「星空情報」カテゴリーアーカイブ

2023年04月の星空

星空解説

ミラ
4月1日の東京は
日の出 5:29
日の入 18:02
だよ!

 春分が過ぎ夜が短くなる4月です。

 この頃は,花曇りや菜種梅雨で天気は安定しません。
 弱まったシベリア気団から南下してくる移動性高気圧が次々と日本列島を通過します。移動性高気圧に挟まれると気圧の谷ができたり,高気圧が北の方を通ると停滞前線が現れたりするのです。

 また,晴れても春霞で空はぼんやりしています。星を観察する条件は今ひとつですが,大気の状態は安定していますので,小望遠鏡で月や惑星を見るには良い季節です。


2023年4月の惑星

水星が見頃

ケイト
水星を見る機会は貴重だよ!

 水星が12日に東方最大離角を迎え,夕刻の西空で見やすくなります。
 東方最大離角の頃は,日没直後の東京での地平線高度が10度を超え好条件です。

 水星としては見やすい高度となりますが,それでも大変低い位置です。
 地平線近くの低い星は大気による減光で暗く見えます。空がよく開けたところで,双眼鏡などを準備して探してみましょう。

2023年4月12日 18時30分 水星と金星
2023年4月12日 18時30分 水星と金星

金星と火星は夕刻西空

 金星は水星と同じく夕刻の西空に宵の明星として見えています。
 火星は,やはり夕刻の西空で,ふたご座を移動中です。

 木星は12日にとなり見えません。土星はみずがめ座を移動中で夜明け前の東の空に出ています。


金環皆既日食

 20日の新月では金環皆既日食が起こります。
 金環皆既日食が観測されるのは東南アジアやオーストラリアなどで,中心食帯の東西の端では金環日食が見られ,中心食帯では皆既日食となります。

 日本では,南西諸島・九州地方南部・四国地方南部・近畿地方南部から関東地方南部・伊豆諸島・小笠原諸島などで部分日食が見られます。

食の始め食の最大
最大食分
食の終わり
那覇13時35分38秒14時21分15秒
0.150
15時05分30秒

 金環皆既日食とは,観測場所によって金環日食になったり皆既日食になったりする日食で,大変珍しい現象です。
 地球の場所によって月との距離ほんの少し異なっているため,その微妙な違いによって地球に落ちる月の影の大きさが変わり,皆既になったり金環になったりするのです。

 今回の金環皆既日食は,2013年11月3日以来となります。
 日食については,日食を見てみよう のページを参考にして下さい。


4月こと座流星群

ケイト
流星群といっても,1時間に数個。
期待しすぎないでねー。

 4月こと座流星群は,23日午前10時頃にピークが予想されています。
 こと座が高く上ってくるのは夜半頃で,夜半から明け方までが見頃な時間帯です。今年は月齢3で月明かりの心配もありません。1時間に数個程度の群流星が予想されています。

 4月こと座流星群はピークが鋭いため,流星観察に適しているのは22日~23日の夜となります。前後の夜では数がぐっと減ってしまいます。

 流星観測は冷え込みますので,4月後半ですが,しっかりと防寒対策をしましょう。
 観測は,流れ星を見てみよう のページを参考にして下さい。


南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません 。

上旬らしんばん座
中旬ほ座
下旬うみへび座・カメレオン座(☆)
こじし座・しし座・ポンプ座・ろくぶんぎ座

春の星座
春の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲NGC3242 (うみへび座),M97 (おおぐま座)
散開星団M44 (プレセペ/かに座)
銀河(系外星雲)M81・M82・M101 (おおぐま座),
M65・M66 (しし座),
かみのけ座~おとめ座銀河群

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2023年4月のカレンダー

日 曜日月相天文現象
2一粒万倍日・三隣亡
5清明(太陽の黄経 15度):10時13分
天一天上
6満月のイメージ満月:13時35分
三隣亡
7世界保健デー
8灌仏会(かんぶつえ)
花まつり
9イースター
11メートル法公布記念日
12水星 (☿) が東方最大離角:07時(離角19°29’)
木星 (♃)が:07時07分
世界宇宙飛行の日
一粒万倍日
13下弦の月のイメージ下弦:18時11分
木星が地球最遠:23時38分(距離 5.955au)
15準惑星 (136199) エリスが:04時05分
一粒万倍日
16月が最近(距離 0.957):11時24分
不成就日
17春の土用の入り(太陽の黄経 27度):15時36分
18発明の日
三隣亡
20新月のイメージ新月:13時13分(金環皆既日食)
穀雨(太陽の黄経 30度):17時14分
準惑星 (136108) ハウメアが :17時33分
郵政記念日・不成就日
21水星と月が合(離角 1°45’):17時05分
22旧ひな祭
234月こと座流星群🌠 が極大:10時
金星と月が合(離角 -1°17’):21時43分
24小惑星(4)ベスタが :17時32分
八せん始め・一粒万倍日
27一粒万倍日
28上弦の月のイメージ上弦:06時20分
月が最遠(距離 1.052):15時43分
不成就日
29🎌 昭和の日
30三隣亡

2023年/令和5年/皇紀2683年/平年/ 癸卯(みつのとう)

惑星用語の説明
月の形の変化について


4月のお話

卯月
April
清明と穀雨
菜種梅雨・花冷え・花曇り
 Egg Moon(復活祭の満月)
・ 玄鳥至(つばめきたる)
イースター・エッグ(Easter egg)
セイヨウカラシナ

桜花
桜花

データ出典:

・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・流星 流星電波観測国際プロジェクト
・東京都神社庁選定「神社暦」

2023年03月の星空

星空解説

ミラ
暖かくなって早起きも楽になったね!

 春分を迎える3月は,ぐんぐんと日が長くなっていきます。春分や秋分の頃は,日の出や日没の位置も日々大きく移動します。

 空は春霞で菜種梅雨で雨も増えますが,春になると大気が安定します。小望遠鏡で月や惑星の観察には良い季節です。


月と火星の合

ケイト
惑星と月のランデブーぜひ見てみよう!

 今月は,水星は外合を迎えて観察には不向き。木星と金星は夕刻の西空低く見えていますが,徐々に見えにくくなっていきます。土星も日の出前の東の空低い位置。
 唯一見やすい位置に出ているのがおうし座を移動中の火星です。

 月末には,細い月と接近する様子が観察できますので,月と火星の位置関係が毎日変わっていく様子を見てみましょう。

2023年3月28日 20時 月と火星の合
2023年3月28日 20時 月と火星の合

南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬いっかくじゅう座ふたご座
中旬こいぬ座とびうお座(☆)・とも座やまねこ座
下旬かに座 ・りゅうこつ座

春の星座
春の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲M1 (かに星雲/おうし座),M97 (おおぐま座)
散光星雲M42 (オリオン大星雲/オリオン座)
散開星団M35 (ふたご座),M36・M37・M38 (ぎょしゃ座),M44 (プレセペ/かに座)
銀河(系外星雲)M81・M82・M101 (おおぐま座),M106 (りょうけん座)

