「星空情報」カテゴリーアーカイブ

2017年8月の星空

 夏休みで星を見る機会が多くなる8月は,1日~7日が「スター・ウィーク~星空に親しむ週間~」となっています。各地で星を見るイベントが開かれますので地域の情報などに注意しましょう。(STARWEEK
 
 8日の満月は部分月食となり,ほぼ日本全国で見ることができ,西へ行くほど条件は良くなります。

半影食始 部分食始 食最大
最大食分
部分食終 半影食終
0h48m.1 2h22m.3 3h20m.5
0.252
4h18m.8 5h52m.9

 
 毎年お盆休みの頃に見ごろとなるペルセウス座流星群は,13日4時に極大を迎えますが,今年は8日が満月となり明け方まで月明かりがあるため群流星がよく流れる夜半過ぎは条件が良くありません。流れ星を観察するなら,月が低い位置にある日没から夜半前くらいが少しはマシな条件となります。
 ペルセウス座流星群は,月がない好条件なら多い年では1時間に60個くらいの流星が期待でき,今年は条件が悪いといっても1時間に40個ほどが予想されています。流れ星を観察するときは,できるだけ空が暗い場所で,寝転がって空全体が見られるようにしましょう。観測を計画しておられる方は,流れ星を見てみよう のページを参考にしてください。

 28日は旧暦七夕です。
 7月7日は梅雨の最中で天気に恵まれない年が多いですね。旧暦の七夕(月齢が七の夕)の頃は織り姫星(こと座のベガ)が天頂付近にあって見やすくなっていますので,晴れたら空を見上げてみましょう。


南中する星座

 午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
 ☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬 へびつかい座ヘルクレス座りゅう座・さいだん座(☆)
中旬 へび座(尾部)
下旬 こと座たて座みなみのかんむり座

夏の星座夏の全天星図
 
 

見やすい星雲星団

惑星状星雲 M57 (環状星雲/こと座),M27 (あれい状星雲/こぎつね座)
散光星雲 M8 (干潟星雲/いて座),M17 (ω星雲,馬蹄型星雲/いて座),M20 (三裂星雲/いて座)
他,天の川に多数
散開星団 M21・M23・M24・M25 (いて座),M6・M7 (さそり座)
他,天の川に多数
球状星団 M4・M80 (さそり座),M10・M12 (へびつかい座),M13・M92 (ヘルクレス座),M56 (こと座)
銀河(系外星雲) M51 (子もち星雲/りょうけん座),M101 (おおぐま座)

星雲星団を見よう星雲星団一覧表
 
 


惑星用語の説明月の形の変化について

天文現象
2 小惑星(2) パラスが西矩:6時18分
3 アルゴル極小:1時18分
月が最遠:2時55分(視直径29分30秒,1.054)
7 立秋:16時40分。太陽の黄経が 135度になる。立秋以降は残暑見舞い。
8 満月 満月:3時11分
部分月食
11 山の日
12 かんむり座 S(周期360日,変光範囲5.8等-14.1等)が極大光度
13 ペルセウス座流星群が極大:4時(条件悪)
15 下弦の月のイメージ 下弦:10時15分
16 へびつかい座 R(周期307日,変光範囲7.0等-13.8等)が極大光度
18 はくちょう座κ流星群が極大(条件良):14時
月が最近:22時18分(視直径32分37秒,0.952)
22 新月のイメージ 新月:3時30分
北米で皆既日食(日本からは見られない)
23 アルゴル極小:3時1分
処暑:7時20分。太陽の黄経が 150度になる。
さんかく座 R(周期267日,変光範囲5.4等-12.6等)が極大光度
25 アルゴル極小:23時50分
26 水星が内合:8時4分
やまねこ座 R(周期365日,変光範囲7.2等-14.3等)が極大光度
28 旧七夕
29 上弦の月のイメージ 上弦:17時13分
30 月が最遠:20時25分(視直径29分33秒,1.052)
うお座 R(周期346日,変光範囲7.0等-14.8等)が極大光度

2017年7月の星空

 7月前半は梅雨の最中で雨が多く夜も短く,星を見るには条件がよくありませんが,梅雨明け十日は太平洋高気圧に覆われ安定した晴れの日が続くようになります。この頃は学校が夏休みに入ってキャンプなどで星を見る機会も増えますね。今年は23日が新月ですから,夏休みに入った直後は星空観察にうってつけの条件となります。

 7月と言えば七夕ですが,七夕は
例年梅雨で星が見えないことが多いのですね。けれども織り姫と彦星は都会の空の下でもよく見える明るい星です。晴れ間がのぞいたらぜひ空を見上げてみて下さい(夏の星座を探してみよう)。今年は9日が満月ですから大きな月が明るく見えていますが,その月明かりの中でも織り姫星と彦星ならきちんと見ることができます。
 曇ってしまったら,来月28日の旧暦七夕を待ちましょう。

 惑星は,先月半ばにを迎えた土星が夜半前の空で見頃です。10日には準惑星の冥王星が衝となりますが,冥王星は衝でも暗くて肉眼では見えません。初心者が見るのは難しい星ですので,見たい方は公共天文台の観望会などで見せてもらいましょう。

