「星空情報」カテゴリーアーカイブ

2024年04月の星空

星空解説

ミラ
4月1日の東京は
日の出 5:28
日の入 18:03
だよ!

 春分が過ぎ夜が短くなる4月です。

 この頃は,花曇りや菜種梅雨で天気は安定しません。
 弱まったシベリア気団から南下してくる移動性高気圧が次々と日本列島を通過します。移動性高気圧に挟まれると気圧の谷ができたり,高気圧が北の方を通ると停滞前線が現れたりするのです。

 また,晴れても春霞で空はぼんやりしています。
 暖かくなるため植物の蒸散が活発になって大気中の水蒸気が増え,地表の温度が上昇して塵や埃が舞い上がり,更にユーラシア大陸から黄砂が飛んできたりして,春の空は霞みやすいのです。

 けれど,春の空は冬に比べると大気の状態が安定しています。小望遠鏡で月や惑星を見るには良い季節です。


2024年4月の惑星

 惑星観察に適した春ですが,今年の4月は珍しく5惑星全てが観測しにくい月です。

 12日に内合を迎える水星は,上旬は夕刻西空,下旬は日の出前の東の空に出ていますが,低空で観察は困難。
 金星も日の出前の東の低空で同じく観察困難。
 火星と土星はみずがめ座を移動中で,日の出前の東の低空に見えています。
 木星は日没後の早い時間帯に夕刻の西空に出ていますが,月末には低すぎて観測困難となります。


4月こと座流星群

ケイト
流星群といっても1時間に数個。
期待しすぎないでね。

 4月こと座流星群は,22日16時頃にピークが予想されています。
 こと座が高く上ってくるのは夜半頃で,夜半から明け方までがこの流星群の見頃な時間帯です。

 4月こと座流星群はピークが鋭いため,ピークの前後の夜では数がぐっと減ってしまいます。
 今年は22日未明と23日の夜半から明け方までが観望に適した時間帯となり,1時間に5個程度の流星が予想されています。しかしながら満月前の明るい月明かりがあり,観察条件は良くありません。

 流星観測は冷え込みますので,4月後半ですが,しっかりと防寒対策をしましょう。
 観測は,流れ星を見てみよう のページを参考にして下さい。


南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません 。

上旬らしんばん座
中旬ほ座
下旬うみへび座・カメレオン座(☆)
こじし座・しし座・ポンプ座・ろくぶんぎ座

春の星座
春の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲NGC3242 (うみへび座),M97 (おおぐま座)
散開星団M44 (プレセペ/かに座)
銀河(系外星雲)M81・M82・M101 (おおぐま座),
M65・M66 (しし座),
かみのけ座~おとめ座銀河群

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2024年4月のカレンダー

日 曜日月相天文現象
1学年始め
2下弦の月のイメージ下弦:12時15分
3一粒万倍日
4清明(太陽の黄経 15度):16時02分
不成就日
6一粒万倍日
7世界保健デー
8月が最近(距離 0.934):02時51分
灌仏会(かんぶつえ)・花まつり
9新月のイメージ新月(朔):03時21分(皆既日食/日本では見られない)
不成就日・一粒万倍日
11土星と火星が合(離角 -0°26′):05時36分
メートル法公布記念日・旧ひな祭
12水星 (☿) が内合:08時03分
世界宇宙旅行の日・三隣亡
14準惑星 (136199) エリスが:15時33分
15水星が地球最近:16時15分(距離 0.576au)
16上弦の月のイメージ上弦:04時13分
春の土用の入り(太陽の黄経 27度):21時20分
17不成就日
18発明の日
八せん始め・一粒万倍日
19穀雨(太陽の黄経 30度):23時00分
20月が最遠(距離 1.055):11時10分
郵政記念日・郵便週間
21準惑星 (136108) ハウメアが :01時32分
一粒万倍日
224月こと座流星群🌠 が極大:16時
24満月のイメージ満月(望):08時49分
三隣亡
25不成就日
26庚申
28孔子祭
29🎌 昭和の日
八せん終わり
30甲子・一粒万倍日

2024年/令和6年/皇紀2684年/閏年/ 甲辰(きのえたつ)

・昭和の日 4月29日。激動の日々を経て復興を遂げた昭和の時代を顧み,国の将来に思いをいたす。

惑星用語の説明
月の形の変化について


4月のお話

卯月
April
清明と穀雨
菜種梅雨・花冷え・花曇り
 Egg Moon(復活祭の満月)
・ 玄鳥至(つばめきたる)
イースター・エッグ(Easter egg)
セイヨウカラシナ

馬酔木(アセビ)
馬酔木(アセビ)

データ出典:

・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・東京都神社庁選定「神社暦」

投稿ナビゲーション

2024年03月の星空

星空解説

ミラ
毎日の日の出の場所を確認すると楽しいよ!

 春分を迎える3月は,ぐんぐんと日が長くなっていきます。春分や秋分の頃は,日の出や日没の位置も日々大きく移動します。
 日の出の位置が日々北へ移動していく様子を観察してみましょう。

 空は春霞がかかり,また菜種梅雨で雨も増える3月ですが,大気が安定してきます。
 望遠鏡の中の像が落ち着いて見える日が増える春は,小望遠鏡で月や惑星を観察するのに良い季節です。


水星が東方最大離角

 3月25日,夕刻の西空で水星が東方最大離角を迎えます。

 下の星図は東京での3月25日18時20分の水星の位置です。
 地平線高度は13度ですが,これは水星としてはたいへん見やすい高さです。3月19日〜30日の日没後30分の水星の地平線高度は10度を超えていますので,西の空が開けた場所で双眼鏡などを使って探してみましょう。

 ほぼ真西の方角で,木星がよい目印になります。

水星の東方最大離角(2024-03-25)
水星の東方最大離角(2024-03-25)

マイクロムーン

ケイト
月は地平線に近いと目の錯覚で大きく見えるよ!

 先月(2月24日)に続き,3月の満月も今年一番遠く小さな月,マイクロムーンとなります。

 2月24日の望は21時30分,月最遠は2月25日3時59分(距離 1.057)。
 3月25日の望は16時00分,月最遠は3月24日0時45分(距離 1.057)。

 2024年の一番近くて大きい満月(スーパームーン)は10月17日です。月が近いときと遠い時では,下の写真くらい大きさが違っています。

満月の大きさ比較
遠い満月と近い満月の見かけの大きさ比較

南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬いっかくじゅう座ふたご座
中旬こいぬ座とびうお座(☆)・とも座やまねこ座
下旬かに座 ・りゅうこつ座

春の星座
春の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲M1 (かに星雲/おうし座),M97 (おおぐま座)
散光星雲M42 (オリオン大星雲/オリオン座)
散開星団M35 (ふたご座),M36・M37・M38 (ぎょしゃ座),M44 (プレセペ/かに座)
銀河(系外星雲)M81・M82・M101 (おおぐま座),M106 (りょうけん座)

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2024年3月のカレンダー

曜日月相天文現象
1アルゴル型食変光星 アルゴル極小:21時25分
甲子
2一粒万倍日
3上巳(桃の節句)
雛祭り・耳の日
4下弦の月のイメージ下弦:0時23分
小惑星 (3) ジュノーが:03時01分
5啓蟄(太陽の黄経 345度):11時23分
7消防記念日・不成就日
8国際女性デー
10新月のイメージ月が最近(0.928):16時04分
新月(朔):18時00分
一粒万倍日
11東日本大震災・二日灸・不成就日
12奈良東大寺二月堂お水取り
15天しゃ・一粒万倍日・三隣亡
17上弦の月のイメージ春の彼岸入り
上弦:13時11分
旧こと始め・旧針供養
海王星(♆)が:20時22分
18水星が近日点を通過(0.307au):01時36分
海王星(♆)が地球最遠(距離 30.897au):16時55分
19旧初午・不成就日
20🎌 春分の日
金星が遠日点を通過(0.728au):06時48分
春分(太陽の黄経 0度):12時06分
21十方ぐれ入り
22NHK放送記念日・一粒万倍日
23彼岸明け
世界気象デー
24月が最遠(1.057):00時45分
アルゴル型食変光星 アルゴル極小:20時00分
25満月のイメージ水星(☿)が東方最大離角(離角18°42′):07時
満月(望):16時00分(マイクロムーン)
社日・電気記念日
27不成就日・一粒万倍日・三隣亡
30準惑星 (136472) マケマケが:09時31分
天一天上
31イースター
旧二の午

2024年/令和6年/皇紀2684年/閏年/ 甲辰(きのえたつ)

・春分の日 春分日。自然をたたえ生物をいつくしむ。

惑星用語の説明
月の形の変化について


3月のお話

弥生
March
啓蟄と春分
春一番・花散らし・春嵐
Lenten Moon(受難節:レントの月)
蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)
灰の水曜日(Ash Wednesday)
聖パトリック祭(St Patrick’s Day)
イースター・エッグ(Easter egg)

高尾山薬王院にて(2023-03-09)
高尾山薬王院にて

データ出典:

・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・アルゴル極小予報 予報 | 日本変光星研究会
・東京都神社庁選定「神社暦」

2024年02月の星空

星空解説

 今年の2月は木星が夕刻の南西の空に明るく見えています。15日の宵には月齢6の三日月型の月と近づく姿を見ることができます。
 賑やかな冬の星座たちと一緒に月と木星を楽しみましょう。

ミラ
冬の星空は豪華だよ!

