星空解説
夜が長い12月は,星空観察に良い季節です。
明るい星が多い豪華な冬の星座達も,早い時間帯から見られるようになります。寒さ対策をしっかりして星を見ましょう。
惑星
水星
水星は4日に東方最大離角を迎えますが,午後5時の地平線高度が7度。地平線ぎりぎりといった感じです。大気による減光もあり,見つけるのは難しいでしょう。
探してみるなら,南西の地平線ぎりぎりを双眼鏡を使って見てみましょう。
金星
金星は夜明け前の南東の空に見えています。-4.2 〜 -4.0等級の明るさで,見間違うことはありません。
9日に月と合になり,細い月と金星のランデブーが見られます。合となるのは9日ですが,時刻が23時24分なので翌10日の朝が一番近づいて見えています。
風景と一緒に写真を撮るなどして楽しんでください。
下の星図はクリックして拡大して見て下さいね。
木星
11月3日に衝を迎えた木星は,まだまだ観望好期です。おひつじ座を逆行中で,明るさも -2.8〜 -2.6等。周辺のどの星よりも明るく輝いています。
22日の夜には木星と月が近づいて見える合となります。
上弦を過ぎた明るい月と木星が夜空に並んだ様子を見てみましょう。
下の星図はクリックして拡大して見て下さいね。
土星
土星は みずがめ座を順行中で,日没頃に南中し,22時頃には西南西の空に没します。明るさは1.0等くらいです。
流星群
ふたご座α流星群
師走の空を飾るふたご座α流星群は,2023年はピークが夜間で月明かりの影響もなく好条件です。
ピークは15日の4時頃という予報になっていますので,14日〜15日にかけての夜が一番のお勧めです。
ふたご座α流星群の活動期間は12月5日頃から12月20日頃までです。冬の星座であるふたご座に流星群の放射点があるため,一晩中,全ての方角でコンスタントに流れます。
けれどピークを過ぎると流星数が急に減っていきます。極大日の数日前から晴れた夜に空を見上げると良いでしょう。近年は火球も増え,いっそう華やかな流星群になってきています。
12月は日没が早く夜が長い季節でもありますから,思い出したら夜空を見上げてみてください。偶然明るい流星に出会えるかもしれません。
流星観察については 流れ星を見てみよう をご参照ください。
ふたご座流星群の母天体,小惑星(3200)フェアトンは,1.43年周期で楕円軌道を描いて公転しており,今世紀末の2093年12月14日に地球にかなり接近することが予想されています。
また2223年には軌道が地球に近づくことも予想され,今後ともふたご座α流星群と共に目が離せない存在です。
こぐま座流星群
ふたご座流星群が活動を終える頃,一年を締めくくるこぐま座流星群が流れ始めます。こぐま座流星群は8P/タットル彗星を母天体とする流星群です。
今年は23日13時頃にピークが予想されており,日中な上に月齢10で月も大きく条件は良くありません。
こぐま座流星群の流星は北天から緩やかに流れます。ZHR=10で,実際に見える流れ星は1時間に1~2個くらい。小さな流星群ですが火球が流れることもあります。
南中する星座
午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。
見やすい星雲星団
惑星状星雲 | |
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散光星雲 | M42 (オリオン大星雲,オリオン座) |
散開星団 | M34 (ペルセウス座) h-χ (二重星団,ペルセウス座) M45 (プレアデス星団,すばる,おうし座) |
球状星団 | |
銀河(系外星雲) | M31 (アンドロメダ大星雲,アンドロメダ座) M33 (さんかく座) M74 (うお座) M77 (くじら座) |
2023年12月のカレンダー
日 | 曜日 | 月相 | 天文現象 |
1 | 金 | 映画の日・天一天上 | |
2 | 土 | 旧えびす講・旧誓文払(せいもんばらい) 不成就日 | |
4 | 月 | 水星 (☿) が東方最大離角(離角 21°16’):23時 人権週間 | |
5 | 火 | 月が地球最遠(距離 1.052):3時42分 下弦:14時49分 納めの水天宮・一粒万倍日 | |
6 | 水 | 一粒万倍日 | |
7 | 木 | 海王星が留:8時54分 大雪(太陽の黄経 255度):18時33分 一粒万倍日 | |
8 | 金 | こと納め・針供養・納めの薬師 一粒万倍日 | |
9 | 土 | 金星が月と合(離角 3°19′):23時24分 皇后御誕生日 | |
10 | 日 | 納めの金比羅 不成就日・三隣亡 | |
13 | 水 | 朔(新月):8時32分 水星が留:13時55分 | |
15 | 金 | ふたご座α流星群🌠が極大:4時 | |
17 | 日 | 月が地球最近(距離 0.957):3時53分 海王星(♆)が東矩:12時43分 羽子板市(浅草観音歳の市) | |
18 | 月 | 土星と月が合(離角 2°16′):8時32分 | |
19 | 火 | 一粒万倍日 | |
20 | 水 | 上弦:3時39分 八せん始め・一粒万倍日 | |
21 | 木 | 水星が遠日点を通過(0.307au):2時19分 納めの大師 | |
22 | 金 | 小惑星(4)ベスタが衝 :3時56分 冬至(太陽の黄経 270度):12時27分 木星が月と合(離角 -2°23′):21時53分 冬至星供(ほしく)祭 三隣亡 | |
23 | 土 | 水星(☿)が内合:3時54分 水星が地球最近(距離 0.676au):11時22分 こぐま座流星群🌠が極大:13時 | |
24 | 日 | 納めの地蔵 | |
25 | 月 | 終い天神・基督降誕祭 蕪村忌・不成就日 | |
27 | 水 | 望(満月):9時33分 | |
28 | 木 | 納めの不動・官庁御用納め | |
29 | 金 | 取引所納会 | |
31 | 日 | 大祓・除夜祭・年越し 男鹿なまはげ 八せん終わり・一粒万倍日 |
2023年/令和5年/皇紀2683年/平年/ 癸卯(みつのとう)
12月のお話
・師走
・December
・大雪と冬至
・時雨・寒波・年末低気圧
・閉塞成冬(七十二候 大雪~冬至)
・Hunter’s Moon
・アドベント
データ出典:
・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・流星 流星電波観測国際プロジェクト
・東京都神社庁選定「神社暦」