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2023年3月のカレンダー

曜日月相天文現象
1不成就日・一粒万倍日
3上巳(桃の節句)
4月が最遠(1.057):03時00分
6啓蟄(太陽の黄経 345度):05時36分
八せん終わり
7満月のイメージ満月:21時40分
9不成就日・一粒万倍日・三隣亡
11水星(☿)が地球最遠(距離 1.369au):10時13分
15下弦の月のイメージ下弦:11時08分
16海王星(♆)が:08時39分
一粒万倍日
17火星(♂)が東矩:03時10分
海王星(♆)が地球最遠(距離 30.905au):06時05分
水星(☿)が外合:19時45分
不成就日
18春の彼岸入り
20月が最近(0.944):00時13分
21春分(太陽の黄経 0度):06時24分
準惑星 (1) ケレスが :16時40分
🎌 春分の日
社日・天しゃ・一粒万倍日・三隣亡
22新月のイメージ新月:2時23分
23アルゴル型食変光星 アルゴル極小:19時25分
世界気象デー・不成就日
24春の彼岸明け
25電気記念日
27十方ぐれ入り
28火星が月と合(離角 -2°18′):22時19分
一粒万倍日
29上弦の月のイメージ上弦:11時32分
30準惑星 (136472) マケマケが:03時57分
31月が最遠(1.053):20時17分
不成就日

2023年/令和5年/皇紀2683年/平年/ 癸卯(みつのとう)

惑星用語の説明
月の形の変化について


3月のお話

弥生
March
啓蟄と春分
春一番・花散らし・春嵐
Lenten Moon(受難節:レントの月)
蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)
灰の水曜日(Ash Wednesday)
聖パトリック祭(St Patrick’s Day)
イースター・エッグ(Easter egg)

シロバナタンポポ
シロバナタンポポ

データ出典:

・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・流星 流星電波観測国際プロジェクト
・アルゴル極小予報 予報 | 日本変光星研究会
・東京都神社庁選定「神社暦」

2023年02月の星空

星空解説

 今年の2月は金星と木星が夕刻の西空にあり,夜半頃までおうし座を移動中の火星を見ることができます。

ミラ
冬の星空は綺麗だよ!

 2月には有名な流星群などはありませんが,関東以南の地方では長寿の星,カノープスを見るチャンスです。詳しくは 冬の星座を探してみよう のページを参考にしてください。

 厳寒期の星空観察はとても冷えます。
 十分な防寒対策をしましょう。

2023年2月15日 18時の星空
2023年2月15日 18時の星空

冥王星の日

ケイト
9番目の惑星だったのに小惑星134340番って何だか不憫だなぁ。

 毎年2月18日は「冥王星の日」です。
 1930年のこの日に,冥王星がアメリカの天文学者トンボーによって発見されたことが由来です。

 古来から知られていた惑星は,水星・金星・地球・火星・木星・土星の6つでした。
 1781年にイギリスの天文学者ハーシェルによって天王星が発見され,1846年にドイツの天文学者ガレらによって海王星が発見され,更に天王星や海王星の軌道が計算値と合わないことから発見されたのが冥王星でした。

 冥王星は発見以降ずっと,太陽系の一番外側を回る9番目の惑星とされてきましたが,2006年8月の国際天文学連合(IAU)総会で惑星の定義が定められ,惑星の定義から外れてしまいます。

 同時に新たに「準惑星」という分類が設けられ,冥王星はそこに属することになったのでした。9番目の惑星だった冥王星には「134340」という小惑星番号が与えられました。

※ クライド・ウィリアム・トンボー(Clyde William Tombaugh, 1906〜1997)


黄道光

 2月~4月は夕空の黄道光が観望好期です。
 黄道光とは日没直後に黄道に沿ってぼーっと見える光芒ですが,空が暗く澄んだところでしか見られません。山などへ行く機会があったら,日没直後の西の空を注意して眺めてみてください。


南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬うさぎ座オリオン座がか座(☆)・テーブルさん座(☆)・はと座
中旬ぎょしゃ座きりん座
下旬おおいぬ座

冬の星座
冬の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲M1 (かに星雲/おうし座)
M97 (おおぐま座)
散光星雲M42 (オリオン大星雲/オリオン座)
散開星団M35 (ふたご座)
M36・M37・M38 (ぎょしゃ座)
M45 (プレアデス星団,すばる/おうし座)
銀河(系外星雲)M81・M82・M101 (おおぐま座)
M106 (りょうけん座)

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2023年2月のカレンダー

曜日月相天文現象
1不成就日
2一粒万倍日
3節分
4立春(太陽の黄経 315度):11時43分
天王星(♅)が東矩:11時50分
月が最遠(距離 1.057):17時55分
旧正月節・天一天上
5アルゴル型食変光星 アルゴル極小:22時21分
初午・一粒万倍日
6満月のイメージ満月:03時29分
7北方領土の日
8アルゴル型食変光星 アルゴル極小:19時10分
こと始め・針供養
10旧二十日正月・三隣亡
11🎌 建国記念の日
紀元祭
12一粒万倍日
14下弦の月のイメージ下弦:01時01分
15横手かまくら
16土星(♄)が地球最遠(距離 10.811au):21時08分
17土星(♄)が:01時48分
二の牛・不成就日・一粒万倍日
18冥王星の日
19雨水(太陽の黄経 330度): 07時34分
月が最近(距離 0.932):18時06分
20新月のイメージ新月:16時06分
21二日灸・不成就日
22三隣亡
23🎌 天皇誕生日
天長祭・八せん始め
24一粒万倍日
27上弦の月のイメージ上弦:17時06分
旧こと始め・旧針供養
28アルゴル型食変光星 アルゴル極小:20時53分

2023年/令和5年/皇紀2683年/平年/ 癸卯(みつのとう)

惑星用語の説明
月の形の変化について


2月のお話

如月
February
立春と雨水
スターダスト現象・氷霧・星のささやき・光の春
Wolf Moon(オオカミの満月)
東風解凍 (はるかぜこおりをとく)
キャンドルマス(Candlemas Day)
節分(せつぶん,せちぶん)
太巻き寿司の丸かぶり
宝積寺の豆撒式
灰の水曜日(Ash Wednesday)

不忍池のユリカモメ
不忍池のユリカモメ

データ出典:

・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・流星 流星電波観測国際プロジェクト
・アルゴル極小予報 日本変光星研究会
・東京都神社庁選定「神社暦」

2023年01月の星空

 2023年(令和5年・皇紀2683年)は平年。干支は 癸卯(みつのとう)です。
 今年も宜しくお願い致します。

星空解説

しぶんぎ座流星群

ミラ
今年のしぶんぎ座流星群は条件悪いんだって。

 年始の空を飾るしぶんぎ座流星群(りゅう座 ι流星群 )ですが,今年は満月前の明るい月明かりがある上,ピークが昼間,4日の12時。ピークが鋭い流星群ということもあり,残念ながら条件は良くありません。
 一番観測に適しているのは4日未明の月が低く傾いた後,薄明が始まるまでの間です。この日の月没から薄明開始までは,約1時間です。

 しぶんぎ座流星群の放射点は,りゅう座とうしかい座の境界付近。高く上がってくるのは夜半過ぎです。このため,月明かりを考慮せずともこの流星群の観測に適した時間帯は,放射点が高くなる午前2時を過ぎてからになります。
 月明かりが目に入らないよう,東の空を中心に見るようにしましょう。

 しぶんぎ座流星群は三大流星群の一つで,極大事のZHR=120です。新月なら1時間あたり60個程度の流星が期待できますが,月明かりの影響を受ける今年はもっと少なめになります。

 長時間空を見上げる流星観察には,しっかりとした防寒対策が必要です。流れ星を見てみよう のページを参考に,事前に安全な観察場所を捜して備えるようにしましょう。


水星の西方最大離角

ミラ
水星を見るのって難しい!