 2月には有名な流星群などはありませんが,関東以南の地方では長寿の星,カノープスを見るチャンスです。詳しくは 冬の星座を探してみよう のページを参考にしてください。

 厳寒期の星空観察はとても冷えます。
 十分な防寒対策をしましょう。

夕刻の月と木星(2024-02-15)
夕刻の月と木星(2024-02-15)

冥王星の日

ケイト
9番目の惑星だったのに小惑星134340番って何だか不憫だなぁ。

 毎年2月18日は「冥王星の日」です。
 1930年のこの日に,冥王星がアメリカの天文学者トンボーによって発見されたことが由来です。

 古来から知られていた惑星は,水星・金星・地球・火星・木星・土星の6つでした。
 1781年にイギリスの天文学者ハーシェルによって天王星が発見され,1846年にドイツの天文学者ガレらによって海王星が発見され,更に天王星や海王星の軌道が計算値と合わないことから発見されたのが冥王星でした。

 冥王星は発見以降ずっと,太陽系の一番外側を回る9番目の惑星とされてきましたが,2006年8月の国際天文学連合(IAU)総会で惑星の定義が定められ,惑星の定義から外れてしまいます。

 同時に新たに「準惑星」という分類が設けられ,冥王星はそこに属することになったのでした。9番目の惑星だった冥王星には「134340」という小惑星番号が与えられました。

※ クライド・ウィリアム・トンボー(Clyde William Tombaugh, 1906〜1997)


2024年で一番遠い満月

 2024年には遠い小さな満月が2回あります。2月24日と3月25日です。
 2月24日の望は21時30分,月最遠は2月25日3時59分(距離 1.057)。
 3月25日の望は16時00分,月最遠は3月24日0時45分(距離 1.057)。

 冬の月は天頂高くまで上ることもあり,低い夏の月と比べ見かけ上小さく見える効果も働きます。

 なお,2024年の一番近い満月,スーパームーンは10月17日。月が近いときと遠い時では,下の写真くらい大きさが違っています。

満月の大きさ比較
遠い満月と近い満月の大きさ比較

黄道光

 2月~4月は夕空の黄道光が観望好期です。
 黄道光とは日没直後に黄道に沿ってぼーっと見える光芒ですが,空が暗く澄んだところでしか見られません。山などへ行く機会があったら,日没直後の西の空を注意して眺めてみてください。


南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬うさぎ座オリオン座がか座(☆)・テーブルさん座(☆)・はと座
中旬ぎょしゃ座きりん座
下旬おおいぬ座

冬の星座
冬の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲M1 (かに星雲/おうし座)
M97 (おおぐま座)
散光星雲M42 (オリオン大星雲/オリオン座)
散開星団M35 (ふたご座)
M36・M37・M38 (ぎょしゃ座)
M45 (プレアデス星団,すばる/おうし座)
銀河(系外星雲)M81・M82・M101 (おおぐま座)
M106 (りょうけん座)

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2024年2月のカレンダー

曜日月相天文現象
1不成就日
3下弦の月のイメージ節分
水星が遠日点を通過(0.467au):1時58分
下弦:08時18分
4立春(太陽の黄経 315度):17時27分
さっぽり雪まつり
5三隣亡
7アルゴル型食変光星 アルゴル極小:22時50分
北方領土の日・一粒万倍日
8天王星(♅)が東矩:19時46分
こと始め・針供養
9不成就日
10新月のイメージ新月(朔):07時59分
アルゴル型食変光星 アルゴル極小:19時40分
旧元日
11🎌 建国記念の日
紀元祭
月が最近(距離 0.932):03時53分
12休日
初午・不成就日・一粒万倍日
15横手かまくら
16旧七草
17上弦の月のイメージ上弦:0時01分
三隣亡
18冥王星の日
八せん始め
19雨水(太陽の黄経 330度): 13時13分
一粒万倍日
20不成就日
21水星が地球最遠(距離 1.390au):04時57分
22火星と金星が合(離角 -0°38′):16時14分
23🎌 天皇誕生日
天長祭
24満月のイメージ満月(望):21時30分(マイクロムーン)
二の午・旧小正月・一粒万倍日
25月が最遠(距離 1.057):23時59分
北野天満宮梅花祭
26庚申
28水星(☿)が外合:17時43分
不成就日
29土星と水星が合(離角 0°11′):0時08分
土星(♄)が地球最遠(距離 10.711au):02時24分
土星(♄)が:06時26分
旧二十日正月・八せん終り・三隣亡

2024年/令和6年/皇紀2684年/閏年/ 甲辰(きのえたつ)

・建国記念の日 政令で定める日。建国をしのび国を愛する心を養う。
・天皇誕生日 2月23日。天皇の誕生日を祝う。

惑星用語の説明
月の形の変化について


2月のお話

如月
February
立春と雨水
スターダスト現象・氷霧・星のささやき・光の春
Wolf Moon(オオカミの満月)
東風解凍 (はるかぜこおりをとく)
キャンドルマス(Candlemas Day)
節分(せつぶん,せちぶん)
太巻き寿司の丸かぶり
宝積寺の豆撒式
灰の水曜日(Ash Wednesday)

ラッパズイセン
ラッパズイセン

データ出典:

・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・アルゴル極小予報 食変光星「アルゴル」観測ガイド(倉敷科学センター)
・東京都神社庁選定「神社暦」

2024年01月の星空

 2024年(令和6年・皇紀2684年)は閏年。干支は 甲辰(きのえたつ)です。
 今年も宜しくお願い致します。

星空解説

一番日の出が遅い季節

ケイト
日没が一番早いのは12月上旬だよ!

 昼間の長さが一番短いのは冬至の日ですが,日の出時刻が一番遅いのは1月の上旬です。

 2024年1月の東京は,1月2日〜1月13日の日の出時刻が6時51分で,これが一年で一番遅い日の出時刻となります。
 その前後の日の出時刻を下の表にまとめました。

 表からわかるように一番遅い期間は10日ほど続きますが,その期間が終わると日の出時刻は春に向かって日ごとにどんどん早まっていきます。

年月日(期間)日の出時刻
2023-12-29 〜 2024-01-0106:50
2024-01-02 〜 2024-01-1306:51
2024-01-14 〜 2024-01-1706:50
2024-01-18 〜 2024-01-2006:49
2024-01-21 〜 2024-01-2206:48
2024-01-23 〜 2024-01-2406:47
2024-01-25 〜 2024-01-2606:46
2024-01-2706:45
2024-01-28 〜 2024-01-2906:44
2024-01-3006:43
2024-01-3106:42
東京の日の出時刻

しぶんぎ座流星群

ミラ
今年のしぶんぎ座流星群は条件悪いんだって。

 年始の空を飾るしぶんぎ座流星群(りゅう座 ι流星群 )ですが,今年はピークが夕刻。下弦の月があり,またピークが鋭い流星群ということもあり,条件は良くありません。

 しぶんぎ座流星群の放射点は,りゅう座とうしかい座の境界付近です。高く上がってくるのは夜半過ぎ。このため観測に適した時間帯は,放射点が高くなる午前2時を過ぎてからになります。
 月明かりが目に入らないよう,東の空を中心に見るようにしましょう。

 しぶんぎ座流星群は三大流星群の一つで,極大事のZHR=120です。新月なら1時間あたり60個程度の流星が期待できますが,月明かりの影響を受ける今年はもっと少なめになります。

 長時間空を見上げる流星観察には,しっかりとした防寒対策が必要です。流れ星を見てみよう のページを参考に,事前に安全な観察場所を捜して備えるようにしましょう。


水星の西方最大離角

ケイト
水星を見るの難しいけど見えると嬉しい!

