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2023年09月の星空

星空解説

 秋の日はつるべ落とし。
 9月になると日没時刻が早くなり,夕方の早い時間帯から星が見えるようになってきます。

 また,9月に入ると明け方の空で黄道光が観望好期に入ります。黄道光は空気の澄んだところでしか見えませんが,山などへ行く機会があったら黄道に沿って光の帯が伸びているのを探してみましょう。


惑星

明けの明星と水星

 日の出前の東の空で,金星が最大光度を迎え見頃です。

 また22日には水星が西方最大離角となります。22日の東京での日の出時刻は5時28分。約30分前の午前5時の水星の地平線高度は10度を超えています。水星としては高い位置で,比較的見つけやすい条件です。
 ほぼ真東の方向で,金星が目印になります。双眼鏡があれば肉眼より見つけやすくなります。

 太陽のすぐ近くを周回している水星は,いつも太陽の近くにいて,日の出直前か日没直後の,ほんの短い時間に地平線ぎりぎりの位置にしか見ることができません。
 このため水星を見る機会はとても少ないのです。

 地動説で有名なコペルニクスも,死の床で水星を見る機会がなかったことを嘆いたという逸話が残っています。

水星の西方最大離角(2023-09-22)
水星の西方最大離角(2023-09-22)

木星と土星

ケイト
ガニメデの名は木星=ゼウスに愛された美少年ガニュメーデースが由来!

 8月にを迎えた土星(♄)がまだまだ観望好期です。
 また夜半を過ぎると,東の空で11月にを迎える木星(♃)も見やすくなってきます。

 木星と土星は都会の街明かりの下でも問題なく見えます。また小望遠鏡でも捉えやすく,低倍率でも土星の環や木星の縞模様などを見ることができます。

 望遠鏡で惑星をとらえたら,是非スケッチをしてみましょう。
 スケッチのために一生懸命見ているうちに目が惑星に慣れ,何度か続けているとだんだん模様がよく見えるようになっていきます。惑星の模様が見える目は,この「慣れ」によって養われます。

 木星の近くに衛星が見えたら, ガリレオ衛星(※)と呼ばれる4個の衛星のどれかです。

※ ガリレオ衛星
 望遠鏡を発明したイタリアの学者,ガリレオ・ガリレイによって1610年に発見された木星の4個の衛星。
 木星に近い順にイオ,エウロパ,ガニメデ,カリストと呼びます。
 ガニメデは太陽系で一番大きな衛星,イオは活火山があることで知られています。

 現在の土星は,細い環を北側から眺める形になっています。2017年に環は一番大きく広がって見え,2025年の環の消失に向かって閉じていっている最中なのです。来年はもっと細くなります。
 今年の姿をスケッチなどで残しておくと,環の見え方の移り変わりがよく分かります。


海王星

 19日を迎える海王星(♆)も観望好期です。
 海王星を捜すのは初心者には難しいですが,小望遠鏡で拡大すると,小さな小さな円盤状に見ることができます。
 公共の天文台の観望会などへ行く機会があったら見せてもらいましょう。


中秋の名月

ミラ
中秋の名月は芋名月。
里芋を供えて収穫に感謝だね!

 9月といえばお月見の季節。

 2023年の中秋の名月9月29日。満月の日です。
 中秋の名月は秋の真ん中の日,仲秋(陰暦8月)15日の月のことで,月齢に基づいて暦が作られる旧暦では満月でした。けれど新暦では必ずしも満月になるわけではありません。

 ここ数年は中秋の名月が満月と重なることが続いていますが,これは「たまたま」というわけです。

 日本では中秋の名月(十五夜)を見たら必ず後の名月(十三夜)も見なければ縁起が悪いとされてきましたので,十五夜にお月見をした方は,来月の十三夜も忘れずに眺めると良いですね。

 2023年の十三夜10月27日です。


南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬いて座くじゃく座(☆)・ぼうえんきょう座(☆)
中旬こぎつね座や座わし座
下旬いるか座けんびきょう座(☆)・はくちょう座

秋の星座
秋の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲M27 (あれい状星雲/こぎつね座)
M57 (環状星雲/こと座)
散光星雲NGC7000 (北アメリカ星雲/はくちょう座)
散開星団
球状星団M2 (みずがめ座)
M15 (ペガスス座)
M30 (やぎ座)
M56 (こと座)
銀河(系外星雲)M51 (子もち星雲/りょうけん座)
M101 (おおぐま座)

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2023年9月のカレンダー

日 曜日月相天文現象
1二百十日立春を起算日とし210日目)
防災の日
2八せん終わり・三隣亡
3不成就日・一粒万倍日
4水星(☿)が地球最近(距離 0.628au):0時5分
5木星(♃)が月と合(離角 -3°05′):3時6分
6水星(☿)が内合:20時9分
7下弦の月のイメージ下弦:7時21分
8白露(太陽の黄経 165度):6時27分
旧地蔵ぼん
9重陽
救急の日
11二百二十日立春を起算日とし220日目)
不成就日・一粒万倍日
12水路記念日
13月が最遠(距離 1.057):0時43分
世界の法の日
15新月のイメージ新月:10時40分
旧八朔
16不成就日
18海王星(♆)が地球最近(距離 28.902au):23時39分
🎌 敬老の日
一粒万倍日
19金星(♀)が最大光度(-4.8等)
海王星(♆)が(+7.7等,みずがめ座):20時18分
20彼岸入り
空の日・動物愛護週間
22水星(☿)が西方最大離角:22時(離角 -17°52’)
23上弦の月のイメージ上弦:4時32分
🎌 秋分の日(彼岸中日)
秋分(太陽の黄経 180度):15時50分
十方ぐれ入り・一粒万倍日
24水星(☿)が近日点通過(0.307au):3時3分
不成就日
26彼岸明け
27土星(♄)が月と合(離角 2°25′):12時1分
社日(春分・秋分に最も近い戊の日)
28月が最近(距離 0.936):9時59分
29満月のイメージ満月:18時58分
中秋の名月(十五夜)
三隣亡
30一粒万倍日

2023年/令和5年/皇紀2683年/平年/ 癸卯(みつのとう)

惑星用語の説明
月の形の変化について


9月のお話

長月
September
白露と秋分
秋雨・秋霖・秋台風
草露白(七十二候 白露~秋分)
Fruit Moon
お月見
二百十日と二百二十日と台風

ヒガンバナ
ヒガンバナ

データ出典:

・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・流星 流星電波観測国際プロジェクト
・東京都神社庁選定「神社暦」

投稿ナビゲーション

2023年08月の星空

星空解説

 夏休みで星を見る機会が多くなる8月は,1日~7日が「スター・ウィーク~星空に親しむ週間~」となっています。
 星を見るイベントなど地域の情報などに注意しましょう。

 ・STARWEEK
 ・スター・ウィーク実行委員会(Twitter)


惑星

土星

 土星はみずがめ座を逆行中で,27日にを迎え見頃です。

 衝の頃の惑星は,午後10時には見やすい位置へ上ってきます。
 夏の惑星は南中しても低い位置になりますが,0.4等の土星は街中でもよく見えます。

 惑星は初心者でも小望遠鏡で観察しやすい対象です。
 望遠鏡があったら環の形を楽しんでみましょう。高倍率にすると望遠鏡の視野に入れておくのが大変なので,低倍率で十分です。