 30日,明け方の東の空で水星が西方最大離角を迎えます。
 日の出直前の午前6時の東京で,水星の地平線高度は7.5度。南東の空の地平線ぎりぎりに見えています。

 探してみる場合は,低い空までよく見える場所で,双眼鏡などを使いましょう。地平線近くの空では,大気による減光で星は実際の光度より暗く見えます。

 水星は動きが速いので,最大離角の前後3日間くらいが見頃です。


火星が見頃

 12月にを迎えた火星が観測好期です。
 1月半ばの午後9時くらいに丁度南中を迎え,夜の早い時間帯に見やすい位置に見えています。

 下の図は,1月15日午後10時の星空の様子です。

2023年1月15日 22時の星空
2023年1月15日 22時の星空

2023年で一番遠い満月

 1月7日の満月は,月が地球最遠となる1月8日の前日で,2023年で一番遠い満月となります。
 冬の月は天頂高くまで上ることもあり,低い夏の月と比べ見かけ上小さく見える効果も働きます。

 なお,2023年の一番近い満月,スーパームーンは8月31日。この日は8月2回目の満月なのでブルームーンでもあります。
 月が近いときと遠い時では,下の写真くらい大きさが違っています。

満月の大きさ比較
遠い満月と近い満月の大きさ比較

南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬とけい座(☆)・ペルセウス座
中旬エリダヌス座レチクル座(☆)
下旬おうし座・かじき座(☆)・ちょうこくぐ座

冬の星座
冬の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲M1 (かに星雲/おうし座)
散光星雲M42 (オリオン大星雲/オリオン座)
散開星団M35 (ふたご座),
M36・M37・M38 (ぎょしゃ座)
M45 (プレアデス,すばる/おうし座)
銀河(系外星雲)M81・M82 (おおぐま座)

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2023年1月のカレンダー

曜日月相天文現象
1🎌 元日
日の出:札幌07:06,仙台06:53,東京06:50,名古屋07:01,大阪07:05,福岡07:23,那覇07:17
歳旦祭・初詣・年賀
2休日
初夢・初荷・書初め・皇居一般参賀
4しぶんぎ座流星群 が極大:12時(条件悪)
官庁御用始め
5地球が近日点を通過(0.983au):01時17分
6小寒(太陽の黄経 285度): 0時05分
六日年越し・天しゃ・一粒万倍日
7 満月のイメージ 小惑星 (2) パラスが:04時02分
満月:08時08分
(2023年で一番小さな満月)
水星(☿)が内合:21時57分
8月が最遠(距離 1.057):18時19分
9🎌 成人の日
初卯・一粒万倍日
11鏡開き・蔵開き・初巳
13アルゴル型食変光星 アルゴル極小:23時49分
不成就日
15下弦の月のイメージ下弦:11時10分
小正月・小豆がゆ
16アルゴル型食変光星 アルゴル極小:20時38分
藪入り・えんま詣
17冬の土用の入(太陽の黄経 297度):18時48分
阪神淡路大震災
18準惑星 (134340) 冥王星(♇)が:23時44分
初観音・一粒万倍日
20大寒(太陽の黄経 300度):17時30分
二十日正月
22新月のイメージ新月:05時53分
月が最近(距離 0.928):05時57分
旧元日
23土星 (♄)と金星 (♀)の合(離角 0°21’):07時13分
24初地蔵・初愛宕・不成就日・三隣亡
25初天神
26文化財防火デー・十方ぐれ入り
27国旗制定記念日
28初不動・旧七草
29上弦の月のイメージ上弦:0時19分
30水星(☿)が西方最大離角(-0.6等,離角24°58′):15時
一粒万倍日

2023年/令和5年/皇紀2683年/平年/ 癸卯(みつのとう)

惑星用語の説明
月の形の変化について


1月のお話

睦月
January
小寒と大寒
霧氷・雪起こし
Moon After Yule
・ 芹乃栄(せりすなわちさかう)
節句
福笹
公顕祭とクリスマス・ツリー
どんどや

癸卯(2023)
癸卯(2023)

データ出典:

・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・流星 流星電波観測国際プロジェクト
・アルゴル極小予報 予報 | 日本変光星研究会
・東京都神社庁選定「神社暦」

2022年12月の星空

星空解説

 夜が長い12月は,星空観察に良い季節です。
 明るい星が多い豪華な冬の星座達も,早い時間帯から見られるようになります。

惑星

ミラ
木星・土星は見納め,火星が旬だよ!

 木星はうお座,土星はやぎ座を移動中です。

 土星は宵の口の南西の空に見えていますが,日没後すぐにに没します。木星も夜半には沈んでしまいますので,早い時間帯に探しましょう。

 水星は22日に東方最大離角を迎えますが,午後5時の地平線高度が9度。かなり低い位置で大気による減光もあります。
 双眼鏡などを使った方が見つけやすいでしょう。

土星と水星と金星(2022-12-22 17:00)
土星と水星と金星(2022-12-22 17:00)

 火星を迎え中接近です。
 火星の軌道は地球に比べてかなり楕円形なので,同じ衝でも火星が衝を迎える季節によって地球との距離は随分と異なります。
 詳しくは,火星の大接近 のページをご覧下さい。

地球と火星の軌道
地球と火星の軌道

 下の星図は12月半ばの星空です。
 クリックして拡大して見て下さいね。

火星と12月の星空(2022-12-15 23:00)
火星と12月の星空(2022-12-15 23:00)

流星群

ふたご座α流星群

 毎年師走の空を飾るふたご座α流星群。2022年は下弦前の月があり,夜半前には月が昇り明るい月夜となります。月が上る前がお勧めです。
 月が上ってきた後は,月が直接目に入らない方角を見るようにしたり,月が建物や木に隠れて見えなくなる場所を選ぶなど工夫して空を見上げましょう。

 極大は14日夜なので,14日~15日の夜がピークです。明るい流星が多く数も多い流星群なので,月明かりがあってもそれなりに楽しめるでしょう。
 近年は火球も増え,いっそう華やかな流星群になってきています。

ケイト
フェアトンは塵を出し尽くした彗星のなれの果てなんだって。

 ふたご座流星群の母天体,小惑星(3200)フェアトンは,1.43年周期で楕円軌道を描いて公転しており,今世紀末の2093年12月14日に地球にかなり接近することが予想されています。
 また2223年には軌道が地球に近づくことも予想され,今後ともふたご座α流星群と共に目が離せない存在です。

 ふたご座α流星群の活動期間は12月5日頃から12月20日頃まで。冬の星座であるふたご座に流星群の放射点があるため,一晩中,全ての方角でコンスタントに流れます。
 12月は日没が早く夜が長い季節でもありますから,思い出したら夜空を見上げてみてください。偶然明るい流星に出会えるかもしれません。
 流星観察については 流れ星を見てみよう をご参照ください。


こぐま座流星群

 ふたご座流星群が活動を終える頃,一年を締めくくるこぐま座流星群が流れ始めます。こぐま座流星群は8P/タットル彗星を母天体とする流星群です。

 今年は22日~23日の夜がピークで,月もなく観測条件は良好。
 22日23時頃にダストトレイル接近が予想されています。

 こぐま座流星群の流星は北天から緩やかに流れます。ZHR=10で,実際に見える流れ星は1時間に1~2個くらい。小さな流星群ですが火球が流れることもあります。



南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬カシオペヤ座ほうおう座
中旬くじら座さんかく座
下旬おひつじ座・みずへび座(☆)・ろ座

冬の星座
冬の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲
散光星雲M42 (オリオン大星雲,オリオン座)
散開星団M34 (ペルセウス座)
h-χ (二重星団,ペルセウス座)
M45 (プレアデス星団,すばる,おうし座)
球状星団
銀河(系外星雲)M31 (アンドロメダ大星雲,アンドロメダ座)
M33 (さんかく座)
M74 (うお座)
M77 (くじら座)