 12日,明け方の東の空で水星が西方最大離角を迎えます。
 日の出直前の午前6時の東京で,水星の地平線高度は8度。南東の空の地平線ぎりぎりに見えています。

 探してみる場合は,低い空までよく見える場所で,双眼鏡などを使いましょう。
 地平線近くの空では,大気による減光で星は実際の光度より暗く見えます。この日の水星の光度は-0.17等級ですが大気減光で 0.7等級になっています。
 すぐ近くに明るい金星が見えていますので目印にしましょう。

 水星は動きが速いので,最大離角の前後3日間くらいが見頃です。

水星の西方最大離角(2024-01-12)
水星の西方最大離角(2024-01-12)

南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬とけい座(☆)・ペルセウス座
中旬エリダヌス座レチクル座(☆)
下旬おうし座・かじき座(☆)・ちょうこくぐ座

冬の星座
冬の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲M1 (かに星雲/おうし座)
散光星雲M42 (オリオン大星雲/オリオン座)
散開星団M35 (ふたご座),
M36・M37・M38 (ぎょしゃ座)
M45 (プレアデス,すばる/おうし座)
銀河(系外星雲)M81・M82 (おおぐま座)

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2024年1月のカレンダー

曜日月相天文現象
1🎌 元日
日の出:札幌07:06,仙台06:53,東京06:50,名古屋07:01,大阪07:05,福岡07:23,那覇07:17
歳旦祭・初詣・年賀・初子
天しゃ・甲子・一粒万倍日
2月が最遠(距離 1.053):0時28分
初夢・初荷・書初め・皇居一般参賀
不成就日
3地球が近日点を通過(0.983au):09時39分
元始祭・初寅
三隣亡
4下弦の月のイメージ下弦:12時30分
しぶんぎ座流星群 が極大:18時(条件悪)
官庁御用始め・初卯
5初水天宮
6小寒(太陽の黄経 285度): 05時49分
六日年越し・初巳・己巳
7七草・三隣亡
8🎌 成人の日
初薬師
9宵えびす
10初金比羅・十日えびす・不成就日
11新月のイメージ新月(朔):20時57分
鏡開き・蔵開き
12水星(☿)が西方最大離角(-0.6等,離角24°58′):23時
初亥
13月が最近(距離 0.942):19時36分
一粒万倍日
14十四日年越し
15小正月・小豆がゆ
16アルゴル型食変光星 アルゴル極小:0時16分
藪入り・えんま詣・不成就日・一粒万倍日
17阪神淡路大震災
18上弦の月のイメージ冬の土用の入(太陽の黄経 297度):0時24分
上弦:12時53分
アルゴル型食変光星 アルゴル極小:21時05分
初観音・旧こと納め・旧針供養
19三隣亡
20準惑星 (134340) 冥王星(♇)が:22時46分
大寒(太陽の黄経 300度):23時07分
二十日正月
21初大師・十方ぐれ入り
24初愛宕・初地蔵・不成就日
25初天神・一粒万倍日
26満月のイメージ満月(望):02時54分
文化財防火デー
27木星(♃)が東矩:16時18分
火星と水星が合(離角-0°15′):23時59分
国旗制定記念日
28初不動・一粒万倍日
29月が最遠(距離 1.056):17時14分
30天一天上
31三隣亡

2024年/令和6年/皇紀2684年/閏年/ 甲辰(きのえたつ)

・元日 1月1日。年のはじめを祝う。
・成人の日  1月の第2月曜日。おとなになったことを自覚し,自ら生き抜こうとする青年を祝いはげます。

惑星用語の説明
月の形の変化について


1月のお話

睦月
January
小寒と大寒
霧氷・雪起こし
Moon After Yule
・ 芹乃栄(せりすなわちさかう)
節句
福笹
公顕祭とクリスマス・ツリー
どんどや

甲辰(2024)
甲辰(2024)

データ出典:

・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・アルゴル極小予報 食変光星「アルゴル」観測ガイド(倉敷科学センター)
・東京都神社庁選定「神社暦」

2023年12月の星空

星空解説

 夜が長い12月は,星空観察に良い季節です。
 明るい星が多い豪華な冬の星座達も,早い時間帯から見られるようになります。寒さ対策をしっかりして星を見ましょう。

惑星

水星

 水星は4日に東方最大離角を迎えますが,午後5時の地平線高度が7度。地平線ぎりぎりといった感じです。大気による減光もあり,見つけるのは難しいでしょう。
 探してみるなら,南西の地平線ぎりぎりを双眼鏡を使って見てみましょう。


金星

ミラ
朝の金星と夜中の木星が見やすいよ!

 金星は夜明け前の南東の空に見えています。-4.2 〜 -4.0等級の明るさで,見間違うことはありません。

 9日に月と合になり,細い月と金星のランデブーが見られます。合となるのは9日ですが,時刻が23時24分なので翌10日の朝が一番近づいて見えています。
 風景と一緒に写真を撮るなどして楽しんでください。

下の星図はクリックして拡大して見て下さいね。

金星と月の合(2023-12-10 06:00)
金星と月の合(2023-12-10 06:00)

木星

 11月3日に衝を迎えた木星は,まだまだ観望好期です。おひつじ座を逆行中で,明るさも -2.8〜 -2.6等。周辺のどの星よりも明るく輝いています。

 22日の夜には木星と月が近づいて見える合となります。
 上弦を過ぎた明るい月と木星が夜空に並んだ様子を見てみましょう。

 下の星図はクリックして拡大して見て下さいね。

木星と月の合(2023-12-22 23:00)
木星と月の合(2023-12-22 23:00)

土星

 土星みずがめ座を順行中で,日没頃に南中し,22時頃には西南西の空に没します。明るさは1.0等くらいです。


流星群

ふたご座α流星群

 師走の空を飾るふたご座α流星群は,2023年はピークが夜間で月明かりの影響もなく好条件です。

 ピークは15日の4時頃という予報になっていますので,14日〜15日にかけての夜が一番のお勧めです。

 ふたご座α流星群の活動期間は12月5日頃から12月20日頃までです。冬の星座であるふたご座に流星群の放射点があるため,一晩中,全ての方角でコンスタントに流れます。
 けれどピークを過ぎると流星数が急に減っていきます。極大日の数日前から晴れた夜に空を見上げると良いでしょう。近年は火球も増え,いっそう華やかな流星群になってきています。

ケイト
フェアトンは塵を出し尽くした彗星のなれの果てなんだって。

 12月は日没が早く夜が長い季節でもありますから,思い出したら夜空を見上げてみてください。偶然明るい流星に出会えるかもしれません。
 流星観察については 流れ星を見てみよう をご参照ください。

 ふたご座流星群の母天体,小惑星(3200)フェアトンは,1.43年周期で楕円軌道を描いて公転しており,今世紀末の2093年12月14日に地球にかなり接近することが予想されています。
 また2223年には軌道が地球に近づくことも予想され,今後ともふたご座α流星群と共に目が離せない存在です。


こぐま座流星群

 ふたご座流星群が活動を終える頃,一年を締めくくるこぐま座流星群が流れ始めます。こぐま座流星群は8P/タットル彗星を母天体とする流星群です。

 今年は23日13時頃にピークが予想されており,日中な上に月齢10で月も大きく条件は良くありません。

 こぐま座流星群の流星は北天から緩やかに流れます。ZHR=10で,実際に見える流れ星は1時間に1~2個くらい。小さな流星群ですが火球が流れることもあります。


南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬カシオペヤ座ほうおう座
中旬くじら座さんかく座
下旬おひつじ座・みずへび座(☆)・ろ座