 20日の朝にはアルデバラン食があります。白昼ですが月は見つけられるので,双眼鏡などを使って見てみましょう。→ えんぺいを見てみよう
 東京では8時39分に月齢25.9の三日月のような形をした月の明るい方へアルデバラン(0.9等)が潜入し,9時50分に月面の暗い方から出現するところが観察できます。

潜入 出現
札幌 08:40 09:57
東京 08:39 09:50
福岡 08:18 09:29

2017年7月20日 アルデバラン食
2017年7月20日 アルデバラン食

 
 また,25日の夕刻には水星食も起こります。月齢2.0の細い月に水星が隠される現象ですが,非常に低空でかなり観察は難しいでしょう。

札幌 東京 福岡
19:40 19:49 19:50

2017年7月25日の水星食
2017年7月25日の水星食

 
 その後,30日に水星は東方最大離角を迎えますが,やはり非常に低い位置で探すのは困難です。よく開けた場所で双眼鏡などを使って探してみて下さい。

2017年7月30日 水星東方最大離角
2017年7月30日 水星東方最大離角

 
 7月下旬になると8月のペルセウス座流星群も流れ始めます。7月中旬~8月中旬は幾つかの流星群が活動をしており,一年の中でも特に流れ星が多い時期となっています。星を見る機会がありましたら,流れ星にも注意してみてください。


 
 

南中する星座

 午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
 ☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬 おおかみ座てんびん座
中旬 かんむり座こぐま座・じょうぎ座(☆)・ふうちょう座(☆)・へび座頭部・みなみのさんかく座(☆)
下旬 さそり座

夏の星座夏の全天星図
 
 

見やすい星雲星団

 【惑星状星雲】 M57 (環状星雲,こと座)
 【散光星雲】 M8 (干潟星雲,いて座), M17 (ω星雲,馬蹄型星雲,いて座), M20 (三裂星雲,いて座), 他,天の川に多数
 【散開星団】 M21・M23・M24・M25 (いて座), M6・M7 (さそり座), 他,天の川に多数
 【球状星団】 M3 (りょうけん座), M4・M80 (さそり座), M5 (へび座), M10・M12 (へびつかい座), M13・M92 (ヘルクレス座)
 【銀河(系外星雲)】 M51 (子もち星雲,りょうけん座), M101 (おおぐま座)
 (星雲星団を見よう星雲星団一覧表


惑星用語の説明月の形の変化について

天文現象
1 上弦の月のイメージ 上弦:9時51分
小惑星(3)ジュノーが(たて座,+9.7等):18時30分
2 半夏生:0時57分。太陽の黄経が 100度になる。
へび座 R(周期356日,変光範囲5.2等-14.4等)が極大光度
4 地球が遠日点を通過(1.017au. 152092504km):5時11分
木星が東矩:13時30分
5 おひつじ座 R(周期362日,変光範囲7.1等-14.3等)が極大光度
6 月が最遠:13時28分(視直径29分26秒,1.056)
7 七夕
小暑:6時51分。太陽の黄経が 105度になる。
8 かに座 R(周期357日,変光範囲6.1等-11.9等)が極大光度
9 満月のイメージ 満月:13時7分
10 小惑星(3)ジュノーが最近(2.090au):2時11分
準惑星 冥王星(小惑星番号134340)が:11時4分(いて座,+14.2等)
13 うしかい座 R(周期223日,変光範囲6.2等-13.1等)が極大光度
17 下弦の月のイメージ 海の日
下弦:4時26分
天王星が西矩:10時27分
19 夏の土用の入り:20時51分。太陽の黄経が 117度になる。
夏の土用入りから立秋までの間に暑中見舞いを出す。
20 アルデバランの(東京潜入:8時39分)
22 月が最近:2時12分(視直径33分04秒,0.940)
23 新月のイメージ 大暑:0時15分。太陽の黄経が 120度になる。
新月:18時46分
25 水星(東京出現:19時49分)
26 おとめ座 R(周期146日,変光範囲6.1等-12.1等)が極大光度
28 火星が:7時4分
おとめ座γの星食(2.8等,東京潜入:20時30分,東京出現:20時50分)
おとめ座γの限界線星食(島根-静岡,南限界)
30 水星が東方最大離角:11時39分(+0.4等,離角27°.2 )
みずがめ座
δ南流星群が極大(条件良):14時
やぎ座 α流星群が極大(条件良):14時
31 上弦の月のイメージ 上弦:9時51分

2017年6月の星空

 梅雨に入り夜も短く,6月は星を見上げる機会が少なくなる季節ですが,梅雨の晴れ間が広がった日,薄明が終わる頃に天頂付近を見上げてみましょう。オレンジ色の1等星が輝いています。
 これはうしかい座 のアルクトゥルスという星で,梅雨時の輝星らしく,雨夜の星(あまいのほし),五月雨星(さみだれぼし)など,風情ある和名を持っています。また麦が熟れる頃に昇る星であることから,麦星,麦熟れ星,麦刈り星などの異名も持っています。農事暦と共に生きた,昔の人々の生活が偲ばれますね。

 3日の朝には東の空で金星が西方最大離角を迎えます。この季節は夜明けが早い上に午前4時の地平線高度が20°程度で,明けの明星を楽しむには少々条件が厳しいです。
 ただ見間違うことない明るさですから,もし早起きする機会があったら東の空を眺めてみて下さい。