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2022年12月のカレンダー

曜日月相天文現象
1火星が地球最近(距離 0.544au):11時17分
アルゴル型食変光星 アルゴル極小:23時35分
4アルゴル型食変光星 アルゴル極小:20時14分
6天一天上
不成就日
7大雪(太陽の黄経 255度):12時46分
8満月のイメージ望(満月):13時08分
火星と月の合(離角 -0°32′火星食):13時19分
火星(♂)が:14時42分
こと納め
針供養
9皇后御誕生日
12月が地球最遠(距離 1.056):09時28分
一粒万倍日
13一粒万倍日
14ふたご座α流星群🌠が極大:22時
不成就日
15海王星(♆)が東矩:02時10分
三隣亡
16下弦の月のイメージ下弦:17時56分
17羽子板市(浅草観音歳の市)
22水星 (☿) が東方最大離角(離角 20°08’):0時
アルゴル型食変光星 アルゴル極小:1時18分
冬至(太陽の黄経 270度):6時48分
木星(♃)が東矩:09時50分
冬至星供(ほしく)祭
不成就日
23新月のイメージ朔(新月):19時17分
23こぐま座流星群🌠が極大:6時
24月が地球最近(距離 0.932):17時27分
アルゴル型食変光星 アルゴル極小:22時07分
一粒万倍日
25キリスト降誕祭
八せん始め
一粒万倍日
26金星が遠日点を通過(0.728au):12時09分
27アルゴル型食変光星 アルゴル極小:18時56分
三隣亡
28官庁御用納め
不成就日
30上弦の月のイメージ上弦:10時21分
旧こと納め
旧針供養
31大祓
除夜祭
年越し
男鹿なまはげ

2022年/令和4年/皇紀2682年/平年/ 壬寅(みつのえとら)

惑星用語の説明
月の形の変化について


12月のお話

師走
December
大雪と冬至
時雨・寒波・年末低気圧
閉塞成冬(七十二候 大雪~冬至)
Hunter’s Moon
アドベント

クリスマスの街角
クリスマスの街角

データ出典:

・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・流星 流星電波観測国際プロジェクト
・アルゴル極小 予報 – 日本変光星研究会

2022年11月の星空

星空解説

 11月は日暮れが早く,空は高く澄み渡り,晴れの日も多く,本格的寒さはまだ。星を見るにはよい季節です。
 夜半になると賑やかな冬の星座も見やすい位置まで上ってきます。


惑星

天王星

 9日に天王星がおひつじ座でを迎えます。

ミラ
地域の星空観望会があったら行ってみよう!

 天王星は肉眼では見えないと思うかもしれませんね?
 でも,暗く条件の良い空の下,視力の良い人なら,かろうじて肉眼で確認できます。

 ですから双眼鏡があれば市街地でも確認することができます。また,小望遠鏡なら面積を持った円盤状に見ることができます。

 下の図は衝の日の天王星の位置です。
 天王星は数日経ってもほとんど変わらない場所に見えます。衝の頃は月が明るいので,探してみる時は月が小さい日を選びましょう。
 図はクリックして拡大して見てくださいね。

衝の日の天王星(2022-11-09)
衝の日の天王星(2022-11-09)

火星と月の合

 11日の夜,月と火星が接近する様子が見られます。

 火星は夜半前には東の空高く見えるようになっています。時間は気にしなくても大丈夫です。

火星と月の合(2022-11-11)
火星と月の合(2022-11-11)

木星と土星

 土星はやぎ座にあり,日没後の空に見えています。

 うお座を移動中の木星はまだまだ見頃です。都会の街明かりがあっても十分に見られますので探してみましょう。


流星群

おうし座北流星群

 おうし座北流星群🌠が13日に極大を迎えます。
 HR=5個程度の小さな流星群で,見られるのはせいぜい1時間に2個程度。流星群だからといって沢山流れるわけではありません。

 流星の数は少ないものの,ほぼ一晩中観察でき,10月20日~12月10日頃まで長い期間見られます。
 また火球が流れることもありますので,空を見上げる機会があったら思い出してみましょう。

 母天体は2P/エンケ彗星。
 比較的ゆっくり流れる流星群です。


しし座流星群

 しし座流星群🌠は,18日午前中に極大となります。

 月は下弦を過ぎていて観望の邪魔になるほどではありませんが,極大が夜明け前なので,夜明けに向かって流星が増えていく感じの見え方になります。
 特に流星数が多くなるという予報は出ておらず,1時間に数個程度と予想されます。流星観察をするときは,月が視野に入らないような場所を選びましょう。

ケイト
しし座流星群は,2002年に素晴らしい流星雨になったの。
次の母彗星の回帰でまた見られるといいね!

 しし座流星群の流れ星は,痕を残して高速で流れるのが特徴。しし座が上ってくる明け方に沢山流れます。
 流星観察は11月でもたいへん冷え込みますので,十分に防寒対策をして行いましょう。→ 流れ星を見てみよう

  しし座流星群の母天体,55P/テンペル・タットル彗星は2014年に遠日点を通過し,2031年5月の近日点通過に向けて太陽に近づいてきていますので今後が楽しみな流星群です。


皆既月食

 11月8日(火)は,日本全国で皆既月食が見られます。

 最大食分 1.364。
 皆既が1時間以上続く深い分食で,観察しやすい時間帯です。
 ぜひ見てみましょう。

 月食については 月食を見てみよう のページを参考にしてください。

半影始部分始皆既始食最大
食分
皆既終部分終半影終
17h00m18h08m19h16m19h59m
1.364
20h42m21h49m22h57m

南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬
中旬きょしちょう座(☆)
下旬アンドロメダ座うお座ちょうこくしつ座

秋の星座
秋の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲NGC7293 (らせん状星雲/みずがめ座)
散光星雲
散開星団M34 (ペルセウス座)
M52 (カシオペア座)
h-χ (二重星団/ペルセウス座)
球状星団M2 (みずがめ座)
M15 (ペガスス座)
M30 (やぎ座)
銀河(系外星雲)M31 (アンドロメダ大星雲/アンドロメダ座)
M33 (さんかく座)
M77 (くじら座)

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2022年11月のカレンダー

 日 曜日月相天文現象
1上弦の月のイメージ上弦:15時37分
計量記念日
灯台記念日
一粒万倍日
三隣亡
3文化の日
とおかんや(旧暦10月10日)
4一の酉
一粒万倍日
5不成就日
6アルゴル型食変光星 アルゴル極小:4時14分
八せん終わり
炉開き(亥の子の祝い)
7立冬(太陽の黄経 225度):19時45分
天しゃ
8満月のイメージ望(満月):20時02分
皆既月食  食最大:19時59分
世界都市計画の日
9アルゴル型食変光星 アルゴル極小:1時3分
水星(☿)が外合:01時42分
天王星が地球最近(距離 18.687au):10時12分
天王星(♅)が:17時26分(+5.7等)
太陽暦採用記念日
11土星(♄)が東矩:17時04分
アルゴル型食変光星 アルゴル極小:21時52分
火星と月の合:22時34分
13水星が地球最遠(距離 1.447au):18時37分
おうし座北流星群🌠が極大
不成就日
14月が最遠(距離 1.053):15時40分
アルゴル型食変光星 アルゴル極小:18時41分
15七五三
16下弦の月のイメージ下弦:22時27分
二の酉
一粒万倍日
17一粒万倍日
18しし座流星群🌠が極大(条件悪):8時
三隣亡
20水星が遠日点を通過(距離 0.467au):05時38分
21不成就日
22小雪(太陽の黄経 240度):17時20分
23勤労感謝の日
24新月のイメージ朔(新月):7時57分
26月が最近(距離 0.944):10時31分
27十方ぐれ入り
28三の酉
不成就日
一粒万倍日
29アルゴル型食変光星 アルゴル極小:2時46分
一粒万倍日
30上弦の月のイメージ上弦:23時37分
三隣亡