冬の星座
冬の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲
散光星雲M42 (オリオン大星雲,オリオン座)
散開星団M34 (ペルセウス座)
h-χ (二重星団,ペルセウス座)
M45 (プレアデス星団,すばる,おうし座)
球状星団
銀河(系外星雲)M31 (アンドロメダ大星雲,アンドロメダ座)
M33 (さんかく座)
M74 (うお座)
M77 (くじら座)

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2023年12月のカレンダー

曜日月相天文現象
1映画の日・天一天上
2旧えびす講・旧誓文払(せいもんばらい)
不成就日
4水星 (☿) が東方最大離角(離角 21°16’):23時
人権週間
5火 下弦の月のイメージ月が地球最遠(距離 1.052):3時42分
下弦:14時49分
納めの水天宮・一粒万倍日
6一粒万倍日
7海王星が留:8時54分
大雪(太陽の黄経 255度):18時33分
一粒万倍日
8こと納め・針供養・納めの薬師
一粒万倍日
9金星が月と合(離角 3°19′):23時24分
皇后御誕生日
10納めの金比羅
不成就日・三隣亡
13新月のイメージ朔(新月):8時32分
水星が留:13時55分
15ふたご座α流星群🌠が極大:4時
17月が地球最近(距離 0.957):3時53分
海王星(♆)が東矩:12時43分
羽子板市(浅草観音歳の市)
18土星と月が合(離角 2°16′):8時32分
19一粒万倍日
20上弦の月のイメージ上弦:3時39分
八せん始め・一粒万倍日
21水星が遠日点を通過(0.307au):2時19分
納めの大師
22小惑星(4)ベスタが :3時56分
冬至(太陽の黄経 270度):12時27分
木星が月と合(離角 -2°23′):21時53分
冬至星供(ほしく)祭
三隣亡
23水星(☿)が内合:3時54分
水星が地球最近(距離 0.676au):11時22分
こぐま座流星群🌠が極大:13時
24納めの地蔵
25終い天神・基督降誕祭
蕪村忌・不成就日
27満月のイメージ望(満月):9時33分
28納めの不動・官庁御用納め
29取引所納会
31大祓・除夜祭・年越し
男鹿なまはげ
八せん終わり・一粒万倍日

2023年/令和5年/皇紀2683年/平年/ 癸卯(みつのとう)


12月のお話

師走
December
大雪と冬至
時雨・寒波・年末低気圧
閉塞成冬(七十二候 大雪~冬至)
Hunter’s Moon
アドベント

ネリネ・クリスパ(ダイヤモンドリリー)
ネリネ・クリスパ(ダイヤモンドリリー)

データ出典:

・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・流星 流星電波観測国際プロジェクト
・東京都神社庁選定「神社暦」

2023年11月の星空

星空解説

 11月は日暮れが早く,空は高く澄み渡り,晴れの日も多く,本格的寒さはまだ。星を見るにはよい季節です。
 夜半になると賑やかな冬の星座も見やすい位置まで上ってきます。


惑星

衝を迎える木星と天王星

 3日に木星が,14日天王星を迎えます。

 木星はひときわ明るく輝いており,都会の街明かりの下でもすぐに見つけられます。また小望遠鏡でも捉えやすく,低倍率でも縞模様や衛星を見ることができます。

 望遠鏡で惑星をとらえたら,是非スケッチをしてみましょう。
 スケッチのために一生懸命見ているうちに目が惑星に慣れ,何度か続けているとだんだん模様がよく見えるようになっていきます。惑星の模様が見える目は,この「慣れ」によって養われます。
 木星の近くに衛星が見えたら, ガリレオ衛星(※)と呼ばれる4個の衛星のどれかです。

※ ガリレオ衛星
 望遠鏡を発明したイタリアの学者,ガリレオ・ガリレイによって1610年に発見された木星の4個の衛星です。
 木星に近い順にイオ,エウロパ,ガニメデ,カリストと呼びます。
 ガニメデは太陽系で一番大きな衛星,イオは活火山があることで知られています。


ミラ
地域の星空観望会があったら行ってみよう!

 衝の頃の天王星の明るさは,5.7等級。
 暗く条件の良い空の下,視力の良い人なら,かろうじて肉眼で確認できます。

 ですから双眼鏡があれば市街地でも確認することができます。また,小望遠鏡なら面積を持った円盤状に見ることができます。

 下の図は衝の日の天王星の位置です。
 木星とすばる(プレアデス星団)を結んだ線の真ん中くらいです。
 天王星は数日経ってもほとんど変わらない場所に見えます。月明かりのない晴れた日に探してみましょう。
 図はクリックして拡大して見てくださいね。

2023-11-14 23:00 天王星
2023-11-14 23:00 天王星

惑星と月の合

 金星と土星と木星が,月と接近する様子が見られます。それぞれの合の頃の星図を載せておきますので参考にして下さい。

 夜明けの金星と月は風景を入れて写真に撮っても綺麗です。

金星と月の合(2023-11-09 05:30)
金星と月の合(2023-11-09 05:30)
土星と月の合(2023-11-20 20:00)
土星と月の合(2023-11-20 20:00)
木星と月の合(2023-11-25 19:00)
木星と月の合(2023-11-25 19:00)

流星群

おうし座流星群

 おうし座南流星群が5日に,おうし座北流星群が12日に極大を迎えます。
 どちらもHR=5個程度の小さな流星群で,見られるのはせいぜい1時間に2個程度。流星群だからといって沢山流れるわけではありません。

 流星の数は少ないものの,ほぼ一晩中観察でき,9月25日~11月25日頃まで長い期間見られます。
 ゆっくり流れ,火球が多いこともこの群の特徴です。空を見上げる機会があったら思い出してみましょう。

 母天体は2P/エンケ彗星です。


しし座流星群

 しし座流星群は,18日午後に極大となります。

 月齢4で月明かりはありませんが,極大が日中なので条件は今ひとつです。
 21日22時頃には,ダストトレイルとの接近予報が出ています。放射点が昇る前ですが,予報はずれる可能性もあり,ダストトレイルの規模も不明です。21日の夜半前は,もしかしたら流星が見られるかもしれません。

ケイト
しし座流星群は,2002年に素晴らしい流星雨になったの。
次の母彗星の回帰でまた見られるといいね!

 しし座流星群の流れ星は,痕を残して高速で流れるのが特徴。しし座が上ってくる明け方に沢山流れます。
 流星観察は11月でもたいへん冷え込みますので,十分に防寒対策をして行いましょう。→ 流れ星を見てみよう

  しし座流星群の母天体,55P/テンペル・タットル彗星は2014年に遠日点を通過し,2031年5月の近日点通過に向けて太陽に近づいてきていますので今後が楽しみな流星群です。


南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬
中旬きょしちょう座(☆)
下旬アンドロメダ座うお座ちょうこくしつ座

秋の星座
秋の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲NGC7293 (らせん状星雲/みずがめ座)
散光星雲
散開星団M34 (ペルセウス座)
M52 (カシオペア座)
h-χ (二重星団/ペルセウス座)
球状星団M2 (みずがめ座)
M15 (ペガスス座)
M30 (やぎ座)
銀河(系外星雲)M31 (アンドロメダ大星雲/アンドロメダ座)
M33 (さんかく座)
M77 (くじら座)

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2023年11月のカレンダー

 日 曜日月相天文現象
1計量記念日・灯台記念日
米穀年度始め・自衛隊記念日
八せん終わり
2木星が地球最近(距離 3.982au):6時04分
3木星(♃)が:14時2分(-2.9等)
🎌文化の日
5下弦の月のイメージ土星が留:2時00分
下弦:17時37分
おうし座南流星群🌠が極大
7水星が遠日点を通過(距離 0.467au):2時41分
月が最遠(距離 1.052):6時49分
8立冬(太陽の黄経 225度):1時36分
世界都市計画の日・不成就日
9金星が月と合(金星食・離角 -0°53′):19時23分
太陽暦採用記念日
11一の酉
世界平和記念日・一粒万倍日
12おうし座北流星群🌠が極大
一粒万倍日
13新月のイメージ朔(新月):18時27分
天王星が地球最近(距離 18.631au):20時46分
旧亥の子餅・炉開き(亥の子の祝い)
三隣亡
14天王星(♅)が:2時21分(+5.7等)
15七五三
16不成就日
18しし座流星群🌠が極大(条件悪):14時
火星(♂)が:14時43分
19一茶忌
20上弦の月のイメージ上弦:19時50分
21準惑星 (1) ケレスが :0時36分
土星が月と合(離角 2°30′):0時45分
22月が最近(距離 0.962):6時01分
小雪(太陽の黄経 240度):23時03分
とおかんや(旧暦10月10日)
十方ぐれ入り
23土星(♄)が東矩:18時47分
🎌勤労感謝の日
二の酉・一粒万倍日
24不成就日・一粒万倍日
25木星が月と合(離角 -2°32′):18時43分
三隣亡
27満月のイメージ望(満月):18時16分
28金星が近日点を通過(距離 0.718au):21時31分

