の名月をひかえた大きな月があり,11日に見るのはお勧めできません。月末の新月が近い夜の方がお勧めです。海王星は地球からとても遠いので,月末になっても位置はそれほど変化しませんし,大きさも変化しません。
天王星は海王星より明るいので,双眼鏡があれば位置の確認などもできるかもしれません。
13日はお月見,中秋の名月です。満月は翌14日午後なので,少し欠けた名月になります。
中秋の名月とは秋の真ん中の日,仲秋(陰暦8月)15日の月のことで,必ずしも満月と同日にはなりません。むしろ中秋の名月と満月が重なることの方が少ないのです。
中秋の名月は別名芋名月といい,昔から里芋を供える習慣がありました。日本人の主食が里芋だった名残だとも言われます。日本では,お月見は中秋の名月と後の名月(十三夜)の両方の名月を見るものとされ,どちらか片方だけ見るのは片見月として忌み嫌われました。
十三夜は陰暦9月13日の月のことで,2019年は10月11日です。中秋の名月を見た方は,忘れずに十三夜も眺めましょう。
南中する星座
午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません
見やすい星雲星団
- 惑星状星雲
- M27 (あれい状星雲/こぎつね座),M57 (環状星雲/こと座)
- 散光星雲
- NGC7000 (北アメリカ星雲/はくちょう座)
- 散開星団
- 球状星団
- M2 (みずがめ座),M15 (ペガスス座),M30 (やぎ座),M56 (こと座)
- 銀河(系外星雲)
- M51 (子もち星雲/りょうけん座),M101 (おおぐま座)
今月のカレンダー
日 | 曜日 | 月相 | 天文現象 |
1 | 日 | 二百十日 アルゴル型食変光星 アルゴル極小:21時24分 | |
3 | 火 | 水星☿ が外合:16時59分 | |
4 | 水 | 火星が合:3時45分 | |
6 | 金 | ? | 木星が東矩:3時59分 上弦:12時10分 |
7 | 土 | アンドロメダ座 R(周期409日,変光範囲5.8等-14.9等)が極大光度 | |
8 | 日 | 白露:7時17分。太陽の黄経が 165度になる。 | |
10 | 火 | 9月ペルセウス座ε流星群?が極大:8時(条件良) | |
11 | 水 | 海王星が衝:3時10分(+7.8等,みずがめ座,視直径2秒4) | |
13 | 金 | 中秋の名月 アルゴル型食変光星 アルゴル極小:8時38分 月が最遠:22時32分(視直径29分24秒,1.057) | |
14 | 土 | ? | アルゴル型食変光星 アルゴル極小:5時27分 満月:13時33分 |
16 | 月 | 敬老の日 | |
19 | 木 | アルゴル型食変光星 アルゴル極小:2時15分 | |
20 | 金 | 秋の彼岸の入り | |
21 | 土 | アルゴル型食変光星 アルゴル極小:23時4分 | |
22 | 日 | ? | 下弦:11時41分 |
23 | 月 | 秋分の日 秋分:16時50分。太陽の黄経が 180度になる。 | |
24 | 火 | アルゴル型食変光星 アルゴル極小:19時53分 | |
28 | 土 | 月が最近:11時24分(視直径33分23秒,0.931) | |
29 | 日 | ? | 新月:3時26分 |
9月のお話
・長月
・September
・白露と秋分
・秋雨・秋霖・秋台風
・草露白(七十二候 白露~秋分)
・Fruit Moon
・お月見