 土星の環は2009年に真横から見た後,現在は環の北側から眺める形になっています。2017年に環が一番大きく広がった姿になり,現在は2025年の環の消失に向かって環が閉じていっている最中で,かなり細くなってきています。
 今年の姿をスケッチなどで残しておくと,年々の移り変わりがよく分かります。

2023-08-15 午前2時 東京の空
2023-08-15 午前2時 東京の空

木星

 木星はおひつじ座を逆行中で,夜明け前の南東の空に昇ってきます。明るさは -2.4〜-2.6等で,薄明の中でも明るく輝いています。

 木星も小望遠鏡での観察に適した惑星です。
 望遠鏡があったら,ぜひ低倍率で見てみましょう。縞模様や衛星を見ることができます。

 望遠鏡で惑星をとらえたら,是非スケッチをしてみましょう。
 スケッチのために一生懸命見ているうちに目が惑星に慣れ,何度か続けているとだんだん模様がよく見えるようになっていきます。惑星の模様が見える目は,この「慣れ」によって養われます。

ミラ
木星はギリシャ神話では大神ゼウス。
ガリレオ衛星はゼウスの愛人たちの名前だよ!

 木星の近くに衛星が見えたら, ガリレオ衛星(※)と呼ばれる4個の衛星のどれかです。

※ ガリレオ衛星
 望遠鏡を発明したイタリアの学者,ガリレオ・ガリレイによって1610年に発見された木星の4個の衛星。
 木星に近い順にイオ,エウロパ,ガニメデ,カリストと呼びます。
 ガニメデは太陽系で一番大きな衛星,イオは活火山があることで知られています。


ペルセウス座流星群

 毎年お盆休みの頃に見ごろとなるペルセウス座流星群。今年の極大は13日の17時頃です。今年は16日が新月で,月の出は午前2時頃。月明かりもなく観察条件は良好です。

 ペルセウス座流星群のピークを観察するなら12日〜13日の夜になります。
 ピークは13日の夜明け後なので,流星が増えていく状態で夜明けを迎えることになります。

 輻射点があるペルセウス座が高くなるのは夜半過ぎ。輻射点が高くなると見える流星も多くなり,明け方の極大に向かって条件が良くなっていきます。できたら薄明が始まるまで見てみましょう。

 ペルセウス座流星群は,月がない好条件なら多い年で1時間に60個(HR60)くらいの流星が期待できます。IMO(国際的な流星の組織)の予報には ZHR=100 と記載されています。

 できるだけ空が暗い場所で,寝転がって空全体が見られるようにするのが沢山の流星を見るコツです。今年は満月が煌々と輝いていますから,月を視野に入れない工夫も必要です。
 ペルセウス座流星群には明るい流星も多く流れますので,満月でも明るい流星を見ることができます。観測を計画しておられる方は,流れ星を見てみよう のページを参考にしてください。


 はくちょう座κ流星群は1時間に2~3個の小規模な流星群です。比較的ゆっくり流れ,速く流れるペルセウス座流星群の流星と対照的です。
 火球が見られることがあります。


伝統的な七夕

ケイト
上弦の月齢は,
平均 7.38日!

 今年の旧七夕(伝統的な七夕)は8月22日です(※)。

 旧暦七夕は月齢7の日の夕方。
 なので月は必ず上弦前で,夜半過ぎると月明かりのない星空が見られます。織り姫星(こと座のベガ)は天頂付近にありますので,見つけてみましょう。
 夏の星座を探してみようのページを参考にしてみて下さいね。

※ 旧暦七夕(伝統的な七夕):
二十四節気の処暑以前で,処暑に最も近い新月を含む日から数えて7日目。


スーパームーンとブルームーン

 8月31日の満月は,月最近と重なり大きな満月=スーパームーンとなります。また8月2回目の満月であるため,ブルームーンでもあります。

 また,この日は明け方に土星と月が合となり,満月のすぐ近くに土星が輝いているのを見ることもできます。

満月の大きさ比較
大きな満月と小さな満月

  スーパームーンという言葉はアメリカの占星術師リチャード・ノル(Richard Nolle)氏が定義したもので,天文学とは関係ありません。けれど,月が楕円軌道を描いて地球を周回していること,月と地球の距離が一定ではないことを知る良いチャンスです。

 地球と月は近い時と遠い時で 4万キロも距離が変わり,満月の見かけの直径も最大で14%も異なっているのです。

 スーパームーンの時には潮汐力が強まり,砂浜の浸食が50%増すという研究結果も出ています。

ブルームーン
ケイトとミラのスーパームーン (1) 
「スーパームーン」で砂浜浸食50%増し、海岸管理者への警告 | 日経クロステック(xTECH)


南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬へびつかい座ヘルクレス座りゅう座・さいだん座(☆)
中旬へび座(尾部)
下旬こと座たて座みなみのかんむり座

夏の星座
夏の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲M57 (環状星雲/こと座)
M27 (あれい状星雲/こぎつね座)
散光星雲M8 (干潟星雲/いて座)
M17 (ω星雲,馬蹄型星雲/いて座)
M20 (三裂星雲/いて座)
ほか天の川に多数
散開星団M21・M23・M24・M25 (いて座)
M6・M7 (さそり座)
ほか天の川に多数
球状星団M4・M80 (さそり座)
M10・M12 (へびつかい座)
M13・M92 (ヘルクレス座)
M56 (こと座)
銀河(系外星雲)M51 (子もち星雲/りょうけん座)
M101 (おおぐま座)

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2023年8月のカレンダー

 曜日月相天文現象
1八朔・水の週間
2満月のイメージ満月:3時32分
月が最近(距離 0.930):14時52分
3天一天上
4天しゃ・一粒万倍日・三隣亡
7木星(♃)が西矩:9時3分
一粒万倍日
8下弦の月のイメージ立秋(太陽の黄経 135度):3時23分
立秋以降は残暑見舞い。
金星が遠日点を通(距離 0.728au):8時57分
下弦:19時28分
不成就日
9長崎原爆の日・三隣亡
10水星 (☿) が東方最大離角:11時(離角 27°24)
末伏・一粒万倍日
11水星が遠日点を通(距離 0.467au):3時25分
🎌 山の日
13ペルセウス座流星群🌠が極大:17時
金星(♀)が内合:20時16分
14金星が地球最近(距離 0.289au):0時11分
15月遅れ盆・戦没者追悼・平和祈念の日
16新月のイメージ天王星(♅)が西矩:11時35分
新月:18時38分
月が最遠(距離 1.058):20時54分
京都五山送り火
18天しゃ・不成就日
20はくちょう座κ流星群🌠が極大
21三隣亡
22旧七夕(伝統的七夕)
八せん始め・一粒万倍日
23処暑(太陽の黄経 150度):18時1分
24上弦の月のイメージ上弦:18時57分
京都地蔵ぼん
26不成就日
27土星が:11時28分(みずがめ座,+0.4等)
土星が地球最近(距離 8.763au):20時
29文化財保護法施行記念日
30 旧ぼん
31満月のイメージ月が最近(距離 0.929):0時54分
土星と月が合:4時33分(離角 2°16′)
満月:10時36分
スーパーフルムーン ブルームーン

