星空解説
今年の2月は12月に衝を迎えた木星と,1月に小接近した火星が夜の早い時間帯に南の空に明るく輝いています。冬の豪華な1等星たちと惑星の共演で賑やかな星空が楽しめます。
また宵の早い時間帯には,15日に最大光度を迎える金星が,西空に明るく輝いています。金星はどの星よりも明るいので,すぐに分かります。
2月には有名な流星群などはありませんが,関東以南の地方では長寿の星,カノープスを見るチャンスです。詳しくは 冬の星座を探してみよう のページを参考にしてください。
厳寒期の星空観察はとても冷えます。
十分な防寒対策をしましょう。
冥王星の日
毎年2月18日は「冥王星の日」です。
1930年のこの日に,冥王星がアメリカの天文学者トンボーによって発見されたことが由来です。
古来から知られていた惑星は,水星・金星・地球・火星・木星・土星の6つでした。
1781年にイギリスの天文学者ハーシェルによって天王星が発見され,1846年にドイツの天文学者ガレらによって海王星が発見され,更に天王星や海王星の軌道が計算値と合わないことから発見されたのが冥王星でした。
冥王星は発見以降ずっと,太陽系の一番外側を回る9番目の惑星とされてきましたが,2006年8月の国際天文学連合(IAU)総会で惑星の定義が定められ,惑星の定義から外れてしまいます。
同時に新たに「準惑星」という分類が設けられ,冥王星はそこに属することになったのでした。9番目の惑星だった冥王星には「134340」という小惑星番号が与えられました。
※ クライド・ウィリアム・トンボー(Clyde William Tombaugh, 1906〜1997)
節分と立春の日付に注目
多くの年のカレンダーでは2月3日が節分,2月4日が立春ですが,今年は1日ずれています。節分は2月2日,立春は2月3日です。
2021年に同じく節分が2月2日になりましたが,2月2日が節分になるのは1897年2月2日以来124年ぶりのことでした。
今年2025年からは4年毎に立春2月3日・節分2月2日となり,2057年と2058年は連続で立春2月3日・節分2月2日となります。
詳しくは「ケイトとミラの節分」をご覧下さい。
黄道光
2月~4月は夕空の黄道光が観望好期です。
黄道光とは日没直後に黄道に沿ってぼーっと見える光芒ですが,空が暗く澄んだところでしか見られません。山などへ行く機会があったら,日没直後の西の空を注意して眺めてみてください。
南中する星座
午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。
見やすい星雲星団
惑星状星雲 | M1 (かに星雲/おうし座) M97 (おおぐま座) |
---|---|
散光星雲 | M42 (オリオン大星雲/オリオン座) |
散開星団 | M35 (ふたご座) M36・M37・M38 (ぎょしゃ座) M45 (プレアデス星団,すばる/おうし座) |
銀河(系外星雲) | M81・M82・M101 (おおぐま座) M106 (りょうけん座) |
2025年2月のカレンダー
日 | 曜日 | 月相 | 天文現象 |
---|---|---|---|
2 | 日 | 水星が地球最遠(距離 1.412au):02時37分 月が最近(距離 0.956):11時47分 節分 | |
3 | 月 | 立春(太陽の黄経 315度):23時10分 | |
4 | 火 | さっぽろ雪まつり(11日まで)・旧七草 | |
5 | 水 | 上弦:17時02分 | |
6 | 木 | 初午・一粒万倍日 | |
7 | 金 | 北方領土の日 | |
8 | 土 | アルゴル型食変光星 アルゴル極小:23時17分 こと始め・針供養・不成就日 | |
9 | 日 | 水星(☿)が外合:21時08分 | |
11 | 火 | アルゴル型食変光星 アルゴル極小:20時06分 🎌 建国記念の日 紀元祭・三隣亡 | |
12 | 水 | 天王星(♅)が東矩:04時30分 満月(望):22時53分 旧小正月・八せん始め | |
13 | 木 | 一粒万倍日 | |
15 | 土 | 準惑星(1)ケレスが合:06時35分 金星(♀)が最大光度(-4.9等):08時 横手かまくら | |
16 | 日 | 不成就日 | |
17 | 月 | 神宮祈年祭・旧二十日正月 | |
18 | 火 | 月が最遠(距離 1.053):10時10分 雨水(太陽の黄経 330度): 19時07分 冥王星の日 二の午・一粒万倍日 | |
20 | 木 | 金星が近日点通過(距離 0.718au):04時53分 庚申 | |
21 | 木 | 下弦:02時33分 | |
23 | 日 | 🎌 天皇誕生日 天長祭・八せん終り・三隣亡 | |
24 | 月 | 休日 甲子・不成就日 | |
25 | 火 | 一粒万倍日・北野天満宮梅花祭 | |
28 | 金 | 新月(朔):09時45分 |
2025年/令和7年/皇紀2685年/平年/ 乙巳(きのとみ)
・建国記念の日 政令で定める日。建国をしのび国を愛する心を養う。
・天皇誕生日 2月23日。天皇の誕生日を祝う。
2月のお話
・如月
・February
・立春と雨水
・スターダスト現象・氷霧・星のささやき・光の春
・Wolf Moon(オオカミの満月)
・東風解凍 (はるかぜこおりをとく)
・キャンドルマス(Candlemas Day)
・節分(せつぶん,せちぶん)
・太巻き寿司の丸かぶり
・宝積寺の豆撒式
・灰の水曜日(Ash Wednesday)
データ出典:
・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・アルゴル極小予報 日本変光星研究会 食変光星アルゴル (β Per) の主極小予報
・東京都神社庁選定「神社暦」