星空解説
明け方の惑星たち
6日に西方最大離角を迎える水星が,夜明け前の東の空に見えています。
しかし,日の出直前,空が明るくなり始めた午前5時半の東京での地平線高度は6度。地平線すれすれです。観察に適した条件とは言えず,東の空が思い切り開けた場所に行かないと見えません。
けれど,5日には水星と木星がほとんどくっついて見える珍しい現象が起こります。近くには土星も見えています。もし東の地平線まで見える場所がありましたら,双眼鏡を使ってさがしてみましょう。
少し離れたところにある土星が良い目印になります。
風景と一緒に数日おきに写真に撮ってみると,惑星の動きがよくわかります。
火星をさがしてみよう
春分を迎える3月は,ぐんぐんと昼間が長くなっていきます。
春霞で空は白く濁り,菜種梅雨で雨の日も増え,星空を見上げる機会が減っていく月でもあります。
けれど寒さが緩み,大気が安定し,小望遠鏡で惑星を観察したりするには良い季節です。
今年の3月は夜の早い時間帯に西空に輝いている火星が一番観察しやすい惑星です。
下の図は,午後8時頃に真西を向いたときの星空です。
火星の近くには,赤い1等星,アルデバランとベテルギウスが見えています。また,青白い1等星,リゲルとシリウスが見えています。色を比べてみましょう。
南中する星座
午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。
見やすい星雲星団
惑星状星雲 | M1 (かに星雲/おうし座),M97 (おおぐま座) |
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散光星雲 | M42 (オリオン大星雲/オリオン座) |
散開星団 | M35 (ふたご座),M36・M37・M38 (ぎょしゃ座),M44 (プレセペ/かに座) |
銀河(系外星雲) | M81・M82・M101 (おおぐま座),M106 (りょうけん座) |
2021年3月のカレンダー
日 | 曜日 | 月相 | 天文現象 |
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2 | 火 | 月が最近(0.951):14時18分 | |
3 | 水 | 上巳(桃の節句) 旧二十日正月 | |
5 | 金 | 小惑星(4)ベスタが衝 :03時08分 水星(☿)と木星(♃)が接近(離角 -0°20′):12時27分 啓蟄(太陽の黄経 345度):17時54分 | |
6 | 土 | 下弦:10時30分 水星(☿)が西方最大離角(離角-27°16′):20時 | |
11 | 木 | 海王星(♆)が合:09時01分 | |
12 | 金 | 海王星(♆)が地球最遠(距離 30.919au):06時00分 | |
13 | 土 | 新月:19時21分 | |
16 | 火 | アルゴル型食変光星 アルゴル極小:21時46分 | |
17 | 水 | 春の彼岸の入り | |
18 | 木 | 月が最遠(1.054):14時03分 | |
19 | 金 | アルゴル型食変光星 アルゴル極小:18時35分 | |
20 | 土 | 春分の日 春分(太陽の黄経 0度):18時37分 旧こと初め 旧針供養 | |
21 | 日 | 上弦:23時40分 | |
23 | 火 | 春の彼岸明け | |
26 | 金 | 金星(♀)が外合:15時58分 | |
27 | 土 | 外縁天体 準惑星 (136472) マケマケが衝:16時39分 | |
29 | 月 | 満月:3時48分 | |
30 | 火 | 金星(♀)が地球最遠(距離 1.723au):15時12分 月が最近(0.937):15時16分 | |
31 | 水 | アルゴル型食変光星 アルゴル極小:05時52分 |
2021年/令和3年/皇紀2681年/平年/ 辛丑(かのとうし)
3月のお話
・弥生
・March
・啓蟄と春分
・春一番・花散らし・春嵐
・ Lenten Moon(受難節:レントの月)
・ 蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)
・灰の水曜日(Ash Wednesday)
・聖パトリック祭(St Patrick’s Day)
・イースター・エッグ(Easter egg)
データ出典:
・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・アルゴル極小予報 予報 | 日本変光星研究会