2023年/令和5年/皇紀2683年/平年/ 癸卯(みつのとう)


11月のお話

霜月
November
立冬と小雪
霜・霜柱・小春日和・木枯らし一号
山茶始開(七十二候 立冬~小雪)
Harvest Moon
アドベント

落ち葉
落ち葉

データ出典:

・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・流星 流星電波観測国際プロジェクト
・東京都神社庁選定「神社暦」

2023年10月の星空

星空解説

 空高く馬肥ゆる秋です。
 空が澄み渡り安定した晴れの日が多い十月は,日暮れも早く,星を見るのに良い季節です。

 宵の頃には夏の大三角が西空に輝き,夜半前には東の空から賑やかな冬の星座たちが上ってきます。有名なギリシア神話に彩られた秋の星座たちは,ペガススの四辺形からたどってみましょう。

 → 秋の星座を探してみよう


惑星

 11月の頭にを迎える木星(♃)が観望好期に入ります。
 8月末にを迎えた土星(♄)も,夜半前の南西の空でまだまだ観察しやすい位置に見えています。

ミラ
木星と土星は小望遠鏡のスケッチ観測がお勧め!

 木星土星は明るくて,都会の街明かりの下でも簡単に見つけられます。小望遠鏡があれば街中でも木星の縞模様や土星の環を楽しむことも出来ます。

 土星はすぐに見つけられるので,土星をたよりに,やぎ座みずがめ座の星々をたどってみると,明るい星が少ないこれらの星座も見つけやすいでしょう。

 24日には土星と月の合が起こります。
 上弦を過ぎた少し大きめの月のすぐ横に土星が見られ,にぎやかな光景となります。

土星と月の合(2023-10-24 18:30)
土星と月の合(2023-10-24 18:30)

 火星(♂)はおとめ座からてんびん座あたりを順行中で,太陽に近く観察は難しいでしょう。

 水星(☿)は,月初めは夜明け前の東の空低く見えています。20日外合となり,その後は日没後の西空に変わります。太陽に近く観察は難しいでしょう。

 金星(♀)は明け方の南東の空で明けの明星として見えています。
 24日に西方最大離角を迎え,見やすい高さです。明るさは-4.7〜-4.4等です。


十三夜

ケイト
十三夜は栗名月とか豆名月とも言うよ!

 十三夜は「後の名月」とも呼ばれ,陰暦9月13日の月のことす。
 2023年は10月27日です。

 日本のお月見は,中秋の名月(十五夜)後の名月十三夜)の両方の名月を見るもので,どちらか片方だけ見るのは片見月と呼び,縁起が悪いものとして忌み嫌われました。

 9月に中秋の名月を見た方は,忘れずに十三夜にもお月見をしましょう。
 十三夜は栗名月とか豆名月とも呼ばれ,栗や枝豆を供えます。

お月見 by Mira House

日本では,昔から旧暦(陰暦)8月15日と9月13日の月を” 名月”と呼んで,この夜には供え物をして月を拝む” お月見 “をしてきました。  ” 中秋の名月( 十五夜)”とは 陰暦8月15日の月のことです。 陰暦では7月~9月が秋。 7月を孟秋,8月を仲秋,9月を季秋と名付け,8月15日は秋の真ん中の日であるため 中秋 ,その日の月が中秋の名月でした。 …


部分月食

 29日の満月では,日本全国で部分月食が見られます。小笠原諸島など一部の地域では,月食の途中で月が欠けたまま沈む月入帯食(げつにゅうたいしょく)となります。

 最大食分0.128の,ごく浅い部分月食です。
 月の位置も,夜明け前の西空低い位置となり,観察するには地平線近くまで空が見える場所が必要です。

食の始め食の最大(最大食分)食の終わり
4時34.5分5時14.1分(0.128)5時53.6分
2023年10月29日の月食時刻
部分月食(2023-10-29 05:14)
部分月食(2023-10-29 05:14)

 月食については 月食を見てみよう のページを参考にしてください。


流星群

10月りゅう座流星群

 9日10月りゅう座流星群(ジャコビニ流星群)が極大を迎えます。

 今年は16時がピークで日没前ですが,月明かりがなく条件はまずまずです。

 この流星群は 輻射点が早めに沈んでしまうので 宵の口から夜半にかけてが見頃となります。宵の口から観測を始めましょう。

 母天体のジャコビニ・チンナー彗星(21P/Giacobini-Zinner)は6.6年周期で,だいたい13年に一度活発になります。周期群から定常群へ移行しつつある流星群で1時間に数個程度は期待できます。

ミラ
流星観察は寒さ対策を万全にしようね!

 この群の流星は,非常にゆっくりふわっと流れる特徴を持っています。
 流星観察は冷えますので,しっかりと防寒対策をしましょう。流星観測を計画しておられる方は,流れ星を見てみよう のページを参考にしてください。


オリオン座流星群

 2 2日の午前中にハレー彗星を母天体とするオリオン座流星群が極大を迎え,21日の夜中から22日未明にかけてが見頃です。
 上弦の月がありますので,月が沈む夜中以降で条件良好となります。

 オリオン座流星群は10月2日から11月7日頃まで,長い期間流れる流星群です。
 ピークの日以外にもよく活動している流星群なので,極大日にそれほど拘る必要はありません。晴れた日は,放射点が上がってくる夜半過ぎから眺めてみましょう。

 痕を伴う明るい高速流星が特徴で,ZHR=30です。極大に近い頃なら1時間に10個程度の流れ星が期待できます。


南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬インディアン座(☆)・こうま座はちぶんぎ座(☆)・やぎ座
中旬ケフェウス座
下旬つる座 ・ とかげ座ペガスス座みずがめ座みなみのうお座

秋の星座
秋の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲M27 (あれい状星雲/こぎつね座)
M57 (環状星雲/こと座)
NGC7293 (らせん状星雲/みずがめ座)
散光星雲NGC7000 (北アメリカ星雲/はくちょう座)
散開星団
球状星団M2 (みずがめ座)
M15 (ペガスス座)
M30 (やぎ座)
M56 (こと座)
銀河(系外星雲)

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2023年10月のカレンダー

 曜日月相天文現象
2小惑星 (2) パラスが:1時9分
天一天上・不成就日
3準惑星 (136472) マケマケが:3時37分
6下弦の月のイメージ下弦:22時48分
8寒露(太陽の黄経 195度):22時16分
9🎌スポーツの日
10月りゅう座群(ジャコビニ流星群)🌠が極大:16時
10月が最遠(距離 1.055):12時42分
不成就日
12芭蕉忌
14鉄道の日
15新月のイメージ新月:2時55分
金環日食(日本では見られない)
不成就日・一粒万倍日・三隣亡
17天しゃ
18準惑星 (136199) エリスが:17時28分
火星が地球最遠(距離 2.550au):18時28分
一粒万倍日
19日本橋べったら市
20水星(☿)が外合:14時38分
えびす講
21土用(太陽の黄経 207度):0時58分
八せん始め
22上弦の月のイメージオリオン座流星群🌠が極大:09時
上弦:12時29分
23重陽
電信電話記念日・不成就日
24霜降(太陽の黄経 210度):1時21分
金星(♀)が西方最大離角(離角 -46°25′):08時
準惑星 (136108) ハウメアが :14時27分
土星が月と合:18時34分(離角 2°32′)
国連の日
26月が最近(距離 0.949):12時2分
原子力の日
27水星が地球最遠(距離 1.435au):10時3分
十三夜(後の月)
読書週間
一粒万倍日・三隣亡
29満月のイメージ満月:5時24分
部分月食(日本全国で見られる)
木星が月と合:15時37分(離角 -2°54′)
30一粒万倍日
31不成就日