2023年/令和5年/皇紀2683年/平年/ 癸卯(みつのとう)

惑星用語の説明
月の形の変化について


8月のお話

葉月
August
立秋と処暑
土用波・秋日照り・夏台風・迷走台風
涼風至(七十二候 立秋~処暑)
Grain Moon
ラマス(Lammas Day)

アサガオ
アサガオ

データ出典

・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・流星 流星電波観測国際プロジェクト
・東京都神社庁選定「神社暦」

2023年07月の星空

星空解説

 7月前半は梅雨の最中で雨が多く夜も短く,星を見る条件はよくありません。けれど学校が夏休みに入る頃には梅雨明けし,太平洋高気圧に覆われて安定した晴れの日が続くようになります。
  このような梅雨明け後の安定した晴れ続きを,梅雨明け十日と呼びます。夏休みに入ると林間学校やキャンプなどで星を見る機会も増えますね。

 今年は18日(火)が新月,26日(水)が上弦です。
 海の日の連休の頃は月明かりがなく一晩中星空が楽しめます。


七夕

 7月と言えば七夕ですね。
 けれども現在の暦では,七夕は梅雨の真っ只中で星が見えないことも多いですね。

 今年は7月3日が満月で,七夕の日は夜半頃には満月後の大きな月が輝きます。
 7月7日の東京での月の出は22時12分。
 織り姫(こと座のベガ)と彦星(わし座のアルタイル)は都会の明るい空でもよく見える星ですが,月が輝く前の方が星空を楽しむには良さそうです。
 織り姫と彦星は夏の大三角を形作る星でもあり,見つけるのは決して難しくありません。

ケイト
旧暦七夕の日付は毎年変わるよ!

 晴れ間がのぞいたら,夏の大三角をさがしてみましょう。

 参考: 夏の星座を探してみよう

 ところで,本来の七夕は旧暦(太陰太陽暦)の行事(※)です。

 旧暦七夕の頃には梅雨も明けていてよく晴れます。今年の旧暦七夕(伝統的七夕)は8月22日です。7月7日が雲ったら,8月22日の七夕を待ちましょう。


※ 旧暦七夕(伝統的七夕)
二十四節気の処暑以前で,処暑に最も近い新月を含む日から数えて7日目。


惑星

金星と火星

 金星と火星は夕刻の西空低く見えますが,すぐに沈んでしまいます。20日と21には金星と火星が,月齢2〜3の細い月に次々と接近します。

 20日夕刻の金星は,19時(午後7時)の地平線高度が15度。真西の方角です。日没が遅く薄明の中になりますが,真西の方角が開けた場所で探してみましょう。

金星と月の合(2023年07月20日 19時)
金星と月の合(2023年07月20日 19時)

 火星は金星より暗いため,金星より空が暗くならないと見えません。このため21日の火星はもう少し遅い時間帯に見ることになります。
 方角は同じく真西,20時(午後8時)の火星の地平線高度は10度です。まず月を見つけ,双眼鏡を使って月の近くを探してみると,もう少し早い時間帯でも見つけることができます。

火星と月の合(2023年07月21日 20時)
火星と月の合(2023年07月21日 20時)

木星と土星

 木星おひつじ座を順行しており,明け方の南東の空に -2.3等くらいの明るさで輝いています。
 12日には月齢24の三日月形の月と接近する様子が楽しめます。

 土星みずがめ座を逆行中で,明るさは0.6等くらい。真夜中には南東の空に昇ってきます。

木星と月の合(2023年07月12日 4時)
木星と月の合(2023年07月12日 4時)

 木星も土星も都会の明るい星空でもすぐに見つけることができますし,月明かりや街明かりがあっても支障なく望遠鏡で観察できます。
 小望遠鏡があったら低倍率で木星の衛星の動きや縞模様,土星の環の形を楽しんでみましょう。

 望遠鏡で惑星をとらえたら,是非スケッチをしてみましょう。スケッチをすることにより目が惑星に慣れ,何度か続けているとだんだん模様がよく見えるようになっていきます。目の「慣れ」は惑星の模様を観察するのに大切なスキルです。

 望遠鏡で木星を見ると,木星の近くに衛星が見えます。小望遠鏡で見える衛星は ガリレオ衛星(※)と呼ばれる4個の衛星のどれかです。
 望遠鏡を持たない方は,地域にある公共の天文台などが主催する観望会を捜してみましょう。

 土星の環は2009年に真横から見た後,北から眺める形になっています。2017年に一番大きく広がった姿になり,現在は2025年の環の消失に向かって環が年々閉じていっています。
 今年の姿をスケッチなどで残しておくと,年々の移り変わりがよく分かります。

※ ガリレオ衛星
ガリレオ・ガリレイによって1610年に発見された木星の4個の衛星。
木星に近い順にイオ,エウロパ,ガニメデ,カリストと名付けられており,ガニメデは太陽系で一番大きな衛星です。イオは活火山があることで知られています。


冥王星

 22日に準惑星の冥王星いて座を迎えます。
 冥王星は衝でも暗くて肉眼では見えません。望遠鏡を使っても初心者が見つけるのは難しい惑星ですので,見たい方は公共天文台の観望会などで見せてもらいましょう。


流れ星

 夏休みは一年の中でも特に流れ星が多い季節です。
 7月下旬には有名なペルセウス座流星群が流れ始めますが,同じ頃にやぎ座α流星群みずがめ座 δ流星群 なども活動しています。

 しかし今年は7月26日が上弦,8月2日が満月。7月下旬からお盆にかけては月明かりの影響を受けます。

 みずがめ座δ流星群 (ZHR=20) の活動期間は7月12日~8月23日。やぎ座α流星群 (ZHR=4) は7月3日~8月15日です。
 両方とも派手な流星群ではありませんが,長い期間活動しています。みずがめ座δ流星群はピークの前後数日はピーク程度の活動が見られます。

ミラ
流れ星は寝転がって見るといいんだよ!

 どちらの流星群も放射点が上がってくるのは21時頃。それくらいの時間から未明までが見やすくなります。

  やぎ座もみずがめ座も秋の星座で,輻射点(放射点)が同じ方向にあるため,この二つの群の流星を見分けるのはちょっと大変です。
 やぎ座α流星群の群流星は,ゆっくりと流れるのが特徴で,爆発を伴う火球が見られることもあります。みずがめ座δ流星群は母天体がマックホルツ彗星(96P/Machholz)で,やぎ座α群の流星より速く流れます。

 ですが,観測するのでなければ群は気にせず,夏休みは流れ星が増える季節だと思って夜空を見上げて楽しむと良いですね。

 夏でも山の上などは冷え込みます。寒さ対策をして流星観察をしましょう。

参考:流れ星を見てみよう


南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬おおかみ座・てんびん座
中旬かんむり座・こぐま座・じょうぎ座(☆)
ふうちょう座(☆)・へび座頭部
みなみのさんかく座(☆)
下旬さそり座