2022年/令和4年/皇紀2682年/平年/ 壬寅(みつのえとら)

惑星用語の説明
月の形の変化について


11月のお話

霜月
November
立冬と小雪
霜・霜柱・小春日和・木枯らし一号
山茶始開(七十二候 立冬~小雪)
Harvest Moon
アドベント

岩場のハシブトガラス
岩場のハシブトガラス

データ出典:

・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・アルゴル極小 予報 – 日本変光星研究会

2022年10月の星空

星空解説

 空高く馬肥ゆる秋。
 空が澄み渡り安定した晴れの日が多く十月は,日暮れも早く,星を見るのに良い季節です。

 宵の頃には夏の大三角が西空に輝き,夜半前には東の空から賑やかな冬の星座たちが上ってきます。有名なギリシア神話に彩られた秋の星座たちは,ペガススの四辺形からたどってみましょう。

 → 秋の星座を探してみよう


惑星

 9月末にを迎えた木星(♃)が観望好機。
 8月にを迎えた土星(♄)も,夜半前の南西の空でまだまだ観察しやすい位置に見えています。
 都会の街明かりの下でもよくわかる明るい惑星たちで,小望遠鏡があれば街中でも木星の縞模様や土星の環を楽しむことが出来ます。

ミラ
木星と土星は小望遠鏡のスケッチ観測がお勧め!

 木星と土星は明るくて誰にでもすぐに見つけられるので,木星と土星をたよりに,やぎ座みずがめ座の星々をたどってみると,星座も見つけやすいでしょう。

 9日明け方には木星と月の合が起こります。
 月は満月に近く明るいですが,すぐ横にくっ付くようにして木星が見られます。

 合の時間には月没になるため,午前3時くらいに見てみるのが良さそうです。
 もちろん夜の早い時間帯に眺めても,十分に近づいた月と木星が見られますので,時間にはあまり拘らずに空を見上げてみると良いでしょう。


 夜半過ぎの東の空では火星(♂)が見やすくなってきます。
 火星の近くには,赤い1等星おうし座のアルデバランやオリオン座のベテルギウスが見えています。赤さを比べてみましょう。

 水星(☿)は,9日に夜明け前の東の空で西方最大離角を迎え,しばらく観望好機です。
 9日午前5時の東京での地平線高度は約8°。
 大変低い位置ですが,それでも水星としては見やすい高さです。空が開けた場所で双眼鏡などを使って探してみましょう。

水星の西方最大離角(2022-10-09)
水星の西方最大離角(2022-10-09)

 金星(♀)は23日に外合を迎え,その後は夕刻の西空に移動しますが,10月中は低空で観察しにくい状態です。

2022年10月の惑星(2022-10-15 23:00)
2022年10月の惑星(2022-10-15 23:00)

十三夜

ケイト
十三夜は栗名月とか豆名月とも言うよ!

 十三夜は「後の名月」とも呼ばれ,陰暦9月13日の月のことす。
 2022年は10月8日です。

 日本のお月見は,中秋の名月(十五夜)後の名月十三夜)の両方の名月を見るもので,どちらか片方だけ見るのは片見月と呼び,縁起が悪いものとして忌み嫌われました。

 9月に中秋の名月を見た方は,忘れずに十三夜にもお月見をしましょう。
 十三夜は栗名月とか豆名月とも呼ばれ,栗や枝豆を供えます。

お月見 by Mira House

日本では,昔から旧暦(陰暦)8月15日と9月13日の月を” 名月”と呼んで,この夜には供え物をして月を拝む” お月見 “をしてきました。  ” 中秋の名月( 十五夜)”とは 陰暦8月15日の月のことです。 陰暦では7月~9月が秋。 7月を孟秋,8月を仲秋,9月を季秋と名付け,8月15日は秋の真ん中の日であるため 中秋 ,その日の月が中秋の名月でした。 …


流星群

10月りゅう座流星群

 9日10月りゅう座流星群(ジャコビニ流星群)が極大を迎えます。

 今年は満月前の明るい月明かりがあり条件はよくありません。観測される方は,月が直接目に入らない工夫をしましょう。

 この流星群は 輻射点が早めに沈んでしまうので 宵の口から夜半にかけてが見頃です。8日の宵の口から9日にかけて観測しましょう。

 母天体のジャコビニ・チンナー彗星(21P/Giacobini-Zinner)は6.6年周期で,だいたい13年に一度活発になります。周期群から定常群へ移行しつつある流星群で1時間に数個程度は期待できます。

ミラ
流星観察は寒さに注意だよ!

 この群の流星は,非常にゆっくりふわっと流れる特徴を持っています。
 流星観察は冷えますので,しっかりと防寒対策をしましょう。流星観測を計画しておられる方は,流れ星を見てみよう のページを参考にしてください。


オリオン座流星群

 2 2日未明,ハレー彗星を母天体とするオリオン座流星群が極大を迎えます。
 新月前で月明かりもなく,ピーク時刻も夜中で条件良好です。

 オリオン座流星群は10月2日から11月7日頃まで,長い期間流れる流星群です。
 ピークの日以外にもよく活動している流星群なので,極大日にそれほど拘る必要はありません。晴れた日は,放射点が上がってくる夜半過ぎから眺めてみましょう。

 痕を伴う明るい高速流星が特徴で,極大に近い頃なら1時間に10個程度の流れ星が期待できます。



南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬インディアン座(☆)・こうま座はちぶんぎ座(☆)・やぎ座
中旬ケフェウス座
下旬つる座 ・ とかげ座ペガスス座みずがめ座みなみのうお座

秋の星座
秋の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲M27 (あれい状星雲/こぎつね座)
M57 (環状星雲/こと座)
NGC7293 (らせん状星雲/みずがめ座)
散光星雲NGC7000 (北アメリカ星雲/はくちょう座)
散開星団
球状星団M2 (みずがめ座)
M15 (ペガスス座)
M30 (やぎ座)
M56 (こと座)
銀河(系外星雲)

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2022年10月のカレンダー

 曜日月相天文現象
1準惑星 (136472) マケマケが:21時50分
3上弦の月のイメージ上弦:09時14分
4重陽
不成就日
三隣亡
5月が最近(距離 0.961):01時34分
一粒万倍日
7水星が近日点通過(距離 0.308au):05時58分
天一天上
8寒露(太陽の黄経 195度):16時22分
十三夜(後の月)
一粒万倍日
三隣亡
9木星と月が合(離角 1°50′):04時37分
水星(☿)が西方最大離角(離角 -17°59′):06時
10月りゅう座群(ジャコビニ流星群)🌠が極大:10時
10満月のイメージ満月:05時55分
スポーツの日
11おうし座南流星群🌠が極大
一粒万倍日
12不成就日
14アルゴル型食変光星 アルゴル極小:5時43分
17アルゴル型食変光星 アルゴル極小:2時32分
月が最遠(距離 1.052):19時20分
18下弦の月のイメージ下弦:02時15分
準惑星 (136199) エリスが:06時02分
19アルゴル型食変光星 アルゴル極小:23時21分
20金星が地球最遠(距離 1.717au):16時37分
土用(太陽の黄経 207度):19時13分
不成就日
一粒万倍日
三隣亡
22オリオン座流星群🌠が極大:03時
アルゴル型食変光星 アルゴル極小:20時10分
天しゃ
23金星(♀)が外合:06時17分
準惑星 (136108) ハウメアが :07時03分
霜降(太陽の黄経 210度):19時36分
一粒万倍日
25新月のイメージ新月:19時49分
部分日食(日本では見られない)
26八せん始め
28不成就日
29月が最近(距離 0.958):23時36分