2023年/令和5年/皇紀2683年/平年/ 癸卯(みつのとう)

惑星用語の説明
月の形の変化について


10月のお話

神無月
October
寒露と霜降
秋晴れ・露
鴻鴈来(七十二候 寒露~霜降)
Harvest Moon
お月見
輝け、十月の太陽よ(セイタカアワダチソウ)

ツルボ(蔓穂 )
ツルボ(蔓穂 )

データ出典

・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・流星 流星電波観測国際プロジェクト
・東京都神社庁選定「神社暦」

2023年09月の星空

星空解説

 秋の日はつるべ落とし。
 9月になると日没時刻が早くなり,夕方の早い時間帯から星が見えるようになってきます。

 また,9月に入ると明け方の空で黄道光が観望好期に入ります。黄道光は空気の澄んだところでしか見えませんが,山などへ行く機会があったら黄道に沿って光の帯が伸びているのを探してみましょう。


惑星

明けの明星と水星

 日の出前の東の空で,金星が最大光度を迎え見頃です。

 また22日には水星が西方最大離角となります。22日の東京での日の出時刻は5時28分。約30分前の午前5時の水星の地平線高度は10度を超えています。水星としては高い位置で,比較的見つけやすい条件です。
 ほぼ真東の方向で,金星が目印になります。双眼鏡があれば肉眼より見つけやすくなります。

 太陽のすぐ近くを周回している水星は,いつも太陽の近くにいて,日の出直前か日没直後の,ほんの短い時間に地平線ぎりぎりの位置にしか見ることができません。
 このため水星を見る機会はとても少ないのです。

 地動説で有名なコペルニクスも,死の床で水星を見る機会がなかったことを嘆いたという逸話が残っています。

水星の西方最大離角(2023-09-22)
水星の西方最大離角(2023-09-22)

木星と土星

ケイト
ガニメデの名は木星=ゼウスに愛された美少年ガニュメーデースが由来!

 8月にを迎えた土星(♄)がまだまだ観望好期です。
 また夜半を過ぎると,東の空で11月にを迎える木星(♃)も見やすくなってきます。

 木星と土星は都会の街明かりの下でも問題なく見えます。また小望遠鏡でも捉えやすく,低倍率でも土星の環や木星の縞模様などを見ることができます。

 望遠鏡で惑星をとらえたら,是非スケッチをしてみましょう。
 スケッチのために一生懸命見ているうちに目が惑星に慣れ,何度か続けているとだんだん模様がよく見えるようになっていきます。惑星の模様が見える目は,この「慣れ」によって養われます。

 木星の近くに衛星が見えたら, ガリレオ衛星(※)と呼ばれる4個の衛星のどれかです。

※ ガリレオ衛星
 望遠鏡を発明したイタリアの学者,ガリレオ・ガリレイによって1610年に発見された木星の4個の衛星。
 木星に近い順にイオ,エウロパ,ガニメデ,カリストと呼びます。
 ガニメデは太陽系で一番大きな衛星,イオは活火山があることで知られています。

 現在の土星は,細い環を北側から眺める形になっています。2017年に環は一番大きく広がって見え,2025年の環の消失に向かって閉じていっている最中なのです。来年はもっと細くなります。
 今年の姿をスケッチなどで残しておくと,環の見え方の移り変わりがよく分かります。


海王星

 19日を迎える海王星(♆)も観望好期です。
 海王星を捜すのは初心者には難しいですが,小望遠鏡で拡大すると,小さな小さな円盤状に見ることができます。
 公共の天文台の観望会などへ行く機会があったら見せてもらいましょう。


中秋の名月

ミラ
中秋の名月は芋名月。
里芋を供えて収穫に感謝だね!

 9月といえばお月見の季節。

 2023年の中秋の名月9月29日。満月の日です。
 中秋の名月は秋の真ん中の日,仲秋(陰暦8月)15日の月のことで,月齢に基づいて暦が作られる旧暦では満月でした。けれど新暦では必ずしも満月になるわけではありません。

 ここ数年は中秋の名月が満月と重なることが続いていますが,これは「たまたま」というわけです。

 日本では中秋の名月(十五夜)を見たら必ず後の名月(十三夜)も見なければ縁起が悪いとされてきましたので,十五夜にお月見をした方は,来月の十三夜も忘れずに眺めると良いですね。

 2023年の十三夜10月27日です。


南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬いて座くじゃく座(☆)・ぼうえんきょう座(☆)
中旬こぎつね座や座わし座
下旬いるか座けんびきょう座(☆)・はくちょう座

秋の星座
秋の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲M27 (あれい状星雲/こぎつね座)
M57 (環状星雲/こと座)
散光星雲NGC7000 (北アメリカ星雲/はくちょう座)
散開星団
球状星団M2 (みずがめ座)
M15 (ペガスス座)
M30 (やぎ座)
M56 (こと座)
銀河(系外星雲)M51 (子もち星雲/りょうけん座)
M101 (おおぐま座)

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2023年9月のカレンダー

日 曜日月相天文現象
1二百十日立春を起算日とし210日目)
防災の日
2八せん終わり・三隣亡
3不成就日・一粒万倍日
4水星(☿)が地球最近(距離 0.628au):0時5分
5木星(♃)が月と合(離角 -3°05′):3時6分
6水星(☿)が内合:20時9分
7下弦の月のイメージ下弦:7時21分
8白露(太陽の黄経 165度):6時27分
旧地蔵ぼん
9重陽
救急の日
11二百二十日立春を起算日とし220日目)
不成就日・一粒万倍日
12水路記念日
13月が最遠(距離 1.057):0時43分
世界の法の日
15新月のイメージ新月:10時40分
旧八朔
16不成就日
18海王星(♆)が地球最近(距離 28.902au):23時39分
🎌 敬老の日
一粒万倍日
19金星(♀)が最大光度(-4.8等)
海王星(♆)が(+7.7等,みずがめ座):20時18分
20彼岸入り
空の日・動物愛護週間
22水星(☿)が西方最大離角:22時(離角 -17°52’)
23上弦の月のイメージ上弦:4時32分
🎌 秋分の日(彼岸中日)
秋分(太陽の黄経 180度):15時50分
十方ぐれ入り・一粒万倍日
24水星(☿)が近日点通過(0.307au):3時3分
不成就日
26彼岸明け
27土星(♄)が月と合(離角 2°25′):12時1分
社日(春分・秋分に最も近い戊の日)
28月が最近(距離 0.936):9時59分
29満月のイメージ満月:18時58分
中秋の名月(十五夜)
三隣亡
30一粒万倍日

2023年/令和5年/皇紀2683年/平年/ 癸卯(みつのとう)

惑星用語の説明
月の形の変化について


9月のお話

長月
September
白露と秋分
秋雨・秋霖・秋台風
草露白(七十二候 白露~秋分)
Fruit Moon
お月見
二百十日と二百二十日と台風

ヒガンバナ
ヒガンバナ

データ出典:

・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・流星 流星電波観測国際プロジェクト
・東京都神社庁選定「神社暦」

投稿ナビゲーション

2023年08月の星空

星空解説

 夏休みで星を見る機会が多くなる8月は,1日~7日が「スター・ウィーク~星空に親しむ週間~」となっています。
 星を見るイベントなど地域の情報などに注意しましょう。

 ・STARWEEK
 ・スター・ウィーク実行委員会(Twitter)


惑星

土星

 土星はみずがめ座を逆行中で,27日にを迎え見頃です。

 衝の頃の惑星は,午後10時には見やすい位置へ上ってきます。
 夏の惑星は南中しても低い位置になりますが,0.4等の土星は街中でもよく見えます。

 惑星は初心者でも小望遠鏡で観察しやすい対象です。
 望遠鏡があったら環の形を楽しんでみましょう。高倍率にすると望遠鏡の視野に入れておくのが大変なので,低倍率で十分です。

 土星の環は2009年に真横から見た後,現在は環の北側から眺める形になっています。2017年に環が一番大きく広がった姿になり,現在は2025年の環の消失に向かって環が閉じていっている最中で,かなり細くなってきています。
 今年の姿をスケッチなどで残しておくと,年々の移り変わりがよく分かります。

2023-08-15 午前2時 東京の空
2023-08-15 午前2時 東京の空

木星

 木星はおひつじ座を逆行中で,夜明け前の南東の空に昇ってきます。明るさは -2.4〜-2.6等で,薄明の中でも明るく輝いています。

 木星も小望遠鏡での観察に適した惑星です。
 望遠鏡があったら,ぜひ低倍率で見てみましょう。縞模様や衛星を見ることができます。

 望遠鏡で惑星をとらえたら,是非スケッチをしてみましょう。
 スケッチのために一生懸命見ているうちに目が惑星に慣れ,何度か続けているとだんだん模様がよく見えるようになっていきます。惑星の模様が見える目は,この「慣れ」によって養われます。

ミラ
木星はギリシャ神話では大神ゼウス。
ガリレオ衛星はゼウスの愛人たちの名前だよ!