夏の星座
夏の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲M57 (環状星雲,こと座)
散光星雲M8 (干潟星雲,いて座)
M17 (ω星雲,馬蹄型星雲,いて座)
M20 (三裂星雲,いて座)
ほか天の川に多数
散開星団M21・M23・M24・M25 (いて座)
M6 ・M7 (さそり座)
ほか天の川に多数
球状星団M3 (りょうけん座)
M4・M80 (さそり座)
M5 (へび座),M10・M12 (へびつかい座)
M13・M92 (ヘルクレス座)
銀河(系外星雲)M51 (子もち星雲,りょうけん座)
M101 (おおぐま座)

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2023年7月のカレンダー

日 曜日月相天文現象
1水星(☿)が外合:14時6分
山開き・国民安全の日
2半夏生(太陽の黄経 100度):11時36分
水星が地球最遠(距離 1.328au):23時58分
3満月のイメージ満月:20時39分
4八せん終り
5月が最近(距離 0.937):7時25分
陰遁(いんとん)始め
7地球が遠日点を通過(距離 1.017au):5時07分
小暑(太陽の黄経 105度):17時31分
七夕
8不成就日
9浅草ほおずき市
10下弦の月のイメージ下弦:10時48分
浅草観音四万六千日
11初伏・一粒万倍日・三隣亡
12木星と月の合(離角 -2°04′):5時4分
13精霊祭・迎え火・靖国神社みたままつり
14一粒万倍日
15ぼん
16藪入り・えんま詣・送り火
不成就日
17🎌 海の日
18新月のイメージ新月:3時32分
20夏の土用の入(太陽の黄経 117度):7時26分
夏の土用の入りから立秋までの間に暑中見舞いを出す。
月が最遠(距離 1.057):15時57分
金星と月の合(離角 -7°19′):23時8分
21火星と月の合(離角 -2°58′):15時36分
中伏
22準惑星 (134340) 冥王星(♇)がいて座,+14等):12時52分
23大暑(太陽の黄経 120度):10時50分
不成就日・一粒万倍日・三隣亡
24地蔵ぼん
25十方ぐれ入り
26上弦の月のイメージ上弦:7時07分
一粒万倍日
30土用の丑
31やぎ座 α流星群🌠が極大
みずがめ座 δ流星群🌠が極大
不成就日

2023年/令和5年/皇紀2683年/平年/ 癸卯(みつのとう)

惑星用語の説明
月の形の変化について

7月のお話

文月
July
小暑と大暑
山開き・洗車雨・酒涙雨・送り梅雨・戻り梅雨・梅雨明け・梅雨明け十日・かんかん照り・油照り
Hay Moon(干し草の満月)
温風至(あつかぜいたる)
半夏生(ハンゲショウ)

文京ほおずき市(源覚寺)
文京ほおずき市(源覚寺)

データ出典

・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・流星 流星電波観測国際プロジェクト
・アルゴル極小 予報 – 日本変光星研究会
・東京都神社庁選定「神社暦」

2023年06月の星空

星空解説

 夜が短い上に梅雨空が続く6月は,星空を見上げるには条件が悪い季節です。けれど,梅雨の晴れ間には澄んだ空が広がります。

五月雨星

ミラ
雨夜の星ってカッコイイね!

 星空と無縁になりがちな梅雨空でハイライトになるのがこの星です。

 梅雨の晴れ間が広がった夜に空を見上げてみましょう。
 夕刻の薄明が終わる頃,天頂付近にオレンジ色の1等星が輝いています。

 これはうしかい座 のアルクトゥルス

 アルクトゥルスは,梅雨時の輝星らしく 雨夜の星(あまいのほし),五月雨星(さみだれぼし)など風情ある和名を持っています。

 また,麦が熟れる頃に昇る星であることから,麦星麦熟れ星麦刈り星などの異名も持っています。農事暦と共に生きた昔の日本人の生活が偲ばれますね。

 アルクトゥルスの探し方は 春の星座を探してみよう のページを参考にしてください。


6月の惑星

 4日に東方最大離角を迎える金星が,夕刻の西空で見頃です。

 また,かに座〜しし座を移動中の火星も夕刻の西空に見えています。22日には三日月と金星と火星が合となり,にぎやかな光景が見られます。

 6月の日没は遅いので,火星が肉眼で確認できるのは19時を過ぎてから。20時の地平線高度は20度程度で低い位置になりますが,ほぼ真西の方角で明るい金星と月が並んでいるので見つけるのは難しくありません。

金星と火星と月の合(2023年06月22日 20時)
金星と火星と月の合(2023年06月22日 20時)

ケイト
午前1時には南東の空で見やすくなるよ!

 土星はみずがめ座を移動中で,0時には南東の空に昇ってきます。

 土星の環は2009年に真横から見た後,北から眺める形になっています。2017年に一番大きく広がった姿になり,現在は広がりが狭くなっているところです。
 毎年様子が変わりますので,小望遠鏡があったらスケッチに残しておきましょう。

 惑星は繰り返しよく見ていると,だんだん目が慣れて模様や輪の様子が見えるようになってきます。スケッチは惑星を見る目を育てるのにとても良い手段です。

 望遠鏡を持たない方は,地域にある公共の天文台の観望会などを捜して行ってみましょう。

 木星はおひつじ座を移動中で,午前2時には東の空に昇ってきます。水星は日の出直前に東北東の空に昇ってきますが,高度が低く観察はとても難しいでしょう。


南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬おとめ座ケンタウルス座りょうけん座
中旬
下旬うしかい座・コンパス座(☆)

夏の星座
夏の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲
散開星団
球状星団M3 (りょうけん座),
NGC5139 (ω星団/ケンタウルス座)
銀河(系外星雲)M81・M82・M101 (おおぐま座),
M65・M66 (しし座),
かみのけ座~おとめ座銀河群

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2023年6月のカレンダー

日 曜日月相天文現象
1気象記念日
写真の日
電波の日
2一粒万倍日
3測量の日
一粒万倍日
4満月のイメージ満月:12時42分
金星(♀)が東方最大離角(離角45°24’):20時
天一天上
5世界環境デー
天しゃ
6芒種(太陽の黄経 75度):7時18分
7月が最近(距離0.949):8時6分
8不成就日
10時の記念日
11下弦の月のイメージ下弦:4時31分
入梅(太陽の黄経 80度):12時46分
13三隣亡
16不成就日
一粒万倍日
18新月のイメージ新月:13時37分
父の日
19海王星(♆)が西矩:12時54分
20小惑星 (3) ジュノーが:16時37分
21夏至(太陽の黄経 90度):23時58分
22金星が月と合(離角-3°31’):12時8分
火星が月と合(離角-3°34’):21時41分
旧端午
不成就日
23月が最遠(距離1.055):3時30分
沖縄慰霊の日
八せん始め
25三隣亡
26上弦の月のイメージ上弦:16時50分
28水星が近日点通過(距離 0.307au):3時47分
貿易記念日
一粒万倍日
29一粒万倍日
30大祓(おおはらへ)
夏越祭
不成就日

2023年/令和5年/皇紀2683年/平年/ 癸卯(みつのとう)

惑星用語の説明
月の形の変化について


6月のお話

水無月
June
芒種と夏至
入梅・梅雨・五月雨
Flower Moon(花の満月)
螳螂生(かまきりしょうず)
サクサイワマンの太陽の祭り
聖ヨハネ祭と Midsummer Day

テッポウユリ
テッポウユリ

データ出典:

・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・流星 流星電波観測国際プロジェクト
・東京都神社庁選定「神社暦」

2023年05月の星空

星空解説

 今年のゴールデンウィークは5月6日が満月で,後半になるほど月明かりの影響を受けます。
 ゴールデンウィークの頃は日差しが強く,天気がよいと昼間は暑いほど気温があがりますが,夜はぐっと冷え込みます。しっかり防寒して星空を楽しみましょう。


みずがめ座η流星群

ミラ
5日~7日の夜明け前だよ!