2022年/令和4年/皇紀2682年/平年/ 壬寅(みつのえとら)

惑星用語の説明
月の形の変化について


10月のお話

神無月
October
寒露と霜降
秋晴れ・露
鴻鴈来(七十二候 寒露~霜降)
Harvest Moon
お月見
輝け、十月の太陽よ(セイタカアワダチソウ)

コスモス(秋桜)
コスモス(秋桜)

データ出典

・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・アルゴル極小 予報 – 日本変光星研究会

2022年09月の星空

星空解説

 秋の日はつるべ落とし。
 9月になると日没時刻が早くなり,夕方の早い時間帯から星が見えるようになってきます。

 また,9月に入ると明け方の空で黄道光が観望好期に入ります。黄道光は空気の澄んだところでしか見えませんが,山などへ行く機会があったら黄道に沿って光の帯が伸びているのを探してみましょう。


惑星

木星と土星

ケイト
ガニメデの名は木星=ゼウスに愛された美少年ガニュメーデースが由来!

 8月にを迎えた土星(♄)と,今月を迎える木星(♃)が観望好期です。日が暮れて1時間ほどすると東の空で見やすくなります。

 木星と土星は都会の街明かりの下でも問題なく見えます。また小望遠鏡でも捉えやすく,低倍率でも土星の環や木星の縞模様などを見ることができます。

 望遠鏡で惑星をとらえたら,是非スケッチをしてみましょう。
 スケッチのために一生懸命見ているうちに目が惑星に慣れ,何度か続けているとだんだん模様がよく見えるようになっていきます。惑星の模様が見える目は,この「慣れ」によって養われます。
 木星の近くに衛星が見えたら, ガリレオ衛星(※)と呼ばれる4個の衛星のどれかです。

※ ガリレオ衛星
 望遠鏡を発明したイタリアの学者,ガリレオ・ガリレイによって1610年に発見された木星の4個の衛星。
 木星に近い順にイオ,エウロパ,ガニメデ,カリストと呼びます。
 ガニメデは太陽系で一番大きな衛星,イオは活火山があることで知られています。

 9月半ばの夜半前の星空です。
 クリックで拡大して見て下さいね。

2022年9月の惑星(2022-09-15 23:00)
2022年9月の惑星(2022-09-15 23:00)

木星と土星が月と合

 8日には土星が,12日には木星が,月と接近する「合」という現象が見られます。特に12日の木星と月の合はほぼくっついて見えます。

  • 8日21時34分 土星と月の合(離角 3°44′)
  • 12日1時30分 木星と月の合(離角 1°37′)

 同じ時刻に写真を撮ったりしておくと,惑星の中を月が動いて行く様子がよくわかります。


海王星

 17日にみずがめ座 でを迎える海王星(♆)も観望好期です。
 海王星を捜すのは初心者には難しいですが,小望遠鏡で拡大すると,小さな小さな円盤状に見ることができます。
 公共の天文台の観望会などへ行く機会があったら見せてもらいましょう。


中秋の名月

ミラ
中秋の名月は芋名月。
里芋を供えて収穫に感謝だね!

 9月といえばお月見の季節。

 2022年の中秋の名月9月10日。満月の日です。
 中秋の名月は秋の真ん中の日,仲秋(陰暦8月)15日の月のことで,月齢に基づいて暦が作られる旧暦では満月でした。けれど新暦では必ずしも満月になるわけではありません。

 今年の中秋の名月が満月と重なるのは「たまたま」というわけです。

 日本では中秋の名月(十五夜)を見たら必ず後の名月(十三夜)も見なければ縁起が悪いとされてきましたので,十五夜にお月見をした方は,来月の十三夜も忘れずに眺めると良いですね。

 2022年の十三夜10月8日です。



南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬いて座くじゃく座(☆)・ぼうえんきょう座(☆)
中旬こぎつね座や座わし座
下旬いるか座けんびきょう座(☆)・はくちょう座

秋の星座
秋の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲M27 (あれい状星雲/こぎつね座)
M57 (環状星雲/こと座)
散光星雲NGC7000 (北アメリカ星雲/はくちょう座)
散開星団
球状星団M2 (みずがめ座)
M15 (ペガスス座)
M30 (やぎ座)
M56 (こと座)
銀河(系外星雲)M51 (子もち星雲/りょうけん座)
M101 (おおぐま座)

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2022年9月のカレンダー

日 曜日月相天文現象
1二百十日(立春を起算日とし210日目)
アルゴル型食変光星 アルゴル極小:5時28分
4上弦の月のイメージアルゴル型食変光星 アルゴル極小:2時17分
上弦:03時08分
5金星が近日点を通過:05時20分
不成就日
6アルゴル型食変光星 アルゴル極小:23時6分
7八せん終り
三隣亡
8白露(太陽の黄経 165度):0時32分
小惑星 (3) ジュノーが:01時49分
月が最近(距離 0.948):03時19分
土星と月の合(離角 3°44′):21時34分
9重陽
10満月のイメージ満月:18時59分
中秋の名月(十五夜)
三隣亡
11二百二十日(立春を起算日とし220日目)
一粒万倍日
12木星と月の合(離角 1°37′):1時30分
水路記念日
13不成就日
16海王星が地球最近(距離 28.910au):11時35分
一粒万倍日
17海王星(♆)が(+7.7等,みずがめ座):07時21分
18下弦の月のイメージ下弦:06時52分
19月が最遠(距離 1.052):23時43分
敬老の日
20彼岸入り
空の日
21水星が地球最近(距離 0.645au):08時03分
不成就日
22社日
三隣亡
23秋分の日(彼岸中日)
秋分(太陽の黄経 180度):10時04分
水星(☿)が内合:15時50分
一粒万倍日
24アルゴル型食変光星 アルゴル極小:4時0分
26新月のイメージ新月:06時55分
木星が地球最近(距離 3.953au):11時17分
彼岸明け
不成就日
27アルゴル型食変光星 アルゴル極小:0時49分
木星(♃)が(-2.9等,うお座):04時33分
28十方ぐれ入り
一粒万倍日
29アルゴル型食変光星 アルゴル極小:21時38分

2022年/令和4年/皇紀2682年/平年/ 壬寅(みつのえとら)

惑星用語の説明
月の形の変化について


9月のお話

長月
September
白露と秋分
秋雨・秋霖・秋台風
草露白(七十二候 白露~秋分)
Fruit Moon
お月見

ススキ(芒,尾花)
ススキ(芒,尾花)

データ出典:

・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・アルゴル極小 予報 – 日本変光星研究会

2022年08月の星空

星空解説

 夏休みで星を見る機会が多くなる8月は,1日~7日が「スター・ウィーク~星空に親しむ週間~」となっています。
 星を見るイベントなど地域の情報などに注意しましょう。

 ・STARWEEK
 ・スター・ウィーク実行委員会(Twitter)


惑星

2022年8月の惑星(2022-08-15 23:00)
2022年8月の惑星(2022-08-15 23:00)

土星

 15日にを迎える土星が見頃です。

 衝の頃の惑星は,午後10時には見やすい位置へ上ってきます。
 夏の惑星は南中しても低い位置になりますが,0.4等の土星は街中でもよく見えます。

 惑星は初心者でも小望遠鏡で観察しやすい対象です。
 望遠鏡があったら環の形を楽しんでみましょう。高倍率にすると望遠鏡の視野に入れておくのが大変なので,低倍率で十分です。

 土星の環は2009年に真横から見た後,現在は環の北側から眺める形になっています。2017年に環が一番大きく広がった姿になり,現在は2025年の環の消失に向かって環が年々閉じていっている最中です。
 今年の姿をスケッチなどで残しておくと,年々の移り変わりがよく分かります。


木星

 木星は夜半には南東の空に上がって来ます。
 明るさは -2.7〜-2.9等で,どの星より明るく輝いています。

 木星も小望遠鏡での観察に適した惑星です。
 望遠鏡があったら,ぜひ低倍率で見てみましょう。縞模様や衛星を見ることができます。

 望遠鏡で惑星をとらえたら,是非スケッチをしてみましょう。
 スケッチのために一生懸命見ているうちに目が惑星に慣れ,何度か続けているとだんだん模様がよく見えるようになっていきます。惑星の模様が見える目は,この「慣れ」によって養われます。

ミラ
木星はギリシャ神話では大神ゼウス。
ガリレオ衛星はゼウスの愛人たちの名前だよ!