 木星の近くに衛星が見えたら, ガリレオ衛星(※)と呼ばれる4個の衛星のどれかです。

※ ガリレオ衛星
 望遠鏡を発明したイタリアの学者,ガリレオ・ガリレイによって1610年に発見された木星の4個の衛星。
 木星に近い順にイオ,エウロパ,ガニメデ,カリストと呼びます。
 ガニメデは太陽系で一番大きな衛星,イオは活火山があることで知られています。


ペルセウス座流星群

 毎年お盆休みの頃に見ごろとなるペルセウス座流星群。今年の極大は13日の17時頃です。今年は16日が新月で,月の出は午前2時頃。月明かりもなく観察条件は良好です。

 ペルセウス座流星群のピークを観察するなら12日〜13日の夜になります。
 ピークは13日の夜明け後なので,流星が増えていく状態で夜明けを迎えることになります。

 輻射点があるペルセウス座が高くなるのは夜半過ぎ。輻射点が高くなると見える流星も多くなり,明け方の極大に向かって条件が良くなっていきます。できたら薄明が始まるまで見てみましょう。

 ペルセウス座流星群は,月がない好条件なら多い年で1時間に60個(HR60)くらいの流星が期待できます。IMO(国際的な流星の組織)の予報には ZHR=100 と記載されています。

 できるだけ空が暗い場所で,寝転がって空全体が見られるようにするのが沢山の流星を見るコツです。今年は満月が煌々と輝いていますから,月を視野に入れない工夫も必要です。
 ペルセウス座流星群には明るい流星も多く流れますので,満月でも明るい流星を見ることができます。観測を計画しておられる方は,流れ星を見てみよう のページを参考にしてください。


 はくちょう座κ流星群は1時間に2~3個の小規模な流星群です。比較的ゆっくり流れ,速く流れるペルセウス座流星群の流星と対照的です。
 火球が見られることがあります。


伝統的な七夕

ケイト
上弦の月齢は,
平均 7.38日!

 今年の旧七夕(伝統的な七夕)は8月22日です(※)。

 旧暦七夕は月齢7の日の夕方。
 なので月は必ず上弦前で,夜半過ぎると月明かりのない星空が見られます。織り姫星(こと座のベガ)は天頂付近にありますので,見つけてみましょう。
 夏の星座を探してみようのページを参考にしてみて下さいね。

※ 旧暦七夕(伝統的な七夕):
二十四節気の処暑以前で,処暑に最も近い新月を含む日から数えて7日目。


スーパームーンとブルームーン

 8月31日の満月は,月最近と重なり大きな満月=スーパームーンとなります。また8月2回目の満月であるため,ブルームーンでもあります。

 また,この日は明け方に土星と月が合となり,満月のすぐ近くに土星が輝いているのを見ることもできます。

満月の大きさ比較
大きな満月と小さな満月

  スーパームーンという言葉はアメリカの占星術師リチャード・ノル(Richard Nolle)氏が定義したもので,天文学とは関係ありません。けれど,月が楕円軌道を描いて地球を周回していること,月と地球の距離が一定ではないことを知る良いチャンスです。

 地球と月は近い時と遠い時で 4万キロも距離が変わり,満月の見かけの直径も最大で14%も異なっているのです。

 スーパームーンの時には潮汐力が強まり,砂浜の浸食が50%増すという研究結果も出ています。

ブルームーン
ケイトとミラのスーパームーン (1) 
「スーパームーン」で砂浜浸食50%増し、海岸管理者への警告 | 日経クロステック(xTECH)


南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬へびつかい座ヘルクレス座りゅう座・さいだん座(☆)
中旬へび座(尾部)
下旬こと座たて座みなみのかんむり座

夏の星座
夏の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲M57 (環状星雲/こと座)
M27 (あれい状星雲/こぎつね座)
散光星雲M8 (干潟星雲/いて座)
M17 (ω星雲,馬蹄型星雲/いて座)
M20 (三裂星雲/いて座)
ほか天の川に多数
散開星団M21・M23・M24・M25 (いて座)
M6・M7 (さそり座)
ほか天の川に多数
球状星団M4・M80 (さそり座)
M10・M12 (へびつかい座)
M13・M92 (ヘルクレス座)
M56 (こと座)
銀河(系外星雲)M51 (子もち星雲/りょうけん座)
M101 (おおぐま座)

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2023年8月のカレンダー

 曜日月相天文現象
1八朔・水の週間
2満月のイメージ満月:3時32分
月が最近(距離 0.930):14時52分
3天一天上
4天しゃ・一粒万倍日・三隣亡
7木星(♃)が西矩:9時3分
一粒万倍日
8下弦の月のイメージ立秋(太陽の黄経 135度):3時23分
立秋以降は残暑見舞い。
金星が遠日点を通(距離 0.728au):8時57分
下弦:19時28分
不成就日
9長崎原爆の日・三隣亡
10水星 (☿) が東方最大離角:11時(離角 27°24)
末伏・一粒万倍日
11水星が遠日点を通(距離 0.467au):3時25分
🎌 山の日
13ペルセウス座流星群🌠が極大:17時
金星(♀)が内合:20時16分
14金星が地球最近(距離 0.289au):0時11分
15月遅れ盆・戦没者追悼・平和祈念の日
16新月のイメージ天王星(♅)が西矩:11時35分
新月:18時38分
月が最遠(距離 1.058):20時54分
京都五山送り火
18天しゃ・不成就日
20はくちょう座κ流星群🌠が極大
21三隣亡
22旧七夕(伝統的七夕)
八せん始め・一粒万倍日
23処暑(太陽の黄経 150度):18時1分
24上弦の月のイメージ上弦:18時57分
京都地蔵ぼん
26不成就日
27土星が:11時28分(みずがめ座,+0.4等)
土星が地球最近(距離 8.763au):20時
29文化財保護法施行記念日
30 旧ぼん
31満月のイメージ月が最近(距離 0.929):0時54分
土星と月が合:4時33分(離角 2°16′)
満月:10時36分
スーパーフルムーン ブルームーン

2023年/令和5年/皇紀2683年/平年/ 癸卯(みつのとう)

惑星用語の説明
月の形の変化について


8月のお話

葉月
August
立秋と処暑
土用波・秋日照り・夏台風・迷走台風
涼風至(七十二候 立秋~処暑)
Grain Moon
ラマス(Lammas Day)

アサガオ
アサガオ

データ出典

・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・流星 流星電波観測国際プロジェクト
・東京都神社庁選定「神社暦」

2023年07月の星空

星空解説

 7月前半は梅雨の最中で雨が多く夜も短く,星を見る条件はよくありません。けれど学校が夏休みに入る頃には梅雨明けし,太平洋高気圧に覆われて安定した晴れの日が続くようになります。
  このような梅雨明け後の安定した晴れ続きを,梅雨明け十日と呼びます。夏休みに入ると林間学校やキャンプなどで星を見る機会も増えますね。

 今年は18日(火)が新月,26日(水)が上弦です。
 海の日の連休の頃は月明かりがなく一晩中星空が楽しめます。


七夕

 7月と言えば七夕ですね。
 けれども現在の暦では,七夕は梅雨の真っ只中で星が見えないことも多いですね。

 今年は7月3日が満月で,七夕の日は夜半頃には満月後の大きな月が輝きます。
 7月7日の東京での月の出は22時12分。
 織り姫(こと座のベガ)と彦星(わし座のアルタイル)は都会の明るい空でもよく見える星ですが,月が輝く前の方が星空を楽しむには良さそうです。
 織り姫と彦星は夏の大三角を形作る星でもあり,見つけるのは決して難しくありません。

ケイト
旧暦七夕の日付は毎年変わるよ!