 毎年ゴールデンウィーク後半にピークを迎えるみずがめ座 η流星群は,母天体が有名なハレー彗星です。

 今年は7日の0時が極大で,放射点がまだ昇っていません。また一晩中月明かりがあり観察するには条件が今ひとつです。
 しかしながら,この流星群はピークの前後に比較的安定した活動を見せますので,5日~7日の夜明け前を中心に観察計画を立てましょう。みずがめ座 η流星群は12年周期で活発になる傾向が見られ,2023年〜2024年はその時期に当たります。

 みずがめ座 η流星群1時間に5個程度の流星群で,そもそも流れ星が次々に流れるような派手な流星群ではありません。しかし痕をともなう明るい流星が特徴で,火球が見えることもあります。
 輻射点(放射点)が秋の星座の みずがめ座 にあるため,群流星は東の空の低い位置から空を駆け上がるような経路を描いて流れます。

 輻射点が昇りきらないうちに薄明が訪れますので,群流星を観察できるのは,夜半過ぎから薄明が始まるまで。明け方の流星観測はゴールデンウィークの頃であってもかなり冷えます。十分に防寒対策を行いましょう。

 参考: 流れ星を見てみよう


5月の惑星

 水星は2日に内合となり,夜明け前の東の空に移動します。29日の西方最大離角に向かって高度を上げていきますが,29日の地平線高度も午前4時で10度未満。低くて観察は難しいでしょう。下に5月29日明け方の星図を載せました。

 今月は木星がうお座〜おうし座を移動中で,水星と同じ明け方の空に見えています。
 水星を探す際には木星が良い目印になります。双眼鏡などを準備しましょう。

水星の西方最大離角(2023-05-29 04:00)
水星の西方最大離角(2023-05-29 04:00)
ケイト
今月は観察しやすい惑星がないねぇ。

 土星は秋の星座,みずがめ座を移動中。夜半を過ぎると昇ってきて,明け方には南の空に見えています。

 金星は宵の明星。火星はふたご座〜かに座を移動中で,金星と同じく夕刻の西空に見えています。


南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません 。

上旬おおぐま座コップ座
中旬
下旬かみのけ座 ・からす座
はえ座(☆)・みなみじゅうじ座(☆)

春の星座
春の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲NGC3242 (うみへび座)
M97 (おおぐま座)
散開星団M44 (プレセペ/かに座)
球状星団M3 (りょうけん座)
NGC5139 (ω星団,ケンタウルス座)
銀河(系外星雲)M81・M82・M101 (おおぐま座)
M65・M66 (しし座)
かみのけ座~おとめ座銀河群

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2023年5月のカレンダー

日 曜日月相天文現象
2水星(☿)が内合:8時28分
八十八夜(立春を起算日とし88日目)
3🎌 憲法記念日
4水星が地球最近(距離 0.559au):22時56分
🎌 みどりの日
5🎌 こどもの日
端午
八せん終わり
6満月のイメージ満月:2時34分
立夏(太陽の黄経 45度):3時19分
甲子・不成就日
7みずがめ座 η流星群🌠が極大(条件悪):0時
8世界赤十字デー
9一粒万倍日
10天王星(♅)が:4時56分
天王星が地球最遠(距離 20.660au):12時41分
愛鳥週間
一粒万倍日
11月が最近(距離 0.961):14時05分
長良川鵜飼開き
12下弦の月のイメージ下弦:23時28分
看護の日
海上保安の日
14母の日
不成就日
15水星が遠日点通過(距離 0.467au):4時10分
17三隣亡
20新月のイメージ新月:0時53分
21小満(太陽の黄経 60度):16時09分
一粒万倍日
22一粒万倍日
23不成就日
26月が最遠(距離 1.052):10時39分
十方ぐれ入り
27旧海軍記念日
旧灌仏会(かんぶつえ)
28上弦の月のイメージ上弦:0時22分
土星(♄)が西矩:19時46分
29水星(☿)が西方最大離角(離角-24°53’):14時
三隣亡
30消費者の日
31火星が遠日点通過(距離 1.666au):5時32分
世界禁煙デー
不成就日

2023年/令和5年/皇紀2683年/平年/ 癸卯(みつのとう)

惑星用語の説明
月の形の変化について


5月のお話

皐月
May
立夏と小満
筍梅雨・青嵐・メイストーム・茅花流し・走り梅雨・卯の花腐し
Milk Moon(ミルクの満月)
蛙始鳴(かわずはじめてなく)
八十八夜(はちじゅうはちや)

紫陽花(銀河)
紫陽花(銀河) 白山神社にて(2020-05-09)

データ出典:

・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
流星電波観測国際プロジェクト
・東京都神社庁選定「神社暦」

2023年04月の星空

星空解説

ミラ
4月1日の東京は
日の出 5:29
日の入 18:02
だよ!

 春分が過ぎ夜が短くなる4月です。

 この頃は,花曇りや菜種梅雨で天気は安定しません。
 弱まったシベリア気団から南下してくる移動性高気圧が次々と日本列島を通過します。移動性高気圧に挟まれると気圧の谷ができたり,高気圧が北の方を通ると停滞前線が現れたりするのです。

 また,晴れても春霞で空はぼんやりしています。星を観察する条件は今ひとつですが,大気の状態は安定していますので,小望遠鏡で月や惑星を見るには良い季節です。


2023年4月の惑星

水星が見頃

ケイト
水星を見る機会は貴重だよ!