金星が西方最大離角になる日 (2017-06-03)
金星が西方最大離角になる日 (2017-06-03)

 
 12日に近日点を通過する C/2015 V2 ジョンソン彗星は,近日点が地球軌道の外側にありますが,地球に近い位置にあるため明るくなることが期待できます。夕刻のうしかい座からおとめ座あたりに見られ,5等級程度が予想されています。
 彗星の5等級は恒星の5等級に比べてぼんやりした印象です。双眼鏡を準備すると見やすくなります。
 
 15日にはへびつかい座で土星がを迎えます。衝の頃の惑星は,日没頃には東の空に昇り,真夜中に南中,日の出頃に西空へ没するため一晩中見えています。
 穏やかな雨上がりの夜がありましたら,望遠鏡を向けてみましょう。そして,望遠鏡の中の惑星の像がピッタリ止まって見えるような夜があったら,ぜひ高倍率で眺めてみましょう。スケッチして今年の姿を記録しておくと翌年との環の開き具合の違いがよくわかります。
 2009年に真横から見た土星の環は,2019年へ向かってどんどん開いており,土星らしい環を伴った姿が小望遠鏡でもわかりやすくなっています。

衝を迎える土星 (2017-06-15)
衝を迎える土星 (2017-06-15)

 


南中する星座

 午後8時(20時)に南中を迎える,観察しやすい星座たちです。(夏の星座夏の全天星図

 【上旬】 おとめ座ケンタウルス座りょうけん座
 【中旬】 
 【下旬】 うしかい座 ・ コンパス座(☆)

 ☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

見やすい星雲星団

 【球状星団】 M3 (りょうけん座), NGC5139 (ω星団,ケンタウルス座)
 【銀河(系外星雲)】 M81・M82 (おおぐま座), M51 (子もち星雲,りょうけん座), かみのけ座~おとめ座銀河群
 (星雲星団を見よう星雲星団一覧表


惑星用語の説明月の形の変化について

天文現象
1 上弦の月のイメージ 上弦:21時42分
3 金星が西方最大離角:21時30分(-4.3等,離角45°.9)
くじら座 R(周期166日,変光範囲7.2等-14.0等)が極大光度
5 芒種:20時37分。太陽の黄経が75度になる。
6 準惑星(1)ケレスが:12時31分
7 海王星が西矩:21時46分<
8 アンドロメダ座 R(周期409日,変光範囲5.8等-15.2等)が極大光度
9 満月のイメージ 月が最遠:7時21分(視直径29分24秒,1.057)
満月:22時10分
11 入梅:2時6分。太陽の黄経が80度になる。
12 C/2015 V2 ジョンソン彗星が近日点を通過
15 土星が:20時50分(へびつかい座,+0.0等,視直径18″.4)
17 下弦の月のイメージ 下弦:22時33分
21 夏至:13時24分。太陽の黄経が 90度になる。
水星が外合:23時10分
23 月が最近:19時52分(視直径33分21秒,0.931)
24 新月のイメージ 新月:11時31分
みずがめ座 R(周期387日,変光範囲5.8等-12.4等)が極大光度
26 おおぐま座 R(周期302日,変光範囲6.5等-13.7等)が極大光度
29 水星が火星の北0°47’:3時17分

2017年5月の星空

 今年は5月3日が上弦となっており,ゴールデンウィークは後半になるほど月が大きく星空観察の条件は悪くなります。
 このため,6日午前にピークとなるみずがめ座 η流星群の条件は良くありません。みずがめ座は秋の星座ですから,流星が見られるのは夜半過ぎから薄明が始まるまでの間となり,流れ星は東の空低い位置から空を駆け上るように経路を描いて流れます。月が早めに沈む満月前の空ならば,1時間に10個程度の流れ星が期待できるでしょう。

 18日には明け方の東の空で水星が西方最大離角を迎えます。薄明が始まった午前4時の地平線高度が5°で良い条件とは言えませんが,来月西方最大離角を迎える金星も一緒に輝いていますので,金星を目印にして探してみましょう。
 水星は地平線近くで大気の減光を受けていますので,探すときは,できれば双眼鏡を用意してください。

水星が西方最大離角になる日 (2017-05-18)
水星が西方最大離角になる日 (2017-05-18)

 他の惑星は,4月にを迎えた木星がおとめ座で見頃,6月にを迎える土星もへびつかい座で観測好期に入ります。
 2009年に真横から見た土星の環が2019年に向かって開いている最中で,現在は小望遠鏡でも土星らしい姿が楽しめます。
 夏の星座で衝を迎える惑星は比較的低い位置で南中するため,シーイングの影響を受けやすくなります。しかしながら春は比較的大気が安定する季節ですから,穏やかによく晴れた日があれば望遠鏡を向けてみましょう。そして,望遠鏡の中の惑星の像がピッタリ止まって見えるような夜があったら,ぜひ高倍率で眺めてみましょう。スケッチして今年の姿を記録しておくと翌年との環の開き具合の違いがよくわかります。


南中する星座

 午後8時(20時)に南中を迎える,観察しやすい星座たちです。 (春の星座春の全天星図

 【上旬】 おおぐま座コップ座
 【中旬】 
 【下旬】 かみのけ座 ・ からす座 ・ はえ座(☆) ・ みなみじゅうじ座(☆)

 ☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

見やすい星雲星団

 【惑星状星雲】 NGC3242 (うみへび座), M97 (おおぐま座)
 【散開星団】 M44 (プレセペ,かに座)
 【球状星団】 M3 (りょうけん座), NGC5139 (ω星団,ケンタウルス座)
 【銀河(系外星雲)】 M81・M82 (おおぐま座), M65・M66 (しし座), かみのけ座~おとめ座銀河群
 (星雲星団を見よう星雲星団一覧表


惑星用語の説明月の形の変化について

天文現象
2 八十八夜
3 上弦の月 憲法記念日
上弦:11時47分
4 みどりの日
5 こどもの日
立夏:16時31分。太陽の黄経が 45度になる。
6 みずがめ座 η流星群が極大:10時(条件悪)
しし座 R(周期310日,変光範囲4.4等-11.3等)が極大光度
7 おとめ座γの星食(2.8等,東京潜入:23時28分)
おとめ座γの限界線星食(山形・宮城,北限界)
10 C/20156 ER61 PANSTARRS彗星が近日点を通過
11 満月 満月:6時42分
12 こぎつね座 R(周期137日,変光範囲7.0等-14.3等)が極大光度
13 月が最遠:4時51分(視直径29分24秒,1.057)
18 水星が西方最大離角:8時24分(+0.5等,離角25°.8)
19 下弦の月 下弦:9時33分
うさぎ座 R(周期445日,変光範囲5.5等-11.7等)が極大光度
21 小満:23時36分。太陽の黄経が 60度になる。
26 新月 新月:4時30分
月が最近:10時21分(視直径33分26秒,0.929)

2017年4月の星空

 4月になると日が長くなり,また花曇りや菜種梅雨の季節で天気も安定せず,晴れても春霞で空はぼんやり。星を観察する条件は悪くなってきます。けれども,今年の4月は木星が衝を迎え,金星も明け方の空で燦々と輝いています。

 まず,1日の宵の口にアルデバランが起こります。アルデバラン(αTau,0.9等)が月齢4.3の月の暗部に潜入し,明部から出現します。潜入時刻は,東京18:45,札幌18:42,福岡18:33です。双眼鏡を用意すると観察しやすいでしょう。

 同じく1日,水星が宵の西空で東方最大離角を迎えます。水星は短い周期で東方最大離角と西方最大離角を繰り返しますが,黄道の傾きによって地平線高度はかなり違ってくるため,低い位置にあって見えにくいことや,比較的見えやすい高さになることもあります。
 今回の東方最大離角は午後6時半の地平線高度12度で,かなり高く見つけやすい条件です。それでも決して高くはないため,西空が開けた場所で,できれば双眼鏡を準備して探してみましょう。

水星の東方最大離角 (2017-04-01)
水星の東方最大離角 (2017-04-01)

 また,8日に衝を迎える木星が,おとめ座にあって観望好期です。南の空高く,ひときわ明るく輝いているのが木星ですから見間違うことはありません。
 春先は大気の揺らぎも少なく望遠鏡での惑星観測に適する季節で,木星なら月がある夜でも見ることができます。自分で望遠鏡を持たない方も,公共天文台の観望会などに参加して木星の縞模様を楽しんでみてください。

木星 (2017-04-08)
木星 (2017-04-08)

 22日に極大を迎える4月こと座流星群は,痕を残す明るい流星が多く1時間に15個程度の流れ星を期待できる群です。
 今年は21時に極大が予想されていて月も下弦を過ぎたところなので良い条件です。極大の時間帯はまだ輻射点が低い空にありますが,23日明け方にかけて徐々に輻射点高度が上昇し流星も見やすくなっていきます。4月といっても夜中は冷えますので,流れ星観察をされる方は十分に防寒対策を行ってください。

 参考: 流れ星を見てみよう

 30日には明け方の東の空で金星が最大光度を迎えます。早起きして,心が洗われるような夜明けのヴィーナスの輝きを見てみましょう。

最大光度の日の金星 (2017-04-30)
最大光度の日の金星 (2017-04-30)

 6月中旬に衝を迎える土星が,夜半前の南東の空でだんだん見やすくなってきます。
 2009年に真横から見た土星の環は 2019年へ向かって開いている最中で,小望遠鏡でも土星らしい姿が楽しめます。望遠鏡の中の惑星の像がピッタリ止まって見えるような夜があったら,ぜひ高倍率で眺めてみましょう。スケッチして今年の姿を記録しておくと翌年との環の開き具合の違いがよくわかります。


南中する星座

 午後8時(20時)に南中を迎える,観察しやすい星座たちです。 (春の星座春の全天星図

 【上旬】 らしんばん座
 【中旬】 ほ座
 【下旬】 うみへび座 ・ カメレオン座(☆) ・ こじし座 ・ しし座 ・ ポンプ座 ・ ろくぶんぎ座

 ☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

見やすい星雲星団


 【惑星状星雲】 NGC3242 (うみへび座), M97 (おおぐま座)
 【散開星団】 M44 (プレセペ,かに座)
 【銀河(系外星雲)】 M81・M82・M101 (おおぐま座), M65・M66 (しし座), かみのけ座~おとめ座銀河群
 (星雲星団を見よう星雲星団一覧表


