2019年11月の星空

 11月は日暮れが早く,空は澄んでおり,また晴れの日も多く,本格的寒さはまだ。星を見るにはよい季節です。夜半になると賑やかな冬の星座も見やすい位置まで上ってきます。

 6日13日に相次いで極大を迎えるおうし座南流星群とおうし座北流星群ですが,12日が満月なので,どちらも条件は今ひとつです。
 どちらの流星群も HR=3個程度の小さな流星群ですが,10月初旬から11月末まで長い期間見られます。月の影響が少ない10月25日~11月5日が観測の好期です。また月明かりがある日でも火球なら観察できますので,空を見上げる機会があったら思い出して注意しましょう。
 おうし座流星群の流星は,南も北も比較的ゆっくり流れます。

水星の日面通過(1993-11-06)
水星の日面通過(1993-11-06)

 12日には珍しい水星の日面経過(日面通過)が起こりますが,残念ながら日本では夜にあたり見られません。
 日面経過は,水星の内合が軌道の昇交点か降交点付近で起こる場合に見られる現象で,5月か11月に起こります。次に起こるのは2032年11月13日です。

 ちなみに「経過」は大きな天体の前を小さな天体が通過する場合に用いられる天文用語で,小さな天体が大きな天体に隠される「掩蔽(えんぺい)」に対する言葉です。
 参考:えんぺいを見てみよう

 18日のしし座流星群は,下弦前の月が輻射点近くのかに座に明るく輝いており,かなり厳しい条件です。 しし座流星群の流れ星は,痕を残して高速で流れるのが特徴です。流星観察は11月でもたいへん冷え込みますので,十分に防寒対策をして行いましょう。→ 流れ星を見てみよう
  しし座流星群の母天体,55P/テンペル・タットル彗星は2014年に遠日点を通過し,2031年5月の近日点通過に向けて太陽に近づいてきていますので来年以降が楽しみです。

 19日,有名な長周期変光星(ミラ型)のミラ(くじら座ο)が極大を迎えます。
 長周期変光星は恒星の脈動によって明るさが変わる変光星で,明るさの変動がとてもダイナミックです。ミラは暗い時期は望遠鏡を使わないと見えませんが,極大の頃は肉眼で見ることもできるほどの明るさになります。
 長周期変光星の極大は,極大予想の当日だけ明るくなるといったものではなく,明るい状態は極大前後1ヶ月くらい続き,実際の極大日は観測結果に基づき後から割り出されます。
 ミラの極大周期は約11ヶ月なので,前回の極大は2018年12月で今年は11月になります。くじら座は秋の星座で季節的にも丁度見頃。明るい極大のミラは肉眼でもよく見えますので探してみましょう。
 変光星の観測については 変光星を見よう をご覧ください。

ミラ(ο Cet)
ミラ(ο Cet)(クリックして拡大してご覧下さい。)

 28日の夜明けの空では,水星が西方最大離角を迎えます。
 下は午前6時の東京の空ですが,地平線高度は約13°。薄明の中ではありますが,火星とスピカも見えており,水星としてはかなり好条件です。
 日の出前に双眼鏡を使って捜してみて下さい。この日の東京の日の出は6時半頃です。

11月28日早朝の水星の西方最大離角

南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません

秋の星座秋の全天星図


見やすい星雲星団

  • 惑星状星雲
    • NGC7293 (らせん状星雲/みずがめ座)
  • 散光星雲
  • 散開星団
    • M34 (ペルセウス座)・M52 (カシオペア座)・h-χ (二重星団/ペルセウス座)
  • 球状星団
    • M2 (みずがめ座)・M15 (ペガスス座)・M30 (やぎ座)
  • 銀河(系外星雲)
    • M31 (アンドロメダ大星雲/アンドロメダ座)・M33 (さんかく座)・M77 (くじら座)

星雲星団を見よう 星雲星団一覧表

今月のカレンダー


 日 曜日月相天文現象
1 アルゴル型食変光星 アルゴル極小:2時26分
3文化の日
4🌓休日
上弦:19時23分
6アルゴル型食変光星 アルゴル極小:20時4分
おうし座南流星群🌠が極大(条件良)
7月が最遠:17時36分(視直径29分29秒,1.054)
8立冬:2時24分。太陽の黄経が 225度になる。
10小惑星(4)ベスタが最近(1.5649au):14時11分
12🌕水星(☿)が内合(日面経過):0時26分
満月:22時34分
小惑星(4)ベスタが最大離角(170°):22時15分
13おうし座北流星群🌠が極大(条件最悪)
14小惑星(4)ベスタが(+6.5等):18時22分
小惑星(119)アルタエアによるγTau(3.8等)の食:23時2分(6.3秒/房総・伊豆半島)
18しし座流星群🌠が極大(条件悪):14時
19くじら座 ο(ミラ,周期332日,変光範囲2.0等-10.1等)が極大光度
20🌗下弦:6時11分
21アルゴル型食変光星 アルゴル極小:4時8分
22小雪:23時59分。太陽の黄経が 240度になる。
23勤労感謝の日
月が最近:16時41分(視直径32分34秒,0.950)
24アルゴル型食変光星 アルゴル極小:0時57分
金星が木星の南 1°24’:23時0分
26アルゴル型食変光星 アルゴル極小:21時46分
27🌑新月:0時6分
28水星 ☿ が西方最大離角:19時29分(-0.5等,離角20°.1)
29アルゴル型食変光星 アルゴル極小:18時35分

惑星用語の説明
月の形の変化について

11月のお話
霜月
November
立冬と小雪
霜・霜柱・小春日和・木枯らし一号
山茶始開(七十二候 立冬~小雪)
Harvest Moon
アドベント

(紅葉の井の頭公園)