 水星が12日に東方最大離角を迎え,夕刻の西空で見やすくなります。
 東方最大離角の頃は,日没直後の東京での地平線高度が10度を超え好条件です。

 水星としては見やすい高度となりますが,それでも大変低い位置です。
 地平線近くの低い星は大気による減光で暗く見えます。空がよく開けたところで,双眼鏡などを準備して探してみましょう。

2023年4月12日 18時30分 水星と金星
2023年4月12日 18時30分 水星と金星

金星と火星は夕刻西空

 金星は水星と同じく夕刻の西空に宵の明星として見えています。
 火星は,やはり夕刻の西空で,ふたご座を移動中です。

 木星は12日にとなり見えません。土星はみずがめ座を移動中で夜明け前の東の空に出ています。


金環皆既日食

 20日の新月では金環皆既日食が起こります。
 金環皆既日食が観測されるのは東南アジアやオーストラリアなどで,中心食帯の東西の端では金環日食が見られ,中心食帯では皆既日食となります。

 日本では,南西諸島・九州地方南部・四国地方南部・近畿地方南部から関東地方南部・伊豆諸島・小笠原諸島などで部分日食が見られます。

食の始め食の最大
最大食分
食の終わり
那覇13時35分38秒14時21分15秒
0.150
15時05分30秒

 金環皆既日食とは,観測場所によって金環日食になったり皆既日食になったりする日食で,大変珍しい現象です。
 地球の場所によって月との距離ほんの少し異なっているため,その微妙な違いによって地球に落ちる月の影の大きさが変わり,皆既になったり金環になったりするのです。

 今回の金環皆既日食は,2013年11月3日以来となります。
 日食については,日食を見てみよう のページを参考にして下さい。


4月こと座流星群

ケイト
流星群といっても,1時間に数個。
期待しすぎないでねー。

 4月こと座流星群は,23日午前10時頃にピークが予想されています。
 こと座が高く上ってくるのは夜半頃で,夜半から明け方までが見頃な時間帯です。今年は月齢3で月明かりの心配もありません。1時間に数個程度の群流星が予想されています。

 4月こと座流星群はピークが鋭いため,流星観察に適しているのは22日~23日の夜となります。前後の夜では数がぐっと減ってしまいます。

 流星観測は冷え込みますので,4月後半ですが,しっかりと防寒対策をしましょう。
 観測は,流れ星を見てみよう のページを参考にして下さい。


南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません 。

上旬らしんばん座
中旬ほ座
下旬うみへび座・カメレオン座(☆)
こじし座・しし座・ポンプ座・ろくぶんぎ座

春の星座
春の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲NGC3242 (うみへび座),M97 (おおぐま座)
散開星団M44 (プレセペ/かに座)
銀河(系外星雲)M81・M82・M101 (おおぐま座),
M65・M66 (しし座),
かみのけ座~おとめ座銀河群

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2023年4月のカレンダー

日 曜日月相天文現象
2一粒万倍日・三隣亡
5清明(太陽の黄経 15度):10時13分
天一天上
6満月のイメージ満月:13時35分
三隣亡
7世界保健デー
8灌仏会(かんぶつえ)
花まつり
9イースター
11メートル法公布記念日
12水星 (☿) が東方最大離角:07時(離角19°29’)
木星 (♃)が:07時07分
世界宇宙飛行の日
一粒万倍日
13下弦の月のイメージ下弦:18時11分
木星が地球最遠:23時38分(距離 5.955au)
15準惑星 (136199) エリスが:04時05分
一粒万倍日
16月が最近(距離 0.957):11時24分
不成就日
17春の土用の入り(太陽の黄経 27度):15時36分
18発明の日
三隣亡
20新月のイメージ新月:13時13分(金環皆既日食)
穀雨(太陽の黄経 30度):17時14分
準惑星 (136108) ハウメアが :17時33分
郵政記念日・不成就日
21水星と月が合(離角 1°45’):17時05分
22旧ひな祭
234月こと座流星群🌠 が極大:10時
金星と月が合(離角 -1°17’):21時43分
24小惑星(4)ベスタが :17時32分
八せん始め・一粒万倍日
27一粒万倍日
28上弦の月のイメージ上弦:06時20分
月が最遠(距離 1.052):15時43分
不成就日
29🎌 昭和の日
30三隣亡

2023年/令和5年/皇紀2683年/平年/ 癸卯(みつのとう)

惑星用語の説明
月の形の変化について


4月のお話

卯月
April
清明と穀雨
菜種梅雨・花冷え・花曇り
 Egg Moon(復活祭の満月)
・ 玄鳥至(つばめきたる)
イースター・エッグ(Easter egg)
セイヨウカラシナ

桜花
桜花

データ出典:

・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・流星 流星電波観測国際プロジェクト
・東京都神社庁選定「神社暦」

2023年03月の星空

星空解説

ミラ
暖かくなって早起きも楽になったね!

 春分を迎える3月は,ぐんぐんと日が長くなっていきます。春分や秋分の頃は,日の出や日没の位置も日々大きく移動します。

 空は春霞で菜種梅雨で雨も増えますが,春になると大気が安定します。小望遠鏡で月や惑星の観察には良い季節です。


月と火星の合

ケイト
惑星と月のランデブーぜひ見てみよう!

 今月は,水星は外合を迎えて観察には不向き。木星と金星は夕刻の西空低く見えていますが,徐々に見えにくくなっていきます。土星も日の出前の東の空低い位置。
 唯一見やすい位置に出ているのがおうし座を移動中の火星です。

 月末には,細い月と接近する様子が観察できますので,月と火星の位置関係が毎日変わっていく様子を見てみましょう。

2023年3月28日 20時 月と火星の合
2023年3月28日 20時 月と火星の合

南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬いっかくじゅう座ふたご座
中旬こいぬ座とびうお座(☆)・とも座やまねこ座
下旬かに座 ・りゅうこつ座

春の星座
春の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲M1 (かに星雲/おうし座),M97 (おおぐま座)
散光星雲M42 (オリオン大星雲/オリオン座)
散開星団M35 (ふたご座),M36・M37・M38 (ぎょしゃ座),M44 (プレセペ/かに座)
銀河(系外星雲)M81・M82・M101 (おおぐま座),M106 (りょうけん座)

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2023年3月のカレンダー

曜日月相天文現象
1不成就日・一粒万倍日
3上巳(桃の節句)
4月が最遠(1.057):03時00分
6啓蟄(太陽の黄経 345度):05時36分
八せん終わり
7満月のイメージ満月:21時40分
9不成就日・一粒万倍日・三隣亡
11水星(☿)が地球最遠(距離 1.369au):10時13分
15下弦の月のイメージ下弦:11時08分
16海王星(♆)が:08時39分
一粒万倍日
17火星(♂)が東矩:03時10分
海王星(♆)が地球最遠(距離 30.905au):06時05分
水星(☿)が外合:19時45分
不成就日
18春の彼岸入り
20月が最近(0.944):00時13分
21春分(太陽の黄経 0度):06時24分
準惑星 (1) ケレスが :16時40分
🎌 春分の日
社日・天しゃ・一粒万倍日・三隣亡
22新月のイメージ新月:2時23分
23アルゴル型食変光星 アルゴル極小:19時25分
世界気象デー・不成就日
24春の彼岸明け
25電気記念日
27十方ぐれ入り
28火星が月と合(離角 -2°18′):22時19分
一粒万倍日
29上弦の月のイメージ上弦:11時32分
30準惑星 (136472) マケマケが:03時57分
31月が最遠(1.053):20時17分
不成就日

2023年/令和5年/皇紀2683年/平年/ 癸卯(みつのとう)

惑星用語の説明
月の形の変化について


3月のお話

弥生
March
啓蟄と春分
春一番・花散らし・春嵐
Lenten Moon(受難節:レントの月)
蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)
灰の水曜日(Ash Wednesday)
聖パトリック祭(St Patrick’s Day)
イースター・エッグ(Easter egg)

シロバナタンポポ
シロバナタンポポ

データ出典:

・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・流星 流星電波観測国際プロジェクト
・アルゴル極小予報 予報 | 日本変光星研究会
・東京都神社庁選定「神社暦」

2023年02月の星空

星空解説

 今年の2月は金星と木星が夕刻の西空にあり,夜半頃までおうし座を移動中の火星を見ることができます。

ミラ
冬の星空は綺麗だよ!