惑星用語の説明月の形の変化について

天文現象
1 アルデバランの(東京潜入:18時45分)
水星が東方最大離角:19時18分(-0.1等,離角19°.0)
いて座 R(周期268日,変光範囲6.7等-13.0等)が極大光度
4 上弦の月 上弦:3時39分
清明:23時17分。太陽の黄経が 15度になる。
6 小惑星(3)ジュノーが西矩:10時43分
8 木星が:20時40分(おとめ座,-2.5等)
11 満月 満月:15時8分
12 準惑星 冥王星が西矩:15時21分
こじし座 R(周期372日,変光範囲6.3等-13.2等)が極大光度
14 天王星が:20時15分
15 月が最遠:19時5分(視直径29分28秒,1.055)
16 イースター
カシオペヤ座 R(周期430日,変光範囲4.7等-13.5等)が極大光度
17 春の土用の入り:4時47分。太陽の黄経が 27度になる。
りゅう座 R(周期246日,変光範囲6.7等-13.2等)が極大光度
19 下弦の月 下弦:18時57分
20 水星が内合:5時32分
穀雨:6時27分。太陽の黄経が 30度になる。
22 小惑星(4)ベスタが東矩:7時36分
4月こと座流星群が極大(条件:良):22時
24 ペガスス座 R(周期378日,変光範囲6.9等-13.8等)が極大光度
26 新月 新月:21時16分
28 月が最近:1時15分(視直径33分14秒,0.935)
29 昭和の日
こいぬ座 R(周期338日,変光範囲7.3等-11.6等)が極大光度
30 金星が最大光度:6時24分(-4.5等)

2017年3月の星空

 春は天気が安定せず雨が多かったり空が霞んでいたりしますが,来月上旬にを迎える木星が,東の空,おとめ座にあって徐々に見やすくなってきています。風が強い日は大気のゆらぎが激しく望遠鏡を覗いてもなかなか像が安定しませんので,天体望遠鏡をお持ちでしたら風の弱い穏やかな日に見てみてください。目が慣れてくるとだんだん縞模様が見えるようになってきます。スケッチなどしてみると模様を把握しやすくなります。

2017年3月10日 22時の木星
2017年3月10日 22時の木星

 17日には金星と水星が接近しますが,水星は6日に外合を迎えたばかり,金星は23日に内合を迎える直前で太陽に近く,日没直後の地平線近くで見るのはかなり厳しいでしょう。水星の地平線高度は約7°,金星は11°です。ほぼ真西の方角なので,太陽が沈んでから双眼鏡を使って探してみましょう。太陽が出ている間は決して双眼鏡を向けてはいけません。

2017年3月17日 18時の水星と金星
2017年3月17日 18時の水星と金星

 18日のてんびん座γは,今年見られる接食の中でも最も条件の良いものです。接食の線上へ行くことができる人は,ぜひ月の凹凸に見え隠れする星の姿を楽しんでみましょう。接食の起こる地域より北では,星が月に隠される星食(えんぺい)となります。接食は若狭湾から名古屋を結ぶ線上で見られます。


南中する星座

 午後8時(20時)に南中を迎える,観察しやすい星座たちです。 (春の星座春の全天星図

 【上旬】 いっかくじゅう座ふたご座
 【中旬】 こいぬ座とびうお座(☆) ・ とも座やまねこ座
 【下旬】 かに座りゅうこつ座

 ☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

見やすい星雲星団

 【惑星状星雲】 M1 (かに星雲,おうし座), M97 (おおぐま座)
 【散光星雲】 M42 (オリオン大星雲,オリオン座)
 【散開星団】 M35 (ふたご座), M36・M37・M38 (ぎょしゃ座), M44 (プレセペ,かに座)
 【銀河(系外星雲)】 M81・M82・M101 (おおぐま座), M106 (りょうけん座)
 (星雲星団を見よう星雲星団一覧表


惑星用語の説明月の形の変化について

天文現象
2 海王星が:20時27分
おとめ座 R(周期146日,変光範囲6.1等-12.1等)が極大光度
3 月が最近:16時33分(視直径32分22秒,0.960)
5 上弦の月 啓蟄:18時33分。太陽の黄経が 345度になる。
上弦:20時32分
6 水星が外合:13時51分
10 2P/エンケ周期彗星が近日点を通過
12 満月 満月:23時54分
17 春の彼岸の入り
水星が金星の南9°33′:18時21分
土星が西矩:19時43分
18 てんびん座γ(3.9等)の限界線星食(中部地方,南限界):1時41分
19 月が最遠:2時25分(視直径29分31秒,1.0053)
20 春分:19時29分。太陽の黄経が 0度になる。
21 下弦の月 下弦:0時58分
23 金星が内合:12時42分
28 新月 新月:11時57分
30 月が最近:16時33分(視直径32分49秒,0.947)

2017年2月の星空

 厳寒期ですが,冬の星座は明るい星が多く豪華です。防寒対策をしっかりして星座観察をしてみましょう。星座を結ぶのが苦手な人でも,オリオン座のような特徴ある星の並びがある冬は,他の季節より星座を見つけるのが楽になります。

