星空解説
春分が過ぎ夜が短くなる4月です。
この頃は,花曇りや菜種梅雨で天気は安定しません。
弱まったシベリア気団から南下してくる移動性高気圧が次々と日本列島を通過します。移動性高気圧に挟まれると気圧の谷ができたり,高気圧が北の方を通ると停滞前線が現れたりするのです。
また,晴れても春霞で空はぼんやりしています。星を観察する条件は今ひとつですが,大気の状態は安定していますので,小望遠鏡で月や惑星を見るには良い季節です。
2023年4月の惑星
水星が見頃
水星が12日に東方最大離角を迎え,夕刻の西空で見やすくなります。
東方最大離角の頃は,日没直後の東京での地平線高度が10度を超え好条件です。
水星としては見やすい高度となりますが,それでも大変低い位置です。
地平線近くの低い星は大気による減光で暗く見えます。空がよく開けたところで,双眼鏡などを準備して探してみましょう。
金星と火星は夕刻西空
金星は水星と同じく夕刻の西空に宵の明星として見えています。
火星は,やはり夕刻の西空で,ふたご座を移動中です。
木星は12日に合となり見えません。土星はみずがめ座を移動中で夜明け前の東の空に出ています。
金環皆既日食
20日の新月では金環皆既日食が起こります。
金環皆既日食が観測されるのは東南アジアやオーストラリアなどで,中心食帯の東西の端では金環日食が見られ,中心食帯では皆既日食となります。
日本では,南西諸島・九州地方南部・四国地方南部・近畿地方南部から関東地方南部・伊豆諸島・小笠原諸島などで部分日食が見られます。
食の始め | 食の最大 最大食分 | 食の終わり | |
那覇 | 13時35分38秒 | 14時21分15秒 0.150 | 15時05分30秒 |
金環皆既日食とは,観測場所によって金環日食になったり皆既日食になったりする日食で,大変珍しい現象です。
地球の場所によって月との距離ほんの少し異なっているため,その微妙な違いによって地球に落ちる月の影の大きさが変わり,皆既になったり金環になったりするのです。
今回の金環皆既日食は,2013年11月3日以来となります。
日食については,日食を見てみよう のページを参考にして下さい。
4月こと座流星群
4月こと座流星群は,23日午前10時頃にピークが予想されています。
こと座が高く上ってくるのは夜半頃で,夜半から明け方までが見頃な時間帯です。今年は月齢3で月明かりの心配もありません。1時間に数個程度の群流星が予想されています。
4月こと座流星群はピークが鋭いため,流星観察に適しているのは22日~23日の夜となります。前後の夜では数がぐっと減ってしまいます。
流星観測は冷え込みますので,4月後半ですが,しっかりと防寒対策をしましょう。
観測は,流れ星を見てみよう のページを参考にして下さい。
南中する星座
午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません 。
見やすい星雲星団
惑星状星雲 | NGC3242 (うみへび座),M97 (おおぐま座) |
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散開星団 | M44 (プレセペ/かに座) |
銀河(系外星雲) | M81・M82・M101 (おおぐま座), M65・M66 (しし座), かみのけ座~おとめ座銀河群 |
2023年4月のカレンダー
日 | 曜日 | 月相 | 天文現象 |
2 | 日 | 一粒万倍日・三隣亡 | |
5 | 水 | 清明(太陽の黄経 15度):10時13分 天一天上 | |
6 | 木 | 満月:13時35分 三隣亡 | |
7 | 金 | 世界保健デー | |
8 | 土 | 灌仏会(かんぶつえ) 花まつり | |
9 | 日 | イースター | |
11 | 火 | メートル法公布記念日 | |
12 | 水 | 水星 (☿) が東方最大離角:07時(離角19°29’) 木星 (♃)が合:07時07分 世界宇宙飛行の日 一粒万倍日 | |
13 | 木 | 下弦:18時11分 木星が地球最遠:23時38分(距離 5.955au) | |
15 | 土 | 準惑星 (136199) エリスが合:04時05分 一粒万倍日 | |
16 | 日 | 月が最近(距離 0.957):11時24分 不成就日 | |
17 | 月 | 春の土用の入り(太陽の黄経 27度):15時36分 | |
18 | 火 | 発明の日 三隣亡 | |
20 | 木 | 新月:13時13分(金環皆既日食) 穀雨(太陽の黄経 30度):17時14分 準惑星 (136108) ハウメアが衝 :17時33分 郵政記念日・不成就日 | |
21 | 金 | 水星と月が合(離角 1°45’):17時05分 | |
22 | 土 | 旧ひな祭 | |
23 | 日 | 4月こと座流星群🌠 が極大:10時 金星と月が合(離角 -1°17’):21時43分 | |
24 | 月 | 小惑星(4)ベスタが合 :17時32分 八せん始め・一粒万倍日 | |
27 | 木 | 一粒万倍日 | |
28 | 金 | 上弦:06時20分 月が最遠(距離 1.052):15時43分 不成就日 | |
29 | 土 | 🎌 昭和の日 | |
30 | 日 | 三隣亡 |
2023年/令和5年/皇紀2683年/平年/ 癸卯(みつのとう)
4月のお話
・卯月
・April
・清明と穀雨
・菜種梅雨・花冷え・花曇り
・ Egg Moon(復活祭の満月)
・ 玄鳥至(つばめきたる)
・イースター・エッグ(Easter egg)
・セイヨウカラシナ
データ出典:
・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・流星 流星電波観測国際プロジェクト
・東京都神社庁選定「神社暦」