4月になると日が長くなり,また花曇りや菜種梅雨の季節で天気も安定せず,晴れても春霞で空はぼんやり。星を観察する条件は悪くなってきます。
けれど春は大気の揺らぎが少なく空気の状態が安定し,小望遠鏡で惑星を観察するには良い季節です。5月9日に衝を迎える木星が夜半には見やすい位置に上ってきますので,縞模様や衛星の動きを観察してみては如何でしょう。木星はひときわ明るく輝いていてすぐに見つけることができます。また月明かりや街明かりのある明るい空でも観察できます。
日付が前後しますが,8日の明け方,下弦の半月と土星と火星が接近し三角形を描きます。早起きしなければなりませんが,惑星と月の接近は星座の知識がなくてもわかる楽しい現象です。
下の図は4月8日午前4時の空です。
今年は年始のしぶんぎ座流星群が悪条件でしたが,ゴールデンウィーク前の23日午前3時に,4月こと座流星群が好条件で極大を迎えます。
この季節の午前3時といえば薄明直前ですが,輻射点(流れ星が飛び出すときの中心点)は北東の空高く上っており月明かりもありません。4月こと座流星群は痕を残す明るい高速流星が多く,1時間に15~20個程度の流星が期待できます。
4月といっても夜中は冷えますので,流れ星を観察をされる方は十分に防寒対策を行ってください。
参考: 流れ星を見てみよう
月末の30日には,明け方の空で水星が西方最大離角を迎えます。しかし日の出前の薄明の中,見るのはかなり難しそうです。下の図は東京における午前4時10分の空。水星の地平線高度は3°です。
水星は短い周期で東方最大離角と西方最大離角を繰り返しますが,黄道の傾きによって最大離角の時の地平線高度はかなり違っています。低い位置にあって見えにくいことや,比較的見えやすい高さになることもありますので,無理せず条件の良いときを狙いましょう。
今回の西方最大離角は厳しい条件となりますので,空が地平線まで見渡せるような場所で双眼鏡を使って捜しましょう。
30日が満月なので,今年のゴールデンウィークは,前半は夜半過ぎ,後半は宵の口が星を見る条件が良くなります。
南中する星座
午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。
上旬 | らしんばん座 |
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中旬 | ほ座 |
下旬 | うみへび座・カメレオン座(☆)・こじし座・しし座・ポンプ座・ろくぶんぎ座 |
見やすい星雲星団
惑星状星雲 | NGC3242 (うみへび座),M97 (おおぐま座) |
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散開星団 | M44 (プレセペ/かに座) |
銀河(系外星雲) | M81・M82・M101 (おおぐま座),M65・M66 (しし座),かみのけ座~おとめ座銀河群 |
日 | 曜 | 月 | 天文現象 |
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1 | 日 | 水星が内合:10時07分 | |
2 | 月 | 火星が土星の南1°16′:20時51分 | |
5 | 木 | 清明:5時13分。太陽の黄経が 15度になる。 | |
8 | 日 | 下弦:16時18分 月が最遠:14時31分(視直径29分34秒,1.051) |
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15 | 日 | 準惑星 冥王星が西矩:3時48分 | |
16 | 月 | 新月:10時57分 おおぐま座 R(周期300日,変光範囲6.5等-13.7等)が極大光度 |
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17 | 火 | 春の土用の入り:10時34分。太陽の黄経が 27度になる。 | |
19 | 木 | 天王星が合:4時12分 | |
20 | 金 | 穀雨:12時13分。太陽の黄経が 30度になる。 月が最近:23時41分(視直径32分23秒,0.959) |
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23 | 月 | 4月こと座流星群が極大(条件:最良):3時 上弦:6時46分 |
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29 | 日 | 昭和の日 | |
30 | 火 | 休日 水星が西方最大離角:3時24分(+0.5等,離角27°.0) 満月:9時58分 |