 2月には有名な流星群などはありませんが,関東以南の地方では長寿の星,カノープスを見るチャンスです。詳しくは 冬の星座を探してみよう のページを参考にしてください。

 厳寒期の星空観察はとても冷えます。
 十分な防寒対策をしましょう。

2023年2月15日 18時の星空
2023年2月15日 18時の星空

冥王星の日

ケイト
9番目の惑星だったのに小惑星134340番って何だか不憫だなぁ。

 毎年2月18日は「冥王星の日」です。
 1930年のこの日に,冥王星がアメリカの天文学者トンボーによって発見されたことが由来です。

 古来から知られていた惑星は,水星・金星・地球・火星・木星・土星の6つでした。
 1781年にイギリスの天文学者ハーシェルによって天王星が発見され,1846年にドイツの天文学者ガレらによって海王星が発見され,更に天王星や海王星の軌道が計算値と合わないことから発見されたのが冥王星でした。

 冥王星は発見以降ずっと,太陽系の一番外側を回る9番目の惑星とされてきましたが,2006年8月の国際天文学連合(IAU)総会で惑星の定義が定められ,惑星の定義から外れてしまいます。

 同時に新たに「準惑星」という分類が設けられ,冥王星はそこに属することになったのでした。9番目の惑星だった冥王星には「134340」という小惑星番号が与えられました。

※ クライド・ウィリアム・トンボー(Clyde William Tombaugh, 1906〜1997)


黄道光

 2月~4月は夕空の黄道光が観望好期です。
 黄道光とは日没直後に黄道に沿ってぼーっと見える光芒ですが,空が暗く澄んだところでしか見られません。山などへ行く機会があったら,日没直後の西の空を注意して眺めてみてください。


南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬うさぎ座オリオン座がか座(☆)・テーブルさん座(☆)・はと座
中旬ぎょしゃ座きりん座
下旬おおいぬ座

冬の星座
冬の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲M1 (かに星雲/おうし座)
M97 (おおぐま座)
散光星雲M42 (オリオン大星雲/オリオン座)
散開星団M35 (ふたご座)
M36・M37・M38 (ぎょしゃ座)
M45 (プレアデス星団,すばる/おうし座)
銀河(系外星雲)M81・M82・M101 (おおぐま座)
M106 (りょうけん座)

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2023年2月のカレンダー

曜日月相天文現象
1不成就日
2一粒万倍日
3節分
4立春(太陽の黄経 315度):11時43分
天王星(♅)が東矩:11時50分
月が最遠(距離 1.057):17時55分
旧正月節・天一天上
5アルゴル型食変光星 アルゴル極小:22時21分
初午・一粒万倍日
6満月のイメージ満月:03時29分
7北方領土の日
8アルゴル型食変光星 アルゴル極小:19時10分
こと始め・針供養
10旧二十日正月・三隣亡
11🎌 建国記念の日
紀元祭
12一粒万倍日
14下弦の月のイメージ下弦:01時01分
15横手かまくら
16土星(♄)が地球最遠(距離 10.811au):21時08分
17土星(♄)が:01時48分
二の牛・不成就日・一粒万倍日
18冥王星の日
19雨水(太陽の黄経 330度): 07時34分
月が最近(距離 0.932):18時06分
20新月のイメージ新月:16時06分
21二日灸・不成就日
22三隣亡
23🎌 天皇誕生日
天長祭・八せん始め
24一粒万倍日
27上弦の月のイメージ上弦:17時06分
旧こと始め・旧針供養
28アルゴル型食変光星 アルゴル極小:20時53分

2023年/令和5年/皇紀2683年/平年/ 癸卯(みつのとう)

惑星用語の説明
月の形の変化について


2月のお話

如月
February
立春と雨水
スターダスト現象・氷霧・星のささやき・光の春
Wolf Moon(オオカミの満月)
東風解凍 (はるかぜこおりをとく)
キャンドルマス(Candlemas Day)
節分(せつぶん,せちぶん)
太巻き寿司の丸かぶり
宝積寺の豆撒式
灰の水曜日(Ash Wednesday)

不忍池のユリカモメ
不忍池のユリカモメ

データ出典:

・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・流星 流星電波観測国際プロジェクト
・アルゴル極小予報 日本変光星研究会
・東京都神社庁選定「神社暦」

2023年01月の星空

 2023年(令和5年・皇紀2683年)は平年。干支は 癸卯(みつのとう)です。
 今年も宜しくお願い致します。

星空解説

しぶんぎ座流星群

ミラ
今年のしぶんぎ座流星群は条件悪いんだって。

 年始の空を飾るしぶんぎ座流星群(りゅう座 ι流星群 )ですが,今年は満月前の明るい月明かりがある上,ピークが昼間,4日の12時。ピークが鋭い流星群ということもあり,残念ながら条件は良くありません。
 一番観測に適しているのは4日未明の月が低く傾いた後,薄明が始まるまでの間です。この日の月没から薄明開始までは,約1時間です。

 しぶんぎ座流星群の放射点は,りゅう座とうしかい座の境界付近。高く上がってくるのは夜半過ぎです。このため,月明かりを考慮せずともこの流星群の観測に適した時間帯は,放射点が高くなる午前2時を過ぎてからになります。
 月明かりが目に入らないよう,東の空を中心に見るようにしましょう。

 しぶんぎ座流星群は三大流星群の一つで,極大事のZHR=120です。新月なら1時間あたり60個程度の流星が期待できますが,月明かりの影響を受ける今年はもっと少なめになります。

 長時間空を見上げる流星観察には,しっかりとした防寒対策が必要です。流れ星を見てみよう のページを参考に,事前に安全な観察場所を捜して備えるようにしましょう。


水星の西方最大離角

ミラ
水星を見るのって難しい!

 30日,明け方の東の空で水星が西方最大離角を迎えます。
 日の出直前の午前6時の東京で,水星の地平線高度は7.5度。南東の空の地平線ぎりぎりに見えています。

 探してみる場合は,低い空までよく見える場所で,双眼鏡などを使いましょう。地平線近くの空では,大気による減光で星は実際の光度より暗く見えます。

 水星は動きが速いので,最大離角の前後3日間くらいが見頃です。


火星が見頃

 12月にを迎えた火星が観測好期です。
 1月半ばの午後9時くらいに丁度南中を迎え,夜の早い時間帯に見やすい位置に見えています。

 下の図は,1月15日午後10時の星空の様子です。

2023年1月15日 22時の星空
2023年1月15日 22時の星空

2023年で一番遠い満月

 1月7日の満月は,月が地球最遠となる1月8日の前日で,2023年で一番遠い満月となります。
 冬の月は天頂高くまで上ることもあり,低い夏の月と比べ見かけ上小さく見える効果も働きます。

 なお,2023年の一番近い満月,スーパームーンは8月31日。この日は8月2回目の満月なのでブルームーンでもあります。
 月が近いときと遠い時では,下の写真くらい大きさが違っています。