 晴れ間がのぞいたら,夏の大三角をさがしてみましょう。

 参考: 夏の星座を探してみよう

 ところで,本来の七夕は旧暦(太陰太陽暦)の行事(※)です。

 旧暦七夕の頃には梅雨も明けていてよく晴れます。今年の旧暦七夕(伝統的七夕)は8月22日です。7月7日が雲ったら,8月22日の七夕を待ちましょう。


※ 旧暦七夕(伝統的七夕)
二十四節気の処暑以前で,処暑に最も近い新月を含む日から数えて7日目。


惑星

金星と火星

 金星と火星は夕刻の西空低く見えますが,すぐに沈んでしまいます。20日と21には金星と火星が,月齢2〜3の細い月に次々と接近します。

 20日夕刻の金星は,19時(午後7時)の地平線高度が15度。真西の方角です。日没が遅く薄明の中になりますが,真西の方角が開けた場所で探してみましょう。

金星と月の合(2023年07月20日 19時)
金星と月の合(2023年07月20日 19時)

 火星は金星より暗いため,金星より空が暗くならないと見えません。このため21日の火星はもう少し遅い時間帯に見ることになります。
 方角は同じく真西,20時(午後8時)の火星の地平線高度は10度です。まず月を見つけ,双眼鏡を使って月の近くを探してみると,もう少し早い時間帯でも見つけることができます。

火星と月の合(2023年07月21日 20時)
火星と月の合(2023年07月21日 20時)

木星と土星

 木星おひつじ座を順行しており,明け方の南東の空に -2.3等くらいの明るさで輝いています。
 12日には月齢24の三日月形の月と接近する様子が楽しめます。

 土星みずがめ座を逆行中で,明るさは0.6等くらい。真夜中には南東の空に昇ってきます。

木星と月の合(2023年07月12日 4時)
木星と月の合(2023年07月12日 4時)

 木星も土星も都会の明るい星空でもすぐに見つけることができますし,月明かりや街明かりがあっても支障なく望遠鏡で観察できます。
 小望遠鏡があったら低倍率で木星の衛星の動きや縞模様,土星の環の形を楽しんでみましょう。

 望遠鏡で惑星をとらえたら,是非スケッチをしてみましょう。スケッチをすることにより目が惑星に慣れ,何度か続けているとだんだん模様がよく見えるようになっていきます。目の「慣れ」は惑星の模様を観察するのに大切なスキルです。

 望遠鏡で木星を見ると,木星の近くに衛星が見えます。小望遠鏡で見える衛星は ガリレオ衛星(※)と呼ばれる4個の衛星のどれかです。
 望遠鏡を持たない方は,地域にある公共の天文台などが主催する観望会を捜してみましょう。

 土星の環は2009年に真横から見た後,北から眺める形になっています。2017年に一番大きく広がった姿になり,現在は2025年の環の消失に向かって環が年々閉じていっています。
 今年の姿をスケッチなどで残しておくと,年々の移り変わりがよく分かります。

※ ガリレオ衛星
ガリレオ・ガリレイによって1610年に発見された木星の4個の衛星。
木星に近い順にイオ,エウロパ,ガニメデ,カリストと名付けられており,ガニメデは太陽系で一番大きな衛星です。イオは活火山があることで知られています。


冥王星

 22日に準惑星の冥王星いて座を迎えます。
 冥王星は衝でも暗くて肉眼では見えません。望遠鏡を使っても初心者が見つけるのは難しい惑星ですので,見たい方は公共天文台の観望会などで見せてもらいましょう。


流れ星

 夏休みは一年の中でも特に流れ星が多い季節です。
 7月下旬には有名なペルセウス座流星群が流れ始めますが,同じ頃にやぎ座α流星群みずがめ座 δ流星群 なども活動しています。

 しかし今年は7月26日が上弦,8月2日が満月。7月下旬からお盆にかけては月明かりの影響を受けます。

 みずがめ座δ流星群 (ZHR=20) の活動期間は7月12日~8月23日。やぎ座α流星群 (ZHR=4) は7月3日~8月15日です。
 両方とも派手な流星群ではありませんが,長い期間活動しています。みずがめ座δ流星群はピークの前後数日はピーク程度の活動が見られます。

ミラ
流れ星は寝転がって見るといいんだよ!

 どちらの流星群も放射点が上がってくるのは21時頃。それくらいの時間から未明までが見やすくなります。

  やぎ座もみずがめ座も秋の星座で,輻射点(放射点)が同じ方向にあるため,この二つの群の流星を見分けるのはちょっと大変です。
 やぎ座α流星群の群流星は,ゆっくりと流れるのが特徴で,爆発を伴う火球が見られることもあります。みずがめ座δ流星群は母天体がマックホルツ彗星(96P/Machholz)で,やぎ座α群の流星より速く流れます。

 ですが,観測するのでなければ群は気にせず,夏休みは流れ星が増える季節だと思って夜空を見上げて楽しむと良いですね。

 夏でも山の上などは冷え込みます。寒さ対策をして流星観察をしましょう。

参考:流れ星を見てみよう


南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬おおかみ座・てんびん座
中旬かんむり座・こぐま座・じょうぎ座(☆)
ふうちょう座(☆)・へび座頭部
みなみのさんかく座(☆)
下旬さそり座

夏の星座
夏の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲M57 (環状星雲,こと座)
散光星雲M8 (干潟星雲,いて座)
M17 (ω星雲,馬蹄型星雲,いて座)
M20 (三裂星雲,いて座)
ほか天の川に多数
散開星団M21・M23・M24・M25 (いて座)
M6 ・M7 (さそり座)
ほか天の川に多数
球状星団M3 (りょうけん座)
M4・M80 (さそり座)
M5 (へび座),M10・M12 (へびつかい座)
M13・M92 (ヘルクレス座)
銀河(系外星雲)M51 (子もち星雲,りょうけん座)
M101 (おおぐま座)

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2023年7月のカレンダー

日 曜日月相天文現象
1水星(☿)が外合:14時6分
山開き・国民安全の日
2半夏生(太陽の黄経 100度):11時36分
水星が地球最遠(距離 1.328au):23時58分
3満月のイメージ満月:20時39分
4八せん終り
5月が最近(距離 0.937):7時25分
陰遁(いんとん)始め
7地球が遠日点を通過(距離 1.017au):5時07分
小暑(太陽の黄経 105度):17時31分
七夕
8不成就日
9浅草ほおずき市
10下弦の月のイメージ下弦:10時48分
浅草観音四万六千日
11初伏・一粒万倍日・三隣亡
12木星と月の合(離角 -2°04′):5時4分
13精霊祭・迎え火・靖国神社みたままつり
14一粒万倍日
15ぼん
16藪入り・えんま詣・送り火
不成就日
17🎌 海の日
18新月のイメージ新月:3時32分
20夏の土用の入(太陽の黄経 117度):7時26分
夏の土用の入りから立秋までの間に暑中見舞いを出す。
月が最遠(距離 1.057):15時57分
金星と月の合(離角 -7°19′):23時8分
21火星と月の合(離角 -2°58′):15時36分
中伏
22準惑星 (134340) 冥王星(♇)がいて座,+14等):12時52分
23大暑(太陽の黄経 120度):10時50分
不成就日・一粒万倍日・三隣亡
24地蔵ぼん
25十方ぐれ入り
26上弦の月のイメージ上弦:7時07分
一粒万倍日
30土用の丑
31やぎ座 α流星群🌠が極大
みずがめ座 δ流星群🌠が極大
不成就日

2023年/令和5年/皇紀2683年/平年/ 癸卯(みつのとう)

惑星用語の説明
月の形の変化について

7月のお話

文月
July
小暑と大暑
山開き・洗車雨・酒涙雨・送り梅雨・戻り梅雨・梅雨明け・梅雨明け十日・かんかん照り・油照り
Hay Moon(干し草の満月)
温風至(あつかぜいたる)
半夏生(ハンゲショウ)

文京ほおずき市(源覚寺)
文京ほおずき市(源覚寺)

データ出典

・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・流星 流星電波観測国際プロジェクト
・アルゴル極小 予報 – 日本変光星研究会
・東京都神社庁選定「神社暦」