 木星の近くに衛星が見えたら, ガリレオ衛星(※)と呼ばれる4個の衛星のどれかです。

※ ガリレオ衛星
 望遠鏡を発明したイタリアの学者,ガリレオ・ガリレイによって1610年に発見された木星の4個の衛星。
 木星に近い順にイオ,エウロパ,ガニメデ,カリストと呼びます。
 ガニメデは太陽系で一番大きな衛星,イオは活火山があることで知られています。


ペルセウス座流星群

 毎年お盆休みの頃に見ごろとなるペルセウス座流星群。今年の極大は13日の午前10時頃ですが,12日が満月。月明かりで観察条件は良くありません。

 ペルセウス座流星群のピークを観察するなら12日〜13日の夜になります。
 ピークは13日の夜明け後なので,流星が増えていく状態で夜明けを迎えることになります。

 輻射点があるペルセウス座が高くなるのは夜半過ぎ。輻射点が高くなると見える流星も多くなり,明け方の極大に向かって条件が良くなっていきます。できたら薄明が始まるまで見てみましょう。

 ペルセウス座流星群は,月がない好条件なら多い年で1時間に60個(HR60)くらいの流星が期待できます。IMO(国際的な流星の組織)の予報には ZHR=100 と記載されています。

 できるだけ空が暗い場所で,寝転がって空全体が見られるようにするのが沢山の流星を見るコツです。今年は満月が煌々と輝いていますから,月を視野に入れない工夫も必要です。
 ペルセウス座流星群には明るい流星も多く流れますので,満月でも明るい流星を見ることができます。観測を計画しておられる方は,流れ星を見てみよう のページを参考にしてください。


 はくちょう座κ流星群は1時間に2~3個の小規模な流星群です。比較的ゆっくり流れ,速く流れるペルセウス座流星群の流星と対照的です。
 火球が見られることがあります。


伝統的な七夕

ケイト
上弦の月齢は,
平均 7.38日!

 今年の旧七夕(伝統的な七夕)は8月4日です(※)。

 旧暦七夕は月齢7の日の夕方。
 なので月は必ず上弦前で,夜半過ぎると月明かりのない星空が見られます。織り姫星(こと座のベガ)は天頂付近にありますので,見つけてみましょう。
 夏の星座を探してみようのページを参考にしてみて下さいね。

※ 旧暦七夕(伝統的な七夕):
二十四節気の処暑以前で,処暑に最も近い新月を含む日から数えて7日目。


南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬へびつかい座ヘルクレス座りゅう座・さいだん座(☆)
中旬へび座(尾部)
下旬こと座たて座みなみのかんむり座

夏の星座
夏の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲M57 (環状星雲/こと座)
M27 (あれい状星雲/こぎつね座)
散光星雲M8 (干潟星雲/いて座)
M17 (ω星雲,馬蹄型星雲/いて座)
M20 (三裂星雲/いて座)
ほか天の川に多数
散開星団M21・M23・M24・M25 (いて座)
M6・M7 (さそり座)
ほか天の川に多数
球状星団M4・M80 (さそり座)
M10・M12 (へびつかい座)
M13・M92 (ヘルクレス座)
M56 (こと座)
銀河(系外星雲)M51 (子もち星雲/りょうけん座)
M101 (おおぐま座)

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2022年8月のカレンダー

 曜日月相天文現象
1八朔
4旧七夕(伝統的七夕)
土用の丑
5上弦の月のイメージ上弦:20時07分
7立秋(太陽の黄経 135度):21時29分
立秋以降は残暑見舞い。
8天一天上
不成就日
11月が最近(距離 0.936):2時9分
天王星(♅)が西矩:21時53分
山の日
12満月のイメージアルゴル型食変光星 アルゴル極小:3時45分
満月:10時36分
旧ぼん
13ペルセウス座流星群🌠が極大:10時
14三隣亡
15アルゴル型食変光星 アルゴル極小:0時34分
土星(♄)が(やぎ座,+0.4等):2時11分
土星が地球最近(距離 8.857au):6時49分
月遅れ盆
一粒万倍日
16京都五山送り火
不成就日
19下弦の月のイメージ下弦:13時36分
20 はくちょう座κ流星群🌠が極大
21旧地蔵ぼん
23小惑星(4)ベスタが :3時55分
月が最遠(距離 1.055):6時52分
処暑(太陽の黄経 150度):12時16分
天しゃ
24水星が遠日点を通(距離 0.467au):6時21分
京都地蔵ぼん
不成就日
26三隣亡
27新月のイメージ火星(♂)が西矩:14時27分
新月:17時17分
八せん始め
一粒万倍日
28水星 (☿) が東方最大離角:1時(離角 27°19)
不成就日

2022年/令和4年/皇紀2682年/平年/ 壬寅(みつのえとら)

惑星用語の説明
月の形の変化について


8月のお話

葉月
August
立秋と処暑
土用波・秋日照り・夏台風・迷走台風
涼風至(七十二候 立秋~処暑)
Grain Moon
ラマス(Lammas Day)

ヒゴタイ(肥後躰・平江帯)
ヒゴタイ(肥後躰・平江帯)

データ出典

・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・アルゴル極小予報 予報 | 日本変光星研究会

2022年07月の星空

星空解説

 7月前半は梅雨の最中で雨が多く夜も短く,星を見る条件はよくありません。けれど学校が夏休みに入る頃には梅雨明けし,太平洋高気圧に覆われて安定した晴れの日が続くようになります。
  このような梅雨明け後の安定した晴れ続きを,梅雨明け十日と呼びます。夏休みに入ると林間学校やキャンプなどで星を見る機会も増えますね。

 今年は20日(水)が下弦,29日(金)が新月です。
 海の日の連休の頃は下弦前の月がありますが,日没から夜半すぎまで月明かりに邪魔されずに星座観察ができますし,下旬になるほど良い条件です。


七夕

 7月と言えば七夕ですね。
 けれども現在の暦では,七夕は梅雨の真っ只中で星が見えないことも多いですね。

 今年は7月7日,七夕の日が上弦(半月)です。
 夜半までは少しばかり月明かりがありますが,織り姫(こと座のベガ)と彦星(わし座のアルタイル)は都会の明るい空でもよく見える星です。
 織り姫と彦星は夏の大三角を形作る星でもあり,見つけるのは決して難しくありません。

ケイト
旧暦七夕の日付は毎年変わるよ!