 先月東方最大離角を迎えた金星が,17日に最大光度となり夕刻の西空でひときわ明るい一番星となります。
 金星は小望遠鏡で覗いてみても木星のように模様が見えたりはしませんが,三日月のような形が日々変化していく様子を観察することが出来ます。

 11日の満月では半影月食が起こります。残念ながら日本では見られませんが,月全体が半影に入る半影皆既月食と呼ばれる珍しい半影月食です。前回は2006年3月15日で11年ぶり。次回は36年後の2053年8月29日です。半影月食はほんの少し暗くなるだけで肉眼で見ていてもほぼ分からないものですが,この半影月食は本影に近いため,うっすらと暗くなる様子が少しは観察しやすくなります。

半影月食 始 半影皆既月食 始 食最大 半影皆既月食 終 半影月食 終
7h32m.2 9h30m.2 9h43m.9 9h57m.5 11h55m.5

 14~15日にかけてのおとめ座 γ星(2.8等)の星食は,月齢17.6の大きな月ですが,全国で月に恒星が潜入する様子を観察できます。

 25日には有名な長周期(ミラ型)変光星であるミラ(くじら座ο)が極大を迎えますが,くじら座は秋の星座で2月は観測が難しい季節です。明るくなったミラを見るなら2月前半の早い時間帯をねらうと良いでしょう。ミラの極大周期は約11ヶ月なので1年に1ヶ月ほどずれていきますから,数年後には見やすい季節に極大を迎えるようになります。変光星の観測については 変光星を見よう をご覧ください。

 春,2月~4月は夕空の黄道光が観望好期です。黄道光は日没直後に黄道に沿ってぼーっと見える光芒ですが,空が暗く澄んだところでしか見られません。山などへ行く機会があったら,日没直後の西の空を注意して眺めてみてください。


南中する星座

 午後8時(20時)に南中を迎える,観察しやすい星座たちです。 (冬の星座冬の全天星図

 【上旬】 うさぎ座オリオン座がか座(☆) ・ テーブルさん座(☆) ・ はと座
 【中旬】 ぎょしゃ座きりん座
 【下旬】 おおいぬ座

 ☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

見やすい星雲星団

 【惑星状星雲】 M1 (かに星雲,おうし座), M97 (おおぐま座)
 【散光星雲】 M42 (オリオン大星雲,オリオン座)
 【散開星団】 M35 (ふたご座), M36・M37・M38 (ぎょしゃ座), M45 (プレアデス,すばる,おうし座)
 【銀河(系外星雲)】 M81・M82・M101 (おおぐま座), M106 (りょうけん座)
 (星雲星団を見よう星雲星団一覧表


惑星用語の説明月の形の変化について

天文現象
3 節分
4 上弦の月 立春:0時34分。太陽の黄経が 315度になる。
上弦:13時19分
6 月が最近:23時2分(視直径32分23秒,0.959)
11 満月 建国記念の日
満月:9時33分。(半影月食)
12 わし座 R(周期271日,変光範囲5.5等-12.0等)が極大光度
14 アルゴル極小:21時10分
おとめ座 γ(2.8等)の星食(東京,潜入):23時32分
15 ふたご座 R(周期370日,変光範囲6.0等-14.0等)が極大光度
17 金星が最大光度:16時37分(-4.6等)
18 雨水:20時31分。太陽の黄経が 330度になる。
19 下弦の月 下弦:12時28分
月が最遠:6時14分(視直径29分32秒,1.052)
25 はくちょう座 R(周期426日,変光範囲6.1等-14.4等)が極大光度
くじら座 ο(ミラ,周期332日,変光範囲2.0等-10.1等)が極大光度
26 新月 新月:23時58分(南米で金環日食)

2017年1月の星空

 2017年(平成29年)は,閏年。干支は丁酉(ひのととり)です。
 今年も宜しくお願い致します。

 2017年の夜は西空で明るく輝く宵の明星に始まります。

 年始の空を飾るりゅう座 ι流星群(しぶんぎ座流星群)は,今年は月明かりのない夜間に極大を迎えるため好条件です。この流星群はピークが鋭いため昼間に極大を迎えると条件が悪いのです。極大の3日23時,輻射点はまだ北東の空低い位置にありますが,3日の夜半前から明け方にかけて近年にない良い条件となり1時間あたり40個程度の流星が予想されています。
 長時間空を見上げる流星観察にはしっかりとした防寒対策が必要です。流れ星を見てみよう のページを参考に自分なりの観察ポイントを事前に考えて見てみましょう。

 9日~10日にかけて,月がおうし座 のヒアデス星団を通過し,次々と星を隠します。日付変更直後のアルデバラン食では仙台市でアルデバランが月の真ん中を通りますが,日本全国で星食となります。月齢11.3~11.4の大きな月でまぶしいですが,月の暗部へ星が潜入して消える様子なら観察しやすいと思います。

 2016年12月31日に近日点を通過した45P/本多・ムルコス・パジュサコバ周期彗星が,2016年12月から2017年1月にかけて観測可能となり,近日点通過の頃は6等級くらいまで明るくなると予想されます。彗星は恒星に比べてぼんやりと見にくく,しかも夕刻の西空の低い位置ですから双眼鏡などを使って探してください。
 彗星は毎日どんどん動いて位置を変えますので,観察前にはその日の位置を確認しておきましょう。→ 本田-ムルコス-パイドゥシャーコヴァー彗星(吉田誠一のホームページ)