満月の大きさ比較
遠い満月と近い満月の大きさ比較

南中する星座

午後8時(20時)に南中を迎える観察しやすい星座たちです。
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。

上旬とけい座(☆)・ペルセウス座
中旬エリダヌス座レチクル座(☆)
下旬おうし座・かじき座(☆)・ちょうこくぐ座

冬の星座
冬の全天星図


見やすい星雲星団

惑星状星雲M1 (かに星雲/おうし座)
散光星雲M42 (オリオン大星雲/オリオン座)
散開星団M35 (ふたご座),
M36・M37・M38 (ぎょしゃ座)
M45 (プレアデス,すばる/おうし座)
銀河(系外星雲)M81・M82 (おおぐま座)

星雲星団を見よう
星雲星団一覧表


2023年1月のカレンダー

曜日月相天文現象
1🎌 元日
日の出:札幌07:06,仙台06:53,東京06:50,名古屋07:01,大阪07:05,福岡07:23,那覇07:17
歳旦祭・初詣・年賀
2休日
初夢・初荷・書初め・皇居一般参賀
4しぶんぎ座流星群 が極大:12時(条件悪)
官庁御用始め
5地球が近日点を通過(0.983au):01時17分
6小寒(太陽の黄経 285度): 0時05分
六日年越し・天しゃ・一粒万倍日
7 満月のイメージ 小惑星 (2) パラスが:04時02分
満月:08時08分
(2023年で一番小さな満月)
水星(☿)が内合:21時57分
8月が最遠(距離 1.057):18時19分
9🎌 成人の日
初卯・一粒万倍日
11鏡開き・蔵開き・初巳
13アルゴル型食変光星 アルゴル極小:23時49分
不成就日
15下弦の月のイメージ下弦:11時10分
小正月・小豆がゆ
16アルゴル型食変光星 アルゴル極小:20時38分
藪入り・えんま詣
17冬の土用の入(太陽の黄経 297度):18時48分
阪神淡路大震災
18準惑星 (134340) 冥王星(♇)が:23時44分
初観音・一粒万倍日
20大寒(太陽の黄経 300度):17時30分
二十日正月
22新月のイメージ新月:05時53分
月が最近(距離 0.928):05時57分
旧元日
23土星 (♄)と金星 (♀)の合(離角 0°21’):07時13分
24初地蔵・初愛宕・不成就日・三隣亡
25初天神
26文化財防火デー・十方ぐれ入り
27国旗制定記念日
28初不動・旧七草
29上弦の月のイメージ上弦:0時19分
30水星(☿)が西方最大離角(-0.6等,離角24°58′):15時
一粒万倍日

2023年/令和5年/皇紀2683年/平年/ 癸卯(みつのとう)

惑星用語の説明
月の形の変化について


1月のお話

睦月
January
小寒と大寒
霧氷・雪起こし
Moon After Yule
・ 芹乃栄(せりすなわちさかう)
節句
福笹
公顕祭とクリスマス・ツリー
どんどや

癸卯(2023)
癸卯(2023)

データ出典:

・暦 国立天文台 電算室
・流星 IMO | International Meteor Organization
・流星 流星電波観測国際プロジェクト
・アルゴル極小予報 予報 | 日本変光星研究会
・東京都神社庁選定「神社暦」

ケイトとミラの皆既月食&天王星食

登場人物

ケイト
ケイト(Cetus)
6月24日生まれ,かに座B型。
人見知りだがミラとは仲良し。
読書やパソコンが好きなインドア派。
自然科学が好きで天文にも詳しい。
真面目すぎてちょっと頑固。
愛称ケイちゃん。
ミラ
ミラ(Mira)
12月13日生まれ,いて座O型。
元気で好奇心旺盛。
最近の流行は何でもやってみたい。
実はとても努力家。
お洒落も勉強も好きで頑張る。
愛称ミーちゃん。
ケイトとミラの天文小話  目次

442年ぶりとは!?

ミラ

今年は晴れてよかったねー。
前回の皆既月食は2021年5月26日だっけ?
せっかく待ち構えていたのに
見事に曇って残念だったものね!


ケイト

朝から晴れまくっていたものね。
晴れたら見なくちゃいけないし疲れる…
と思ったけれど,やっぱ見ちゃうね。
満月が昇ってくるとワクワクしちゃう。


ミラ

今回は天王星食で大騒ぎだったね。
1580年以来442年ぶりとか言って。
天王星って5等〜6等級で暗いのに,
みんな見えるつもりなのかと心配だったよぉ。


ケイト

全く。メディアがうるさくて,うんざりだったわ。
1580年7月26日は土星食だったのですってね。
土星なら楽しかったでしょうねぇ。
でも屈折望遠鏡発明は1608年。肉眼の時代だね。


ミラ

そうそう「442年ぶり」が一人歩きしてたね。
442年前も天王星食だと思われてたっぽい。
天王星発見は1781年だから,
今回は人類初の皆既中天王星食だった(^^;。


けっこう暗い皆既だった

ケイト

2022年11月8日の皆既月食は,最大食分1.364。
本影深くまで入り込んだ,比較的深い月食だったね。
皆既の継続時間も長かったし,
けっこう暗い皆既だった気がしたよ。


ミラ

暗かったね!最近火山の噴火が多かったから?
1982年12月30日の皆既月食は,
月の位置がわからなくなるほど暗かったらしいけど,
メキシコのエルチチョン火山の大爆発が原因だったのだって。


ケイト

そうそう,1982年は噴火のエアロゾルの影響で,
夕焼けが異常に赤かったりしたらしいよね。
そういうの見てみたいなぁ。
災害が起こったり冷夏で作物不作は困るけど…。


天王星も見えた!

ミラ

カメラちゃんと三脚につけて準備したのだけど,
やっぱレリーズなしじゃぶれちゃうね。
でもまぁ,ぶれてはいるけど,
天王星が月に近づいていく様子は撮影できたよ!

皆既中の月と天王星(2022-11-08 19:18)
皆既中の月と天王星(2022-11-08 19:18)
皆既中の月と天王星(2022-11-08 20:35)
皆既中の月と天王星(2022-11-08 20:35)
皆既中の月と天王星(2022-11-08 20:39)
皆既中の月と天王星(2022-11-08 20:39)

ケイト

天王星食の始まりが,皆既終わりの1分前だったよね。
本影が過ぎ去ろうとしているのがわかる。
そして,こうして見ると,
月って凄い勢いで天球上を動いているのがわかるね。


次の月食とか惑星食は?

ミラ

ともかく撮れたから満足^^
で,次に日本で皆既食中に惑星食が起こるのは,
2344年7月26日の土星食だって。
前回が1580年7月26日の土星食ってことは,
何か,7月26日って土星食の特異日!?


ケイト

「皆既中」じゃなくて「月食中」に条件を変えると,
前回に日本で見られた惑星食は,
2014年10月8日の皆既月食の部分食中の天王星食。
次回はやっぱり2344年7月26日の土星食だって。


ミラ

天王星と土星ばかりだね。
ともかく月食&惑星食コラボは珍しいということで。
で,次に日本で皆既月食が見られるのは,
2025年9月8日。3年後。


ケイト


3年後,どんな世界になっているかしらね!
また晴れて見られるといいね!