 晴れ間がのぞいたら,夏の大三角をさがしてみましょう。

 参考: 夏の星座を探してみよう

 ところで,本来の七夕は旧暦(太陰太陽暦)の行事(※)です。

 旧暦七夕の頃には梅雨も明けていてよく晴れます。今年の旧暦七夕(伝統的七夕)は8月4日です。7月7日が雲ったら,8月4日の七夕を待ちましょう。


※ 旧暦七夕(伝統的七夕)
二十四節気の処暑以前で,処暑に最も近い新月を含む日から数えて7日目。


惑星

 惑星は夜半過ぎの空に集まっています。

 一番見やすいのは 来月を迎える土星で, やぎ座に位置しています。また9月に を迎える 木星うお座くじら座の境目辺りを移動しています。
 火星うお座から おひつじ座を移動中で,日の出前の東の空。
 金星も,日の出前の東の空低い位置に見ることができます。

2022年7月の惑星(2022-07-15 02:00)
2022年7月の惑星(2022-07-15 02:00)
※ クリックで拡大できます。

木星と土星

 木星も土星もひときわ明るく輝いていますので,都会の明るい星空でもすぐに見つけることができます。また,月明かりや街明かりがあっても支障なく望遠鏡で観察できます。
 小望遠鏡があったら低倍率で衛星の動きや縞模様,環の形を楽しんでみましょう。

 望遠鏡で惑星をとらえたら,是非スケッチをしてみましょう。スケッチをすることにより目が惑星に慣れ,何度か続けているとだんだん模様がよく見えるようになっていきます。目の「慣れ」は惑星の模様を観察するのに大切なスキルです。

 望遠鏡で木星を見ると,木星の近くに衛星が見えます。小望遠鏡で見える衛星は ガリレオ衛星(※)と呼ばれる4個の衛星のどれかです。
 望遠鏡を持たない方は,地域にある公共の天文台などが主催する観望会を捜してみましょう。

 土星の環は2009年に真横から見た後,北から眺める形になっています。2017年に一番大きく広がった姿になり,現在は2025年の環の消失に向かって環が年々閉じていっている最中です。
 今年の姿をスケッチなどで残しておくと,年々の移り変わりがよく分かります。

※ ガリレオ衛星
ガリレオ・ガリレイによって1610年に発見された木星の4個の衛星。
木星に近い順にイオ,エウロパ,ガニメデ,カリストと名付けられており,ガニメデは太陽系で一番大きな衛星です。イオは活火山があることで知られています。


冥王星

 20日に準惑星の冥王星いて座を迎えます。
 冥王星は衝でも暗くて肉眼では見えません。望遠鏡を使っても初心者が見つけるのは難しい惑星ですので,見たい方は公共天文台の観望会などで見せてもらいましょう。


スーパームーン

 今月は月最近の翌日が満月です。月が地球に近い位置で満月を迎えるため,大きな満月=スーパームーンとなります。

満月の大きさ比較
大きな満月と小さな満月

  スーパームーンという言葉はアメリカの占星術師リチャード・ノル(Richard Nolle)氏が定義したもので,天文学とは関係ありません。けれど,月が楕円軌道を描いて地球を周回していること,月と地球の距離が一定ではないことを知る良いチャンスです。

 地球と月は近い時と遠い時で 4万キロも距離が変わり,満月の見かけの直径も最大で14%も異なっているのです。

 スーパームーンの時には潮汐力が強まり,砂浜の浸食が50%増すという研究結果も出ています。

ケイトとミラのスーパームーン (1) 
「スーパームーン」で砂浜浸食50%増し、海岸管理者への警告 | 日経クロステック(xTECH)


流れ星

 夏休みは一年の中でも特に流れ星が多い季節です。
 7月下旬には有名なペルセウス座流星群が流れ始めますが,同じ頃にやぎ座α流星群みずがめ座 δ南流星群 なども活動しています。

 今年は7月29日が新月で,7月下旬からお盆にかけての条件は良好です。
 みずがめ座δ南流星群 (ZHR=16) の活動期間は7月12日~8月23日,やぎ座α流星群 (ZHR=5) は7月3日~8月15日。両方とも派手な流星群ではありませんが,長い期間活動しています。

ミラ
流れ星は寝転がって見るといいんだよ!

 どちらの流星群も放射点が上がってくるのは21時頃。それくらいの時間から未明までが見やすくなります。

  やぎ座もみずがめ座も秋の星座で,輻射点(放射点)が同じ方向にあるため,この二つの群の流星を見分けるのはちょっと大変です。
 やぎ座α流星群の群流星は,ゆっくりと流れるのが特徴で,爆発を伴う火球が見られることもあります。みずがめ座δ南流星群は母天体がマックホルツ彗星(96P/Machholz)で,やぎ座α群の流星より速く流れます。

 ですが,観測するのでなければ群は気にせず,夏休みは流れ星が増える季節だと思って夜空をみあげて楽しむのが良いですね。

 夏でも山の上などは冷え込みます。寒さ対策をして流星観察をしましょう。

参考:流れ星を見てみよう


南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬おおかみ座・てんびん座
中旬かんむり座・こぐま座・じょうぎ座(☆)
ふうちょう座(☆)・へび座頭部
みなみのさんかく座(☆)
下旬さそり座

夏の星座
夏の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲M57 (環状星雲,こと座)
散光星雲M8 (干潟星雲,いて座)
M17 (ω星雲,馬蹄型星雲,いて座)
M20 (三裂星雲,いて座)
ほか天の川に多数
散開星団M21・M23・M24・M25 (いて座)
M6 ・M7 (さそり座)
ほか天の川に多数
球状星団M3 (りょうけん座)
M4・M80 (さそり座)
M5 (へび座),M10・M12 (へびつかい座)
M13・M92 (ヘルクレス座)
銀河(系外星雲)M51 (子もち星雲,りょうけん座)
M101 (おおぐま座)

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2022年7月のカレンダー

日 曜日月相天文現象
1山開き
2半夏生(太陽の黄経 100度):5時47分
4地球が遠日点を通過(距離 1.017au):16時11分
7上弦の月のイメージ上弦:11時14分
小暑(太陽の黄経 105度):11時38分
七夕
9浅草ほおずき市
11水星が近日点を通過(距離 0.308au):6時43分
13月が最近(距離 0.929):18時6分
精霊祭
迎え火
14 満月のイメージ 満月(スーパームーン):3時38分
15ぼん
16藪入り
送り火
一粒万倍日
三隣亡
17水星(☿)が外合:4時38分
18海の日
19水星が地球最遠(距離 1.337au):18時34分
20 下弦の月のイメージ 夏の土用の入(太陽の黄経 117度):1時41分
アルゴル型食変光星 アルゴル極小:5時14分
夏の土用の入りから立秋までの間に暑中見舞いを出す。
準惑星 (134340) 冥王星(♇)がいて座,+14等):10時38分
下弦:23時19分
22火星と月の合(火星食):1時6分
準惑星 (1) ケレスが:10時25分
23アルゴル型食変光星 アルゴル極小:2時3分
大暑(太陽の黄経 120度):5時7分
土用の丑
24地蔵ぼん
26月が最遠(距離 1.057):19時22分
29 新月のイメージ 新月:2時55分
30みずがめ座 δ南流星群🌠が極大
やぎ座 α流星群🌠が極大
31不成就日
一粒万倍日

2022年/令和4年/皇紀2682年/平年/ 壬寅(みつのえとら)

惑星用語の説明
月の形の変化について

7月のお話

文月
July
小暑と大暑
山開き・洗車雨・酒涙雨・送り梅雨・戻り梅雨・梅雨明け・梅雨明け十日・かんかん照り・油照り
Hay Moon(干し草の満月)
温風至(あつかぜいたる)
半夏生(ハンゲショウ)

ネムノキ(合歓木)
ネムノキ(合歓木)

データ出典

・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・アルゴル極小 予報 – 日本変光星研究会