2019年10月の星空

星空解説

 安定した晴れの日が多く日暮れが早く空が高く澄む十月は,星を見るに良い季節です。
 宵の頃には夏の大三角が西空に輝き,夜半前には東の空から賑やかな冬の星座たちが上ってきます。有名なギリシア神話に彩られた秋の星座たちは,ペガススの四辺形からたどってみましょう。

 9日に極大を迎えるりゅう座流星群(ジャコビニ流星群)は,上弦を過ぎた月が大きく輝いていて条件がよくありません。
 しかし母天体のジャコビニ・チンナー彗星が2018年9月に回帰したばかり。大規模な出現は期待できないものの,りゅう座流星群は周期群から定常群へ移行しつつある流星群で,今年は 10月8日23時にも1時間あたり10個程度の出現予報があります。
 輻射点が早めに沈んでしまうので観察時間帯は日没から夜半前まで。非常にゆっくりとした流星がふわっと飛ぶのを見かけたら,ジャコビニ流星群の流星です。できるだけ空の暗い場所でしっかりと防寒対策をして観察しましょう。流星観測を計画しておられる方は,流れ星を見てみよう のページを参考にしてください。

 11日は名月,十三夜です。
 十三夜は日本独特の行事です。お月見は中秋の名月と後の名月(十三夜)の両方の名月を見るものとされ,どちらか片方だけ見るのは縁起の悪い“片見月”として忌み嫌われました。
 9月13日に中秋の名月を見た人は,ぜひ十三夜も見上げてみてください。

 22日にはオリオン座流星群が極大を迎えますが,下弦直後の月があって条件は良くありません。
 オリオン座流星群は10月10日から11月5日頃までの長い期間流れますので,放射点が上がってくる夜半過ぎに月明かりの影響がなくなるシーズン後半の夜が狙い目です。痕を伴う明るい高速流星が特徴で,極大に近い頃なら1時間に10~20個の流れ星が期待できます。

 28日を迎える天王星が観望好期です。
 天王星はとても暗い空の下,視力の良い人であればかろうじて肉眼で確認できる程度の明るさです。小さな双眼鏡などがあれば,確認しやすくなります。小望遠鏡では面積を持った円盤状に見ることができます。
 自分でさがすのが難しい人は,ぜひ公共天文台の観測会などに参加して見せてもらいましょう。

 下の図は衝当日の天王星の位置で,黄色の丸で囲まれた位置が天王星です。図はクリックして拡大して見てくださいね。

2019年10月28日22時の空

南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません

秋の星座秋の全天星図


見やすい星雲星団

  • 惑星状星雲
    • M27 (あれい状星雲/こぎつね座)・M57 (環状星雲/こと座)・NGC7293 (らせん状星雲/みずがめ座)
  • 散光星雲
    • NGC7000 (北アメリカ星雲/はくちょう座)
  • 散開星団
  • 球状星団
    • M2 (みずがめ座)・M15 (ペガスス座)・M30 (やぎ座)・M56 (こと座)
  • 銀河(系外星雲)

星雲星団を見よう星雲星団一覧表


今月のカレンダー

 曜日月相天文現象
6? 上弦:1時47分
8寒露:23時6分。太陽の黄経が 195度になる。
9アルゴル型食変光星 アルゴル極小:3時56分
りゅう座流星群?(ジャコビニ流星群)の極大:16時(条件悪)
10土星が東矩:19時45分
11月が最遠:3時29分(視直径29分26秒,1.056)
12アルゴル型食変光星 アルゴル極小:0時45分
13うみへび座 R(周期360日,変光範囲3.5等-10.9等)が極大光度
14? 体育の日
満月:6時8分
17アルゴル型食変光星 アルゴル極小:18時22分
18準惑星(134340)冥王星が東矩:7時37分
さんかく座 R(周期265日,変光範囲5.4等-12.6等)が極大光度
20水星が東方最大離角:13時2分(-0.1等,離角24°.6)
21? 秋の土用の入り:1時57分。太陽の黄経が 207度になる。
下弦:21時39分
22オリオン座流星群?が極大(条件悪):9時
24霜降:2時20分。太陽の黄経が 210度になる。
26月が最近:19時39分(視直径33分04秒,0.940)
28?新月:12時38分
天王星が:21時30分(+5.7等,おひつじ座
29アルゴル型食変光星 アルゴル極小:5時37分

惑星用語の説明
月の形の変化について

10月のお話
神無月
October
寒露と霜降
秋晴れ・露
鴻鴈来(七十二候 寒露~霜降)
Harvest Moon
お月見
輝け、十月の太陽よ(セイタカアワダチソウ)

2019年10月(パンパスグラス)