 19日の水星西方最大離角は,日の出直前の午前6時の東京での地平線高度が 7°。かなり低い位置ですが,水星としては悪い条件ではありません。双眼鏡を使って東南東の空低い位置にある水星を探してみましょう。


南中する星座

 午後8時(20時)に南中を迎える,観察しやすい星座たちです。(冬の星座冬の全天星図

 【上旬】 とけい座(☆) ・ ペルセウス座
 【中旬】 エリダヌス座レチクル座(☆)
 【下旬】 おうし座 ・ かじき座(☆) ・ちょうこくぐ座

 ☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

見やすい星雲星団

 【惑星状星雲】 M1 (かに星雲,おうし座)
 【散光星雲】 M42 (オリオン大星雲,オリオン座)
 【散開星団】 M35 (ふたご座), M36・M37・M38 (ぎょしゃ座), M45 (プレアデス,すばる,おうし座)
 【銀河(系外星雲)】 M81・M82 (おおぐま座)
 (星雲星団を見よう星雲星団一覧表


惑星用語の説明月の形の変化について

天文現象
1 元日(日の出:札幌07:06,東京06:51,名古屋07:01,大阪07:05,福岡07:23)
2 振替休日
アルゴル極小:20時56分
3 りゅう座 ι流星群(しぶんぎ座流星群)が極大:23時(条件最良)
4 地球が近日点を通過:12時56分(0.983au/147,100.998km)
5 小寒:7時8分。太陽の黄経が 285度になる。
6 上弦の月 上弦:4時47分
7 準惑星 冥王星が:12時38分
8 天王星が東矩:6時6分
9 成人の日
木星が西矩:15時31分
月がヒアデス星団の中を通過し星食多数:19時~24時
10 アルデバランの:0時1分
月が最近:15時1分(視直径32分43秒,0.945)
12 満月 満月:20時34分。
金星が東方最大離角:22時18分(-4.4等,離角47°.1 )
13 準惑星(1)ケレスが東矩:19時9分
17 冬の土用の入り:7時40分,太陽の黄経が 297度になる。
18 小惑星(4)ベスタが:20時50分(+6.2等,かに座)
19 水星が西方最大離角:18時43分(-0.1等,離角24°.1 )
20 下弦の月 大寒:6時24分。太陽の黄経が300度になる。
大寒から立春の間に寒中見舞いを出す。
下弦:7時13分
22 月が最遠:9時14分(視直径29分30秒,1.053)
アルゴル極小:22時39分
25 アルゴル極小:19時28分
45P/本田・ムルコス・パデュサコバ彗星が観測好期(2016年12月~2017年1月):夕刻の西空
28 新月 新月:9時7分

2016年12月の星空

 11日に夕刻の西空で東方最大離角を迎える水星は,午後5時半の東京での地平線高度は約8度。低い空ですが,それでも水星としては高く見える方です。南西の空が開けた場所で,双眼鏡を使ってさがしてみて下さい。

2016-12-11 水星東方最大離角
2016-12-11 水星東方最大離角

 毎年師走の空を飾るふたご座α流星群ですが,今年は極大時刻が午前中,しかも満月と重なり条件最悪です。
 しかしながら,ふたご座流星群は明るい流星がよく飛び近年は火球も増えています。月明かりのない条件の下なら1時間に100個もの流星が期待できるところですが,満月のもとでも1時間あたり30個程度は期待できるでしょう。流星群は12月5日頃には活動期に入り20日頃まで続きます。
 ふたご座流星群は一晩中コンスタントに流れる安定した流星群です。12月は日没が早く夜が長い季節でもありますから,機会があったら空を見上げてみてください。偶然明るい流星に出会えるかもしれません。
 流星観察については 流れ星を見てみよう をご参照ください。

 クリスマス前に極大をむかえるこぐま座流星群は,下弦を過ぎた月がありますが,極大時刻が夕刻なので日没から夜半までは観測チャンスとなります。1時間に5個ほど期待される小さな流星群で,明るい流星が北天から緩やかに流れます。


南中する星座 (冬の星座冬の全天星図

 午後8時(20時)に南中を迎える,観察しやすい星座たちです。

 【上旬】 カシオペヤ座ほうおう座
 【中旬】 くじら座さんかく座
 【下旬】 おひつじ座 ・ みずへび座(☆)・ろ座

 ☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

見やすい星雲星団 (星雲星団を見よう星雲星団一覧表

 【散光星雲】 M42 (オリオン大星雲,オリオン座)
 【散開星団】  M34 (ペルセウス座), h-χ (二重星団,ペルセウス座), M45 (プレアデス,すばる,おうし座)
 【銀河(系外星雲)】 M31 (アンドロメダ大星雲,アンドロメダ座), M33 (さんかく座), M74 (うお座), M77 (くじら座)


惑星用語の説明月の形の変化について

天文現象
1 うしかい座 R(周期223日,変光範囲6.0等-13.3等)が極大光度
さんかく座 R(周期267日,変光範囲5.4等-12.6等)が極大光度
2 小惑星(3)ジュノーが:8時50分
からす座 R(周期317日,変光範囲6.7等-14.4等)が極大光度
4 海王星が東矩:18時21分
りょうけん座 R(周期329日,変光範囲6.5等-12.9等)が極大光度
7 上弦の月のイメージ 大雪:1時41分。太陽の黄経が 255度になる。
上弦:18時3分
8 アルゴル型食変光星 アルゴルが極小光度:1時44分
10 アルゴル型食変光星 アルゴルが極小光度:22時33分
土星が:23時44分
11 水星が東方最大離角:13時39分(-0.4等,離角20°8)
13 月が最近:8時29分(視直径33分19秒,0.933)
アルゴル型食変光星 アルゴルが極小光度:19時21分
14 満月のイメージ ふたご座α流星群が極大:9時(条件最悪)
満月:9時6分
21 下弦の月のイメージ 下弦:10時56分
冬至:19時44分。太陽の黄経が 270度になる。
22 こぐま座流星群が極大(条件悪):17時
23 天皇誕生日
25 月が最遠:15時55分(視直径29分26秒,1.056)
27 アルゴル型食変光星 アルゴルが極小光度:23時42分
29 新月のイメージ 水星が内合:2時26分
新月:15時53分
12月こじし座小流星群が活動
31 アルゴル型食変光星 アルゴルが極小光度:0時15分
45P/本多・ムルコス・パジュサコバ周期彗星が近日点を通過

2016年11月の星空

2016年11月の星空情報

 11月は日暮れが早く,空は澄んでおり,また晴れの日も多く,本格的寒さはまだ。星を見るにはよい季節です。夜半になると賑やかな冬の星座も見やすい位置まで上ってきます。

 6日に好条件で極大を迎えるおうし座南流星群は,1時間に5個程度の小さな流星群ですが10月初旬から11月末まで長い期間流れます。極大の頃は上弦の月がありますから,月没後の夜半過ぎからが観測条件も良くなります。十分に防寒対策をして観察しましょう。→ 流れ星を見てみよう

 14日の満月は月の最近と重なり大きな満月が見られます。近年このような条件の満月をスーパームーンと呼んで話題になっていますが,スーパームーンは古来からの天文学の用語ではありません。占星術師 Richard Nolle氏によって定義された言葉とのことで,占星術由来の言葉です。スーパームーンとは,月がその軌道上において地球と最近となる位置で新月または満月を迎えた場合のことで,通常より大きな状態の月を楽しむことができます。
 地球から月への距離の平均は約385,000km,2016年11月14日の月は356,509km。月が最接近する場合の距離は356,400km ~ 370,400km ですから,この日は特に大きく立派な月を見ることができるでしょう。

 17日のしし座流星群極大は,満月後で一晩中月明かりがあるため条件がよくありません。
 母天体のテンペル・タットル彗星は2年前の2014年に遠日点を通過し,流星群の活動も低下しており,出現は1時間に10個程度。痕が残る高速の流星を見かけたら,しし座流星群の流れ星です。


南中する星座 (秋の星座秋の全天星図

 午後8時(20時)に南中を迎える,観察しやすい星座たちです。

 【上旬】 
 【中旬】 きょしちょう座(☆)
 【下旬】 アンドロメダ座うお座ちょうこくしつ座

 ☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

見やすい星雲星団 (星雲星団を見よう星雲星団一覧表

 【惑星状星雲】 NGC7293 (らせん状星雲,みずがめ座)
 【散開星団】  M34 (ペルセウス座), M52 (カシオペア座), h-χ (二重星団,ペルセウス座)
 【球状星団】  M2 (みずがめ座), M15 (ペガスス座), M30 (やぎ座)
 【銀河(系外星雲)】 M31 (アンドロメダ大星雲,アンドロメダ座), M33 (さんかく座), M77 (くじら座)


惑星用語の説明月の形の変化について

天文現象
1 月が最遠:4時29分(視直径29分23秒,1.058)
3 月が土星の北3°43′:4時18分
月が金星の北6°51′:13時16分
6 おうし座南流星群が極大(条件良)
7 立冬:8時48分。太陽の黄経が 225度になる。
8 上弦の月のイメージ 上弦:4時51分
13 おうし座北流星群の極大(条件最悪)
14 満月のイメージ 小惑星(2)パラスが東矩:15時57分
月が最近:20時21分(視直径33分29秒,0.927,356,509km)
満月:22時52分
15 アルゴル型食変光星 アルゴルが極小光度:3時12分
16 アルデバランの 東京:潜入:2時23分 東京:出現:3時27分
17 しし座流星群の極大(条件最悪):19時
18 アルゴル型食変光星 アルゴルが極小光度:0時1分
20 アルゴル型食変光星 アルゴルが極小光度:20時50分
21 下弦の月のイメージ 文化の日
下弦:17時33分
22 小雪:6時22分。太陽の黄経が 240度になる。
23 勤労感謝の日
24 土星と水星が接近(3°28′):9時37分
わし座 R(周期457日,変光範囲6.7等-14.0等)が極大光度
28 月が最遠:5時8分(視直径29分33秒,1.058)
29 新月のイメージ 新月:21時18分